悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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 最近お気に入り登録したゼロ魔の二次創作が面白くて、ついつい書いてしまった作品でしたが、消すのも勿体ないので投稿することにしました。
 気が向いたら投稿していくつもりです。
 相も変わらず稚拙な作品ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。


使い魔入りました!入間くん
EP01「アクマ・ツカイマ2004」


 魔界。

 

 悪魔の住む世界。

 

 その魔界を支配する王……“魔王”

 

 しかし、その席は永らく「空席」であった。

 

 果たして、次の魔王になるのは一体誰なのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふと見上げた夜空に、二つの月が浮かんでいた。

 人間の世界ではあり得ない景色を眼にする度に、『帰ってきたんだなぁ』と感じていることに苦笑いするのは、青い制服を着た青い髪の少年──鈴木入間だ。

 

「…入間、どうしたの?」

 

 隣から声がかけられて入間が振り替えると、そこにいたのは入間の最愛の吸血姫にして金髪紅眼の美少女──ユエだ。

 彼女が身に纏っているのは、旅の頃に着ていた純白のバトルドレスではなく、入間が通う学校から支給される悪魔学校(バビルス)の女子制服だ。

 

「あぁ……いや、こうして前の生活を過ごしてると、“帰ってこれたんだなぁ”って思うんだよ。魔界での生活も濃かったけど、トータスでの日々は色々な意味でもっと濃かったんだなって」

 

 入間がトータスに召喚され、邪悪な神──エヒトルジュエと、トータスの支配を目論んだいたバダンのトップに立つ存在を打ち倒し、トータスで出会った恋人たちと共に魔界へと帰還を果たした。

 当然、かなりの期間魔界から姿を消していた入間、アスモデウス、クララ、アメリ、チマがひょっこりと帰った来たことに、悪魔学校だけだなく魔界でも騒ぎになったが、そこへ入間の祖父である【サリバン】が、入間達は“スカーラ”の試験で遠征していたと誤魔化してくれた為、騒ぎは沈静化している。

 尤も、トータスから“持ち帰ってきたもの”のお陰で、入間の悪名は更に轟きつつあるのだが……

 

「でも、私たちにとっては今の生活の方が色々驚いてますよ?なんてったって、“魔界”なんですから」

「そりゃあ、数千年も待って神殺しの後には悪魔のすむ世界でスクールライフなんて、誰も想像できないよね。まぁ?イルくんはミレディさんにメロメロで、結婚してくれって何度も熱烈なプロポーズをしてきたんだから、魔界一の美少女のミレディさんも仕方な~く来てあげたんだけどね」

「妾も、こうして学舎に通う日々なんて想像もしておらんかったよ」

 

 そんな入間の言葉に各々の感想を述べるのは、シア、ミレディ、ティオだ。

 

 魔界に来てから、ユエ、シア、ミレディ、ティオの四人はサリバンの根回しのお陰で、悪魔学校へと転入した。実力的には教師陣クラスの彼女達だが、魔界においては何のキャリアも持たない彼女達がこれから先も魔界で生きていくためには、どうしても位階(ランク)を得る必要があるためだ。

 

 シアとミレディはトータスにいた頃から変わっていないが、見た目は妙齢の美女であるティオが悪魔学校にいるのは違和感がありすぎるため、ティオはユエと入間の変成魔法により、十代後半の見た目に変化している。スイカレベルの爆乳はシアと同レベルまで縮み、凛々しさを感じる顔立ちには元の姿ほどの威風が薄れてしまっているが、それでも絶世の美女と文句なしに呼べる美少女である。変態であることを除けば。

 

 そんな風に話しているうちに、入間達はサリバン邸に到着した。

 

 菜園もある庭を通り、玄関に手を掛け、ガチャリと音を立てながら扉を開けると……二つの影が突撃してきた。

 

「おっかえり~!!イ~ルマくぅ~~んっ!!!」

「パパぁー!!おかえりなのー!!」

「おっと!」

 

  猪のような勢いで向かってくる二つの影を、入間は慣れたように受け止め、勢いを完璧に受け流す。腕の中にある温もりに視線を下ろすと、タマゴ型のデフォルメスタイルになった入間の祖父──サリバンと、エメラルドグリーンの髪にヒレが耳のようになっている入間の愛娘──ミュウであった。

 

「おかえりなさいませ、イルマ様」

「あらあら、ミュウったら……フフフッ。おかえりなさい、あ・な・た♡」

「おかえりなさい、鈴木君」

「お、おかえり……」

 

