もしもエヴァが武器で擬人化できる世界だったら…?   作:Air1204

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第2話 エヴァにも下着って…必要なんでしょうか?

夢を見た。僕が使徒に殺される夢。けど仕方ないのかもしれない。ヒトではないけど人に準ずる者を殺そうとしたんだ、あの子たちに憎まれても仕方ない。ゾワゾワとした感覚。そうあの時の記憶だ。僕の記憶じゃない。惣流・アスカ・ラングレーの記憶だ。量産型と交戦し最終的には槍で裂かれ、四肢を食いちぎられる。僕とアスカが融合した結果、僕もこんな夢を見るようになってしまったんだろう。

まどろみの中。闇が晴れ微かに光が照らし出す。

 

「…。んんぅ…。」

 

「あ、シンジさん、おはようございます。」

 

初号機の声が聞こえる。ぼくはあのあとどうなったのだろう。

 

「…おはよう。いてて…。」

 

「無理しないでください。傷は塞がっているとはいえ、あれだけの大怪我を負ってるんですから無理なさらない方がいいです。大体。あれだけの大怪我1日で塞がるなんてそれこそおかしいんですよ。」

 

「どうなったの?あの使徒。」

 

それを聞くと初号機は苦虫を噛み潰したよう顔をした。

 

「殲滅…。しました。私とシンジさんの2人で。」

 

「僕と君で?けど僕はあのあとすぐに気を失ったはずだけど…。」

 

「そうですけど…。惣流さん…?ですか?シンジさんの中にいらっしゃる。その人が出てきてパパーッと倒しちゃいました。」

 

「アスカが!?」

 

僕の身体使ってアスカが助けに来てくれたんだ…。

本当に優しいな。アスカは…。

 

「良かったです。あんまり影響なくて!2日間は眠ってましたよ!」

 

「う、ごめん、初号機。」

 

「あ、何か食べたい果物ありますか?私剥きます!」

 

ふと、テーブルに目をやる、そこにあったのはよく病院で見るフルーツの盛り合わせってやつだ。

誰からだろう。

確認しようと手を伸ばしバスケットに手をかける、すると中には1枚のメッセージカードがはいっていた。

おかえりなさい。碇くん。

アヤナミレイ

 

「綾波か。いつ来てたの?」

 

「えっと。ついさっきです。シンジさんが目覚める直前まで。?シンジさんって綾波さんに会ったことあるんですか?」

 

シャリシャリとりんごの皮を剥きながら僕に問いかけてくる。

 

「まぁ、ちょっとだけね。」

 

ちょっとだけなんて大きな嘘だ、前の世界では誰がどうなってもいいくらいに綾波を好きだった。

 

「お目覚めかしらー?」

 

扉が開きミサトさんが入ってくる。

 

「おはようございます。迷惑かけてすみませんでした。」

 

僕はそう言うと。ミサトさんはむーっとふくれっ面になりデコピンしてきた。

 

「あいたっ!」

 

「本当にそうよ!無茶して!死んじゃったらどうしようかと思ったじゃない!」

 

「ははは。すみません。」 

 

「あっそうだ。シンジ君と初号機。あなた達2人共私の家に来なさい。住む場所。決まってないわよね?」

 

「「え、あ、はい。」」

 

「リツコにも碇司令にも許可は取ってあるわ。さーって今日はパーッとやるわよ!なにせ新しい同居人が出来るんだから!」

 

ふんふんと鼻歌を歌いながら支度を始めるミサト。

 

「僕達も準備しようか。」

 

「はい!」

 

ベッドの端に腰掛け、立ち上がろうとした時立ちくらみがして初号機の方に倒れ込んでしまった。

 

「おっと!」

 

「きゃっ!シンジさん?大丈夫ですか…?」

 

何とか床に倒れなかったものの。この状況はどうなんだろう。完全に胸にダイブしてしまっている。

ん…?この感触…まさか…!

