悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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 これグレ響かな……いや違うでしょと思いながら書いてます。多めに見てほしいです。

 響が若干強化してます。


Episode 02 悪魔と悪魔の二重奏

 禍々しく晴れ渡る空。

 翼竜のような生き物が空を飛び、この世のものとは思えない鳴き声が響き渡る。

 

「この景色にも慣れたなぁ……」

 

 その空を見上げていた少女──響は、非現実的な光景を目にしても微塵も動揺していない自分に溜め息を吐いた。

 

「あれから一年……」

 

 あの日、響は仮面ライダージオウ──鈴木入間に招かれ、魔界へとやって来た。

 そして、入間は自然な様子で自身の家族に「今日からここで住むことになった」という一言で紹介したものだから、それは(特に入間の恋人達。響はその時、ユエ達の美容と入間との関係で大変驚いた。)は大騒ぎだった。

 すったもんだの末に、入間の懇願でサリバン邸に住むことになってから、響の日常は(世界が違うので当たり前だが)ツヴァイウイングのライブ後以上に変化した。

 

 人間の常識が一切通用しない、悪魔の世界。そしてその世界で唯一人間が存在している屋敷(サリバン邸)での生活は、人間の世界にいた頃とは比べ物にならない程に騒がしく刺激的で──楽しい日々だったと思える事に、響はほんの僅かに口角を上げる。

 

(これも、あの時アイツに助けを求めたから、か……)

 

 そこで、自身をこの世界に連れてきた魔王(入間)の事を思い出すと、響はほんのりと頬を赤く染め……

 

『うっわぁ~っ!アッハッハ!なぁなぁ響!あの店メッチャイカしてる!ちょっと見にいこうぜ!!』

「……」

 

 人が思い出に浸っているところで聞こえてきたハイテンションな声に、響はその声の主にジト目を向けた。

 

 黒いボディに尖った耳、地面まで届く長い尻尾、青い複眼が特徴で、頭部は白い髪をオールバックにしたようになっている。口元にはクラッシャーのイラストを描いた青いマスクを付けている。

 その存在の体は半透明で、下半身がなく幽霊のようであり、響の体に繋がっている。

 

「うるさい……静かにして、バイス」

『えぇ~!?だって俺っち悪魔だし?面白いことに突っ込まない方がおかしくな~い?』

「……」

 

 この存在の名前は【バイス】。とある一件で響に宿()()()()()()()悪魔であり、響にとっては頭痛の原因ともいえる存在だ。

 本当に、何故この悪魔を身に宿してしまったのかと、響は当時の時分の軽率さを呪う。

 

 その時、懐から着信音が鳴り、響はパーカーのポケットから“ガンデフォン50”と呼ばれるスマートフォンを取り出す。メールを確認すると、買い足す品物の名前に目を通して歩きだそうとした時、

 

──キャァアアアアアアアアッ!!

 

 悲鳴を耳にして、響はその視線に目を向け──目を見開いた。

 

「あれって……まさか、ノイズ!?」

『何あれ?気持ちワルッ!』

 

 そこにいたのは、黒い体を持つ異形だったのだ。

 響は、自分とっては馴染みのあるその化け物──ノイズを目にし、本来魔界に現れる筈のないノイズが現れたことに驚愕し、バイスは率直な意見を述べる。

 

 黒い体をしたノイズは、近くにいた人々に触れようとしたのを見て、響は恐竜の意匠が施されたスタンプを取り出すと、自身の体に押し当てた。

 

 

レックス!

