もしもエヴァが武器で擬人化できる世界だったら…? 作:Air1204
それから数日がたち僕は退院した。キョウコも無事見つかりミサトさんと一緒にむかえにきた。
「シンジさん。ごめんなさい。私のせいで…。シンジさんを傷つけてしまった。それにお友達だって…。」
「キョウコ…。大丈夫。あの二人も気にしてないし、それに僕の傷だってそんなに深くないから。」
「積もる話もあるでしょうけど、まずは帰りましょう?」
「「はい」」
ミサトさん達と車に乗りこむ、自然と僕とキョウコが後部座席に座る流れになった。
「シンジさん。私、怖いんです。」
「使徒と戦うのが?」
「はい。前までは兵器だって分かってましたし。自分じゃ逃げることも出来なかったから、諦めてました。」
「うん。」
キョウコの手が微かに震えている。僕はその震えている手に重ねる形で手を置く。
「けど、今は違う、こうやってヒトの形で居れて、シンジさんたちと出会えて、みんな、みんな優しいから、その人達を守りたいって気持ちもすごく強いんです。けど、どうしても怖いんです。またこの間みたいなことになったら。私。」
「大丈夫。僕が上手くやるよ。もっと君を僕が使いこなせればいい。」
キョウコと手を繋ぐ。
「それでも!私は…。わかりました。私、もう少し頑張ってみます。」
手が1度離れるとそのまま指を絡ませてきた。恋人繋ぎってやつだろう。
結局僕達はその後会話することも無くただずっと手を繋いでいた。
僕は今のキョウコに昔の僕を重ねていた。僕もこれくらいの時期にはエヴァに乗りたくなんて無かった。怖い思いして、それで他人を傷つけて、それで怒る人がいて。
他人のために戦っていたのにその他人から怒られて。
目標なんて何も無かった。
キョウコの思っていることはすごく伝わってくる。
だったらキョウコが何もしなくていいように、僕が強くなるしかない。
家に着く。結局その日は病み上がりということでコンビニで夕食を済ませることになった。
夕飯を済ませ、シャワーを浴びる。
シャワーを浴びている時に思ったけど、やっぱりNERVの技術力は凄いと思う、3日、4日程度の入院でここまで綺麗に傷って塞がるものなんだ。
シャワーを浴びても痛くもなんともない。
「…。まぁ手はそうもいかないか。」
手のひらに目をやり火傷した部分を見る。
ほとんど治っているとはいえ、以前の皮膚とは全く色が違う。何年経っても残る傷だろう。
『シンジさん。お洋服ここに置いておきます。』
脱衣所の方からキョウコの声が聞こえる。
「え?ありがとうキョウコ。ミサトさんは?」
『リビングで寝てしまってたのでお部屋の方に移動しておきました。』
「了解。」
『あの…。シンジさん…。今日なんですけど…。一緒に寝ても構いませんか…?』
「…。わかった。寂しい?」
『すみません。1人だとちょっと…。』
眠れそうにないのかな?やっぱり精神的負担は相当大きいはずだし。少女が背負うには大きい負担なのかもしれない。
「うん。わかった。」
『お部屋準備しておきますね。』
風呂から上がり着替えてからキョウコの部屋に入る。
「お待たせ。お風呂出たよ。」
モゾモゾと布団から顔だけだしこくりと頷くキョウコ。
そのまま入ってもいいのだろうか。
僕はキョウコの寝ている隣に腰掛け。話しかけた。
「キョウコは本当はどうしたい?」
「私ですか…?私は…普通の生活がしたいです。女の子みたいな。みんなと遊んで、恋をして。怖い思いあんまりしたくないです。」
「そっか…。」
頭を撫でながら。話を続ける。
「僕もそう思ってた。というより。なんで僕だけがこんな目にって、僕だってやりたくないのにやってて、守った人から責め立てられて、もう何が何だかわからなくなった時期があったんだ。」
「どういうことですか?」
「信じて貰えるか分からないけど、僕は何度もこの世界を繰り返してる。何度も何度も。」
「え?」
布団から顔だけ出していたキョウコもこの話に興味が出たのだろう。布団を捲り、僕の隣に腰掛けた。
「どういうことですか。それ。」
