もしもエヴァが武器で擬人化できる世界だったら…?   作:Air1204

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第1話 エヴァって…なんなんでしょうか?

「…やっぱり公衆電話は使えない。大人しくミサトさんの事待つしかないか。」

 

「…あの2人は無事にたどり着けたんだろうか。」

 

あの二人なら心配など要らないだろうがふと気になってしまう。すると携帯にSNSが届く。

 

mari.m 無事とうちゃーく!シンジ君は大丈夫かにゃー?こっちはこっちで動き始めるからヨロシク!

 

kaworu.N こちらも無事に着いたよ。何かあったらすぐ連絡して欲しいな。僕も自分のやるべき事を始めるとするよ。

僕は2人に自分が無事だということを伝え。ミサトさんの迎えを待つ。

…妙だ今までなら、もう第4の使徒が僕の目の前に現れてもおかしくない。だが一向に僕の前に現れない。

 

「…。何かおかしい。」

 

遠くで銃声が響く。

僕はその場所へ急ぎ向かう。

 

「撃てー!何としても進行を食い止めろ!」

 

激しい銃声が近くなりそんな罵声が飛び交っている。自衛隊…だろうか?彼らが狙っている方向に居たのは…。

 

「これが使徒…?ほとんど人間じゃないか…!」

 

そう、ほぼ人間と変わらないヒトの形をした、真っ白な肌赤い瞳、そして元の使徒であろうデザインを模した黒のドレスを身に纏う少女の姿だった。

 

「…。」

 

その少女には彼らの銃撃はあまり効いておらず。傷1つ付く様子はない。ただ時々怪訝な表情を彼らに向けるのだ。背に着いた黒い二対の腕のような物をブンブンと振り回し時折銃弾を払うのだ。

あのドレスに使徒としての能力が宿っていて、その力を行使できるのかもしれない。

 

「…!」

 

やばい。気づかれた!こちらに向け、駆ける使徒。

予想以上に早い…!

 

「まずっ…。!」

 

ドンっと車にはね飛ばされる使徒。見慣れた青のルノーA310、ミサトさんの車だ

 

「ごみーん。ちょっと遅くなっちゃった。早く車に乗って!」

 

懐かしいミサトさんの声が聞こえ、僕は車に乗り込んだ。全速力でその場を離れる。

 

「遅くなってごめんね。私もこの街に来たばかりで…道に慣れてないのよ…。碇シンジ君?でいいのよね?」

 

「はい。僕が碇シンジです。」

 

「そ、なら良かったわ。ちょーっち事前情報と容姿が違いすぎて見つけるのに手間取ったわ。ヤンチャしたい年頃なのね。」

 

「?どういうことですか?」

 

ミサトさんの問いかけの意味がわからなかった。

僕の容姿が違う?恐る恐る僕はサイドミラーを覗き込む。

そこに写るのはブロンドの髪、透き通るような碧眼。まさに男版アスカと言った感じの美少年だった。

 

「っ!ま、まぁそんな感じです!…ん?なんだあれ。陸自の装甲車が郊外に移動して…」

 

「え!?まさかN2地雷を使うわけ!?伏せて!!」

 

ドォンと大きな音が響くと爆風がこちらまで届く。

なんだか懐かしい感じがするな…。

そんなこと思っているさ中車が横転する。

 

「いい?いくわよ?せーの!」

 

グッと2人で横になった車を元に戻す。

2人で車に乗り込みNERVへと向かう。

 

「あーあ、やだわー。この間買い換えたばっかりの新車だって言うのに…まだローンも23回も残ってるのよ!」

 

「まぁ、生きてただけでも良しとしましょう。」

 

「変に落ち着いてるわね。さっきの化け物のこととかお父さんの仕事のこととか聞かないのね。」

 

「まぁ、何となくこれからしなくちゃいけないことも、父さんがなぜ僕を呼んだのかも想像はついていますから。」

 

バカ正直に3回同じ世界繰り返しました。とは伝えられるわけもない。

 

「そ!それは結構!ならジオフロントへの道急ぎましょうか。」

 

…。ジオフロントか。僕らの街、守らなければいけない街、そして黒き月の外殻。なんだか嫌なことばかり思い出すな。そういったことを思い出さないようNERVの書類に目を通す。

 

「…ようこそ。NERV江」

 

「特務機関NERV、私の務める機関で、あなたのお父さんの職場でもある。」

 