 

 

「バイス、アイツを吹き飛ばして!!」

『え?何て……「ワーーーーーォッ!!!?」

 

 スタンプ──“レックスバイスタンプ”が響の体に押印された瞬間、霊体であったバイスが響の体から弾かれるように飛び出し、実体を手に入れる。

 響は、実体化したバイスの脚を掴み、自身に()()()()を施すと、バイスをハンマー投げの要領で黒いノイズに向けて投げ飛ばした。

 

「ドーーーンッ!!?」

 

 そして、バイスは豪速球で投げられたバイスは、一般魔に触れようとしていた黒いノイズの腹部と思わしき部分に激突し、黒いノイズを後退させる。

 大の字になってうつ伏せに倒れるバイスのもとへ響が駆け寄ると、バイスは勢いよく起き上がった。

 

「響……イッテェじゃねえかよ!!」

「……アンタならノイズに触れても炭素にならないと思っただけ」

「ヘッ!そりゃ勿論……ちょっと待って。今触ったら炭になるって言った?言ったよね?」

「言った」

「いやいや辛辣!!俺っちが炭になったらどうすんだよ!!」

「死ぬんじゃない?」

「ヒッドーー!!?この人、自分の悪魔を見棄てようとしてます!鬼!悪魔!あっ、悪魔は俺っちか。鬼畜!!」

「それより、バイス」

「無視かよ!」

 

 響は隣で騒いでいるバイスの抗議を無視して、響はノイズを睨み付ける。

 

「あのノイズを殺すの手伝って。働き次第ではトールさんのオムライス食べさせて上げる」

「えっ!ホント!!おっしゃ!俺っちに任せな!愛と平和と自由の為に、正義の悪魔バイスちゃんが活躍するぜぇ!!」

 

 アッサリと乗っかったバイスに頭痛を感じつつ、響は()()()()()()()を取り出すと、意識を集中させ、歌う。

 

「──Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 その瞬間、響の衣服が消失し、黄色やオレンジを基調としたインナースーツが身を包む。両腕にガントレットのような腕部ユニット、両足にレッグガードのような装備が、二本の角のようなヘッドギアとヘッドホンが頭に装着されると、長いマフラーが首に巻き付いて口元を隠す。

 

「うわぁー!カッコいーー!俺っちも歌って変身した~い!!」

「うるさい。さっさと行く!」

「ヘヘッ、ハイよ!!」

 

 響は“オーインバスター50”と呼ばれる斧を、バイスは“オストデルハンマー”というハンマーを手に、黒いノイズに向かって走り出す。

 

 響はノイズの元へと飛び込むと、アックスモードのオーインバスター50を振り下ろす。しかし、黒いノイズはそれを受け止める。そこへ、背後から飛び掛かってきたバイスがオストデルハンマーを叩きつけようとするが、黒いノイズにはビクともしなかった。

 

「固い……くっ!!」

「ええっ!?そんなの聞いてぶへぇ!!?」

 

 すると、ノイズの攻撃を食らった響とバイスはノイズから離される。響は上手く受け身を取り、バイスは地面を滑るように倒れる。

 

「強い…!」

「聞いてないよ~!」

 

 互いに短く言っている間にも、黒いノイズは迫ってくる。響はレックスバイスタンプを取り出し、オーインバスターのオーインジェクターにバイスタンプを押した後、刀身反対側のバイスタンプスロットにスタンプを装填した。

 

 

スタンプバイ!

 

必殺承認!

 

Here We Go!Here We Go!

 

レックス!

スタンピングスラッシュ!!

 

 

 ティラノサウルスの頭蓋骨をもした斬撃が、迫り来るノイズを迎え撃つ。オーインバスターの必殺技により、ノイズの進行は止まったが、撃破には至らなかった。

 

(なんなの、このノイズ……?)

 

 響はそう考える。

 驕っている訳ではないが、響は今自分身に纏う鎧──“シンフォギア”の力を開眼させてから、アメリやシアに弟子入りを志願し、二人(特にアメリ)の過酷すぎる訓練を積み重ねている事で、響の実力は相当な物になっている。それこそ、並のノイズならば一撃で倒せるだろうと入間からいってもらえるくらいには。

 だが、この短い戦闘の間にも、響の攻撃は目の前のノイズ通用しなかった。響が未熟というより、目の前の黒いノイズの方が異常だと言える。

 

 口元のマフラーを直した時、響はオーインバスターをしまい、再びノイズに突撃。右手に魔力を集中させ、重くした拳を黒いノイズに叩きつける。

 

「“重量支配(フラクトボス)”ッ!!」

 

 凄まじいまでの衝撃波がノイズを襲い、後方に吹き飛ばす。少しは効いたか?と考えながらノイズに視線を向けていると……ノイズはゆっくりと起き上がった。

 

「これも……!?」

「嘘~ん!」

 

 今のはかなり強力は一撃だったのに、それすら受けても消滅しなかった相手の頑丈さに驚いてしまった時、ノイズが響とバイスに向かってくる。

 

 

ゼロタイム!