そして僕は最初のループの話、2回目、3回目とはなしをした。惣流のこと。式波のこと。綾波のこと。世界を壊してしまったこと。自分で決断できず、アスカを殺してしまいそうになったこと。色々な話をした。
「ぐすっ…。それは辛いです。辛すぎます…。なんで心折れなかったんですか?」
「…それは。僕はみんなが好きだったから。そして気づいたんだ。みんなも僕を好きだったんだって。そうしたら頑張れた。」
「みんなを好きだから…頑張れた…?」
「うん。みんなが僕を支えてくれた。僕のことを疫病神だと嫌って居た人もいたけどね。みんな自分の幸せのために頑張っていたんだ。だから僕もみんなの力になりたかった。」
「…。それで、シンジさんは幸せになれましたか?」
そう聞かれると大体の結末は僕の幸せには結びつかなかった。結果から言えるなら僕は幸せではなかったのだろう。
「正直な話。僕は幸せじゃなかった。今の父さんと一緒だ。」
「そうなんですね…。」
自然とキョウコの指が僕の指に絡んでくる。
「…私は、どうしたらいいんでしょうか。幸せになれるでしょうか?」
「そんなのは自分のやり方次第だと僕は思う。だから僕は今度は自分の幸せのためにもう一度やり直しているんだ。」
「そうですよね。」
キョウコが立ち上がり、僕の前で前かがみになる。
「キョウコ。近いよ…。ちょっと恥ずかしい。」
「いいんです。シンジさんの話聞けて嬉しかったから。ありがとう。」
そう言うと僕の頬を撫でる
「私の根本的な気持ちは解決できませんでしたけど。それでも、シンジさんも私と同じ気持ちの中で頑張っていらっしゃって、その中で自分の幸せを見つけようって頑張ってる姿みて、かっこいいなーって私も頑張ろうって思えました。」
「かっこよくなんてないよ。ただ、見栄っ張りなだけだ。」
「いいえ。そんなこと言わないでください。ずっと私の目標でいてください。私は必ず貴方を守ります。守って私も自分の幸せ、手に入れてみせます。」
そう言うとおもむろに目を閉じキスをしてきた。
「…。キョウコ。」
「ふふ…。キスしちゃいました。嫌でした?こんな武器女じゃ…?」
不安そうに瞳をうるわせながら僕に問う。
「ううん。びっくりしただけだよ。大胆すぎて…。」
「それだけです?」
ちょっと意地悪に聞いてくる。この顔アスカにそっくりだな。
「…ちょっと嬉しかったよ。」
顔をそっぽに向けながら小さな声で呟く。
「えへへ…。なんかシンジさんが照れたら私も恥ずかしくなっちゃうなぁ…。私とシンジさんが幸せになれるようにおまじないです。」
「…ありがと…。」
きっと僕の顔もキョウコの顔も真っ赤になっているんだろう。僕はキョウコの顔を見つめられずにいた。
「ほ、ほらシンジさん!明日から学校復帰です!その後は戦闘訓練!ハードスケジュールですしもう寝ましょう!」
「うん。寝ようか。」
そう言うと僕達はひとつのベッドに潜り込んだ。
「あっ…。あの…。シンジさん。嫌じゃなかったら腕枕をお願いしたいです…。」
恥ずかしそうに僕に頼むキョウコ、僕は微笑みながらこくりと頷き、腕を差し出す。キョウコはそこに頭を預けると僕の胸に顔を埋めてきた。
それを受止め、頭を撫でてやる。僕達2人は眠るのにそう時間はかからなかった。
「あらあら。仲睦まじい事で…。」
ミサトさんの声で目が覚める。
「み、ミサトさん!?なんでここに!?」
「起きたらまずおはようでしょ?シンジ君起こしに行こうと思って部屋に行ったら居ないんだもの。そんで、キョウコちゃんの部屋覗いたら居たってわけ。」
ニヤニヤしながら僕たちをみてくる。
「?起こしに行こうって…。今何時ですか…?」
「あぁ、そうよね。今7時40分。」
「っ!完全に遅刻じゃないですか!なんでもっと早く起こしてくれなかったんですか!」
「だってー2人とも可愛かったから。抱きしめあっちゃってさー!」
「や、やめてくださいよ!キョウコ!起きて!」
「んんぅ…。あと5分寝かしてください…。」
そう言うとキョウコは僕の方を向いて抱きしめてくる。
「ダメだって!遅刻だよ遅刻!」
「遅刻ですかー?いいじゃないですかー遅刻くらい。…?遅刻…?」
「そう!遅刻!学校遅れちゃうよ!」
「!ヤバいです!」