 

「…。いやん。シ、シンジさんそんなに揉むのは…流石にまだ早いです…。//」

 

「あっらー…。シンジ君って意外と大胆なのね。」

 

「ミサトさん。帰り下着屋に寄ってください。」

 

「え?なんで?」

 

「この子ブラしてないんです。僕の身が危険です。ダメです。」

 

「あー…。それもそうか…。よし!わかったわ!」

 

「ちょ、ちょっとシンジさんいつまで揉んでるんですか!流石に恥ずかしいですって。」

 

「え、あ、ごめん…。触り心地良くて…。」

 

流石に嫌われちゃうかな…。

 

「ん、もう…触り心地いいなんて…。せめて人のいない所にしてください!」

…?人のいない所だったらいいのかな…?顔赤くして小さな声で初号機はそう呟いた。

 

「あー。若いっていいわねぇ…。アオハルって感じぃ?」

 

「「かっ、からかわないでくださいよ!」」

 

「はいはい。先に受付に行ってるわね。早く来るのよー?」

 

扉からそそくさと出ていくミサトさん。

準備をしているとまた扉が開いた。目をやるとそこに立っていたのは綾波だった。

 

「綾波!?帰ったんじゃ…?うわっ!」

 

急に飛びついてくる綾波。ぎゅーっと僕の背中に手を回し抱きついてくる。

 

「…碇くんおかえりなさい。ずっとずっと会いたかった。最初見た目が違くて少しびっくりしたけど良かったわ。」

 

「…。綾波お待たせ。遅くなってごめんね。」

 

「んーん。大丈夫。また会えて嬉しい。」

 

僕も綾波を抱き返す。良かった。

 

「こほん。いいでしょうか?シンジさんもう時間もありません。早く準備しないとダメです。あと、さっきまで胸揉まれてた人の目の前で別の女の人のこと抱きしめるのはちょっと複雑な気持ちになります。」

 

「え、あ!ごめん…。」

 

「いいです。許してあげます。なにか事情がありそうですし。」

 

ちょっと申し訳なくなったのか、綾波も名残惜しそうにだが離れてくれた。

 

「綾波はどこから覚えてるの?」

 

「第3村。」

 

「そっか!じゃあ全部覚えてるんだね。」

 

「そう。だから碇くんに抱きついたの。」

 

「あー。そうだよね。けど僕に記憶が無かったら急に抱きつかれた方はびっくりすると思うよ?」

 

「いい。どんな碇くんでも良かったの。」

 

「それはそれで嫌な回答だな…。」

 

なんて話をしながら荷造りを進めていく。終始後ろで初号機かムッとしてるのはよくわからないけど…。

 

「ありがとう。綾波、初号機。よしっと!」

 

「行こうシンジさん。ミサトさん待ってる。」

 

「葛城三佐のところに住むの?」

 

「うん。そうなると思う。あ、今日ミサトさんが歓迎パーティしようっていうんだ綾波も一緒に来る?」

 

「私行ってもいいの?迷惑じゃない?」

 

「迷惑なもんか。良いよね初号機?」

 

「うー…はい…。仕方ないです。綾波さんも一緒に…。」

 

病院の通路を進みミサトさんの待つ受付に向かう。

 

「ミサトさんお待たせしました。」

 

「ん?大丈夫〜。にしても随分遅かったわね?あれ?レイ?どうしたの?」

 

「葛城三佐私も今日の歓迎会出てもいいですか?」

 

「え?レイも来るの!?別に私は構わないけど…。普段人とあまり喋らないくらいなのに、どうしたの?」

 

「いえ。碇くんともっと喋りたいから。ありがとうございます。」

 

「ひゅー。モテるわねーシンジ君。」

 

「か、からかわないでくださいよ!」

 

いつものように茶化してくるミサトさん。なんだが懐かしいな。昔に戻ったみたいだ。実際戻っては居るんだけど。

車に乗り込み、初号機の下着屋に向かう。

 

「あのー…。シンジさん。ミサトさん。私…名前欲しいです…。流石に初号機だと街中歩く時に…。」

 

「「あー…。」」

 

「ミサトさん何かいい名前ありますか?」

 

「んー…。考えてみるわね。」

 

僕も考えてみよう。アスカ…。んー…流石に呼びづらいな。あ。それなら…惣流の方は嫌がるかな?