 

ギリギリ斬り!!

 

 

シューティングストライク!ヒー!ヒー!ヒー!

 

 

ファァイナルウェィィブ!!

 

 

 三つの斬撃がノイズを襲い、爆発とももにその姿を煙で包み込んだ。

 

 すると、響とバイスの前に、三人の戦士が降り立った。

 

「響、バイス。お待たせ!」

「響お姉ちゃん、大丈夫なの?」

「……何?あのキモいの」

 

 仮面に「ライダー」と書かれた時の王者──仮面ライダージオウ、鈴木入間。

 赤き海賊──ゴーカイレッド、ミュウ。

 赤い宝石の魔法使い──仮面ライダーウィザード、ユエ。

 響の恩人である魔王と、姉御的な存在である吸血姫、そして妹のような存在である海人族の登場に、響は驚きを露にする。

 

「三人とも……どうして?」

「ユエとミュウと一緒にお出掛けしてたら、騒ぎを聞いてね」

 

 ジオウは短く答えながらも、ノイズに視線を向ける。

 大技三つを同時に叩き込んだのに、黒いノイズはまだ健在だ。

 ノイズに関しては一年前にアナザー響鬼と一緒に倒した時と響から聞いた話の中くらいでしか知らないが、恐らくノイズの上位互換のようなものなのだと判断する。

 

「響、一緒に行くよ」

「……わかった」

 

 隣に並んだジオウの言葉に少し間をおいてからもコクリと頷き、拳を構え直す響。そこへ、ウィザードとバイスとゴーカイレッドも並び立つ。

 

「皆ー!俺達のチョーカッコいい活躍、見てくれよな!!」

「……誰に向かって言ってるの?」

「兎も角、ド派手に行くの!!」

 

 ゴーカイレッドの言葉と共にジオウ達が共に走り出すと、響が纏うシンフォギアが音楽を奏で、響は歌い出した。

 

──♪何故 どうして? 広い世界の中で

 

 黒いノイズへと接近したジオウがジカンギレードを、ウィザードがウィザーソードガンを、ゴーカイレッドはゴーカイサーベルを振るいノイズを切り裂くと、バイスがオストデルハンマーを、響が拳を叩きつける。

 

──♪運命は この場所に 私を導いたの?

 

 ノイズは反撃に出ようもすると、5人はバラバラに散らばって回避すると、ウィザードはウィザーソードガンをガンモードに変え、ゴーカイレッドは“ゴーカイガン”から無数の銃弾を放つ。

 

 

スレスレ撃ち!

 

 

 そこへ、ジオウのジカンギレードの銃弾が追撃で放たれ、ノイズに前段直撃するが、やはり目立ったダメージにはなっていないようだった。

 

──♪繋ぐ手と手 戸惑う私のため

 

 響は歌を歌いながら拳を構えると、魔力を集中させ、拳に炎を纏わせる。

 

「俺っちの活躍、見ててくれよな☆」

 

 

レッツイタダキ!

 

ネイチャー!イタダキ!!

 

 

 バイスはオストデルハンマー50で近くの岩を叩くと、響の周囲に無数の岩が出現する。その意図を察した響は地面を踏みしめ、地面が爆発するほどの勢いで跳躍する。

 

──♪受け取った優しさ きっと忘れない

 

 

エレメント印!オストデルクラッシュ!!

 

 

「オラオラオラァッ!!!」

「た~~まや~~」

 

 響が岩を殴り付けると、両腕の炎に包まれた大岩が流星群の如くノイズへと迫り、次々と爆発を起こす。バイスが手を降りながら呑気な声をたげていると、爆炎からノイズが再び姿を現した。しかし、どう見てもその動きは先程と比べても鈍くなっていた。

 

──♪その場しのぎの笑顔で 傍観してるより

 

「あきれる程硬い……」

「でも、効いてない訳じゃないみたいだし、出力を上げよう」

「んみゅ!!」

 

 

カイザ!