バッと起き上がり頭をあげ、そのまま僕の頭に直撃する。
「「あいた!」」
「ぷっくくく…。ホントに朝から仲良いわねー。」
「み、ミサトさん!?にゃ、にゃんでこの部屋にいるんですか〜!?恥ずかしいです!出てって!出てってくださいぃ…。」
「はいはーい。準備終わったら教えて頂戴。今日は送っていくわね。」
そう言うとミサトさんは部屋から出ていった。
僕達は急いで着替えて準備する。
「キョウコ!なんで僕の前でシャツ抜いじゃうんだよ!」
「だって仕方ないじゃないですか!シャツ脱がないとブラつけられないんですよ!?シンジさんだってパンツ一丁じゃないですか!」
「仕方ないだろ!?パジャマ脱がないと制服着れないじゃ無いか!」
「「あー!もう!なんでもいい!」」
リビングの方から早くしなさーいなんてミサトさんの声が聞こえた。
「「ミサトさん!ありがとうございます!」」
「いえいえ。朝からいいモノありがとね。気をつけていってらっしゃい?」
「「行ってきます!」」
ミサトさんに軽く頭を下げ、教室へ走る。
「セ、セーフ?」
「碇は、退院したばかりだから仕方ないとして。式波。アウトだ。と言いたいところだが、ホームルーム始まったばかりだからセーフにしておいてやろう。明日から気をつけるんだぞ。」
「「はい!」」
よかった。ギリギリセーフだったみたいだ。
教室の隅へ目をやると綾波がふくれっ面をして僕たちを見ている。
他の生徒はと言うと、不思議な顔で僕たちを見つめていた。
ホームルームが終わると僕の周りにはトウジとケンスケ。ほかの男子生徒。
キョウコの周りには、女子生徒が集まっていた。
「センセ。退院おめでとう。わしら、あの後めっちゃオトンに怒られたんや。本当にすまんかった…。」
「ごめん…。碇。」
「いや、いいって。トウジもケンスケも無事で良かったよ。」
「ありがとさん。…。所でセンセ、なんで今日は式波と一緒に遅刻してきたんや?しかもミサトさんに送って貰っとったやないか。おー?」
「そうだよ。碇。なんで式波と遅刻したんだ?」
うんうん。と周りも頷きながら僕の答えを待っているようだ。
僕はキョウコに目をやる。キョウコも同じ質問をされたようで、僕の方を見つめていた。
「なんや、2人して目配せしおって!そんなにやましいことでもあるんかいな!」
「あっいや?そういう訳じゃないんだけど…。」
ばんっと机を叩き立ち上がったのは綾波だった。
「碇くん素直に話すべき。2人は葛城三佐の所で一緒に暮らしてるって。」
「「えぇーーー!?」」
クラス一同驚いている。あーあ。質問攻めだ。
にしても綾波。機嫌悪いな。
「なんや、てっきり2人とも寮かなんかあって住んどるんかと思っとった。にしてもシンジ。お前、羨ましいなぁ?ミサトさんに式波。2人と同棲してるなんて。かぁー!隅に置けんやつやなぁ!?」
ぎゃーぎゃーと喧騒が巻き起こり。僕もキョウコも質問攻めに合う。
キョウコなんて涙目で答えている。
「いい?碇くん。式波…さん?。最後の質問。私から。今まで一緒に住んでて、遅刻しなかった。なのに今日遅刻したのは別の理由があるはず。訓練も遅くまで予定は無かったもの。どうして?」
一番核心を突かれたくない質問だ…。
クラス一同、黙ってその答えを待つ。
「…。キョウコから言う…?」
「…嫌です。シンジさんから…。」
「…。正直に言うよ。昨日2人で同じ布団で寝たんだ。だから遅刻した。…綾波これでいい?」
むぅぅ。とした顔で僕を見る綾波。それを聞いて沸き上がるクラス一同。ぎゃーぎゃーと騒ぎ立てている。
「おーい。もう授業始めるぞ。そんなに盛り上がってなくていいからなー?」
先生が扉を開け教室に入ってくる。
一同は楽単の表情をし、ため息を吐く。
「!?なんで先生入ってきたらこんなにため息疲れなくちゃいけないの!?流石の俺でも傷つくけど!?」
「いやな?センセ、空気読めや。今こっちは大切な話しとんねん。」
しゅんとした顔のまま教壇に立ち出欠を取り始める。
「…。はい。出欠とります。」
謎の一致団結をしたクラスは先生に名前を呼ばれると「ぶー。」と返事の代わりに言い出した。
いや、先生これ病んじゃうよ。大丈夫かな?