けど僕はこの黒味がかった茶髪、綺麗な黒目、こんなの見せられたらキョウコって名前しか出てこない…。ごめん…アスカ…。

 

「キョウコ…。」

 

「キョウコ…?いいじゃない。見た目どおりの名前だし。雰囲気も崩れなくていいんじゃないのー?」

 

「君はどう思う?」

 

「私はシンジさんが決めてくれた名前でしたら、その名前がいいです!…えへへ。キョウコか…可愛いなぁ。」

 

「…ずるい。私も考えて欲しい。」

 

頬をプクッと膨らました綾波が顔を近づけてくる。

 

「ま、まって綾波!近い!近いって!」

 

「さっき抱き合った仲。今更ここまで近づいてもなんの問題もないはず。」

 

「言い方が悪いよ!ハグしたって言ってよ!それに!アヤナミはアヤナミだって言ったじゃないか!」

 

むぅ…と納得できなさそうな表情の綾波。

ずっと我慢してたのかな。人と関わること。僕もいないし、アクターでいないといけないってずっと思ってたのかもしれない。それに綾波レイの代わりを務めるという責任もあって余計に…

 

「…そんなに感情豊かな子だったかしら…。シンジ君何かした?」

 

「僕は何もしてませんよ。僕が小さい頃によく遊んだ仲ってだけです。」

 

「違う。両思い。」

 

「両思い!?シンジさんホントですか!?私にあんなことしてて!?本命は別に居たんですか!?最低です!ホントに!アホ!マヌケ!バカシンジさん!」

 

「ちょ、キョウコ落ち着いて、ね?違うから!大丈夫だから!」

 

「大丈夫じゃないです!サイテーです!本当にバカシンジさんです!」

 

バカシンジか…。その語彙力だけはしっかりアスカを引き継いでるんだな…。

 

「綾波ィ…。なんでそんなことばっかり言うんだよ…。事実無根じゃないか!」

 

「過去の清算。さびしくさせた罰。」

 

そんな理不尽な…。隣ではキャーキャーヒステリック起こしながら僕の腕を叩いてくるキョウコ。綾波はスンとした表情で僕の方を見ようともしない。それを見てニヤニヤと笑うミサトさん。なんだかんだ昔の日常に戻れたみたいだ。そんなことを考えていると自然と笑顔になってしまった。

 

「あ、やっとシンジ君笑ったわね。ずっと仏頂面だから楽しくないのかと思ってたわ。それに、笑った顔すごく可愛いわよ。」

 

「ホントです。シンジさん笑ってた方が可愛いし私は好きですよ。」

 

「碇くん可愛い。」

 

「や、やめてよ3人とも!恥ずかしいじゃないか!」

 

「恥ずかしがってる碇くんも可愛いわ。」

 

その言葉に2人も頷く。可愛い…か。なんだか複雑な気持ちだなぁ…。そうこうしてるうちに目的のお店に着いた。

 

「さっ、着いたわよ。キョウコちゃん好きなのえらんで来なさい。シンジ君に選んでもらう?それともお姉さんが選んであげようかしら?」

 

「け、結構です!自分で可愛いの選びますから!」

 

スタスタと店内に入って行くキョウコ。

じーっとそれを見つめる綾波。

 

 

「これなに?可愛い。」

 

「可愛いって綾波も付けてるじゃないか。下着だよ。」

 

「下着。けど私あんなに可愛いの持ってない。白しかないの。葛城三佐私も欲しい。」

 

ジリリとミサトさんに詰め寄る綾波。なんだか微笑ましいや。

 

「ちょ、さ、流石に私そこまで持ち合わせは…。」

 

「葛城三佐…?」

 

うわぁ…上目遣い涙目はずるい…。綾波がこれ使うのは…。反則だ…。

 

「わかった!分かったわよ!一着だけよ!」

 

「ふふ。ありがとう。」

 

完全に作戦勝ちだ。綾波圧勝。

 

「碇くん。行こう?」

 

「え?あ、ちょっ待って下着はちょっと!た、助けてミサトさん!」

 

「あー。びーる…がまん。つらい…。」

 

だめだ完全に目が逝ってる…。

諦めて綾波に着いていく。キョウコもきっと選んでって始まるんだろうなぁ。

綾波に背中を押される形で入店した。

 

「な、なんで僕が銭湯なんだよ!綾波のやつ選ぶんだろ!?」

 

「…緊張したから。碇くんは嫌だった?」

 

「べ、別に嫌じゃないけど…。」

 

「し、シンジさん!?」

 

キョウコがびっくりした表情でこちらに駆け寄ってくる。まぁびっくりしても仕方ないだろう。

 

