寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
この世には「クロソイド」と呼ばれる人種がいる。
人間であるにも関わらず、人間以外の遺伝子情報を持っている存在。言うほど珍しい存在ではない。だが同時に期待されることもない。
私はその遺伝子が濃く出た。一般的には「半龍」と呼ばれる存在なのだ。見かけだけの翼や尾を持つものも多い。
半龍はか弱いため、私はすぐに死ぬだろうと言われた。それを聞いて私の親は私を捨てた。悲しいはずもない。私にとっての普通は、それなのだから。
ずっと苦労してここまで生きてきた。黒光りする尾は邪魔だし、色々なことの限界が人よりも近かった。それでも私は刀を振った。
もう2度と理不尽を起こさないために、私はメアノイドを斬り続け、いつしか「黒狩りの月影嘉」となった。
「月影さん?」
1人の研究員が嘉に話しかける。
「…少し過去に浸っていたまでだ。何かあったか?」
「ガルミネ死地の危険度が1にまで引き下げられたそうです。月影さんが死地内のメアノイドを全滅してくださったので危険性が大幅に下がったようです!」
「そうか。何よりだ」
嘉はそっけなく言い放つと、本部の上階にある自身の部屋へ閉じこもった。
同じ頃、本部の会議室では深刻な空気が流れていた。
「地下に溜まり場が…」
「そういうわけです」
ヨナギが支配長に答えた。サキサは自室で休んでいる。
「しかし月影隊長が死地にいるメアノイドを全て抹殺してくれた。これであの死地の危険度は下げられたが…」
「え?…全て?」
「どうにも未確認の自己進化体のことが気がかりだ…あの死地にだけいるということはあり得ないだろう…他に長期間放置されている死地はないか?」
支配長はヨナギのツッコミを無視して研究員に尋ねる。
「該当する死地が複数見つかりました…ディッパー死地、マニオーガ死地、グレイデル死地等です。特にディッパー死地は地形の複雑さや規模の小ささからあまり探査が進んでいません。」
「どういう死地なんです?」
「遊園地施設一つが飲み込まれた死地だ。遊具の崩壊や迷路のような地形が複雑かつ危険なのだが…そろそろ手をつけないとダメか…」
支配長はふーっと長く息を吐いた。
「仕方ない、今夜にでも向かうとしよう。二級以上の兵士を集めよう。あと君もだ」
支配長はヨナギを指差した。
「だが君に作戦長を任せたのは失敗だったらしいな。そこは予想外だったぞ」
「す…すみません…」
「私への謝罪はいい。次はもっと慎重に行動してくれ。」
会議が終わり、ヨナギは自室へ戻る。あの新種の自己進化体は「MutantOnner」と名付けられた。
「もう少し休まないとか…」
ヨナギは今夜の作戦に備えて、ソファで休息を取ることにした…。