 

 

 その言葉と共に、ジオウは“カイザライドウォッチ”のベゼルを回し、ライドオンスターターを押して起動。ジクウドライバーに装填する。

 

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!
 

 

 

 ウィザードはドライバーのレバーを操作し、“フレイムドラゴンウィザードリング”を嵌めると、その指輪をウィザードライバーにかざす。

 

 ゴーカイレッドはバックルから小さな人形を取り出すと、その人形──“レンジャーキー”が鍵の形に変わり、“モバイレーツ”を取り出す。

 

「ゴーカイチェンジ!」

 

 モバイレーツにレンジャーキーを差し込み、捻ると、モバイレーツが変形する。

 

──♪本当の気持ちで 向かい合う自分でいたいよ

 

 

アーマータイム!

 

Standing by…Complete カイザー!!

 

 

 ジオウは【仮面ライダーカイザ】を模した装甲に両肩に“カイザフォン”のような造形のショルダーアーマーを纏い、目には「カイザ」という文字が書かれた【仮面ライダージオウ・カイザアーマー】に変身した。

 

 

フレイムッ!ドラゴンッ!!

 

ボゥー!ボゥー!ボゥーボゥーボォー!!

 

 

 ウィザードの足に炎の魔法陣が展開され、魔法陣から炎のドラゴンが現れてウィザードの周りを旋回する。魔法陣が消えると、ウィザードはドラゴンを思わせる赤い姿──【フレイムドラゴンスタイル】に変身した。

 

 

 ルパァァンレンジャーッ!

 

Lupinranger!!

 

 

 モバイレーツから飛び出したカードがVの形をしたエンブレムとなり、ゴーカイレッドの姿が黒と赤の体にマントをつけ、シルクハットの形をした赤いゴーグルのついた仮面をつけた怪盗──【ルパンレッド】へと変身したゴーカイレッドは、“VSチェンジャー”と呼ばれる変身アイテム兼射撃武器を装備した。

 

──♪きっと どこまでも行ける 見えない 未来へも飛べる

 

「えぇ~!三人だけパワーアップしててズルい!なぁなぁ響!俺っち達も変身しようぜ!」

「……これでも使ってて」

「えっ?ホント?うわぁー!やったー!!」

 

 パワーアップした三人を見て文句を言うバイスに、響はオーインバスター50を手渡すと、バイスは嬉々としてそれを受けとり、オーインバスター50とオストデルハンマー50を合体させた“リバイスラッシャー”を手にする。

 響が変身しないのは、響の持つこのシンフォギア──“ガングニール”を実戦で何処まで使えるかを試すためだ。故に、変身はしない方針でいた。目の前のノイズは確かに耐久力はあるが、それでも入間達が本気でない以上、それを使うほどではないのだろうと判断した。

 

 そして、五人は同時にノイズに向かって走りだした。

 

──♪この気持ちと 君の気持ち 重なればきっと

 

 黒いノイズが腕を鋭く変形させ、それを射出する。

 

 

リバイバイスラッシュ!

 

 

 しかし、その直前で割り込んだバイスがリバイスラッシャーを振るい、その腕を弾く。

 

「へへ~ん!俺っちってやっぱり凄ブゲェ!?」

「はぁっ!!」

 

 得意気に笑おうとしたバイスの頭を踏み台にして飛び出したウィザードがノイズに向けてコピーの魔法で二つに増やしたウィザーソードガンを振るい、続けて“緋槍”を放ち、ノイズの体を貫く。

 

──♪We are one 一緒にいるから

 

 そこへ、ルパンレッドとなったゴーカイレッドは“ルパンマグナム”と呼ばれる赤い銃を手にすると、銃弾を放つ。大怪盗アルセーヌ・ルパンのおき入りのルパンマグナム(ルパンコレクション)の銃弾は、先程まで銃撃が今一つ効かなかった黒いノイズの体を容易く穿つ。そこへ、VSチェンジャーによる銃弾も追加で御見舞いする。