「碇くんに私の下着選んでもらうの。」

 

「なっ。綾波さんずるいです!シンジさん!私のも選んでください!」

 

予想通りの反応だった。そう言うと2人は店の奥の方に消えていき下着を選び始めた。

 

「えっと…。お兄さんはあのふたりの彼氏さん…?」

 

そんな不穏なこと聞く店員さんって居るのだろうか。

 

「ち、違います!義理の妹と幼馴染です!」

 

「あー!なるほどです。妹と幼馴染の下着選んであげるなんて凄く優しいですね。あの二人でしたらとてもプロポーション綺麗ですし、何着ても似合うと思いますよ。」

 

「は、はぁ…。」

 

そんな会話をしながら待っていると、キョウコが先に戻ってきた。

 

「シンジさん!見てください!どうですか?私に似合いますかね?」

 

「赤…。」

 

迷うことなく持って来たのは赤いレースの付いた下着だった。やっぱりそういうところはアスカなんだなって思ってしまった。

 

「可愛いと…思うんですけど。私に似合わないですかね?」

 

「そんなことないよ。僕には下着のことは分からないけど。キョウコが気に入ったのならどんな色でもいいと思う。」

 

かぁっと赤くなるキョウコ。モジモジしながら「まだ選びます!」と言って店の奥に戻って行った。

 

「碇くん。これ。」

 

「っ!な、なんだよこれ!綾波!?」

 

「可愛いから。」

 

「そんなこと言ったって。そんな…。だ、誰かに見せる訳でもないんだし…。」

 

「碇くん。」

 

「はい?」

 

「碇くんに見せたい。」

 

「だ、だめだよ!綾波!僕らまだ14歳だよ?流石にそういうのは早いって!返してきてよ!」

 

「碇くんのケチ。」

 

そういうと綾波も戻って行った。

本当に綾波かな?って疑いたくなるくらいの変化だ。口調も見た目も綾波だけど。発する言葉が綾波らしくないというか…。

 

「シンジさん。これどうですか?次のはシンプルで可愛いなって思って水色なんですけど…。」

 

キョウコの方はと言うと。ちょっと控えめというか。可愛めのものがいいんだろう。

 

「うん。いいと思う。」

 

「やった♪店員さんこれもキープでお願いします!」

 

「後は。これとかどうですか?ピンクの淡いグラデーションって感じのフリフリなんですけど。」

 

「碇くん。これは?」

 

最悪のタイミングでかぶりに来たな綾波…。

 

しかもよりにもよって、キョウコと色違いのやつ選んでくるなんて…。

 

「むっ。綾波さんこれ先に私が見つけたんですよ!」

 

下着に先も何もないだろう…。

 

「関係ない。好きな物選んできただけ。」

 

まぁたしかに…。

 

「よくないです!私と綾波さんが同じもの着てたらなんか恥ずかしいじゃないですか!」

 

人に見られる訳でもないのに何を言っているんだろう。

 

「見る人なんて私達には碇くんくらいしかいないわ。」

 

「そういう問題じゃないんです!更衣室でばったり会った時同じのつけてたら気まずいじゃないですか!」

 

「…そう。なら碇くんに一番似合う方選んでもらうのはどう?」

 

え?僕?

 

「そうですね。綾波さん。シンジさんにお願いしましょうか。」

 

え?キョウコまで何言い出してるんだ

 

「「碇くん(シンジさん)。どっちが着てるほうが見たい(ですか)?」」

 

えぇ…。聞き方…。どっちが似合う?とかじゃないの普通…。見たいって反則だと…。

 

「えっと…。」

 

「もちろん私ですよね?このナイスなプロポーションの私ですよね?綾波さんにはないものがありますから!」

 

「碇くん。私のこと嫌い?」

 

あ、もうダメだ。

 

「…どっちも…。」

 

「「どっちもはだめ(です)。」」

 

「し、しかたないだろ!選べないんだから!大体見たい?って聞き方自体おかしいじゃないか!そんなの言われたらどっちのだって見てみたいよ!」

 

「「…。」」

 

あ、やらかした…。店員さんの目が痛い。ヒソヒソ話されてるし。声大きかったもんね。

 

「仕方ないです。綾波さん。今回は引き分けです。」

 

「そう。仕方ないわ。」

 

そういうと2人は持っている下着をカゴに入れ奥に消えていった。

 

「可愛らしい妹さんと幼馴染ですね。」

 

「ま、まぁ。すみません。うるさくして。」

 

「ふふ。大丈夫ですよ。その方が楽しいですし。」

 

「ありがとうございます。」

 

シンジさーん。これどうですかー!

