術式のコピー元をオリジナル。その術式をアプリ化して振るうものはワーカーという。五条や夏油はオリジナルとして有名すぎて、知らない人はいない。伊地知ならワーカーだから目立たないだろうということで、伊地知に呪霊を取り憑かせて、解呪をお願いしてみる。
早速通された伊地知は、夏油一派に囲まれた。
「それで、我が教団に何の用かな? 伊地知」
「ヒィィっ ばれてらっしゃる!」
「私を馬鹿にしているのかい?」
ピキッとイラつきを見せた教祖に、伊地知はあわてて要件を述べる。
「実は、ある人が教祖様と話し合いをしたいという事で、その仲介に来たんです。ここに呼んでも?」
「話し合い? 今更かい? なんについてかな」
「貴方の知る五条悟の封印阻止についてです」
「悟の?」
こういえば食いつくと思ったと伊地知は内心で思う。実際食いついた。
「教祖様の協力が必要といいますか、教祖様に協力しないでもらう事が必要といいますか……詳しい事は私ではなく、私の上司に聞いて欲しいのですが」
「夜蛾先生ではないよね。悟じゃないのかい?」
「いえ。事情はその人を見ればすぐに理解していただけるかと。ただ、その人を呼ぶにあたり、人払いをお願いしたい」
「…………。いいだろう。皆下がって」
「でも夏油様!」
「私は大丈夫だよ。下がって」
夏油一派が下がる。
「それでは、呼び出しの呪具を使わせていただきます」
伊地知は持っていたトランクを開けた。
小手のようなゴツい機械を伊地知は腕に嵌める。
「ウサ美ちゃん、起動。予約動作1スタート。皆さんをこちらに呼んでください」
『はいはーい。了解、伊地知くん♡』
可愛らしい兎のマスコットのグラフィックが小手の上に浮かぶ。
夏油は驚いて口を開ける。そして、次の言葉と感じる呪力に立ち上がった。
『呪霊操術システム起動! ゲート型呪霊、ミミックくんを呼び出します』
そして、箱を呼び出す。
「やあ。並行世界の私。お願いがあるんだけど、聞いてもらえるかな」
箱から出てきたのは、自分そのものだった。
「!??」
「傑、教祖服も似合うな。それ一着ちょうだい」
「悟。君は大人しく交渉を見守っててくれないか」
「よー。犯罪者になったんだって? 屑」
「傑くん、写真撮ってええ?」
「……クローンかな?」
「並行世界の私って言ってるじゃないか。聞いてなかった? まあ良いや。とにかくこの二冊を読んで欲しいんだ。一週間後にまた話し合いたい。また伊地知を寄越すよ」
「これは?」
差し出された二冊を渡されて、問いかける。
「私達の世界の歴史と、私達の世界の著名な博士が予測したこの世界の辿るであろう道筋、かなぁ。あ、誰にも見せては駄目だよ。先に私達の目的を言っておくね。私達は、平穏を望んでいる。日本を滅ぼさんとする呪詛師さえ排除出来れば、それでいいんだ。それに、君には術師も非術師も、誰も殺してほしくない。君も平穏を望んでくれるなら、私達は協力出来ると思うよ」
「傑。傑がいっぱい悩んで決めた事に、なんも知らない俺達が口出しするの、申し訳ないと思う。でも、傑も笑える世界にするの、俺手伝うよ」
自分の知るより随分と優男となっている悟に手を握られる。
「はっ 君は何を言ってるんだ。君が私を手伝う? 馬鹿なことを」
「そうやで悟くん。全員術師化計画は盛大にこけたやろ。日本壊滅して自分ら並行世界に逃げる羽目になったやろ。なんで同じ間違いせなならんのや」
「は?」
どういうことだ、と問い詰めようとした所で、五条達は箱に入って消えていた。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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