寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
ガルミネ死地の奥深くを目指して進むヨナギとサキサ。たった今自己進化体に襲われ殺されかけたわけだが、足を止めることにはならなかった。それは間違いなく正義感からくるものだ。
「…ああいうタイプは群れることが多いわ…」
サキサがふと呟いた。ヨナギは耳を疑った。
「群れる…?」
「ええ。比較的小型な部類の自己進化体だった。小型は複数体で素早く狩りをすることが多いのよ」
ヨナギの目に僅かな不安がよぎった。チラリとサキサの方を見るが、彼女は依然として警戒を持った真顔だった。
「…それにしても、私さっきからちょっと調子が出ないかも。」
ヨナギは少し露骨に話題を変えすぎたかと不安になったが、サキサは真剣に向き合った。あんな実力のメアノイドが大量にいるなんて想像したくもなかったのだ。
「きっとそれがこの死地の特徴ね。街全体が死地になっていて、街全体が傾いている。感覚が狂うのも無理ない。」
「でもそのおかげで道に迷うことはなさそうかも。上から来たって覚えとけば…」
「それもそうね」
ヨナギは横目で本人に悟られないようにサキサの横顔を見つめた。相変わらず真顔で青色のバイザーが頭で輝いている。サキサは一見すると無感情なように見えるが、実際には全くそんなことはない。本心から自分の仲間を大切にしているのだ。自己進化体に襲われた時の素早い動きを見て改めて実感した。あんな動き、本当に仲間を大切にしていないとできない。
「少しの間休息を取る?私は構わないわ。」
サキサが私の目を見て言った。そんなに何気なく気を使ってくるのはずるい。
「ううん、大丈夫。心配してくれてありがとね…。」
ヨナギは優しくも力強い声で言った。サキサは即座に電磁刀を構え直し、一瞬にして隙のない臨戦体制に戻っていた。ヨナギも銃を持ち直し、敵の襲来に備えた。
その時、どこかからカサリと音が聞こえた。おそらくサキサにも聞こえただろう。
「今の…」
「メアノイドの移動時に発生する関節音…」
「でもどこから…?」
周りにはメアノイドが隠れられるようなビルや瓦礫はもうほとんどない。2人は広い道路の真ん中に立っている。にも関わらず、メアノイドの音はすぐ近くで聞こえたように感じた。
サキサは一切の隙もなく電磁刀を構えて立っている。静かだがとても迫力がある。それとは別に、息が詰まるような緊張感も感じる。少し遠くの地面には、くり抜かれたように崩れた大きな穴が見える。
「あ…あそこって写真に写ってる場所。」
「…はっ」
サキサが何か息を呑むかのような声を出した。ヨナギは振り返る。
「…この街が傾いている理由が、すべての疑問の理由かもしれない。」
サキサは不可解なことを口にした。ヨナギはよくわからず少し銃を下ろして歩き寄る。
「街が傾いてる理由は…たしか地面の下がスカスカになって空洞が…」
あっ。
ヨナギはことを察した。サキサが頷く。
「この死地の本領は…地下よ」