もしもエヴァが武器で擬人化できる世界だったら…?   作:Air1204

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ネオンジェネシスのその先へ…。

目覚めるとそこは白い部屋だった。

ただ白く何も無い部屋、あるのは円形に並んだ白い箱と雲ひとつない青空を写す小さな小窓だけだ。

 

「…ようやくお目覚めかい?」

 

聞きなれた声、何度も繰り返し何度も僕を救おうとしてくれたヒトの声だ。

 

「…カヲル君?」

 

「おはようシンジ君。さ、立てるかい?」

 

カヲル君の手を借りて立ち上がり、白い箱に腰掛ける。

 

「おっ、シンジ君ようやくお目覚めかにゃ?」

 

「マリさん?」

 

「ご名答!可愛い寝顔ご馳走様にゃ♪」

 

「え?あ、うん…可愛い寝顔って…。」

 

なんだか、状況が呑み込めない。白い部屋に居るのは僕ら3人だけだ。他の人は?いや。僕はネオンジェネシスでエヴァのない世界を望んだはずだ、失敗なんてするはずがない。

 

『その通り。碇シンジ君、君はネオンジェネシスにてエヴァのない世界を望み、それは完遂された。』

 

「うわぁ!なんだこれ!」

 

ぼうっと現れた文字に戸惑う。

 

「ゲームウィンドウ…みたいだね。」

 

『がしかしだ。それを望まず可能性の閉じた未来に抗い、今までの世界をやり直したいと願った者が1人いるんだ。エゴの塊みたいなやつだろう?』

 

…何の話だかさっぱり分からない。

 

「もっと簡単に噛み砕いて話してもらってもいいかにゃー?君、まどろっこしすぎるよ?」

 

『…単刀直入に言おう。碇ゲンドウがこちらに現れ、もう一度世界をやり直し始めた。それだけじゃない。この世界にはロボットとしてのエヴァが存在しない。』

「それってどういう…」

 

『まぁ、聞くより行ってみて貰った方がわかりやすいとは思う。百聞は一見にしかずとも言うくらいだしね。』

 

「待ってくれ。僕達はその世界に進むとは言っていないだろう?僕たちが助ける理由もない。それとも他に進まざるおえない理由があるのかい?」

 

カヲル君が問いかける。

 

『肯定。シキナミシリーズ、アヤナミレイ(仮称)は未だにこの世界に囚われている。』

 

…なるほどね。アスカも綾波も完全には助けきれなかったんだ。

 

「ふーん…。まぁそう言われたら行くしかないにゃあー。また使徒と戦えるしその点はいいのかもしれないにゃ。」

 

「…カヲル君はどう思う?」

 

「…どうだろうか…それにもう1つ心配なことがあるんだ」

 

「?どういうこと?」

 

「シンジ君、君はネオンジェネシスを敢行しその存在自体がこの世界には凄く希薄なはずなんだ。君が望んだ行動が故、君がトリガーだったからね。」

 

…どういうことだろう。さっぱり僕は理解できない。

 

『そう。碇シンジ君、君の存在はとても薄い。それはとてもとても…。人間をデータで表すなら君の場合この世界に留まっているのはほんの15%程度だ、他の人であれば50/50までは調節されるだろうが君の場合はそうはいかない。君の望んだ結果に君自身が多く移動するのは当たり前の結果だろう。だから、私ではこの場所に君を維持するのが限界だ。』

 

なるほど。じゃあ何故この人は僕をあちらの世界に送ると言い出したんだろう?

「待って。じゃあ僕はどうやってあちらの世界に行くの?」

 

「ははーん。分かったにゃー。アスカを依代に繋ぎ止めるつもりだね君。」

 

『…本当に君は勘が鋭いね。あちらの世界に留まっているシキナミシリーズの概念を用いれば君を繋ぎ止めるのは簡単なことだよ。まぁ自分が自分じゃないと実感すると思うけど。なにせ85%はシキナミシリーズで補うわけだからね。』

 

「…。」

 

「シンジ君、嫌なら辞めよう。」

 

辞めたいのは山々だ。けどそんなものどうでもいいと思うくらい僕はアスカを綾波を助けたい。

 

自分が自分じゃなくなっても、例えそれでも僕は…。

 

「シンジ君、助けに行きたいんでしょ?行こうよ3人で。大丈夫!私も渚も着いてる訳だし!安心しなよー」

 

やっぱり頼りになるなぁ、マリさんは、

 

「…。行こう。アスカと綾波を取り戻しに。」

 

「シンジ君ならそう言うと思ったよ。分かった、僕も協力しよう。必ずシンジ君、君の願いを叶えよう。」

 

