悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME 作:MTHR
始祖ブリミルの像が置かれた礼拝堂で、ウェールズ皇太子は新郎と新婦の登場を待っていた。非戦闘員は既に港に向かい、兵士達は最後の戦いの準備を始めている。式を見守っている人間はタバサ、ギーシュ、キュルケ、そして愛子、優花、チマの六人だけだった。
扉が開き、ルイズとワルドが現れた。ルイズは呆然と突っ立っていたが、ワルドに促され、鎧兜に身を固めた十数人ばかりの衛士が作る花道を通り、ウェールズの前に歩み寄った。
「まさか、ルイズが結婚なんてねぇ。子爵ったら急に結婚式挙げるって言うんだから驚いちゃったわ」
「しかし、勇敢なウェールズ皇太子殿下に婚姻の媒酌を頼むとは…子爵も粋なことをするね」
「ふーん…ところで、イルマやユエ達は?」
「……イルマ先輩達は別件のようでいません」
この場にいない入間達の行方をチマが適当にはぐらかす。まさか、使い魔の仕事を放り出して娘を探しにいってるなんていったら、確実に面倒なことになる。色々と。
「それにしても……ルイズさん、大丈夫でしょうか……」
「愛ちゃん……それって、
「いえ、違います園部さん……。いや、それの心配もなくはないんですけど、ルイズさんが何だか元気なさそうで……」
愛子が心配した通り、当のルイズは戸惑っていた。今朝方早くにワルドに起こされ、ここまで連れてこられたのだった。
戸惑いはしたが、自暴自棄な気持ちが心を支配していたので、深く考えずに、半分眠ったような頭でここまでやって来た。死を覚悟した王子たちと、昨夜の入間達の態度が、ルイズを激しく落ち込ませていた。
ワルドはそんなルイズに「今から結婚式をするんだ」と言って、アルビオン王家から借り受けた新婦の冠をルイズの頭に乗せ、純白のマントを纏わせた。
しかし、そのようにワルドの手によって着飾られても、ルイズは無反応。ワルドはそんなルイズの様子を、行程の意思表示と受け取った。
始祖ブリミルの像の前に立ったウェールズの前で、ルイズと並び、ワルドは一礼した。
「では、式を始める」
王子の声が、ルイズの耳に響く。だが、何処か遠くでなり響く鐘のように、心もとない響きであった。
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とする事を誓いますか」
ワルドは重々しく頷いて、杖を握った左手を胸の前に置いた。
「誓います」
ウェールズはにこりと笑って頷き、今度はルイズに視線を移す。
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール……………」
朗々と、ウェールズが誓いの詔を読み上げる。
今が、結婚式の最中だという事を改めてルイズは気付いた。相手は、憧れていた頼もしいワルド。二人の父が交わした結婚の約束。幼い頃、ぼんやりと想像していた未来が現実のものになろうとしている。
ワルドの事は嫌いじゃない。おそらく、好いている。
なのになぜ、自分の気持ちはこんなにも沈んでいるのだろう?