 更に奥からやって来たのは、猫の耳と尻尾を生やした赤髪の執事──オペラに、エプロンを着けたミュウの母親──レミアに、入間と同じこの魔界において存在しないはずの人間──愛子と優花だった。

 

 レミアとミュウも、ユエ達と同じように魔界へと渡ったのだが、レミアはユエ達のように悪魔学校に通う道は選ばず、サリバン邸でオペラの手伝いとして働くことを選んだ。

 

 愛子と優花は、僅かに生き残ったクラスメイト達と共に地球への帰還を果たした。しかし、当然ながら世間は大騒ぎとなり、愛子の教師生命は終わろうとしていたのだが、入間は()()()()()を使い、事態の沈静化を図った。そして、今では魔界に籍を移したのだ。今では彼女達もサリバン邸の住人である。

 

「ただいま。ミュウ、お爺ちゃん」

「おかえりなの、パパ。パーティーの準備ができてるの!」

 

 そう言って、ミュウは家の中を指差すと、そこには色とりどりの飾り付けがなされた部屋に、『入間くんお帰り&ユエちゃん達歓迎パーティー』という文字がデカデカと書かれた垂れ幕があり、入間は苦笑いし、ユエ達は微笑ましそうな表情を浮かべた。

 

 帰ってきてから、孫バカなサリバンはサリバン邸にて、盛大なお迎え&歓迎パーティーを開いた。本来なら、一晩で終わるのがパーティーのセオリーなのだが、サリバンは次の日も次の日もパーティーを続けており、その日が続きに続いて……

 

「もう三ヶ月連続……」

「……ん。お義祖父(じい)様、帰還が嬉しいにしても流石に長すぎませんか?」

「え~っ!だって、イルマくんがトータスから帰ってきてくれて、そんな可愛いイルマ君にユエちゃん達みたいな素敵なお嫁さんが沢山できて、僕にはミュウちゃんっていう可愛い曾孫が出来て……嬉しい事がてんこもりなんだも~~んっ!!」

 

 手をバタつかせて喜びを露にするサリバン。これを見ると、彼が魔界において最も魔王に近い男なんて呼ばれているとは、誰も信じられないだろう。まぁ、溺愛している孫が一年近く異世界で行方不明になって、帰ってきたのが嬉しいのは当然だが。

 

「ご主人様は愛されておるのじゃ」

「これを見ると、入間さんのミュウちゃんへの溺愛ぶりは義祖父(じい)様に似たからなんですねぇ」

「だよねぇ~。まさか、神殺しの魔王がお爺ちゃんっ子だったなんて、世間が知ったらどうなるだろうねぇ~~……ブフッ」

 

 恋人たちから生暖かい視線を向けられ、入間の羞恥心はマッハである。

 

「フッフッフ~♪でも、お帰り&歓迎パーティーは昨日でおしまいだよ」

「えっ?じゃあこれって……」

「入間くんお帰り&ユエちゃん達歓迎パーティー…の、打ち上げパーティー!!!」

「パーティーの…打ち上げパーティー?」

 

 ユエ達が首をかしげるのも当然だったが、生徒会から家に戻ってきた時に同じようなことがあった入間は相変わらずの苦笑い。

 

「勿論、打ち上げパーティーだからゲストを呼んでるんだ~♪」

「え?ゲストって……」

 

 すると、入間は背後に二人の気配を感じて振り替える。

 そこには、入間にとっても見慣れた四人の姿があった。

 

「理事長に御呼ばれしてまいりました!イルマ様!!」

「イルマのおうち、とうちゃ~~くっ!はいこれ!お土産の魔ンゴー!」

「じゃ、邪魔をするぞ。イルマ……」

「お邪魔します、イルマ先輩」

 

 そう、そこにいたのは入間の親友であるアスモデウス・アリスとウァラク・クララ。そして入間の恋人であるアザゼル・アメリと、クロケル・チマであった。

 

 クララの手土産の魔ンゴーを受け取りつつ、いつまでも玄関先で留まっている訳には行かないと入間達は豪勢な食事が並ぶ食卓に移動した。お祝いのクラッカーが鳴り、入間達はうまうまと口に運んでいく。ユエ達が入間に食事を刺したフォークを差し出して「あ~ん」をしたり、クララがアスモデウスに「あ~ん」をしようとしたが恥ずかしくて口喧嘩に発展してしまうなど、騒がしくも楽しいパーティーだった。

 すると、自身の前に置かれた料理を食べ終えたサリバンが、ユエ達に話しかけた。

 