「…。父さん…。」

 

あんなことがあったあとだ。ちゃんと顔合わせられるかな。それに今までと違うのは僕に明確な敵意を剥き出しだと言うところだ。

 

「…お父さんのこと苦手なのね。」

 

「あ、いや苦手というわけじゃ…。」

 

「私と同じね。」

 

…。ミサトさんのお父さん。人類補完計画の発案者であり。セカンドインパクトの原因でもある人だ。

 

「葛城さんのお父さん…ですか?」

 

「そう。私の父。すごい学者で、今この街がこうやって発展しているのも父のおかげでもあるのよ。」

 

「そうなんですか。それじゃ、葛城さんのお父さんはすごい人なんですね。」

 

「ミサト。でいいわよシンジ君。父は褒められたことばかりしてきた人では無いわ。それに…。あっ、シンジ君見えてきたわ。ここがジオフロント。人類最後の砦。あそこに見えるのが、NERV本部。これから私たちが向かうべき場所よ。」

…。

 

「あっれぇ…おかしいわねぇ…この道を右に…んでそこの角を左…。んん…。ご、ごめんねシンジ君私もここに来たばかりで、まだ道覚えてないのよ。」

 

…黙って着いてきた僕が馬鹿だった。怪しまれないようにしようと思ってゲージには向かわないでいたのにさすがに時間かかりすぎだよ…。

 

「…ミサトさん、道に迷ったんですか?」

 

「うっ…。ごめん…。」

 

「多分こっちだと思います。地図貸して貰ってもいいですか?」

 

「…ごめん。」

 

ミサトさんから地図を受け取り、ゲージへとむかう。

エレベーターに乗り込み目的の場所に急いでいると。扉が開いた。

「げっ…リツコ…。」

 

「遅かったわね。ミサト。0115分の遅刻よ。」

 

「だってぇ!だだっ広いじゃない!この中!分かりづらいのよ!」

 

「いい加減覚えなさい。いい大人でしょ。…この子が例の少年ね。外見は情報とはだいぶ違うけど。」

 

「そう。第3の少年。碇シンジ君。」

 

久々に髪が長いリツコさん見たな…。willeにいる時はずっと短髪だったからなんだか別人に見えるや。

 

「よろしく。碇シンジ君。私が技術顧問の赤木リツコよ。リツコでいいわ。」

 

「あ、はい。碇シンジです。よろしくお願いします。」

 

そんな会話をしていると。ゲージに着いた。

明らかに今までのゲージとは様子が違う。

大きな音を立てゲージ内が明るくなる。

そこにあるのは今までのエヴァとは形容できない。強いて言うなれば剣。そう。武器の形を模したモノが台座に浮いていた。

 

「大体。司令はなんでシンジ君を呼び出したのかしら…?奏者だったらレイも居るのに…。」

 

「…。だいたい察しがついてるって言いましたよね。父さんが僕を呼び出す時は大体必要な時だけなんだ、僕はこれを使ってあの使徒を倒せばいい、そうだよね?父さん。」

 

『そうだ。』

 

「碇司令!?」

 

「護送ご苦労だった。葛城くん。シンジ、これを使って使徒と戦え。」

 

スピーカーから声が響く。僕は父がいるであろうゲージ上部に視線を向けた。

 

『久しぶりだなシンジ。』

 

そう父さんは僕に告げるとゾワっとした感覚とともに直接心に声が響く

 

(…。シンジ久しぶりだな。ネオンジェネシス以来だ。)

 

久しぶりだね。父さん。まさか父さんまで記憶の引き継ぎがされてると思って無かったよ。

 

(お前の存在はこの世界には来れないと思っていたが。セカンドの力を借りてこの世界にまで侵攻してくるとはな。)

 

僕だって来たくなかったよ。父さんとはあれで和解できたと思っていたし…。アスカと綾波をこちらに返してくれ。

 

(…出来ない。私の計画に必要な代物だ。それにこの世界にシキナミシリーズは存在しない。)

 

知ってる。けど父さんがそう言うってことは、何かしら知っているはずだよね。

 

(概念だ。バラバラに散りばめられている。大小様々な形に分裂し。使徒に、エヴァに宿っている。)

 

…。なるほどね。

 

(お前の望む結末に進むには必ず使徒は倒さねばならん。私も私で使徒を倒さねば願いは完遂できない。)

 

…何が言いたいの?