「新婦?」
ウェールズがこっちを見ている。ルイズはハッとした。
式は自分の与り知らぬ所で続いている。ルイズは戸惑った。どうすればいいんだろう?こんな時はどうすれば良いんだろう?誰も教えてはくれない。
「緊張しているのかい?仕方がない。初めての時は、ことがなんでかれ、緊張する物だからね」
ニッコリと笑って、ウェールズは続けた。
「まあ、これは儀礼に過ぎぬが、儀礼にはそれをするだけの意味が有る。では繰り返そう。汝は始祖ブリミルの名において、この者を敬い、愛し、そして夫と……」
ルイズは気付いた。誰もこの迷いの答えを、教えてはくれない。
自分で決めねばならぬのだ。
ルイズは深く深呼吸して、決心した。
ウェールズの言葉の途中、ルイズは首を振った。
「新婦?」
「ルイズ?」
二人が怪訝な顔でルイズの顔を覗き込んだ。ルイズはワルドに向き直り、悲しい表情で首を振る。
「どうしたね、ルイズ。気分でも悪いのかい?」
「違うの。ごめんなさい……」
「日が悪いなら、改めて……」
「そうじゃない、そうじゃないの。ごめんなさい。ワルド、わたし、あなたとは結婚できない」
突然の展開に、キュルケ達はあんぐりと口を開けて呆然としており、ウェールズは首をかしげた。
「新婦は、この結婚を望まぬのか?」
「その通りでございます。お二方には、大変失礼をいたす事になりますが、私はこの結婚を望みません」
ワルドの顔に、さっと朱がさした。
ウェールズは困ったように、首をかしげ、残念そうにワルドに告げた。
「子爵。誠に気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続ける訳にはいかぬ」
しかし、ワルドはウェールズに見向きもせず、ルイズの手を取った。
「……緊張しているんだ。そうだろルイズ。君が、僕との結婚を拒む訳がない」
「ごめんなさい。ワルド。憧れだった、恋だったかもしれない。でも今は違うわ」
するとワルドは、今度はルイズの肩を掴んだ。
「世界だルイズ。僕は世界を手に入れる!そのために君が必要なんだ!」
「……私、世界なんかいらないわ」
「僕には君が必要なんだ!君の能力が!君の力がッ!」
ワルドの剣幕に、ルイズは恐れをなして後じさる。
「ルイズ、いつか言ったことを忘れたか!君は始祖ブリミルに劣らぬ優秀なメイジに成長するだろう!君は自分で気づいてないだけだ!君の才能に!」
「ワルド、あなた……」
ルイズに対するワルドの剣幕を見かねたウェールズが、間にはいってとりなそうとした。
「子爵……、君はフラれたのだ。潔く……」
「黙っておれ!」
ワルドがその手をはね除け、ルイズの手を握る。ルイズはまるで蛇に絡みつかれたように感じた。
「ルイズ!君の才能が僕には必要なんだ!」
「私は、そんな、才能のあるメイジじゃないわ」
「だから何度も言っている!自分で気付いていないだけだよルイズ!」
ルイズはワルドの手を振りほどこうとした。しかし、物凄い力で握られている為に振りほどくことが出来ない。苦痛で顔を顰めながら、ルイズは叫んだ。
「そんな結婚、死んでも嫌よ。あなた、私をちっとも愛してないじゃない。分かったわ、あなたが愛しているのは、あなたが私にあるという、在りもしない魔法の才能だけ。ひどいわ。そんな理由で結婚しようだなんて。こんな侮辱はないわ!」
ルイズが暴れる。ウェールズが、ワルドの肩に手を置いて、引き離そうとした。しかし、今度はワルドに突き飛ばされた。
突き飛ばされたウェールズの顔に赤みが走る。立ち上がると、杖を抜いた。
「うぬ、何たる無礼!何たる侮辱!子爵、今すぐにラ・ヴァリエール嬢から手を離したまえ!さもなくば、我が魔法の刃が君を切り裂くぞ!」