「せ、先生は若い子が恋愛できてるからって負けないぞ!授業を始めるからな?」
…。こいつ聞いていやがった。なんつー先生だ。
今日1日、学校が終わるまでずっと質問攻めだった。
どっちが言い出したの?とか、その先は?とか。まぁ年頃からすれば気になることなんだろう。
委員長ですら、授業が始まる直前までキョウコの質問攻めに参加している。なんてクラスだ。
…。そんな中終始不機嫌なのは綾波だった。僕の傍に来たと思うと、去っていく。そんなことを休み時間の度に繰り返した。そんな綾波からアクションがあったのは放課後だった。
「碇くん。これから時間ある?」
「ん?大丈夫だよ。綾波どうかした?」
帰り支度をしていると綾波が話しかけてきた。
「ちょっと話があるからうちに来て欲しい。」
「え?別に大丈夫…だと思うけど。」
「あの…。シンジさん…?この後クラスの人からカラオケ誘われたので行ってきます。」
キョウコが話しかけてくる。
「あ、そうなの?いってらっしゃい?」
「ありがとうございます!行ってきますね。」
そう言うとキョウコは駆け出していった。良かった。友達。出来たんだ。
「…邪魔者が減った。」
「…ん?」
「なんでもないわ。碇くん。行きましょう。」
そう言いながら。綾波は、僕の手を引き帰路に着く。
綾波は僕の手を引っぱっていく。
「綾波!?家の方向こっちじゃ…」
「いえ。こっちであってる。私。引っ越したの、昔みたいな殺風景な部屋、碇くんに見せたくないから。」
そう言うとスタスタと歩みを進める綾波。…?僕たちの家の方向だ。
何となく嫌な予感がしていたが歩みを進める。嫌な予感が当たらなければいいけど…。
「ここ僕の家じゃないか!」
嫌な予感は的中した。僕の家だ。
「?何を言うの。ここ"も"私の家。」
「は?」
そう言うとエレベーターに乗り込み。僕たちの住む階のボタンを押す。
「いや、やっぱり…。僕の家…。」
「違うわ、黙って着いてきて。」
そういうと。僕の手を引いていく。立ち止まったのは僕たちの部屋の隣の部屋。そう。隣の部屋だった。
「と、隣って!?」
「ここが私のうち、あがって。」
「え、えぇ…。お、お邪魔します…。」
「うん。」
玄関をくぐると子猫が僕たちを出迎えた。
「ただいま。おみそ。」
そう言いながら子猫の頭を撫でる。…名前…おみそなのか…。
「可愛いでしょ?おみそっていうの。」
そう言うと抱き抱えて手を持ちにゃんといった感じにおみその手を下ろす。
「可愛いね。なんかもう何でもよくなっちゃった。おみそ、触ってもいい?」
「うん。奥の部屋行きましょう。」
僕におみそを預け奥の部屋に進んでいく綾波。
リビングに入ると昔の綾波との違いを実感した。
可愛いものが多い。水色や白を基調としたインテリアに囲まれている。ドライフラワーだろうか、グラスの中を漂う花のオブジェなど、落ち着いた部屋には様々なインテリアが置かれていた。
「凄い…。綾波が全部選んだの?」
「そう。私が選んだ。碇くんは好き?」
「うん。いいと思う。凄く可愛い。」
