テイムしたゴブリンが有能すぎて【ゴブリンとヤッた男】とバレそうなんだが!? 作:ウサギ獣人着ぐるみの人で性癖が追加された
基本読み専かつ就活中の身なので、これからも不定期更新になると思います。
それでもよろしければ、これからも読んでいただけると幸いです。
side:???
「ホワイトウルフ?……でも前に見たのと色が違うような……」
木々の間に隠れるようにホワイトウルフ? がぐったりと倒れていました。
あのデカイ蜘蛛にやられたのか、身体中に白く太い糸が絡みついており、ところどころから赤色のポリゴンが空中に消えていく流血状態になっています。
グロテスクな表現がないとはいえ、ここまで赤が出ていると悲惨な状況なのだろう、と感じずにはいられません。
野生での縄張り争いに負けたから、自然の摂理なのだから、と頭では知ったような考えが浮かびますが、あの恐ろしい眼が閉じられ、力なく横たわった様相を見ると助けなくていいの? という思いが過ぎります。
「いやいや、魔物っていう敵、お兄ちゃんも懐かないって言ってたし、絶対襲ってくるに決まってる。本物の命じゃない、ゲームなんだから……」
木陰で立ち往生して悩んでいると私に気づいたのか、瞼をひらき、眼があった。あってしまった。
「……あぁ、もう!ゲームだから!ゲームなんですから、勝手にさせてもらいます! 浄化、クリーン!」
ホワイトウルフに近づいて、キレイにする効果がある光属性の浄化と生活魔法のクリーンを使用する。
クリーンと似ていますが魔物由来のモノに特に効果を発揮したり、根強い汚れを浮かせたりする浄化では太い糸は細く、細い糸はなくなっていき、クリーンでは土埃などで汚かった毛並がキレイになり、
「わぁ、キレイ……」
しばらく呆けてしまい、リキャストタイムがあけたのに気づけませんでした。
いつ魔物が襲ってくるとも分からない状況でいつまでもここに居続けるのは危険です。蜘蛛の糸が消えるまで浄化を続け、ホワイトウルフがまだぐったりしているのを確認して顔を埋めてもふもふを味わい
最後に小さな回復効果が持続するリジェネをかけました。
助けたんですし、これぐらいしても許されますよね?
本当ならすぐさま回復するヒールを掛けたいところですが、襲ってくる可能性が高いので断念です。
「グルルルル」
「……。」
ここまでしたのに威嚇されました。さすがに顔を埋めてもふもふは許されませんでしたか
仕方ありません。早足でさろうとしたとき、いきなり襲いかかられました。
リジェネ効果ではすぐさま治りません。あんな状態で襲い掛かるとは思わず、油断していました。
間に合う? と思いながらも、持っていた剣を振ろうとホワイトウルフの方を見たとき、驚きの光景を目撃しました。
ホワイトウルフは私ではなく、大きな蜘蛛に噛み付いていたのです。
「ギシューーー」
大きな蜘蛛はさっき見た個体よりも2回りは大きく、私よりも大きいホワイトウルフと比べてなお、大きな蜘蛛の方が体格が良いです。
大きな蜘蛛が口元に紫色のもやもやが集まってきました。アレは───
「オオカミさん!すぐに離れて!毒を浴びせられます!」
すぐさま蜘蛛の首元から離れて、私の横に下がりました。
あれ?共闘してもいいんですかね?魔物ですよね?
よく分かりませんが、ここまできたら蜘蛛を倒してからです。あの毛並みに殺されるなら後悔はありません。……ウソです、さすがにこわいです。
土壇場でオオカミさんのスピードに合わせて行動は難しいので、サポートに回りましょう。
「ヒール、リジェネ、ライトボール」
オオカミさんを回復し、ライトボールで蜘蛛の目潰し、速攻で蜘蛛の脚を攻撃します。同じ場所に攻撃を当て続けると部位破壊が可能らしいので、オオカミさんと蜘蛛がぶつかっている間に、ヒットアンドアウェイで削りましょう。
オオカミさんはスピードを活かして、噛みつきはもちろん、蜘蛛の毒液も前脚での攻撃も避けきりながら、爪によるダメージを与えています。蜘蛛の頭上のHPバーは既に4分の1がなくなり、私も後ろ脚を1本切り落としに成功しました。
あとは時間の問題。そう思っていたのが悪かったのでしょう。
蜘蛛の体勢が崩れ、チャンス! と思ったその時、直線ではなく範囲攻撃のネバネバした蜘蛛の糸ネットが後方……つまり私に向かって放たれました。油断していた私は避けきれずにもろに受け、次にオオカミさんもいきなり蜘蛛に捨て身の突進をされ、スタン状態に陥りました。
すぐさま蜘蛛は攻撃態勢を取り、前脚に上げて力を込め始めました。なにかしらのスキルが発動してるのか脚に白いオーラが発されており、ヒールとリジェネで回復したとはいえ、先程まで瀕死だったオオカミさんでは耐えられるか分からない攻撃が出そうです。
私は先程の目くらましライトボールでMPが尽きており、すぐさま拘束を消すことはできません。
「起きて!起きてください!オオカミさん! その一撃を喰らったらマズイですよ!」
じたばたと抜け出そうとしますが、無慈悲にもウインドウが出て、拘束状態:10,9……とカウントが進むのみ。今から10秒では到底間に合いそうにありません。
蜘蛛の脚が完全に白に染まり、振り下ろされるその時、周辺が光に染まりました。
「うっ!目がぁ……」
《プレイヤー:BAMBUS1000が戦闘に介入しました。介入を許可しますか?
介入を許可した場合─────》
目をつぶってるはずなのに真っ白な視界で文字列が並んでいます。
誰かが助けにきてくれたのでしょうか? とりあえず、許可をします。ドロップアイテムや経験値の配分が云々と書かれていましたが、オオカミさんさえ無事ならどうでもいいです。
視野の左端にあった盲目の状態異常の表示がゼロになり、やっと見えるようになった時、助けに来てくれたであろう人が炎を纏った剣を蜘蛛の頭部に突き刺すと同時に蜘蛛が崩れていきます。
レベルが高いのでしょう。まだまだ残っていたはずのHPがあっという間に削れていました。
惚けている場合ではありません。
お礼を言わなければなりませんし、オオカミさんは……えーと、仲間? だと説得しないと攻撃されるかもしれません。
えーと、バンバス センさんでいいんでしょうか? 長いですし、サウザンドの可能性もありますからバンバスさんとでも呼びましょうか?
でも、フレンドでもない、初対面ですし、えーと、えーと……。
「あ、あのー、ありが「もしかして、テイム成功したのか!?」ひぇっ!」
私、なにかしちゃいました?