ワルドは、そこでやっとルイズから手を離し、どこまでも優しい笑顔を浮かべる。しかしその表情は嘘で塗り固められていた。
「こうまで僕が言ってもダメかい?ルイズ。僕のルイズ」
「嫌よ、誰があなたと結婚なんかするもんですか」
「この旅で、君の気持ちをつかむために、随分努力したんだが…………」
両手を広げて、ワルドは首を振った。
「こうなっては仕方ない。ならば目的の一つは諦めよう」
「目的?」
ルイズは首をかしげた。
ワルドは唇のはしを吊り上げると、禍々しい笑みを浮かべた。
「そうだ。この旅における僕の目的は三つあった。その二つが達成できたぢけでも、よしとしなければな」
「達成?二つ?どういうこと?」
ルイズは不安に戦きながら、尋ねた。
ワルドは、右手を掲げると、人差し指を立ててみせた。
「まず一つは君だルイズ。君を手に入れる事だ。しかし、それは果たせないようだ」
「当たり前じゃない!!」
「二つ目の目的は、ルイズ、君のポケットひ入っている、アンリエッタの手紙だ」
「ワルド、あなた……」
『アンリエッタの手紙』という言葉で、全てを察したウェールズが、杖を構えて魔法を詠唱した。
しかし、ワルドは二つ名の閃光のように素早く杖を抜き呪文を詠唱させた。
ワルドは風のように身をひるがえらせウェールズの心臓を青白く光るその杖で貫いた。
「き、貴様……、『レコン・キスタ』……」
ウェールズの口から、鮮血が溢れ出す。ルイズは悲鳴を上げた。
「そして三つ目……ウェールズ・テューダー、貴様の命だ」
ウェールズは床に倒れた。
「貴族派!あなた、アルビオンの貴族派だったのね!ワルド!」
「そうとも。いかにも僕は、アルビオンの貴族派『レコン・キスタ』の一員さ」
ワルドは冷たい、感情の無い声で言った。
「どうして!トリステインの貴族である貴方がどうして!?」
「我々はハルケギニアの将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族の連盟さ。我々に国境は無い」
ワルドは再び杖を掲げた。
「ハルケギニアは我々の手で一つとなり、始祖ブリミルの光臨せし『聖地』を取り戻すのだ」
「昔は、昔はそんなふうじゃなかったわ。何が貴方を変えたの?ワルド……」
「月日と、数奇な運命の巡り会わせだ。それが君の知る僕を変えたが、今ここで語る気にはならぬ。話せば長くなるからな」
ルイズは思い出したように杖を握ると、ワルド目掛けて振ろうとした。しかし、ワルドになんなく弾き飛ばされて、床に転がった。
その瞬間、地面から発生した氷山が、ワルドに襲い掛かった。
「何ッ!?」
予想外の攻撃だったが、腐っても騎士団隊長であるのか、ワルドは咄嗟に飛び退くことで直撃を回避すると、杖を構える。
その視線の先には、三人の少女がルイズを守るように立っていた。
「入間の推理通りとはいえ、最悪な展開ね……」
「ユウカ…アイコ…チマ……」
そこにいたのは、既に腰にベルトを巻いている優花と愛子とチマの三人だった。
「キュルケさん!ギーシュさん!ルイズさんをお願いします!」
「分かったわ!」
「ま、任せたまえ」
突然の事態に混乱していたキュルケとギーシュだったが、愛子の飛ばした声で、すぐに駆け寄ると、二人はルイズを抱え上げ、タバサは杖を構えて戦闘態勢を整えている。
自分と対峙するように立った愛子、優花、チマの姿を見て、ワルドは愉快そうに笑う。
「おや、『ガンダールヴ』に侍っていた女達じゃないか」
「その言い方、スッゴいムカつくんですけど?」
愛しい男をそんな名前で呼ばれることも、自分達を見下すような言い方も、不愉快だというように言い返すと、エターナルメモリを取り出した。
それをみたワルドはフン、鼻を鳴らすと懐をまさぐり、金色の『N』というイニシャルが刻まれた金色のメモリを取り出した。