「…ありがとう。」
赤くしながら綾波はお礼を僕に言った。
「碇くん座って、紅茶入れるから。ダージリンとジャスミンどっちがいい?」
「んー…。ジャスミンにしようかな?」
「分かった。」
慣れた手つきでお茶を入れていく綾波。
「綾波。お茶好きなの?」
「うん。美味しい。」
「美味しいよね。」
「うん。心がポカポカする。碇くん出来たわ。」
コトンとテーブルにお茶が置かれる。
「綾波ありがとう。いただきます。」
グラスを持ち口へ運ぶ。おいしい…。ジャスミンの爽やかな香りが広がって、それでいて渋みは全く感じない。相当練習したのだろう。
「…どう?碇くん。」
「うん。おいしい。練習したの?」
「よかったわ。練習…。わからない。けど美味しく飲みたかったから色々と試したわ。」
綾波なりに練習したのだろう。とても美味しい。
気がついたら飲み終わっていた。
「ご馳走様。すごく美味しかった。」
「お粗末さま。よかったわ。飲んでもらえて。」
「…。それで綾波話って」
「ずるい。」
「え?」
「あの子は碇くんと一緒に寝た。あの子が碇くんを好きなのはわかる。けど、私も好き。だからずるい。」
綾波は恥ずかしいのか僕の方を見ずにおみそを撫でながら僕にそういった。
「…。」
「だから今日は私が一緒に寝る。」
「え!?綾波と一緒に!?できないよ!!」
「どうして?私の事嫌い?」
「いや、嫌いとかじゃなくて…。恥ずかしくて…。」
「恥ずかしい…?私だって恥ずかしいわ。好きな人にこんなこと頼むのすごく恥ずかしいことだもの。」
…確かに。綾波の言っていることもわかる。
「…。だめ?夜出来ないのは分かっているわ。だから今したい。」
「…僕でいいの?」
「碇くんがいいの。それ以外は嫌。」
ここまで女の子に言わせておいて出来ないのは男の恥だろう。
気を引きしめ答えを綾波に告げる。
「わかった。けど制服のままだとシワになるから、着替えてきてもいい?」
「いいわ。私もシャワー浴びるから。碇くんも着替えてきて。」
「うん。」
僕はカバンを持って玄関に向かう。
「玄関空けとくから。」
「わかった。すぐ戻るよ。」
僕はそう言うと自分の家に一旦戻った。
「ただいま。」
誰もいない家に帰ったことを告げる。
部屋に入るとスマホがカバンの中で鳴った。
mari.M.I どうだい?シンジ君。そろそろ第6使徒攻めてくるんじゃ無いかにゃー?ちょっとお姉さん心配だよー
sinji.I 大丈夫だよ?もう少し時間はあるだろうし、それよりマリさんは?
mari.M.I そっかそっか。私の方は順調ー!5号機の調整もどうにかなりそうだし。第3使徒復活の前には何とかなりそうだね。鍵に関してはもう少し調整必要だね。取りに行くのに時間かかりそー。
sinji.I うん。わかった。ありがとう。じゃあ戻るよ。
mari.M.I よかったよー。それと、初号機、第2ステージだって?おめでとー!!かわいい女の子だね。
ふふふ、会ったらシンジ君共々たべちゃおうかなー?