 

「はぁっ!!」

「とりゃ!!」

 

 そこへ、ルパンレッドの銃撃の隙をついて接近した響の拳と、ファイズフォンXにコードを入力して“ショット555”を手にしたジオウのパンチが同時にノイズに炸裂する。

 

──♪Hold your hand 心はいつでも

 

 吹き飛ばされたノイズを見て、ウィザードとルパンレッドが動き出す。

 

 ウィザードはドライバーのレバーを操作すると、右手の指輪を付け替え、ハンドオーサーに翳す。

 

 

ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!

 

チョーイイネ!スペシャル!サイコーッ!

 

 

 “スペシャルウィザードリング”を使用したウィザードは両手を開き、宙に浮かぶ。その背中に魔法陣を展開させ、周囲を飛び回る炎を纏う竜がウィザードに入り込むと、胸部に竜の頭部“ドラゴンスカル”を展開した。

 

──♪今を生き抜く為に

 

 ルパンレッドはルパンマグナムとVSチェンジャーを合体させると、ルパンマグナムのダイヤルを三回回す。

 

 

ルパンフィーバー!!

 

アン・ドゥ・トロワ!

 

 

 ドラゴンスカルに蒼い炎が蓄積し、ルパンマグナムの銃口に銃のシリンダーのようなエネルギーが生成されると、二人は同時に動き出す。

 

──♪私たちは 出会ったのかもしれない

 

「“蒼龍”」

「永遠に……アデューなの!」

 

 

イタダキ・ド・ド・ドストライク!!

 

 

 蒼炎の龍とエネルギー弾が同時に発射される。

 ルパンレッドの放ったエネルギー弾が蒼炎の竜を纏い、ノイズへと直撃する。辺り一面に轟く程の爆発がノイズを包み、爆発を起こす。

 驚くべきことに、黒いノイズはルパンマグナムと蒼龍を食らってもまだ生きていた。

 

──♪私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ

 

 しかし、そこへ二本の光線が捻れながら放出され、ギザギザの円錐上に展開された光が、逃げようとした黒いノイズの動きを封じる。

 同時に、ジオウはドライバーを回転させながら両足を突きだし、響は腰部のブースターで加速して拳を突きだすと、二人は円錐状の光に向かって飛び込む!

 

 

フィニッシュタイム!カイザ!

 

エクシードタイムブレーク!

 

「でぃぃぃやぁぁぁぁ!!」

「はぁあああああああ!!」

 

──♪微笑みをSing out with us

 

 ドリルのように回転する光がノイズを貫き、ノイズの背後でジオウと響が同時に着地する。同時に、黒いノイズの体に黄色い『Χ』という光の文字が浮かび上がり、青白い炎に包まれ、灰となって崩れ落ちた。

 

 ジオウはゆっくり立ち上がりながら、隣に立つ響に手を出すと、響はマフラーで口元を隠してそっぽを向きながらも手を出して、パンッと手をタッチした。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その激闘を、遠くから観察している二人組がいた。

 

「あれがカルマノイズ……なんであんなのが魔界に現れたの?」

 

 金髪紅眼の美女──デモンサンダーは双眼鏡を下ろしながら、隣に立つ白髪の青年──門矢士に問い掛ける。

 士は、首に下げたマゼンタのトイカメラでパシャッとジオウ達の姿を撮影すると、顔を上げた。

 

「……大体わかった」

「だから、そのだいたいって何なのよ!説明しなさい!!」

「大体は大体だと言っているだろう。それくらい分からないでどうする?」

「ゼロから10を察せるわけないでしょうが!!」

 

 ある意味、いつも通りのやり取りを繰り広げる二人。

 士は、頬を膨らませながらジト目で袖を常ってくるデモンサンダーを無視して、ライドブッカーから一枚のカードを取りだし、呟いた。

 

「使わせてやるか。俺の“大いなる力”ってやつをな」

 