「ガイアメモリ……」
「やっぱり、フーケと一緒に入間を襲ったのはアンタだったのね!」
ワルドは肯定するようにニヤリと笑うと、見せつけるように前髪を書き上げる。
露になったワルドの額には、黒い不可思議な刺青──ガイアメモリの生体コネクタが刻まれていた。
ワルドは手にしたメモリ──“ナスカメモリ”のボタンを押し、生体コネクタに射し込んだ。
ナスカメモリがワルドの額に吸い込まれ、ワルドの姿が歪んでいく。
そして露になったのは、ナスカの地上絵のような模様が刻まれた、騎士のような姿をした怪物──【Rナスカ・ドーパント】だった。
「「ヒィッ!!?」」
「な、なによアレ……!?」
「……!」
ルイズ達は、初めて目にする“怪人”を前に、怯えたように身を強張らせる。タバサでさえ、Rナスカ・ドーパントから発せられる威圧感に冷や汗を流している。
「ルイズさんの気持ちを弄んで結婚なんて……女として許せません」
「イルマ先輩を襲った分も含めて…ボコボコにします」
「行きましょう!」
しかし、優花達三人は臆することなく、各々の戦闘準備を始めた。
愛子はゼインプログライズキーを起動し、優花はエターナルメモリを構える。
チマがメンキョカイデンプレートを手にすると、三人は同時に叫んだ。
「「「変身!!」」」
仮面ライダーの姿へと変身を遂げた三人が立ち並び、その後ろでルイズ達が驚愕する中、エターナルはエターナルエッジを召喚すると、その切っ先をRナスカ・ドーパントに向ける。
「さぁ……地獄に落ちなさい!!」
エターナルエッジの刃を下に向けながら宣言すると同時に、三人の仮面ライダーは走り出した。
一方、ウエストウッドの森の奥深くでは、無数の爆音や金属音が響き渡っていた。
「はぁ!!」
ジオウの振り抜いたジカンギレードが戦闘員達を薙ぎ倒す。
爆炎を飛び出すようにドラスが飛び出してくる。ジオウはすかさずジカンギレードをジュウモードに変えると、ドラスに向けて何十発の弾丸を打ち込む。
大したダメージにならず、ドラスは飛び掛かってくるが、ジオウは銃弾によってわずかに動きが鈍った隙をついて取り出したライドウォッチを起動させる。
ジオウは【仮面ライダー鎧武・オレンジアームズ】を模した姿に、複眼にはカタカナで「ガイム」と描かれており、両肩はオレンジロックシードを、胸部の装甲は鎧武の仮面を模した形状になっており、背面のサブアームや両足装甲にもオレンジの要素が組み込まれたデザインになっている。上半身のアーマーと腰部のアーマーを繋ぐチューブ上のパーツや背面から伸びるパーツがある【鎧武アーマー】に変身した。
“大橙丸Z”と呼ばれる剣を装備すると、ジオウは迫ってきたドラスを切りつけ更に猛攻撃を開始する。
そのすぐ近くでは、ウィザードがアリゲーターイマジンの炎を纏った蹴りを浴びせていた。
パワーはアリゲーターイマジンが上だが、スピードと柔軟性ではウィザードが勝っており、ウィザードのアクロバティックな動きについて行くことが出来ず、再度放たれた蹴りにより吹き飛ばされる。
しかし次の瞬間、背後からオックスオルフェノクが突進してきて、ウィザードの背中を狙う。
「うりゃあっ!!!」
そこへ、割り込んできたエグゼイドのガシャコンブレイカーの一撃がオックスオルフェノクを吹き飛ばす。エグゼイドはそのまま体を反転させ、意図を察したウィザードが姿勢を低くした瞬間に、アリゲーターイマジンを続けて吹っ飛ばした。
「決めますよ、ユエさん!」
「んっ!」
各々の武器を構えて必殺技を発動し、エグゼイドがガシャコンブレイカーⅡを地面に叩き付けると、発生した衝撃波がオックスオルフェノクとアリゲーターイマジンを空へと打ち上げると、ウィザードは高く跳躍し、炎を纏うウィザーソードガンで切り裂いた。