「どう、ユエちゃん、シアちゃん、ミレディちゃん、ティオちゃん?魔界の暮らしには慣れたかな?」

「……ん。まだまだ慣れていないことが多いです。でも、毎日がビックリ箱みたいでとても楽しいです」

「ですです。学校に行って習い事なんて、トータスでは考えられませんでしたからねぇ」

「そうじゃな。位階(ランク)昇級試験も歯応えがある。何もかもが新鮮じゃ」

「まっ!ミレディさん達の実力ならあっという間に10(ヨド)に行っちゃうからね!」

「フフッ、いい野心だ。これは私もうかうかしていられんな……」

「……」

 

 現在、入間に並ぶ速度で驚異の速度で位階(ランク)を上げつつあるユエ達。それを見て、アメリは不適な笑みを浮かべながら、チマは無表情のまま、油断ならない相手が出来たと対抗心を燃やす。

 

「む~~!ユエお姉ちゃん達ばっかりずるいの!ミュウも学校に行きたいの!」

「ミュウ。流石にミュウの年齢じゃあ若すぎるから、もう少ししてからね」

 

 悪魔学校には年齢規定はないが、流石に5歳と幼すぎる故にサリバン邸でオペラやレミアの手伝いをしているミュウは、自分も悪魔学校に通いたいと駄々を捏ねるが、流石にそれは無理だと入間はミュウの頭をなでなでする。

 ティオの肉体年齢を弄って悪魔学校に入学させるという年齢詐称をしている入間達だが、流石に肉体を弄れても精神年齢を弄るわけには行かないため、ミュウの入学はもう少し大きくなったらだろう。

 

「ミュウも戦えるのに……」

「みゅ、ミュウちゃん……。確かにミュウちゃんは強いですけど、だからって学校に通える訳じゃないですよ?」

「そうよ。悪魔みんなが入間みたいに変身するんだったら、悪魔学校は人外魔境かなにかよ」

 

 ミュウは、ポケットから取り出した『携帯電話型の変身アイテム』を手にしながら愚痴るように呟く。これは、エヒトルジュエ達との決戦の時に手に入れたミュウの力だ。だだ、その力は学校生活においては不要なものだ。若年5歳にして年齢に不相応な程に強くなったミュウだが、

 頬をプクゥと膨らませるミュウに、愛子と優花は苦笑いしながらその小さな両肩に手を置いた。

 

「あらあら、ミュウの進路は悪魔学校で決まりですね。ところでお義祖父(じい)さん、魔ナスを残してはいけませんよ?」

「えっ?いや、でも……」

「あらあら、うふふ。ミュウの曾祖父なら、カッコいいところを見せてくださいな」

「……はい」

 

 レミアの笑顔に押され、渋々と魔ナスを口にするサリバン。位階(ランク)(テト)の大悪魔を相手に笑顔で言うことを聞かせるとは、やはりレミアは大物である。

 

 そんな騒がしくも賑やかになった日常を見て、入間はフフッと微笑んだ。

 

(やっぱり、僕が帰る場所はここなんだ)

 

 辛いこともあったが、素敵な出会いに溢れていたトータスでの日々はとても楽しかった。だが、やはりこのありふれた日常は楽しい。

 ありふれた日常に入間が頬を緩めていると、食卓に声が聞こえてきた。

 

『相も変わらず騒がしいな』

 

 その声に一同が視線を集めてみると、そこには赤と黒を基調とし、胴体がなく左右から大きな翼を生やし、大きな黄色い眼を持った機械的なボディを持つコウモリのような生物がいた。

 

「おや、キバット君。どうかしたのかい?」

 

 サリバンが尋ねる。

 このコウモリの名前は【キバットバットⅡ世】。キバット属の名門キバットバット家の二代目であり、ファンガイアのキングとクイーンを守るための存在だ。

 

 キバットⅡ世は、食卓の上に止まると、翼を動かしながらサリバンの問いに答えた。

 

『地下の物置に来てみろ。妙なものが現れたぞ』

 

 その言葉に、入間とサリバンとオペラは顔を見合わせると、その物置へと足を運ぶことにする。ユエ達も、キバットⅡ世が言うものが気になるのかついていくことにした。

 

 長く続く階段を降り、水路の横にある通路を歩いていくと、恐竜のような生物の骨の意匠が施された大きな扉を開けて先に進んでいくと、入間達はキバットⅡ世の言っていた『妙なもの』を発見した。

 