sinji.I ダメですよ!僕もだなんて!情報早すぎますよ!…。それじゃ戻りますね。また連絡待ってます。心配ありがとうございます。
「よし。マリさんは順調みたいだな。…。僕もシャワー浴びようかな?」
とりあえずマリさんも元気そうだし、心配も無さそうだ。
綾波に抱かれるってなると、さすがにこの猛暑だと大汗かいてるわけだし臭いが気になる。僕もシャワー浴びてから綾波の部屋に行こう。
「お邪魔します。」
「碇くん、遅かったわね。?」
スンスンと僕の匂いを嗅ぐ綾波。シャワー浴びたんだけどな…。
「碇くんシャワー浴びた?」
「うん。」
「そう。残念。さっきまでの碇くんの匂い好きだったのに。」
「えっ…。流石に…。」
「けどいまの碇くんの匂いも好き。さ、行きましょ。」
手を引かれベッドに連れていかれ、カーテンを閉める。
「さっ、寝ましょう?」
「う、うん。」
先にベッドに潜る綾波。それに続いて僕も入る。
「…どうしてそっちを向くの?」
「だ、だって恥ずかしいから…。」
「嫌。こっち向いて。抱きしめ欲しい。」
「あ、あやなみぃ…」
後ろから抱きしめられる。綾波…すごい積極的だな…。
「こっち向いて、私と同じことして欲しい。」
「う、うん。」
僕は綾波の方を向き抱きしめる。ダメだ、すごく恥ずかしい。
「碇くん。心臓の音すごい。緊張しているの?」
「あ、当たり前だろ!?」
「ふふ、そう。私はポカポカする。眠くなってきた。」
そう言うと綾波は欠伸をした。
「碇くん。頭撫でて。」
そう言われ、僕は綾波の頭を撫でる。綾波は猫のように目を瞑り気持ちよさそうにしている。
僕は綾波の頭を撫でているうちに眠ってしまっていた。
「ん、んぅ…。」
何時間だったのだろう、ふと、時計を見る。
「げっ…。もう、8時じゃないか…。綾波?起きて?」
「ん…。碇くんおはよう。」
「おはよう。もうこんな時間だけどね。」
「ホントだ。ごめんなさい。もう帰る?」
「うん。ごめんね。もう帰らなくちゃ。」
「そう…。分かったわ。」
そう告げると僕はベッドから立ち上がる。
「あ、待って碇くん。きゃっ!」
綾波が布団から立ち上がろうとしてシーツに足を取られ僕の方に倒れこんだ。僕は支えきれずそのまま床に倒れる形になった。
「え?うわっ、ちょっ…。」
唇に柔らかい感触が伝わる。恐る恐る目を開けると、目の前に綾波の顔があった。
「んんぅ!ぷはぁ、あ、あやなみ!」
「いや!もっと!」
そのままの勢いでもう一度キスをしてくる。
「…。」
「…。」
結構長かったと思う。長い時間綾波とキスをしていた。
「…。ごめんなさい。碇くん。」
名残惜しそうに唇を離し綾波はそう呟いた。
「…大丈夫。」
よしよしと頭を撫でる。2日続けて別の女の子とキスするなんて…。僕もいよいよダメかもしれない。
「…。帰る?」
「うん…。」
「そう…。玄関まで送るわ。」
綾波は立ち上がり僕に手を差し出してくる。
手を借りて僕は立ち上がり玄関に向かう。
その間、綾波は僕の手を掴んだまま離そうとはしなかった。
「気をつけて。」
「大丈夫隣だよ。」
「そうね。碇くんまた明日。」
「うん、また明日。」
そう言い、僕は綾波の家を後にした。
「ただいま。」
「おかえりなさい!シンジさん!遅かったですねどちらに行かれてたんですか?」
「ちょっと綾波の所に…。」
「えー?綾波さんのところですか?浮気は極刑ですよ?シンジさん…なんちゃって!」
「っ!浮気なんてしてないよ!」
「分かってますって〜。ささ!ミサトさんも帰ってますしご飯にしましょう!」
浮気どころか、どっちも好きだなんて言えるわけもない。僕はキョウコの後に着いていき。席に着く。
「あら、シンジくんおかえりなさい。随分遅かったじゃない。」
「ただいま。ミサトさん。綾波の家に行ってたんだ。」
「えー?レイのところ?シンちゃんプレイボーイね?」
「違いますよ!」
「ふふ、分かってるわ、さぁご飯にしましょ、今日はキョウコが頑張ってくれたのよ?」
「キョウコが?」
「はい!私頑張りました!」
ぐっと自分の胸の前で握りこぶしを作るキョウコの手は傷だらけだった。
「…。ありがとう。」
僕はそう言うとキョウコの頭を撫でる。
「えへへ…良かったです。シンジさんのおかげで元気になれたし、少しはシンジさんの負担減らしたいんです!」
「うん。食べてもいい?」
「はい!」
「それじゃあ、みんなで!」
「「「いただきます。」」」
献立はハンバーグとコンソメスープ、サラダだった。
「どうですか?」
「…。うん。美味しいよ。」
「良かったです!これからも頑張りますね!」
食事を終え、部屋に戻る。
「僕はどうしたいんだ?綾波とアスカを救いに来たのに、なんで、2人にキョウコと綾波に恋してるんだ…。」
布団に潜り、一人でつぶやく。以前の僕ならこんな事になることなんて無かったのだろう。
だけど今はこうなってしまった。どっちも好きだ。どちらか1人を選べ、なんて出来ない。
「最低だな…。俺って。」
(黙って聞いてればアンタ、何ウジウジしてんのよ。)
あ、アスカ!?
