現代人やったらアプリ使えやバーカ!   作:かりん2022

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こんな(日本滅亡した)世界おられへんわ!

 日本人をまるっと一つの呪霊に変換する。

 そんな極悪非道な悪戯を、まさか恩師がするとは思わなかった。

 ちょっと何か企んでそうだけど、愉快で優しい教師だと思っていたのに。

 

「羂索せんせー! どうして!!」

「あっはっはっはっは! 愉快愉快! 我が人生に悔いなしって感じだね!」

「そんな……私の、私の術式のせいで……」

「お前のせいじゃない、傑。羂索先生を止めるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 多大な犠牲を払って、呪霊と宿儺を倒せた。

 だが、それは本当に多大な犠牲で。例えば、檻種博士とか、例えば天元様とか、例えば九十九とか。日本丸ごと領域に引き込まれたせいで、生き残りの呪術師はほんのわずかだった。

 

「ようやく倒せたな。宿儺と呪霊」

「生き残ったの、自分らだけやけどな」

「綺麗さっぱり更地だな……」

「高専だけ残ってどうするんだって話だよね、はは……」

「しっかりなさい。日本が壊滅した以上、じきに諸外国が介入してくるわ。いくら貴方達でも、それに抗うのは不可能。私の最後の発明品。使ってくれる?」

「檻種博士……最後の発明品って」

「貴方達は諸外国には渡さない。言ったでしょ、私は貴方達のファンなんだって」

 

 そうして、檻種博士は俺に呪具を託し、呪具を起動した。

 

「それを持ってお行きなさい。私の発明品は好きにしていいわ。破壊するも生かすも貴方達の自由。願わくば、これからは自分の幸せの為に生きなさい」

 

 それが最後の言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 朝。雀が鳴いているのを聞いて、目を覚ます。

 久々に夢を見た。

 

「おはよ……」

「おはよう、傑」

 

 俺達は、パラレルワールドに来ていた。

 会社と宿舎を兼ねたビルも当面の資金も偽の身分証明も架空の会社も変装道具まで用意済み。

 博士はどこまで計画してたんだって思う。

 

 博士の遺品を整理して、此処の情報を集めて、それから今後について決めようと話し合った。

 どうやら、こちらの世界では科学はそれほど進んでいないらしく、原始的な方法で呪霊を祓っているようだった。恐らく、檻種博士がこの世界にはいなかった事が原因だと思う。

 それと、俺たちは目立つから、行動方針を決めて十分に調査してから出るように、とのメモもあった。

 

 この世界の歴史の流れのメモが何故か博士の遺品から見つかったのもある。

 今までの歴史はともかく、なんで未来の歴史まで記されてんだよ……。

 謎は残るけど、とにかく檻種博士を信じてみようと思う。

 博士としては、しばらく潜伏して、俺が封印された段階で動くのはどうかって言ってたけど……。

 

「悟。私は、百鬼夜行を止めたい。術師も非術師も沢山死ぬ。そんなのはごめんだよ」

「傑……」

「もちろん、みんなに迷惑かけるわけには行かない。私1人で行くよ」

「俺も行く。というかお前、俺を1人にするなよな」

 

 そうして、朝食の席で俺達が単独で動く事を報告したのだが。

 

「でもせんせー。止めるってどうやって? こっちのせんせー、秘匿死刑決まってるんでしょ?」

 

 悠仁の言葉に、傑は苦笑する。

 

「死刑になれとは言えないよ。死刑を取り消せとも。それだけの事はしているからね。私に出来るのは、せいぜい人を殺すのはもうやめてくれって頼むぐらいさ」

「頼んで聞いてもらえるんですか?」

「……力尽くにでも、聞いてもらうさ」

「俺も一緒に行くから」

 

 宣言すると、直哉も声を上げる。

 

「自分も行くわ。なんや心配やしな」

「僕らも行きます。犠牲を出したくないのも心配なのも同じです」

「いや、まずは穏便に話し合いがしたい。目立つ事も避けたい」

「私を置いてくな、屑共」

「危ないよ」

「オリジナルが揃っていってどうする。護衛の1人も連れてくべきだろ」

「あ、私も行きます」

「では、私は待機で。大人組が全員行くのも良くないですしね」

 

 そういうわけで、俺、傑、直哉、硝子、伊地知の5人で出かけることとなった。

 幸い、寄付金を出せる程度にはこの会社は稼いでいる。ほんと檻種博士は凄すぎる。




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