それでも構わないなら読んでください。
ぶっちゃけあらすじ詐欺に近い内容です。
とある路地裏。
「で、これで全部?黙秘したら他の奴ら同様壁のしみになってもらうからな?」
少年は右手で一人の男の首を掴み、壁に押し付けながら笑顔で問う。
その周囲は異様に紅かった。
それが意味するのは一つだった。
故に首を掴まれた男は恐怖で過呼吸になりながら涙目である。
「そうです……そうですよォ!?俺らはこれで全員ですよォォォ!!」
「嘘はねぇな」
「は、はい!!もちろんです!!」
男の様子を確かめながら嘘かどうかをじっくり判断する。
情報と人数はあってる上にこの様子である。
嘘では無いだろう。
「よし…………なら死ね」
「は?」
男が声を出した時には終わっていた。
いつの間にか左手には紅い針があり、それが男の脳天を貫いていた。
死亡したのを確認するとそこらへんに投げ付ける。
「これでお仕事完了、と。あとは姉御に報告すれば終わりだな」
血肉で真っ赤に染まった道から遠ざかりながら呟く。
少年の名は紅崎 黒白(べにさき こはく)。
傍目から見たら普通の人間ではあるが、これでも吸血鬼である。
今の時代、自身の特性をいじる技術はありふれている。
故にたとえ日光が出ていようと平気で外を歩ける。
短所を消す代わりに長所と言える部分も消えるのでどういじるかは本人次第ではあるが。
黒髪に短髪で黒スーツ、見た目としてはそうおかしくない。
“境”が崩壊した数千年前は様々な文化が入り混じっていたが大体は人界に合わせられる様になった。
それは上位存在は世界を崩壊させかねなかったからだ。
純粋な神や魔王は聖気や障気が満ちた天界や魔界に近い環境のエリアから出るとその存在の強大さ故に世界そのものに影響を与えてしまう。
あらゆる世界が混じった故に世界は脆くなったのだ。
なので、上位存在が自由にする為には神格を落とすしかなかったのだった。
神格を落とした上位存在は寿命に縛られる。
上位存在が死んだ場合は似た様な性質を持つ者に神格が移る。
それ故にもはや種族の境すらも曖昧になっていた。
だから、虫は平気で殺せても犬を殺すのに抵抗があるという生死感の“境”も曖昧になり、個人の価値観による物が大きくなっていた。
それによって安全区と呼ばれるエリア以外は非力な者にとってかなり危険であった。
とはいえ、黒白はそこらへんを分かった上で殺っているが。
あくまで仕事の依頼があったから殺っただけであった。
携帯を取り出すとネクタイを緩める。
仕事という事でキッチリ絞めていたが多少キツかったのだ。
ネクタイを緩めた事により、首から異様な物が見える。
首輪であった。
それは誰かの所有物である事を意味しているわけではない。
監視対象の証であった。
報告をしようとした所でちょうどよく電話が掛かって来た。
「もしもし」
『私よ』
「姉御でしたか!!ちょうどいい、今報告しようと……」
『あぁ、それは把握してる』
「なら、何の用で?」
『今すぐ戻って来い。そうだな……二十分以内かな』
「ちょ、姉御!?此処はZ区ですよ!?姉御の家のあるF区までどれだけあると思って………」
『うるさい、下僕。遅れたら血をやらないわよ?』
「了解、五分で戻ります」
そこで通話が切れる。
電話の相手は黒白が所属している会社の社長とも言える人物だった。
会社と言っても所属しているのは数人だが。
黒白は困った顔をしながらも何かを期待するかの様に笑う。
とりあえずの問題はどうやって街の端から端へ十分で行くかだった。
◆◆◆◆◆
黒白達がいる街はA区からZ区までの26個の区に分かれていた。
その内、十区は危険区扱いだった。
黒白が先程までいたZ区は危険区と安全区の境とも言える区域だった。
ちなみに街の外はもれなく危険区である。
街の端から端まで移動するとなり、仕方無く吸血鬼の身体能力を全開にしてダッシュする事で何とか事務所まで辿り付いたのだった。
あいにくと霧化は弱点と共に消えていた。
