ハリー・ポッターとマンキュニアンの少年   作:キラキラ武士

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このお話は、ハリポタってイギリスのくせにフットボール好きなやつディーンしかいねぇなぁとか、ここにロック好きな不良ぶったガキ入れたら面白そうだな、という思いから生み出された自己満小説です。なのでご都合設定や、時系列の変化が出てくると思います。
なので原作改変とか苦手な方はブラウザバック推奨です。


Fookin’ Young Boy from Manchester

日本で階段を踏み外して爆死した後、俺はイギリスのマンチェスターで2度目の生を受けた。日本じゃ転生ものなんてのが流行っていたが、まさか過去に転生されるとは。アインシュタインもびっくりの時間遡行である。

 

家族構成は、俺とお袋の二人家族だ。父親のことについて、お袋は話そうとしない。まあどうせ借金のし過ぎで首が回らなくなって死んだか、ラリッて死んだかのどっちかだろ。まあ、はっきり言って()()()()どうでもいい。

 

今の俺にとって大事なのは、ユナイテッドが優勝カップを手にすることができるのかどうか、それとオアシスのライブに行けるのかどうか、だ。「ユナイテッドは真のマンチェスターのクラブじゃない」?そんなんクソ喰らえだ。ベッカムにコールヨーク、フォルランにスコールズ。こんな黄金世代のチームを応援しないガキなんているはずがない。もちろん俺もそのガキの一人だった。

 

昨日も俺の家でダチと一緒に試合を見た後、夜遅くまでどんちゃん騒ぎだった。前世が日本人だったこともあって、最初は「近所迷惑にならないか」なんて高尚なことも考えた。けどどこもかしこも大声で騒いでるし、そもそも行儀のいい"Toff"*1どもがこんな下町に住んでるわけがない。安心安全ってわけだ。それにお袋は夜職で夜は大抵家にいないから、小言をもらう心配もゼロ。小さいころは寂しさも感じたものだが、今はそうでもない。まったくもっていいヤツらに恵まれたものだ。

 

さて、こうして長々とクソみたいな自己紹介をしたのはいいのだが、ここ最近俺は問題を抱えている。大したことではないと思いたいが、6日間も続いて同じようなモンがポストの中に入ってるとなると、流石の俺でも不気味に思えてくる。もし今日届いたら一週間連続であのバカみたいに手の込んだ悪戯がされていることになるわけだが、そんな酔狂なことをする奴が果たしてこの辺りにいるだろうか。()()()()()()()()()()()?バカげた話さ、全く。()()()()もコミックん中だけの話だ。もしそんなもんがあるなら今すぐ俺らを金持ちにでもして見せろってんだ。クソがよ。

 

さて、愚痴もこれくらいにして、ポストの中身でも拝見しに行きますか?

 

「デイヴ、今日は早いんだ。新聞入ってるから取ってきてよ」

「まあね、またどっかのクソガキが悪戯してるかもしれないから」

「は?なんのこと?」

「こっちの話」

「どうでもいいけど、新聞は忘れないでよ」

「アイアイ」

 

今のは俺のお袋だ。

口には出したことはないが、イギリス一の母親だと思ってる。

こんなこっぱずかしいことはまだ俺には言えないけどね。

 

「なんか手紙でも入ってた?」

「ああ、俺宛のやつと、お袋宛のなんかしらの手紙」

「新聞は?」

「もち取ってきた」

「ありがと。もうすぐご飯できるから」

「りょーかい」

 

なんとまあ、これで一週間になるわけだ。このバカげた手紙も驚くことに日を追うごとにその数が増えている。よくもこんなものに労力を割けるよな。どんだけ暇なんだか。

 

「ホグワーツねぇ…」

 

ホグワーツなんて名前、聞いたこともない。いや、仮に聞いたことがあったとしても、魔法とか魔術なんてものを学ぶ学校なんて、どこの世界にあるってんだ。

まったく、朝からクソな気分だ。

 

燃やして地球温暖化を加速させようか?バカがよ。

 

「ニャァ…」

「にゃあ?」

 

猫だ。それも毛並みのいい。

 

「どうした~こんなところで~」

 

猫はかわいい。これは前世から変わらない普遍的事実だ。ちなみに変わったことと言えば食べ物のウマさだな。お袋が作る料理以外はクソだ。あれなら日本にある生ごみ食ったほうがはるかに美味い。

 

「オマエどっからやってきたんだよ~。逃げてきたのか?」

 

そもそもこの辺り見かけるネコなんてのは、ジャンキーみたいにガリガリで人が近づくとすぐ逃げるようなやつしかいない。こんな健康そうなやつは、そこら辺ので縄張り争いに負けて野垂死にしちまう。

 

「家ん中入りたいんか」

「ニャァ」

「入りな」

 

朝からしょうもないモンのせいでクソみたいな気分だったが、こいつのおかげでチャラだ。

…いや、むしろちょっと、いい気分かもしれない。

 

「ちょっと待ってな、このゴミ処分したらお袋になんか食い物もらってくるから」

 

まあ今日は特に予定もねぇし。

外はバカみたいに暑いし、絶対外なんか出たくねぇ。

それに、雨も降りそうだしな。

 

「全部紙っぽいし、マジで後でどっか持ってって燃やしてやろうかな」

「そういうことはおやめなさい、ミスター・デイヴィッド」

「……は? 別にこの辺じゃ、ボヤなんか日常茶飯事だろ」

 

……ん?

 

「だからと言って、やっていい理由にはなりません」

 

誰だ……?

 

「……」

「どうかされましたか?」

 

「Bloody hell!!」*2

 

な、なんだこの全身緑のババァ!? ウィキッドに出てくるあいつかよ!?

 

「ア、アンタ、どっから入ってきやがった!!」

「それは秘密です」

「は? それで済むわけねぇだろ!!」

 

意味わかんねぇ……!

こんなクソババァ、頼まれたって家に上げねぇぞ……。

 

「それよりも、ミスター・デイヴィッド。あなたに、お渡ししたいものがあります」

「いや、それより先に俺の質問に答えろって!」

「こちらをご覧いただければ、自然と答えは見えてくるでしょう」

 

そう言って、しわっしわの手で差し出してきたのは――

俺がこの一週間、処分しようとしてたあの手紙と、全く同じやつだった。

 

正直言って、こんなもん引き裂いてバラバラにしてやりたい。

でも、それよりも今この瞬間、目の前のヤバすぎる状況を何とかする方が先だ。

 

――仕方なく、俺は、この七日間で初めて、手紙の中身を開いた

 

*1
トフ。イギリスのスラングで上流階級を揶揄する言い方

*2
クソッタレ!!

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