悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME 作:MTHR
短い上に駄文ですが、少しは楽しめれば嬉しいです。
「おい死ぬな!目を開けてくれ!!生きるのを諦めるな!!」
少女の声が、夕日に照らされる会場に木霊する。
鳥の羽毛のような紅い髪に、二本の角のようなヘッドギアをつけている少女──【天羽奏】は、目の前にいる少女に向けて、必死に声をかける。
胸からおびただしい量の血を流す茶髪の少女は、奏の願いが届いたかのように、虚ろな目で顔を上げる。
奏は、少女の反応に嬉しそうな笑みを浮かべた後、視線を下げた後、ゆっくりと立ち上がる。近くに落ちていた槍を拾い上げ、目の前に屯する“怪異”と向かい合う。
特異災害──【ノイズ】。触れた生物を炭素の塊へと分解する、この世界の化け物。大人気ボーカルユニット【ツヴァイウイング】のライブにて突如現れ、数えきれぬ程の観客を炭素に変えたその怪物達を前に、奏はポツリと呟く。
「……いつか、心と体。全部空っぽにして、思いっきり歌いたかったんだよな……。今日はこんなに沢山の連中が聞いてくれるんだ。だからアタシも……出し惜しみ無しでいく」
奏は手にした槍──“ガングニール”を掲げる。
そして、涙を流した彼女は自身の切り札を歌い出す──
──前に、天から降り注いだ黒い何かが、ノイズの群れを虫のように踏み潰し、轟音と衝撃を撒き散らした。
「うぁあああああああっ!!?」
奏は、歌い出そうとした歌を中断させられ、奏は衝撃波に吹き飛ばされそうになる。しかし、後ろの瓦礫にもたれかかっている少女が視界にはいると、根性で体勢を立て直し、少女に覆い被さるようにして、彼女を衝撃波と撒き散らされる瓦礫から守った。
「奏!!!」
そこへ、青い髪に刀を手にした少女──【風鳴翼】が、衝撃波と強風に耐えながら奏と少女の下へと駆けつけた。
『グゥゥゥオォォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!』
巻き上がった土煙を吹き飛ばして、
「なんだ、コイツは……!?」
「ノイズなのか……!?」
「………」
奏と翼は、その存在を目にして絶句する。血を流している少女は、朦朧とする意識のなかで、その存在を目にした。
それは、全長16mはある、ノイズとはまるで違う異形だった。
クワガタムシに似た外見の黒い体には青い血管のような物が走っていている。二本の逞しい脚に、長い腕が4本生え、まるで昆虫のような四肢。三本の長い角に、背中には巨大な翅が生えている。
瞳は左右4つずつ存在し、牙の生えた口と相まって正面から見れば気味の悪い笑顔を浮かべているかのように見える。
右肩に『KUUGA』、左肩に『2000』の文字と数字が刻まれた。
それは、まさに怪物と呼ぶに相応しい存在だった。
その怪物は、牙が生え揃った口を開ける。その口内に、黒と金の禍々しい光が発生するのを見て、奏と翼は身を強張らせる。
後ろには血を流す少女がいる以上、ここを動くわけにはいかない。だが、彼女達が各々が持つ武器を起動させるための『歌』を歌い出すより、黒い怪物の口から、黒と金の光線が放たれる方が、はるかに早かった。
二人を飲み込もうと迫る極光。奏と翼が、『死』を幻視しながらも、後ろにいる少女を救うために動き出そうとした時だった。
「“
静かな声と共に、地面から根が生え、青い光が三人を包み込んだ。
その光に、怪物が放った極光は阻まれ、轟音を響かせながら消滅する。
「……まさか、逃げ込んだ先がこんなカオスな場所だったなんてね」
呆然とする奏と翼、そして少女の耳に声が聞こえてくると同時に、三人を包み込む光のドームの向こう側に、一人の人物が降り立った。
それは、奏と同い年くらいと思われる少年だった。
外ハネした後ろ髪に、触覚のような特徴的な髪型をした、青い服を着た少年は、チラリと奏と翼に視線を向ける。
少年は、見たこともない装備と武器を手にする奏と翼、そして、虚な目で此方を見る、今にも死にそうな少女を目にすると、雄叫びを上げる黒い怪物に向き合い、ゆっくりと歩き出した。
「そこでジッとしてて。その子を治療するためにも──直ぐに終わらせる」
その瞬間、世界が悲鳴を上げた。
少年の腰に、黄金のベルトが現れる。
奏達から数十メートル離れた少年の背後が赤黒く輝き、赤黒い光を帯びた燃え盛る時計が現れる。
地響きを起こしながら、時計の針が10時10分を刺す。
少年は、ベルトの両サイドを押し込むと、あの言葉を口にした。
「──変身」
時計が溶岩で満たされ、溶岩で生成された「ライダー」の文字が時計から飛び出し、いくつもの歯車や文字盤のようなイメージが天球儀のように少年を包み、その姿が変わっていく。
少年の姿が完全に変わると同時に、発生した黒黄金の波動が、黒い怪物を怯ませ、僅かに残っていたノイズを一体も残らずに消滅する。
「───」
茶髪の少女──【立花響】は、消えていく意識の狭間で、確かにその存在を目に焼き付けていた。
天羽奏と風鳴翼、そして立花響の前に立っていたのは、荘厳な王だった。
全身が黒と金で統一された、身を包む華美な鎧。
右胸には懐中時計を模したパーツが6つ付いており、肩からは黄金の勲章をかけており、背中には時計の長短針を模したプレートによって構成される大時計がマントの様に装着している。
顔はクロノグラフ付の時計風で、カタカナで『ライダー』の文字を描いた深紅の複眼の形状は翼を広げた鳥のよう。
文字盤部分は幾つもの小さく高精細な『王』の文字が並んだ柄になっている。
その王は、ベルトの両端に触れる。
それを最後に、響の意識は完全に闇へと消えた。
それと同時に、ツヴァイウイングのステージに、天を貫くような炎柱が立ち上ぼり、光のドームに守られた三人以外の存在は、跡形もなく消滅した。
現時点ではシンフォギア編のヒロインはグレ響の予定ですが、他にも増やす必要があるかどうか、アンケートの結果をみて考えようかな~と思っています。出来ればお気軽に回答していただけると嬉しいです。
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