 

「今行くからそんなに大きな声で呼ばないで!」

 

碇くん。これは?

 

「綾波もすぐ行くから待ってて!」

 

…。

 

結局。2人とも同じデザインの色違いを買うらしい。

キョウコがさっきの水色と件のフリフリのピンク、あと別で選んでた白地に水色のラインが入ったもの。

綾波がフリフリの水色と、黒色の下着を買うことになった。

値段はミサトさんにも2人にも聞けなかった。

 

「えびちゅ…私のえびちゅ…。」

 

しくしくと泣きながら車を運転するミサトさんを慰めながら買い出しに向かう。

後部座席では袋を開けては覗き開けては覗き。その度ニコニコして袋を抱きしめてるキョウコと大切そうに袋を抱えながら微笑む綾波がいる。

 

「ミサトさん…。後ろ見てください。2人ともこんなに幸せそうで。良かったじゃないですか。」

 

「…そうね。2人の笑顔見れただけでも良しとしましょうか。」

 

「そうですよ。」

 

「いい2人とも大切に使いなさいね?」

 

「「分かりました。」」

 

「いい返事ね。それより。3人とも?食品買いに行く前に寄りたい所があるのちょーっちいいかしら?」

 

…。

ここの景色はいつ見ても変わらないな。夕焼けに照らされた街を眺めそう思う。

 

「そろそろ時間ね。」

 

そうミサトさんが言うと地面からビルが生えてくる。

 

「凄い。ビルが生えてる。」

 

「そう。ここがあなた達が守った街。第三新東京市よ。」

 

「ありがとうミサトさん。綺麗な景色見せてくれて。」

 

「良いのよ。シンジ君とキョウコちゃんが頑張ってくれたから今の街があるのよ。だからもっと胸を張りなさい。」

 

「私、頑張って良かった。何が何だか分からないまま

ずっとこのままだと思ってたから。なにか実感できるものが欲しかったのかもしれない。」

 

「キョウコ…。」

 

「私も見れてよかった。綺麗って可愛いとは違うのね。不思議。私碇くん達と見れてよかった。」

 

綾波もキョウコも感動しているみたいだ。

 

「さぁて、買い物行きましょうか。お楽しみはまだまだこれからよ?」

 

…。

 

「けどよりによってコンビニだなんて。」

 

「いーじゃないのー。安く済むし、別に味も悪い訳でもないし!」

 

確かにそうだけど、もう少しキョウコも綾波も居るんだから気を使って欲しかったかな…。

 

「「お邪魔します。」」

 

「ダメよ。ここはこれからあなた達の家なの。」

 

「「た、ただいま。」」

 

「はい。おかえりなさい。」

 

ニコッと微笑み、僕たちを部屋に招き入れる。

ここからが1番嫌なところだ。

 

「ひっ…。き、きたな…い。」

 

「ごめーん、ちょーっち汚れてるけど気にしないでー?」

 

これのどこがちょっとなんだか教えて欲しいくらいだ。相変わらず変わらないものだね。

 

「…。とりあえず片付けようか。」

 

ゴミ袋を広げ転がっているビールの缶を集める。

飲み残しもなく綺麗に飲まれているのが、少し助かるというか。安心する。

程なくして片付け終わり。掃除機をかけ、全ての工程を終わらせた。

 

「や、やっと終わったぁ…。」

 

「…疲れた。」

 

「ありがとう。キョウコ、綾波。」

 

2人に感謝を告げ買ってきたものをテーブルに広げる。程なくして奥の部屋から着替えたミサトさんが出てきた。

 

「3人ともありがとね。こっちに越してきてからなかなか時間無くて掃除できなかったのよ。」

 

「それでも缶ぐらいまとめられますよね!?」

 

「まぁまぁ、細かいことは気にしないで、ぱーっと始めましょうか!」

 