炎の剣閃を刻まれた2体の怪人は、爆発を起こして消滅した。
ゴーストが相手にしているのは、牛のような姿をした魔化魍、牛鬼だ。ベンケイ魂にゴーストチェンジし、パワーで対抗しようとするが、牛鬼のパワーは凄まじく、ゴーストがジリジリと押されていってしまう。
「ミレディさんを舐めんなよ~!“禍天”!」
その瞬間、牛鬼の体を凄まじい重力が襲い、地面に叩き付けられる。
そのまま動けずもがいている牛鬼に向け、ゴーストはガンガンセイバー・ハンマーモードをゴーストドライバーにかざした。
周囲に無数の武器のエネルギー体を作り出して打ち出すと、全身を切り期された牛鬼は、大爆発を起こした。
龍騎が相手にしているのは、虫のような見た目をしたビートルファンガイア。昆虫のように全身を覆う装甲の前に、龍騎が装備したドラグクローは歯がたたず、押されていた。
「ならば、これじゃ!」
カードデッキから新たなカードを取り出し、龍騎はそれをドラグバイザーに挿し込み。
対象を凍結させるカードにより、ビートルファンガイアの動きが凍り付いたように静止する。
相棒のドラグレッダーが召喚され、龍騎は構えをとると、一気に跳躍する。
「ドラゴンライダーキックじゃ!!」
ドラグレッダーの吐き出した火炎を纏った龍騎の蹴りが、氷の彫刻となった牛鬼に炸裂し。牛鬼は全身がひび割れると、破片を撒き散らしながら派手に爆発した。
ゲイツが相手にするのは、一際巨大な蜘蛛のような体を持つ【クモ女】だ。細いてに生えた鋭い爪をゲイツに突き刺そうとするが、ゲイツはそれをガッシリと掴み取ると、それを握力でへし折る。
悲鳴を上げるクモ女に、ゲイツはジカンザックスを振り下ろして右腕を無惨に切り落とす。
悲鳴を上げるクモ女の隙を着いて、ゲイツは新たに取り出したライドウォッチを起動する。
【仮面ライダーギルス】を模した姿に、両肩はギルスのギルスアントラーを模した装甲をもち、両腕の装甲に鞭と刃が備わり、複眼は「ぎるす」という文字に変化した【仮面ライダーゲイツ・ギルスアーマー】に変身したゲイツは、姿勢を低くしてクモ女に飛び掛かった。
「はぁっ!!」
クモ女に鞭を巻き付け、ゲイツはそのパワーを持ってクモ女を引き寄せると、腹部に刃を突き刺す。
苦痛に満ちた悲鳴を上げるクモ女を引き離すと、ドライバーのウォッチのライドオンスターターを押し、回転させる。
踵に刃を携えた右足を抱えるようにしてジャンプし、踵落としの要領でクモ女の背中に刃を突き刺す。
「ウォアァァァァァァッ!!!」
雄叫びと共にクモ女を蹴って跳躍すると、クモ女の頭の上に光の輪が出現し、クモ女はゲイツの着地と同時に爆発を起こした。
「おのれ~!我が兵士達がこんなにアッサリやられるとは!ってゲソォッ!?」
スペースイカデビルは、自身の配下が次々と負けていることに歯噛みしていると、ゴーカイレッドの斬撃が横から襲い掛かった。
「どっておきの奴、使うの!」
ゴーカイレッドは腰に巻いているゴーカイバックルのボタンを押してレンジャーキーを召喚する。そして、“白い魔導師の姿を象ったレンジャーキー”をキーモードに変形させる。
「ゴーカイチェンジ!なの!!」
レンジャーキーを構えたゴーカイレッドは、レンジャーキーをモバイレーツに挿し込み。
ゴーカイレッドの体をピンク魔法陣が包み込み、その姿が白いバリアジャケットに白いリボンで茶色の髪をツインテールに纏めた19歳程の少女のものに変化した。
その姿こそ、異世界の魔導師達の力が宿る“リリカルキー”によって変身した魔導師【高町なのは】の姿である。
「そんな変身があってはイカんだろう!?」
「海賊版なの!」
スペースイカデビルの言葉に得意気に返しながら、なのははゴーカイガレオンを模した造形のバズーカ“ゴーカイガレオンバスター”を装備する。