「…これ、鏡ですか?」

「かなりの魔力を感じるのじゃ」

「綺麗なの~」

「キラキラだ~~」

 

 シア、ティオ、ミュウ、クララが口々に感想を述べる。

 扉を抜けた先には、二メートルはありそうな鏡のようなものが浮かんでいたのだ。そこからはかなりの魔力を感じており、一同の警戒心を沸き上がらせた。

 

『俺がこの辺りを飛んでいる時に突然現れた。観察してみても、ただここで光っているだけだったぞ』

「ユエ、ミレディ。どう見る?」

「……空間魔法と似た力を感じる。多分、転移系の魔法のゲート」

「けど、ミレディさんもこんな魔法見たことないよ。少なくとも、トータスや魔界とは全く違う魔法だね」

「成る程な……ならば、触れない方がいいな」

「そうですね。ゲートの向こうがどうなってるかも分かりませんし」

「では、このゲートについては我々が調べておきましょう。ですよね、サリバン様?」

「そうだね。これが何なのか分かるまで、この辺りに結界を張っておこうかな」

 

 魔法のスペシャリストのユエとミレディですら、この鏡については最低限のことしか分からなかった。もう少し詳しく調べれば分かるだろうが、入間達はクララ以外満場一致で、この鏡には不干渉とすることを決めた。

 

 そうして、一度鏡から離れようとした時……

 

「ぶるひん!」

「わあっ!?」

 

 突如、入間の目の前の空間が歪み、そこから黒い馬が現れた。

 サリバン邸の馬車を引いてくれる二頭の内の一頭だ。どうやら、腹をすかせてサリバンにエサを求めてきたらしい。だが、突然目の前に馬がドアップで現れたことに、流石に驚いた入間は体を仰け反らせてしまう。

 その時、入間の指先が、鏡に触れた。

 

「あ………っ!!?」

「「「「「「「「イルマ(君/ち/様/さん/先輩)ッ!?」」」」」」」」

「ご主人様!?」

「あなた!!」

「パパッ!?」

 

 その瞬間、入間の腕が鏡に吸い込まれ始めたのだ。

 ユエがとっさに入間の片腕を掴み、その故の体をその場にいた全員が掴んで入間を引っ張り出そうとするが、鏡の吸引力は入間達の想像を越えており、魔界でも屈指の実力者である彼らの腕力を持ってしても、咄嗟過ぎることもあり、ズルズルと靴が引きずられているのだ。

 

 その時、入間の手が、ユエの手から滑り抜けた。

 

 入間の体が完全に鏡に呑み込まれ、鏡は追いかけようとするユエ達を無視するようにその場から一瞬で姿を消してしまい、ユエの手が虚しく空を切った。

 

 その場に残っていたのは、悲壮な表情を浮かべるユエ達だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気が付けば、入間は青空の下にいた。

 この時点でおかしい。入間の帰る場所である魔界の空は、人間界の空やり若干位色をしているのだ。

 

 辺りを見渡すと、塀に囲まれた敷地にいることが分かった。辺りにはマントのようなものを着込んだ少年少女、更には見たことがない生き物が沢山いた。魔物や魔獣に関してそこまで詳しいわけではないが、魔界やトータスに現存する生物と一致するものは一匹もいない。

 

(これは……またってことかな?)

 

 魔界、トータス、レジェンドの世界、ミッドチルダと、四回にも渡って異世界を巡り歩いてきた入間である。この僅かな未知を体験しただけでも、その可能性に辿り着くのは簡単だった。

 

「アンタ、誰よ?」

 

 その時、入間はその声の主に視線を向けた。

 そこに立っていたのは、ブロンドがかった艶のある桃色の長髪と、鳶色の瞳を持つ小柄な少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───かくして、神を越えた少年、鈴木入間は“虚無の少女”と出会った……」

 

「この出会いを切っ掛けに、彼は多くの出会いと戦いに身を投じていく事になる……」

 

「その道の先に、鈴木入間は大魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っているのか………。それは、この本とは違う歴史が記される必要があるようです」




次回予告

入間「また違う世界?」

ルイズ「これで今日からアンタは私の使い魔になったのよ!」

 新たな世界、ハルケギニア!

コルベール「随分と珍しいルーンだな……」

アリクレッド「かなり強力な魔法だな」

入間「世界の壁を……越えられない……!?」

EP02「鈴木入間は何故使い魔になったのか」









 この作品ではミュウも変身します。変身アイテムは少しだけ登場しましたが、何に変身するかはまだ秘密。ヒントは……『海』に関するものです。

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