なんで…?どうして僕の中に!?
(いや、アンタと私で今のバカシンジ出来てるんだから当たり前じゃない。)
じゃあ最近聞いていたアスカの幻聴って。
(あんたバカァ?幻聴なわけないじゃない。)
あ、やっぱりそうなんだ…。
(第4の使徒の時に助けてあげたのに感謝もないわけ?)
いや、ありがとうアスカ、おかげで助かったよ。
(うんうん。それでこそ、バカシンジね。…じゃないわ。あんた何悩んでんのよ。)
いや、キョウコも綾波もアスカも好きなんだ。守りたいんだ。
(ふーん。良いじゃない。3人も好きで贅沢な事ね。)
けど1番を選べって言われたら出来ないんだ。
(なーに?アンタ、1人だけ選ぼうって訳?そんなの逆に私が許さないわよ?)
え?なんで…?
(いい?みんなを幸せにすればいいのそれだけ考えてなさい。必ずその願いは叶うわ。)
でも…。
(あー、もう。でももだけども無いのよ!私たちはみんなあんたが好きなの!諦められないのよ!諦めるくらいならみんな死を選ぶわよきっと)
えぇ…。どういうことだよ…
(そういうことよ。うじうじしてなくていいから。)
けどきっとキョウコは悲しむよ。今日の出来事。
(ならそれよりキョウコに凄いことしてあげなさい。)
そしたら綾波も悲しむじゃないか!
(だったら初期ロットにもそれ以上のことしてあげなさい。)
えぇ…。本末転倒じゃないか。
(そうでも無いわよ。ま、上手くやりなさい。)
なんだよ!言いたいこと言いに来ただけかよ!
(当たり前でしょ。自分で考えなさい。)
え、そんな…。待ってよ
(…。)
自分勝手だなぁ…。もう寝よう、明日は訓練だ。
「にしてもキョウコちゃんよく戦う気になってくれましたね。」
「そうね…。シンジくんもそうだけど。彼は彼できっと守りたいものがあるのよ。ほらご覧なさい。」
「わ、わぁすごい…。剣の状態で99.9%、形状変化して80%の討伐率…。とんでもない数字ですね。」
「意思のない武器、ならね。」
「はい?センパイどういうことですか?」
「キョウコちゃんは意思のある武器よ。こっちも見て見なさい。」
「?え?キョウコちゃんのこの動きって、守りに徹してる…?」
「そう。自分のこと使ってシンジくんに攻撃が必ず届かないようにしてる、それに、この感じ、シンジくんへの衝撃最小限にする構えじゃないですか?」
「そう。そこが大きな食い違いなのよ。攻めのシンジくん、守りのキョウコちゃん。一見相性良さそうに見えるでしょうけど、武器と奏者になると話は変わってくるわ。」
「あー…確かに、シンジくんはカウンターすること多いですね。そのタイミングでキョウコちゃんがいなしの姿勢に変わっちゃうと…。」
「そう。壊滅的な結果に陥るわ。」
「…。息合ってないのかしら。」
「そういう訳では無いわ。ココ最近の生活のおかげでシンクロ率は脅威の94%ほぼ一心同体よ。」
「じゃあなんでこんな食い違いが起きるの?」
「お互いがお互いを大切すぎるが故…ね。」
訓練を終え、数日がすぎる。
とうとうこの日が来た。
第6の使徒、襲来、
「突如第三新東京市内部に出現…か。」
「あの形状、どうなんでしょうか、今までの使徒とは違い、人型を発見できないのですが…。」
「…。内部に保護されているとか?」
「それも考えた方が良さそうね。それにしても大きな体ね。」
「とりあえず、遠方に待機させましょうか。」
「ミサトさん。出撃は待った方がいいです。」
