現代人やったらアプリ使えやバーカ!   作:かりん2022

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もう誰も犠牲にしたくないんや!

「とーじくん、起動!」

『おはよ、直哉』

「とーじくん、使い方教えて」

『りょーかい、ヘルプを出すぜ』

 

 使い方が籠手の上面に投影される。

 これだけでもオーバーテクノロジーだ。

 

「無下限システム起動。わっ 本当に自分も無下限使えた! なんか変な感じやなぁ。投射呪法の術式アシストもあるんか」

「直哉にしか使えんのか?」

「とーじくん、他の人が使えるように出来ん?」

『緊急システムを使えば、30分だけ権限を譲渡できるぞ』

「凄い技術だね。確か偽物達、全員持ってたよね?」

「捉える理由が増えたな」

 

 話していると、拘束した直哉が呻いた。

 

「お。偽物起きそうだね。直哉はそれ持って別室行って。音声システムで何かされたら困るからね」

「あとで結果教えてやー」

「そっちもね」

 

 直哉が席を立つ。

 

 直哉は目を覚ました。

 

「パパ……。悟くん。んー。取引せぇへん? 自分の出す情報が有用やったら解放して。もちろん縛りを結んでもらうで」

「ふむ。それはとらわれていない時に言い出すべきだったな」

「そだね。スパイになるなら解放してもいいんじゃない? 縛ってもらうけど」

「自分、オリジナルやで。大事にしよう思わんのか!? そら、投射呪法使い勝手悪いけど、需要はそこそこあるやろ!」

「いや、君は偽物でしょ。ん? あの機械、本来の術式の使い手が必要なわけ? まあそれもそうか」

「せや。ゴーストイーターはメンテナンスせんとすぐ使えんようになるで」

「ゴーストイーターって言うんだ、あの籠手。量産してるの?」

「工場ないなったんや。部品の一部の制作を請け負ってた真依ちゃんも死んどるし、今も作れるかは知らん……」

「真依が作ってたのか!?」

「これ以上は解放するって縛らんと話さんわ」

「それに加えてこちらに寝返るなら、殺さんでやろう。縛るか?」

「いやや。スパイなんてできる訳ないやろ。悟くん達はもう家族や」

「ならば仕方ないな」

 

 スッと直毘人が立ち上がる。

 

「せ、せやけど! せやけど和解するよう話すんまでならやるわ! 下手打って敵になられるよりええんやない!?」

 

 慌てて命乞いする直哉だが、直毘人は切り捨てる。

 

「既に呪詛師と接触しておるだろう」

「ええやん。もう傑くん、人殺さへんて約束してくれたし、奪われるよかはええやろ」

「誰に奪われるって?」

 

 直哉の反論に、五条が反応する。

 

「羂索せんせーや。自分らの世界のそいつが自分らの世界滅ぼしとるし」

「はぁ? そんな奴連れてきたわけ!?」

 

 さらっと言われた直哉の告白に、五条は青筋立てた。

 

「きっちり倒したわ! こっちの羂索せんせーや、こっちの! 自分の世界とおんなじ企みしとって、傑くんを狙ってるみたいやから、傑くんはこっちに引き入れるしかなかったんや。傑くんを殺す手もあったけど、一回みんな失っとる自分らは、もう犠牲出したくなかったし……心配せんでも、自分らの目的は平穏や。羂索せんせーの野望さえ防いだら、隠居して暮らすわ。自分らのとこの博士が、慎ましく生活する分には十分暮らしていけるお金も用意してくれはったしな。あっ 羂索せんせーの野望を防ぐ言うても、日本人を一つの呪霊にする計画の方やで。宿儺復活計画はそっちがどうにかしてや。博士が機械駆使してワーカー……非術師の生き残り全員と大勢の術師を使い潰してようやく宿儺と特級怨霊大和を倒したんや。2度目は無理や」

 

 情報の本流に、五条は混乱して言葉が止まる。

 

「ふむ。つまり、羂索の企みを阻止できず、日本人が一つの呪霊となった上に宿儺が復活した為に日本が滅んで並行世界に逃げて来たという事か?」

 

 頭が痛そうにしながら、確認する直毘人。

 

「せや! 博士の調査書でこっちの呪術界過半数羂索に乗っ取られてるって書いてあったから接触しとらんだけで、何か企んでたり敵対しようってつもりはないんや! あ、やっぱり羂索せんせーとは敵対してるから、羂索の支配しとる総監部と敵対する事になるんか? せやけど、自分ら狙うんは羂索せんせーの命やなくて野望阻止やし……」

 

 しかも衝撃的な話と共に、直哉は日和った。そんな企みをする極悪人など死刑に決まってるだろ。言いかけて、傑の事を思い出し、何か理由があるのかと聞いてみる。まあ理由があってもダメな企みだが。

 

「なんで羂索はそんな事を?」

「悪戯や」

 

 は? 今イタズラって言ったこいつ?

 

「あの老害悪戯っ子で好奇心旺盛で、やりたいと思ったらブレーキ効かへんねん。悟くんの恩師だけあって最凶や」

「それはきっちり殺しとかなきゃ駄目でしょ。何、野望阻止とか生ぬるいこと言ってんだよ。え。僕の担任、そんな奴だったわけ?」

 

 そんな担任の薫陶を受けた自身と戦うことになるとか嫌すぎるのだが。

 

「せやけど先生やし、悟くんも2度も担任殺すとか悲しむわ」

「いやダメでしょ。悪戯でそれはダメでしょ。きっちり息の根止めとかないと。よくそれで先生になれたね」

「あの人、天元様と同年代やったから権力凄いねん。こっちでも実際裏の支配者やっとるみたいやし」

 

 若干気が遠くなりながら、直毘人はなんとか告げた。

 

「ふぅ……。直哉よ、知ってる事全部話してもらおうか。それと話し合いのセッティングで許してやろう」

 

 本音はもう聞きたくないのだが、ことがことだけに裏取りをせねばならない。

 

「やたっ あと真依ちゃんの写真な! 真希ちゃん、真依ちゃん死なせてもうてものすごい落ち込んでるんや」

「好きなだけ渡してやる」

 

 こうして、直毘人と五条の胃を擦り潰しながら、電影 直哉の尋問は続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、直哉ははしゃいでゴーストイーターに記録された電影 直哉の秘密フォルダにはしゃいでいた。

 甚爾の演舞や隠し撮り、悟達とのキャンプファイヤーなどのお宝動画が満載だったのだ。




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