そういうとお菓子の袋に手をかけパーティー開きをしていく。

…。綾波が既に食べ始めていた。それも口いっぱいにお菓子を詰め込んでいる。

 

「あ、綾波?なんでそんなに口に…?」

 

「…。」

 

もぐもぐしながら僕の顔を見つめている。

可愛いんだけど、なんか複雑な気分だ。

 

「んく。美味しかったから。気がついたら口にいっぱい入れてた。」

 

なんとまぁ可愛い理由だろう。ホントにこの綾波は不思議な行動ばかりしてて見てて飽きないな。

 

「あー!それ私の選んだやつじゃないですか!綾波さん!なんで全部食べちゃうのー!?」

 

「美味しかったから。」

 

「そういう問題じゃないんですよー!!私。ヒトの食べ物食べるの初めてだから美味しそうなもの選んで楽しみにしてたのにー…。綾波さんなんか嫌いです。」

 

「…。きらい…?私の事…。心がチクチクする。」

 

綾波までシュンとしだした。まずい。この空気。

 

「キョウコちゃん!人は生きていれば悲しいことも嬉しいことも沢山あるのよ。だからあまり気にしちゃダメよ。それにレイだって悪気があってそういうことしたわけじゃないんだし。嫌い。とか簡単に言っちゃダメよ。」

 

「うぅ…。ごめんなさい。綾波さん…。嫌いじゃないです。」

 

「大丈夫。私の方こそごめんなさい。」

 

「いえ!私が悪いんです!嫌いなんて言ったから。」

 

「初号機の人、これ。食べる?私の選んだもの。」

 

「え、いいんですか?」

 

「うん。美味しかったから。貴方にも食べて欲しい。」

 

「ありがとう。ん。美味しい。美味しいねこれ!ありがとう綾波さん。」

 

「んーん。大丈夫。もっと食べていい。」

 

「えー。綾波さん半分こしよう?私一人じゃもったいないから。」

 

微笑ましすぎるでしょ…。なんだこれ…。

 

ミサトさんなんか黙ってずっとにやにやしながらお酒飲んでるし。もう3缶目!?

「ミサトさん!飲み過ぎですって!」

 

「だってぇ。仕方ないじゃない?あのレイがこんなに人間味溢れる感じになっちゃって。ヒトと話してるの凄く楽しそうじゃない。」

 

まあ確かに。綾波がここまで他人と触れ合うのが楽しいって思えるくらいになるまで何かあったんだろう。

 

「綾波は今人と話してて楽しい?」

 

「ん。楽しい。全部。ヒカリとツバメが教えてくれたから。」

 

ツバメ…?確かトウジと委員長の娘さんだったよね。

 

「そっか。それは良かった。みんな無事に過ごせてるといいね。」

 

「うん。けど。今ここで碇司令がまたインパクト起こしたら。あっちの世界にも影響が出てしまうから。それは嫌なの。」

 

「…。それは僕だって嫌だ。」

 

「えー。にゃんの話ー?わらしにも分かるように話しなさいよー。」

 

「そうですよー。シンジさん。ダメです。蚊帳の外ですー。」

 

ミサトさんとキョウコがツッこんでくる。

ん?まて?ミサトさんの呂律が回っていないのは意味がわかるが、なんでキョウコまでちょっと呂律がおかしいんだ?

恐る恐る、持っている缶に目をやる。そこにはアルコール3%の文字。

 

「…キョウコ。それお酒だよ?飲んでいいの?」

 

「えー?何言ってるんですかシンジさん。私、ロボットですよー?そんなに簡単に酔うわけないじゃないですー。それに年齢的な概念もないでセーフです。」

 

ミサトさんもそーだそーだと便乗し缶の中身を一気に煽る。

 

「だいたいさぁ?シンちゃん?貴方ねぇ?変に大人びてるわ可愛いところあるわでわらしも変にキュンキュンしちゃうのよー?」

 

「ま、まだそんなに会って話していないじゃないですか!や、やめて!そんなにくっつこうとしないで!」

 

「えー?いいじゃないー。大人の体よん♡若いことは違った魅力があるのよーほらぁ、ぎゅー。」

 

「うわぁ!み、ミサトさんっ!そんなに抱きしめないでよ!かおがちかいって!うっお酒臭い…。」

 

「あらやだー。レディにお酒臭いなんて言っちゃダメよ?」

 