「どうして?シンジくん?根拠は?」
「…。どんな攻撃をしてくるか分かりません。ダミーでの検証を最初に…。」
「それを見越しても遠方待機よ。」
ぐっ…。ダメだこのままだと僕は確実に焼け死ぬ事になる。
「シンジくんを出撃台へ。」
「待ってください。ミサトさん僕の話を!」
「大丈夫。私の作戦を信じて。」
「…。はい」
『シンジさんどうしたんですか…?顔色が…。』
「…。なんでもない。行こう、キョウコ。」
『はい…。』
僕はキョウコを手に持ち出撃台に固定され、そのまま射出される。
「目標に高エネルギー反応!!」
「なんですって!?シンジくんの言う通りじゃない!」
…。だから言ったのに…。ミサトさんのわからず屋。
「シンジくん避けて!!」
無理に決まってるだろ!!そう叫びたくなったが、叫ぶ前に胸に光線が直撃する。
「ぐううぅ…。」
『シンジさん!!』
手から離れ光線を防ぐ形で前に出るキョウコ。
『ぐううぅ…。あ、熱い…。』
勢いに押され、僕の胸に押しあたるキョウコの剣。刀身からも熱が伝わるほど加熱されている。
「ミ、ミサトさん!!」
「C12エリアの防護壁展開して!」
「「はい!」」
地面からせり上がる防護壁。だが、形態変化し威力を一点集中し防壁を突き破る。
『きゃあ!!ミサトさん!も、もう無理です嫌です!戻してください!』
「ミ、ミサトさん!早く!ぐううぅ。」
「出撃台戻せないの!?」
「ダメです!融解していて作動しません!」
「しまった!!」
「ぐぅぅう…。なんとかしろよアスカッ!」
「謎の高エネルギー反応!?これは…!?エヴァ!?エヴァです!」
「どこなの!?」
「キョウコちゃんとシンジくんの直上です!」
(ったく。仕方ないわね。)
反応するの遅いよアスカ…。
(ちょっとは2人のお灸になったんじゃないの?)
ここに来て嫉妬かよ…命に関わるって…。
『だからこのタイミングなのよ。』
空を裂き使徒の体表に突き刺さりぶち抜ける槍。あれは『ルクレティウス』じゃないか。
「使徒貫通されました!本体は無傷です…。」
「しめた!これなら再生の時間が稼げる!そのままシンジくん達を回収して!」
「爆砕ボルト点火します!」
『ま、これなら多少は時間稼げるでしょ?上手いことやりなさい。』
そう言い残すと光となり消えるルクレティウス。
「シンジくん!ごめんなさい!私のせいで…。」
「謝るのは後にしてください!初号機が!キョウコが一番ヤバイんです!」
爆砕ボルトにより本部に戻った僕はそのまま病院に連れていかれる。
キョウコは冷却水に付け込まれ、緊急措置。幸い、武器の状態だったため。高シンクロ率の為。損傷は少ないそうだが、それでも、形状変化は今のところ出来なくなってしまったようだ。
胸に火傷を負いながらも、措置室へ歩みを進める。流石にATフィールドでも防ぐのは限界だったようで
僕の胸は酷くただれてしまっていた。
「急がないと…。キョウコ…。」
やばい。意識が朦朧としてきた。こんなところで倒れてはダメだ。早くキョウコの所に…。
「碇くん!!」
「あ、あやなみ…。」
「だめ、碇くんも治療受けて!早く!」
「何言ってるんだあやなみ…。はやくキョウコの所に…。」
「ダメ!死んでしまう!」
「大丈夫死ぬわけ…な…い…。」
「碇くん!?」
僕はそのまま気を失ってしまった。
長いし読みづらいしなんだなぁと思ってます。