テイムしたゴブリンが有能すぎて【ゴブリンとヤッた男】とバレそうなんだが!? 作:ウサギ獣人着ぐるみの人で性癖が追加された
双子ゴブリンのグリモとミコをテイムしてから2日経ち、諸々やらなければならないことは終わった。
最優先事項であったテイムモンスターをパーティから外した状態でダンジョンから出た時の処理だが、都合の良いことにダンジョン内に置いたまま外での行動が可能だった。検証に使ったメスゴブリンは放置したまま逃げることなくソードマンを経由してゴブリンナイトに進化したため、置いておくことを決定し、検証は終了した。
ゴブリンナイトの名前は前世のある作品のキャラクターと同じ名前……っていうのはゴブリンには勿体ない名前過ぎるので、一部拝借して『リア』とした。
次に裁縫のレベルは6になって着ぐるみの耐久はいつでも回復可能になった。小鬼断罪剣も同様でけっこう酷使してたけど、今朝に耐久マックスまで回復させた。
グリモとミコの装備だが、検証班の情報によるとゴブリンスレイヤーの特性を杖に移そうとしたら効果が低くなるみたいだった。普通の金属は魔法の親和性も良くなく、試しにゴブリンスレイヤー+6(攻撃力+28 ゴブリン特攻+300%)を使って造ってみたが『魔力+15 ゴブリン特攻+150%』が限界だった。ここらのレベル帯なら大体ワンパンできそうだけど、万が一がありえるといった性能だな。
この性能ならMP切れも怖くて周回は任せられないと判断していたが、ゴブリンナイトという物理職を任せられる戦力が加入したため安定周回が可能になり、魔法使いを経由してゴブリン宮廷魔術師となった。
ちなみにリア・グリモ・ミコの進化先にはゴブリンプリンセスが出なかった。やはり血統が関係があるっぽいな。
ナイトと宮廷魔術師もゴブリンプリンセスがいるから進化先に現れた特殊進化疑惑があるが、検証のしようがないので後々って感じ。
そんなこんなで俺たちは3つに別れて行動することになった。
くるみにはいつも通りにソロでレベル上げと休憩時間でグリモ・ミコに魔法と遠距離戦について学ぶように命令した。物理も魔法もできるのに魔法を学ばないのも勿体ないし、進化先に影響が出る可能性も考えてだな。
リア・グリモ・ミコは魔力切れまでレベル上げ、切れたらリアは薬草などの素材集め、グリモとミコは魔導書で魔法の習得を命令した。
魔導書は魔法使いギルドに金を払って手に入れるアイテムで本来は譲渡不可なのだが、試してみたら読ませることに成功したので続けさせている。
魔導書の中身は魔法の仕組み…………なんてものではなく、小説だな。設定的には魔法が込められたインクで書かれた特殊な文字列を読み解かせることで使い方をインプットさせるらしい。
まぁ、重要なのは習得できるかどうかだ。なんか進化を経たことで知能も高くなってるっぽいし、期待しておく。
俺は色んなことに手を出しすぎて金が貯まらず、魔導書までにはなかなか手が伸びなかった。持っている魔導書もアンデッド・物理軽減の魔物対策と例の女神像の件での何かしらの進展を目的に光の低級・中級だけだ。
だがゴブリンに習得させられるなら魔導書入手に意欲的になっても良いかもしれない。まぁ、これに関しては金が貯まってからの話だな。
最後に俺はダンジョン外で行動だ。主にダンジョン内をより使いやすくするために設備やアイテムを集めることが目的だ。今日までの4日間は持ち運び可能の簡易設備しか使えなかったが、定期的に潜ることが確定したので必要資材を持ってきてちゃんとした作りのものをダンジョン内につくるつもりだ。
本来ならセーフゾーンに生産設備などを設置したり、一定時間以上いたりするとペナルティで結構な規模の襲撃が発生するようになるが、ゴブリンなら問題なく対処可能だ。
既に3度起きているが、1度目は俺とくるみで、2・3度目は4体のゴブリンで対処した。装備以外に損耗するものもなく、経験値を多く得られるということで、もっぱらボーナスステージと化している。それゆえに、むしろ生産設備を設置した方が得まであるかもしれない。
そんな訳で資材集めだ。プレイヤーから買ったり、依頼したら楽だけど、資金難なので自分で取りに行くことにする。
まず資材を得られる場所で近くにあるのは最初の街の北にある森だ。このゴブリンダンジョン近くのスライムやゴブリン、一角ウサギが出るここらの森とは違い、グレイトディアやスティッキースパイダーなど攻撃性の強い魔物が出て適正レベルが上がる上に、森の視界の悪さと山の地形の悪さで不人気な場所だ。
そこに生えている木材が作業台に向いているので、まずそこに向かい、そっから最初の街で買い物し、ファストトラベルで第3の街へ行くってルートがスマートかな。
正直、ゴブリンたちの離散が心配なので、日付が変更するまでに集めきりたいところだが、運も絡んでくる素材があるから微妙だ。できるだけ早足で移動しよう。
side:???
「あれ?ここどこぉ……」
自分でも情けない声が出るのを自覚してしまいます。
第2の街の方向を教えてもらったのはいいものの、まもの? との戦いで道を逸れてしまいました。生来の方向音痴だから不味い状況では? と嫌な予感を感じ、元の道に戻ろうとしたものの、全然元の道に戻れない……というかどんどん未知の場所に来てしまった気がします。
悪いことは重なるもので、おっきい蜘蛛に見つかって逃げたり、強すぎる鹿をギリギリで倒したりしながら彷徨っていますが、一向に森から出られる気配がありません。
お兄ちゃんからVRMMOは向いてない、と言われた記憶がありますが、こうなることを予見していたのでしょう。
流石にまっすぐ進めば、いつか森から出られるでしょう。とりあえず前進あるのみです。そんなことを考えながら歩いていると、一つの運命的な出会いをしました。
「あれは……」
この場面を未来の私が振り返るなら、「この出会いがなければゲーム音痴のプレイヤーとして細々と戦いに明け暮れていたでしょう」というほどの大事な思い出の一つになるものがそこにあったのです。