インターホンで間に合った事を確認してから社長室を目指す。
事務所と社長の家を兼ねてるので割りと広かったりするのだ。
社長室の前までくるとちょうど金髪の少年が部屋から出てくる所だった。
金髪の少年の首にも首輪はあった。
金髪の少年と黒白は目が合うなり、顔を歪める。
「チッ、吸血鬼。お前は何で此処にいる?」
「俺か?姉御に呼ばれたに決まってるだろうが、狼男」
互いに露骨に悪意を混ぜながら言う。
もはや睨み合ってるに近い。
金髪の少年の名は狗神 不炎(いぬかみ ふえん)。
二人は根本的に相性が悪かった。
「そもそもさ。お前の様な奴が姉様の近くにいるのが気に入らないんだよ。早く死んでくれないかな?」
「それは此方の台詞だ、駄犬。俺はテメェの様なのが特に嫌いなんだよ」
「へぇ、気が合うな。俺も君は嫌いだよ」
殴り合いに発展しそうな雰囲気になった時だった。
社長室の扉が勢いよく開かれる。
「私の部屋の前で騒ぐな!!下僕と犬はそんな事も分からないの?」
「「すみませんでした!!」」
今までの雰囲気をガラリと変えて社長室から出てきた少女に土下座した。
二人とも少女には頭が上がらないのだ。
少女の名は、墓守 青葉(はかもり あおば)。
彼らの監視役であり、管理人であった。
が、そんな役職は二人には関係無い。
二人とも純粋に青葉を慕ってるからこその態度だった。
「ったく、あんたら“封印指定”が安全区に住めるのは私が監視役だからという事を忘れるなよ?」
「「重々承知です!!」」
「なら、よし。犬は犬小屋に戻って書類を片付けとけ。下僕は話があるからとりあえず入りなさい」
指示を出され、素直に従う。
土下座から立ち上がる一瞬に睨み合いが発生するがそれは無視する青葉であった。
社長室に入るなり、青葉は椅子に座り、机の上の書類を手に取る。
黒白は机の前に立つ黙って立つ。
「さて、何で呼び出したか分かるかしら?」
「いえ」
「そう。なら、説明してあげる。簡単に言えばあんたやり過ぎ」
「と言いますと?証拠は残してませんよ?」
死体は肉片レベルに散らすか、脳天を正確に貫いていたいるので証拠など把握しようが無いはずだ。
「それは分かってるわよ。もうちょっと綺麗に殺せと言ってんのよ。掃除屋使うにも金がいるのよ?」
「あぁ……そういう事ですか。けど、姉御。屑には相応しい殺り方というのが………」
「黙れよ、下僕」
その一言で空気が変わる。
冷たく凍える様に。
「確かに子供を生け贄にしようとした奴らはあんたが過剰に反応するのも分かるわよ。そして、今回だけなら許してるわよ。でもね、それを毎度……数十件も起こされるのは面倒なのよ」
「暗黙の了解ってやつですか?」
「そうよ。十年前に目覚めたばっかのあんたはまだ把握し切れて無いでしょうがこういう仕事は目立たずやる物なのよ。あんたみたいに掃除の必要がある殺り方は迷惑なのよ」
明確なルールと言うわけではない。
生死感が個人によって違うこの時代で死に過剰に反応するのはいない。
だが、それでもやっていい範囲と言う物がある。
普通に殺る分ならともかう肉片も残らないレベルで潰すのはさすがに駄目なのだ。
「それでどうしろと?」
「とりあえず、掃除代はあんたの給料から引いとくとしてあんたはまず“表”を知りなさい」
「それに何の意味が?」
「そろそろあんたも“表”の身分を持つべきと思っていてね。そのついでよ」
「はぁ」
困惑する様に頷く。
これまで“裏”の仕事ばかり請け負って来たのにいきなり“表”を知れと言われても困るだけなのだ。
青葉は悪戯っぽい笑みを浮かべ、何処か楽しむ様に告げる。
「一先ず、高校から始めましょうか」
これが紅崎 黒白の“表”の始まりだった。
いきなり血塗れ!!
設定などは後々明かしていく感じです。
紅崎 黒白 吸血鬼
狗神 不炎 狼男
墓守 青葉 ???
という感じです。
種族に関しては混血でも特性が濃い物を名乗ります。
それでは、質問があれば聞いてください。
感想待ってます。