「あ、綾波!助けて!助けてよ!」

 

「知らない。碇くん嬉しそうだもの。ずっとそのままでいればいいわ。」

 

ずずずとお茶をすすりながら冷静に綾波に答えられる。

 

「キ、キョウコ!お願いだよ!助けて!」

 

「えー?なんですか?きこえないですぅ。シンジさんが今日一緒に添い寝してくれるなら考えますけど。」

 

埒が明かない。本当に酷い。大惨事だ。

 

「ふふふ。シンちゃん。どぉかしらー?私の身体はぁ?んー?」

 

「…。助けて…。お願い…。」

 

ほんとにげんなりしてきた。ミサトさんのこと嫌いじゃないけど。ここまでしつこいとさすがに気が滅入る。

けど、ずっとこうやって話す人もいなくて寂しかったのだろう。何となくそんな気がして引き離せない。言葉では嫌がってても嬉しそうって言うのはそういうのが原因なのかもしれない。

 

「…。zzz」

 

「えぇ…。急に寝るの…。完全に抱き枕状態じゃないか…。」

 

「しらないわ。ずっとそのまま永遠に葛城三佐の抱き枕でいればいいと思うわ。」

 

「私もーどうかんですぅ!えへへー。何だか暑くなってきました。あー。もう洋服邪魔ですぅ。」

 

「き、キョウコ!ここで脱いじゃダメ!ダメだって!」

 

「んー?大丈夫ですよー。女の人とシンジさんしか居ません。セーフです。」

 

そそくさと制服を脱ぎ半裸の姿になる。

あー。もう目も当てられない…。

 

「あ。」

 

「ん?どうしたの?綾波。」

 

「碇くん。学校の話聞いてる?明日から。」

 

「え?明日からなの!?き、聞いてないよ!」

 

え。なんだその重要な情報。なんで話してくれないんだミサトさんは!

 

「ちょ、ちょっと待って…。」

 

「大丈夫。教材とかは明日学校で渡されるって聞いてるから。私、そろそろ帰るわ。」

 

「えぇ…。」

 

「碇くん。おやすみなさい。」

 

ふっと唇が僕の頬に触れた。

 

「おまじない。またあした会えますようにって。それじゃ」

 

「綾波さんずるいです!そんなの反則です!」

 

ぼくはぽけーっとしたまま綾波が玄関の方に消えていくのを見つめていた。

 

「あーんもう。碇さん私も!私も!ちゅーさせてください!」

 

「おかしいよ!キョウコは今日初めて会ったのになんでそんなに積極的なんだよ!」

 

「一目惚れって知ってますか?碇さん。運命ですよ。」

 

「答えになってないし!そんなに真面目に答えないで!動けないのをいいことにジリジリと近寄らないでよ!あ、だめだって!キョウコ!お願いだよ!」

 

「えぇい!死なば諸共よ!口目掛けて!」チュッ

 

…。あーもうめちゃくちゃだよ。

 

「えへへ。ありがとうございます♪明日からの学校頑張りましょうね。私も一緒に通わせて頂きますから!私お風呂入ってきます!」

 

「……。はっ!待ってキョウコ!ミサトさん剥がしてよ!お願いだって!待って!」

 

ダメだ。スキップしながら脱衣所に消えていった。

 

…?そう言えばこの時間って。

 

『きゃあぁぁ!!!』

 

あぁ、やっぱりだ。この時間ペンペンの入浴時間だもんね…。

 

「お、お風呂に変な生き物が!」

 

「あぁ、それは温泉ペンギンって言って、日本で独自に進化した生き物で…って!キョウコ前!前!」

 

「え?…きゃあ!な、何見てるんですか!バカシンジさん!」バシ

 

物の見事に叩かれた。勢いでミサトさんの拘束から逃れることが出来たけど…。これは…。さすが兵器って感じの威力だと僕は…。

 

「え?シンジさん?シンジさん!?つ、強く叩きすぎました。お願いです死なないでください!」

 

僕はそのまま気を失った。

(ホントにバカばっかりね。鼻の下伸ばしちゃって。)

なんて声が聞こえた気がした。

 




黒歴史の更新です。
少しHな描写をなぜ入れたがるのか…僕には理解できません。

今でも変わらないか…。
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