 

(手を組もう。一時的で構わない。使徒を殲滅する間までだ。)

 

…。メリットは?

 

(シキナミシリーズの情報をこちらで回収しよう。使徒に封印されているものを含めてな。)

 

悪い提案じゃないね。けど、いざとなったら必ず父さんの目論見は阻止するよ。それでもいいなら。

 

(…。構わん。私は必ずもう一度ユイを取り戻す。)

 

分かった。

ふっと心が軽くなり。視線をもう一度上に戻す。

 

「やるよ。この武器と。」

 

「シンジ君!?無茶よ!戦闘訓練も何も無しに!実践だなんて!レイだって未だに調整段階なのよ!?」

 

「ミサトさん。僕は必ず勝つよ。何があっても。」

 

「いえ!そういう問題じゃ!」

 

『葛城くん。さがりたまえ。シンジが自分でやると言っているんだ。』

 

「っ!ですが司令!」

 

「ミサト!聞き分けなさい!」

 

ありがとうミサトさん。こんな僕でも心配してくれて。

 

「ミサトさんありがとう。けど僕にしか出来ないことなんだ。」

 

「…シンジ君これを。」

 

「ありがとうリツコさん。けど要らないや。何となく分かるんだ。使い方。」

 

僕はこの世界のエヴァ初号機に歩み寄り。手をのばす、すると剣は光に包み込まれた。

光が収まるとそこに出てきたのは黒い髪をした。アスカそっくりな女の子だった。

 

「んんぅ…。ここは?」

 

黒い髪のアスカのような少女が問う。

 

「信じられないわ!ここまでの共鳴、シンクロは確認できていないわ!」

 

「君は…?」

 

「え、あ、私は…エヴァンゲリオン初号機…だと思います。この記憶が正しかったら…。」

 

父がニヤリと顔を綻ばせる。

…なるほど。父さんの言っているアスカの断片ってこういうことか。

 

「ありがとう。教えてくれて。」

 

「え?いや…大丈夫…です。それより貴方は…?」

 

「僕は碇シンジ、君の奏者に今日からなったんだ。」

 

「…碇シンジさん?不思議…。初めてあった気がしない…。」

 

記憶の断片的な継続はあり…か、僕はその少女を新妙な顔で見ていた。

 

「冬月。」

 

『なんだ碇。』

 

「今度のシンジも厄介だ。」

 

『碇のせがれがか?それは良かったじゃないか。張り合う相手ができて。』

 

「…。あぁ…。既に初号機を第2ステージまで開花させた。」

 

『あの人型の状態にか!?』

 

「あぁ…。」

 

『厄介だな。ゼーレが黙っているかどうか。』

 

「え?何が起きたの!?」

 

僕にだってそんなものは分からない。けどこの子が初号機でアスカなのはすぐに分かった。

 

「…興味深い現象ね。これがステージ2という事なのかしら?」

 

「…。初号機、僕と一緒に戦ってくれるかい?」

 

「…う、うん。上手くやれるか分からないけど私頑張ってみる。」

 

そう言うと武器の形に戻る初号機。それを握り僕は地上に向かうエレベーターに向かう。

 

「シンジ君。必ず生きて帰るのよ。」

 

「大丈夫です。必ず。」

 

「マヤ!今のシンクロ率は?」

 

『…な、76%です…。こんなの機械の故障としか…!』

 

「…紛れもない事実よ。現状エヴァを第2ステージまで進出出来たのはヒトで彼が初めてだもの。」

 

高速エレベーターに乗り込み地上へでる。

 

「初号機。大丈夫?」

 

「はい!シンジさん!だいぶ調子はいいです!」

 

なら良かった。目標は目前。第4の使徒はこちらに気づき歩みを止めた。

 

「…。」

 

睨み合う僕と使徒。ただの少女にしか見えない…けど僕はやるしかないんだ。

 

「…。」

 

『大丈夫ですか?シンジさん…。先程から心拍数上がってきてますけど…。』

 

「…正直やりづらいんだ。ここまでヒトの形をしてると人殺ししてる気分に…。」

 

『そう…ですよね…。』

 

やりづらい…。本当に。

 

「…。」

 

ゆっくりと近づいてくる使徒。やるしか無い。

 

『シンジさん来ます!。』

 