 そのブランク状態カードにはうっすらと、武装を纏う少女達のような絵柄があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 空に浮かぶ巨大な赤いガレオン船──“ゴーカイガレオン”。

 入間、ユエ、ミュウ、響(+バイス)はノイズを撃退した後、ミュウが呼び出したゴーカイガレオンで状況の整理をしていた。

 そして、ここにいるのは四人(五人?)だけではない。

 

「ノイズ、か……」

「二人は、聞いたこととかある?」

「ないな……」

「魔界の知識は一通り把握しておるが……妾も始めて聞いたのじゃ」

 

 アザゼル・アメリとティオ・クラルス。入間の身内のなかでも知識に長けている二人も、ノイズの事を聞いても何のことだか分からないと言うように首を振る。

 

「だとすると、イルくん達が遭遇したそのノイズっていうは突然この世界に現れたイレギュラーってことで間違いなさそうだね」

「偶然か、意図的か……」

 

 ミレディ・ライセンの推測に、クロケル・チマが呟いた。

 

 今、このゴーカイガレオンにいるのは入間達の他に、アメリ、シア、ミレディ、ティオ、愛子、優花、チマ、そしてあと()()乗船している。本当はアスモデウスとクララ、他のメンバーも呼び出したかったのだが、アスモデウスとクララはデートであり、他のメンツも用事があった為、来ることが出来なかったのだ。尤も、アスモデウスとクララの場合、この事を聞き付けたらデートを投げ出して飛んできそうなので、

 

「しかし、ご主人様が一年前に響の世界に迷い混んで響を連れてきたとき、響の世界でアナザーライダーに遭遇したと聞いておる。それが一年の空白を経て、魔界に響の世界の怪物が現れた……偶然とは思えぬな」

「まだ、終わってなかったんだね」

『ほうほう、成る程~。……どう言うこと?』

 

 入間は溜め息を吐く。一年も時間が空いているので気にしなくなっていたが、そもそも何故、響の世界にアナザーライダーが現れ、アナザー響鬼が市井ではなく響だけを狙っていた理由も分からなかったのだ。

 今でこそ、響が狙われた理由には検討がついている。響が持つ力──“シンフォギア”だ。

 

 響がその力を発現させられたのは、魔界に来て間もない頃。ある事件を切っ掛けに目覚めさせた力であった。当初は驚きつつもそのままにしていたが、だんだんと響に異常が起きてきた事で、入間達は【バラム・シチロウ】に響の身体を調べてもらった結果、響の心臓近くに高エネルギー体の欠片が刺さっていた事が判明し、命に関わると判断した入間は一か八か、インフィニットジオウに変身して【マキシマムゲーマー】のリプログラミング能力と【リバイス】の分離能力を使って欠片を摘出し、シンフォギアはそのまま響の所有物となった。

 因みに、摘出した当時、破片の摘出のやり方が色々と問題があり、入間が激怒した響に追いかけ回されたのは余談である。

 

 恐らく、アナザー響鬼は響の中にあった欠片を狙っていたのだろう。しかし、誰が何の為にそれを欲していたのか。それが分からない。

 

 この事を調べるべきか、放置しておくか、入間は考える。本音を言えば、余所の世界の事に一々干渉したくないのだが、こうしてノイズという異変が起きた以上、これからも何かがないと考えるのは楽観的だ。しかし、『アナザーライダー』と『黒いノイズ』と、手がかりがほぼないに等しい状況でどうやって今回の件を調べればいいのか、入間には思い付かない。

 

「み、皆さん!」

「入間さ~ん!皆さ~ん!大変です!」

 

 その時、ゴーカイガレオンの操縦席の方から、2人の美女が現れた。

 

 一人は、長く尖った耳と、ティオともタメをはる爆乳を持つ金髪の美少女──【ティファニア】と、金髪をツインテールにし、鹿に似た角を生やしたメイド服の美少女──【トール】の言葉に、入間達は操縦室に向かう。

 