「ありがとうカヲル君、マリさん。」

 

行こう。何度も挫折したあの世界に。次こそはもっと上手くやる。そして父さんを止め、アスカを綾波を今度こそ助け出す。

 

「…最後に君に聞きたいことがあるんだ。」

 

『なんだい?碇シンジ君。』

 

「君は最終号機だよね?」

 

『…根拠は?』

 

そんなの簡単じゃないか。僕が僕を誰より知っている。けど、違和感は拭えない。、きっと僕ならもっと回りくどいことをしていたと思うから。

 

「特にない。けど懐かしい感じがしたから。だけどスッキリしないんだ。それだけじゃない。君には別に何かが混ざっている。この感じ…アスカ?」

 

『……。全く…人がバレないようによそよそしく話してるってのに1回で看破するの辞めなさいよ。かっこ悪いじゃない!』

 

「おぉ、やっぱりアスカか!匂いがそうだったもんにゃー。」

 

「君、惣流の方かい?」

 

『あんたら人のこと何で判別してるわけ…ただの1度も姿見せてないじゃない!流石にマリさんアンタは聞いた通り気持ち悪いわよ!それに渚カヲルアンタは私の弐号機勝手に使ったこと許してやるつもりもないわ!』

 

やっぱりアスカだったか…。どおりで…。隣でマリさんはにやにやしながらカヲル君をつついてるし。カヲル君はすごいバツが悪そうだな…。

 

『コホン。いい?バカシンジ!アンタの存在はこの私を貸してあげるんだから感謝しなさい!』

 

「はは、やっぱりアスカは変わらないね。良かった。無事で。分かった上手くやるよ。」

 

『それと、私はその世界でヒトとして存在してないのよ。だからどうやって助け出すかハッキリしてないの。その辺の調査までお願いしても良いかしら?』

 

「おーけーおーけ!まぁ私達も上手いことやるよ!どうせ最初の方は出番ないんでしょ?」

 

「あぁ、そうか…。僕はまた棺の中から目覚めるところから始まるんだね…。」

『まぁそういうことになるわね。』

 

「ところでアスカ、なんで最終号機に居るわけ?」

 

『マイナス宇宙彷徨ってた私を拾ってくれたのよこの子が。その代わり前にいた子は消えちゃったけどね…シンジでは無かったわね。あの子誰だったのかしら…。とりあえず!もう進むで良いのよね?』

 

「うん。行こう。早く先に進まないと。」

 

「そうだね。」「そうだにゃー。」

 

『…シンジ必ず帰ってきなさいよ。途中で死んだりしたら許さないんだから!』

 

「分かってる。ありがとうアスカ。必ず生きて帰るよ。」

 

『そう…。ならいいわ。ほら!そこ扉あるでしょそこから出ていけるわ。』

 

「ありがとう、アスカ。それじゃ行ってくるよ。」

 

「じゃーねー。もう1人のアスカー」

 

「セカンド、必ず僕がシンジ君を守るから安心していてくれ」

 

最終号機に別れを告げ扉を開く。また長い戦いの日々が僕らを喧騒に包むんだと感じながら、眩い光の中へ歩みを進めていく。

 

「シンジ君。真希波、定期的に情報の交換をしていこう。マストの更新を含め色々なね。」

 

「了解!シンジ君最初は何をすればいいかにゃ?」

 

「…行ってみないとなんとも言えないけど、とりあえず、マリさんの第1目標はベタニアベースからネブカドネザルの鍵の奪取、第3使徒の殲滅かな?カヲル君は4号機の奪還が最初のマストになると思う。」

 

僕の目標はなんだろうか…。

 

「シンジ君はとりあえず、お父さんに探りを入れるべきじゃないかい?」

 

父さんか…。最初に初号機に乗った時の父さんはあんまり好きじゃなかったな。今回は上手く話せるんだろうか。

 

「大丈夫だよー。今のシンジ君ならお父さんのこと恐れる必要ないよ?いざとなれば私がどうにかするからさ!」

 

「…わかったりそろそろ出口かな?こっから先後戻りは出来ない。必ずアスカと綾波を連れ戻そう。」

 

僕の声に2人が頷き光の先へ進む。気がついた時にはもう2人は僕の隣に居なかった。

いつものスタート地点。いつもの公衆電話。戻ってきたんだ、始まりの場所に。




えぇ、読んでて背筋が寒くなりましたとも…。
何せ4年前の作品。
オリジナル要素を詰め込もうとした結果、ソウルイーターみたいな設定に…。

あちらの執筆が追いつかないので…。合間合間に投稿させていただきます。よろしければ読んでいただけると供養になると思います。
1話目、すぐに投稿予定です。ではでは
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