ぐっと初号機を握る手に力を込め地を蹴り駆け出す。使徒が近づく前に僕が先手を打つしかない。

横腹を目掛け剣を横に薙ぐ。ガツンという音ともに使徒が横に吹き飛ぶ。

 

「意外と硬い…。」

 

全身にATフィールドでも纏っているのか、人体で1番柔らかいであろう横腹目掛け剣を薙いだのにも関わらず、手応えはあまり感じられなかった。

ビルの壁に叩きつけられた使徒はガラガラと音を立てながら起き上がりこちらに駆けてくる。

すんでのところで避け、使徒を正面に見据える。

なるほど。この世界のエヴァは身体強化も兼ねているのか。普段よりも体が軽い。それにあれだけビルが歪むくらい使徒が強くたたきつけられているのはエヴァの力のおかげだろう。

 

「…!」

 

使徒が横を向き進路を変えた。

どういうことだ…?このタイミングで後退なんて…。車の影に人影が…。サクラちゃん!?

今までは巨体ゆえに意図せずサクラちゃんを傷つけていたけど。今回のサイズは人と同じくらいだ!行動のマストに含まれているんだ!

マズい!確実に怪我だけじゃ済まない!

 

「初号機!まずい!あそこに一般人が!」

 

『えっ!それは良くないです!シンジさんサポートするので全速力で駆けてください!』

 

「ありがとう!」

 

まずい!間に合うか…!急げ!

あいつの背面の腕に光槍が形成されだした。

 

「ひっ…や、来ないで…。」

 

「まに…あえ!」

 

ドォンと大きな音を立て光槍が地面に叩きつけられた。

間一髪僕はさくらちゃんの元に届き彼女を抱き抱える形でうずくまった。

 

「…いつつ。大丈夫?」

 

「ひっ…あ、あ、大丈夫です…。それより…あなたの方が…。」

 

ドロッと頭部から血が垂れてくる。飛んだガレキでも当たったのだろうか。

 

「僕は大丈夫。ミサトさん!聞こえますか!A13ブロック4番に負傷者です。至急救護班お願いします。」

 

『わかったわ!それよりシンジ君!あなたの方の怪我は大丈夫なの!?』

 

「僕は大丈夫です。僕が食い止めますので、その間に救助お願いします。」

 

とりあえず。食い止めよう。救護班が来るのに5分もかからないだろう。

 

『シンジさん。傷…。』

 

「傷の一つくらいどうってことないよ。それより初号機、救護班が来るまであいつを食い止めよう。」

 

振り返り、間合いを一気に詰める。行かせる訳にはいかない。両手で初号機を持ち切りつける。

 

「…ジャマ」

 

「っ!言葉を話せるのか!?」

 

「なんで邪魔するの。私たちはママに会いたいだけなのに。ヒトはなんで邪魔をするの?」

 

…。聞いてない。使徒が人の言葉を話すなんて…。余計に戦いづらい。

 

「君たちが地下のリリスに接触すればヒトが滅びるからだ!それに!君は今明確にあの子を襲おうとしたじゃないか。」

 

「エサ。私たちに食事は必要ないけど娯楽としての食事。楽しみだから。」

 

…娯楽…?ヒトを殺して食べるのが?そんなの許していいものか!ぐっと剣を握る手に力が入る。

 

「君もヒトじゃない。私たちに近い存在なのになんで君はヒトの味方をするの?」

「僕がまだ人の心を捨ててないからだ!君達だって自分の仲間が殺されれば悲しい気持ちになるだろ!」

 

「知らない。悲しいなんて思ったことも無い。」

 

人の形をしているのにヒトとしての在り方はできない生き物なのか。なんだかよく分からないな。

 

「邪魔するなら。殺すから、ごめんね。」

 

背部の腕を振り下ろし地面に叩きつけようとしてきた。そのタイミングを見計らい僕は剣を振り上げ、片方の腕を切り落とす。

 

「っ!痛い…。」

 

やりづらい…。

 

『シンジさん。ダメです。気を強く持ってください。相手は人じゃないんです。』

「分かってる。分かってるけど!」

 

姿勢を崩した使徒に畳み掛けるように剣を振り下ろす…。が切っ先は逸れ地面に当たってしまう。

 

「甘いのね…。」

 

「うわぁ!」

 

切っていない片方の腕で体を掴みあげられる。

そのまま光槍が形成され僕の体を貫く。

 

『シンジさん!』

 

『シンジ君!』

 