「パパ!一撃で決めるから、敵を集めてほしいのー!」
「ミュウの頼みなら!」
ドラスに向けて大橙丸Zの連撃を放っていたジオウは、なのはの声に答えると、ジクウドライバーに装填されたウォッチを起動し、ドライバーを回転させる。
大橙丸Zを振るい、ドラスをスペースイカデビルの元へ切り飛ばすと同時に、スペースイカデビルとドラスの二体をオレンジ型のエネルギーで拘束する。
動けなくなった二体を見据え、なのははゴーカイガレオンバスターこレバーを引くことで帆の部分がせり上がって照準器に変形させるお、新たに取り出した【フェイト・T・ハラオウン】【八神はやて】【シグナム】【ヴィータ】のリリカルキーを宙に放ると、キーモードになったリリカルキー4本をゴーカイガレオンバスターに装填させる。
最後に高町なのはのリリカルキーを最後尾のシリンダーに射し込み、捻る。
砲口に桃色のエネルギーが収束し、なのはは引き金を引く。
「グォオオオオオッ!?」
「ゲソーーーーーッ!!?」
桃色のゴーカイガレオン型のエネルギーが解き放たれ、オレンジ型のエネルギーに拘束されているドラスとスペースイカデビルを貫いた。
スペースイカデビルは、全身から火花を散らし、背中から倒れると、ドラスと共に派手に爆発を起こした。
「ミュウ、大丈夫!?」
「んみゅ……やっぱり一人だと上手く射てない。狙いが5ミリもズレたの……」
ゴーカイガレオンバスターの反動で尻餅を着いたなのはの元にジオウが駆け寄ると、なのはの変身が解け、ミュウの姿に戻る。ミュウの元に集まったジオウ達も、同時に変身を解除した。
ゴーカイガレオンバスターはゴーカイジャーの武装の中でも指折りの破壊力を持つ武器だが、本来ゴーカイガレオンバスターの必殺技はゴーカイジャー5人で扱う武器であり、いくらゴーカイレッドに変身したとて、5歳のミュウの筋力では堪えきず、反動で吹っ飛ばされてしまうのだ。
「早く仲間を見付けたいの………」
そんなミュウを思う存分に愛でたくなる入間だったが、今は愛子達の方も大変な事になっている可能性を考え、宝物庫からアーティファクトを取り出した。
「ミュウ、僕達はこれから行かなくちゃ行けないところがあるんだ。このアーティファクトを使えば、好きな時に僕のところに来られるから、何時でも使ってね」
「んみゅ。パパ、頑張ってね……」
入間には守らなければならない物があると分かっていながらも寂しそうな顔をするミュウを、入間は思いきり抱き締める。ミュウもしばしの別れとなる父の包容を思いっきり堪能する。
やがて、レミアとティファニアも騒ぎの収束を感じてやって来ると、二人も入間達の出発に別れを告げる事にした。
「あなた……直ぐにミュウと一緒に会いに行きますから、その時は私との時間もとっておいて下さいね♡」
「ははは……それは勿論」
「……テファも気を付けて」
「ミュウもいるから平気だとは思うが……用心はしといてくれ」
「そうです。敵の狙いは貴方みたいですからね」
「そうですよね……すみません。ミュウちゃんや皆さんにご迷惑を掛けて」
「気にする事はないぞ。ミュウの友人ならばなおさらじゃ」
「可愛い可愛いミュウちゃんの為だからね~」
短い挨拶の言葉を交わすと、入間は手っ取り早くオーロラカーテンを出現させる。
「パパ、頑張ってね!」
「うん、行ってくるね!」
娘と短い別れを告げると、入間達はオーロラカーテンの中に飛び込んだ。
次回予告
Rナスカ「ではこちらも本気をだそう」
エターナル「その、力は……!?」
ワルドの本気とは!?
Rナスカ「死ね!ガンダールヴ!!」
デルフ「心を震わせるんだ相棒!!」
ガンダールヴの力!
ルイズ「カメン…ライダー……」
ジオウ「これで決まりだ!」
EP20「Nの結婚式/裏切り者への