 赤い舵輪が備えられた操縦室の扉を空けると、目映い光が入間達の視界を襲う。入間達が目を腕で覆いながらその光源に目を向けると、ゴーカイガレオンの操縦席に、光を放つ何かが置かれていた。

 

「これ……ディケイドのカード?」

 

 そう。そこに置かれていたのは、仮面ライダーディケイドが変身に使う、【DECADE】のライダーカードだった。

 

 入間がそのカードを手に取ると、そのカードがマゼンタの光と共に、仮面ライダーディケイドの姿をした小さな人形に変化した。

 

「これ!?」

「レンジャーキーになったの!!」

 

 ミュウがその人形──“ライダーキー”を手に取る。小さな手の中でマゼンタの光を放つディケイドのキーを見て、何かを感じ取ったミュウは、大好きなパパに呼び掛けた。

 

「パパ!この鍵、ガレオンちゃんに使ってみるの!」

「えっ!?何でなにもないのにそれを……」

「ごめんなさいっ!でも、この鍵が、使ってほしいって、これが手助けになるって思うの!!」

 

 ミュウの懇願に、入間は必死に考えたあと、入間は一種の決意をしてから仲間達に視線を向ける。

 ユエは何て事はないというように頷き、シア、アメリ、ミレディ、ティオ、愛子、優花、チマはもう分かっているというような表情をして、ティファニアは戸惑いがちになりながらも頷き、トールはキョトンとしながらもサムズアップする。そして最後に視線を向けられた響は……そっぽを向きながらも、拒絶の意思は見せなかった。

 

「ミュウの頼みなら仕方ないなぁ……行くよ」

「んみゅ!!」

 

 入間に抱っこされたミュウは、操縦席の前でディケイドのライダーキーを構えると、そのキーが変形してキーモードになり、ミュウは操縦席の鍵穴にライダーキーを挿し込み、捻った。

 

 

 その瞬間、ゴーカイガレオンの前方に銀色の巨大なオーロラが発生し、発進したゴーカイガレオンは、オーロラの向こうへと消えていった。




・スキ魔『ガングニールの摘出』

バラム「君の心臓部分に刺さっている破片……それが君の身体と融合しているんだ。これ以上融合が進めば……命の保証はない」

響「……ッ!」

入間「どうすれば……あっ!そうだ!!」

響・バラム「?」

ー数時間後ー

インフィニットジオウ「ユエ!アメリ!しっかり抑えててね!」

響(ガングニール装着)「何でこうなるの!!?」

ウィザード「……貴方の身体からその鎧の発生源を摘出するため」

ゲイツ「動くな、少し我慢すれな大丈夫だ。……多分な」

響「“多分”の時点で問題大有りでしょ!!」

インフィニットジオウ「よーし、始めるよ!」

響「ちょっ、マジでやんの!?」

《エグゼイド!》《リバイ!》

エグゼイド・マキシマムゲーマー『ノーコンてニューでクリアしてやるぜ!』

リバイス『沸いてきたぜ!!』

インフィニットジオウ「二人の力を取り込んで……!」

響「ちょっ、マジでやるの!?」

《フィニッシュタイム!インフィニットジオウ!》

インフィニットジオウ「行くよ!!」

響「ちょっ、待っ……痛くしないでーーーっ!!」

《グレイトギャザリングタイムブレーク!》

インフィニットジオウ「はぁーー!!」

響「あぁあああああああっ!!!!!」

ドカーーン!!

バイス『おぉっ!どうなった!?』

ユエ「……響の身体から、こんな宝石が出てきた」

入間「よし!」

アメリ「成功だな!」

響「いぃぃぃるぅぅぅまぁぁぁ……!!!」

入間「あ」

響「……コロス!!」

入間「ごめんなさーーーい!!!」

ー完ー








次回予告

響「私の、世界……」

バイス『チョーワクワクするんですけど!!』

 辿り着いたのは──響の故郷!

ユエ「あれがノイズ……!」

愛子「どうするつもりですか、入間君」

 入間達の選択は──!?

翼「ガングニールだと……!?」

響「変身!!」

Episode 03 帰郷!絶唱!シンフォギア!




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