痛い…。完全に腹に穴が空いている。血がドロドロと流れ出ている。流石に…ここまでか…。

 

(全く。見てらんないわね。ちょっと身体貸しなさい。私が上手くやるっていうお手本見せてあげるから。)

 

幻聴か、アスカの声が聞こえ。僕の意識は遠のいた。

 

「ふぅ…。初号機。いい?今から言うことできるわね?」

 

『え?シンジさん…?』

 

全く、バカシンジは本当に誰か守ってやらないとひとりじゃ何もできやしないのね。

 

「そう。碇シンジ。いい?今から形状変化するわよ」

 

『え!?そんなの無茶です!私訓練でもできたことないのに…。』

 

「あー!もうまどろっこしい!やってみる前から出来ないなんて言うんじゃないわよ!」

 

『ひっ…。すみません…。』

 

この初号機も初号機よ!うじうじ、うじうじしちゃってさ!昔のシンジみたいじゃない!

 

『…ホントにシンジさんですか?』

 

「そうだっての!なんでそんなこと聞くのよ!」

 

『だってですね…声色も、身体的特徴もシンジさんのものじゃないんですよ。完全に女の人です。』

 

「あー…。忘れなさい。今の碇シンジはシンジであってシンジじゃないの。」

 

『は、はぁ…。』

 

「だから言うことだけ聞いてればいいわ。経験と情報は体に残るだろうし。」

 

「…君面白い。性別も変えられるの?」

 

「はん!うるさい女ね。使徒は使徒らしくさっさとくたばってればいいのよ。」

 

「私の事。倒せるの?さっきまであんなに弱気だったのに?」

 

「ごちゃごちゃうるっさいわねー。さ!やるわよ。」

 

『は、はい!』

 

剣を握る手に力を込めて、駆ける。あーあ。もっと大事な場面で出るつもりだったのになー。

 

「いくわよ。ウェポンチェンジ!ストライクウィップ!」

 

…なによ!やれば出来るじゃない!しっかり鞭状に変化して扱いやすくなってる。これなら私にも扱いやすい。

 

『やった!やりました!変化出来ました!』

 

「当然よ。さ、ちゃっちゃと片付けましょうか。」

 

「ほんとに面白い。」

 

こちらに狙いを定め攻撃を仕掛けてくる。

攻撃を躱し続ける。呆れた馬鹿の一つ覚えじゃない。私は楽しくもなんともない。

 

「くっ当たらない…」

 

「…お遊びはそこまでよ。もう終わり。」

 

ひゅんと鞭を振るい使徒を絡めとる。

 

「抜け出そうとしても無駄よ。そうすればするだけ、きつく締まる。それに内側にある刃で体を傷つけるわ。」

 

「くっ…。私の負け?」

 

「そう。あんたの負け。楽しかったかしら?」

 

「楽しかったのかも。けど少し、残念な気持ち」

 

「そ、ならその気持ち大切にしなさい。」

 

ぐっと鞭を引っ張り締め上げ、勢いのまま首を切断する。

あっけない幕引きね。

 

「初号機。いい?あんたは何がなんでもシンジの力になりなさい。手段も方法も問わないわ。」

 

『は、はい。わかりました。…あの最後にお名前だけでも…。』

 

「惣流、惣流・アスカ・ラングレー。さて、そろそろ限界だろうし、私引っ込むわね。」

 

すっと光に包まれると先程まで居たシンジさんの姿に戻っていた。惣流・アスカ・ラングレー…。初めて聞いたのに初めてじゃない感じがする。

 

『救護班!急いで!シンジ君の回収が最優先よ!』

 

ヘッドセットのノイズが晴れたのだろう。ヘッドセットからミサトさんの声が聞こえる。ほんの3分間程度の出来事。私は彼が何者なのか、彼女が何者なのかもっと分からなくなっていた。

 

「Aの14ブロック1番に該当者とエヴァ初号機を確認。回収する。」

 

救護班の人が来て私とシンジさんを救急車に乗せ運ぶ。よかった、シンジさんの目が覚める前で、こんな現場の状態見せたくはないから。

こうして。私とシンジさんの初戦闘は過ぎていくのであった。

 




黒歴史というものはどんなに綺麗にしても黒歴史だということがよく分かりました。
なぜ普通にシンジの状態で勝たせなかったのか、なぜ使徒を喋らせてしまったのか…。4年前の僕に問いただしたい気分ですね。
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