悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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 最初に言っておきます。
 ひびみくファンの方々、ごめんなさい。


Episode 04 押印?ゼイン?愛子は教員!

 青空に浮かぶ雲に身を隠し突き進むゴーカイガレオン。

 その内部に設置された大型のテーブルで少し遅めの昼食を終えた入間達は、食後のデザートを楽しみつつ、今回の事や今後の出来事を話し合っていた。

 

「取り敢えず、これからしばらくこの世界に滞在しようと思うんだ」

 

 デザートのプリンを一口で平らげながら、入間は前提を口にした。

 

「……私は構わない。でも、どうして?」

「一番の理由は……やっぱりライダーキー(これ)だね。十中八九、今回僕達が喚ばれたのは士さんの意図だから、この世界に何かあるはずだ」

 

 入間の脳裏に、世界を破壊するあの男の顔が過り、入間はため息を吐く。

 門矢士のやろうとしていることは、何年経ってもまるで分からない。だが、無駄なことをする人間ではないのは、誰もが分かっている。なので、ユエ達も入間が言うならと、一応の納得を見せた。

 すると、シアが思い出したように口を開く。

 

「ところで、あの二人は一体なんだったのでしょうね?」

「確かに、気になりますね。特異災害対策機動部二課、とか言ってましたが……」

「聞いたことないわ。まぁ、ノイズなんてもの初耳なんだし、仕方ないかもだけど」

 

 響と同じ地球出身の愛子と優花だが、彼女達の世界と響の世界は所謂パラレルワールドの関係であり、ノイズも特異災害対策機動部二課も存在していない。なので愛子と優花を含め、この場にいる誰もが、天羽奏と風鳴翼を知らないのは無理もないと、響が口を開いた。

 

「……ツヴァイウイング。奏さんと翼さんの二人で結成されてるアイドルユニットだよ。日本では知らない人はいないくらい有名」

『響も一回ライブ行ってメチャクチャハマってたよねー!けどその後ノイズが出てきてさ!奏っちの熱烈な呼び掛けはもう……』

「……」

『何でもないのよ。アイドルにスキャンダルはNGなのよ』

 

 霊体化したバイスが騒ごうとしたが、響の射殺さんばかりの目に、バイスは直ぐに響の身体の中に引っ込んだ。

 

「調べてみたけど、結構有名みたいだよ」

 

 ミレディが席から立ち、室内に設置されたコントロールパネルを操作すると、モニターに映像が映し出される。その映像では、天羽奏と風鳴翼の活躍を記した新聞やニュースの映像が数えきれない程あった。

 

「……?でも、ノイズを倒してる事はニュースになってない?」

「そこなのじゃ」

 

 チマの疑問を、ミレディと一緒に調べていたティオが肯定する。

 

「あらゆる角度から調べ、裏サイトも調べてみたが……この二人がノイズを倒せるなんて言う話は欠片も出てこなかったのじゃ。たとえノイズに怯えた者達が目撃してなかったとしても……少し怪しく思えてくる程にのぅ」

「魔法で隠蔽してないとなると、情報操作や権力を使って隠蔽してるのが高いでしょうね」

「成る程、それを隠蔽してるのが機動部二課ということかぁ……ティオが有能すぎて少し不気味だけど、ありがとね」

「っ!ハァハァ……」

 

 胸を押さえて悶えるティオをないものとして扱い、一同は一同は話を進める。

 

「それで、入間。アンタその二課って組織と協力する気は……」

「ないね」

 

 再びバッサリと協力する選択肢を切り捨てた入間。

 だが、ちゃんと理由もある。

 ツヴァイウイングほどのアイドルユニットがノイズを殲滅できる力を持つなんて話がここまで秘匿されているのなら、あの二人が纏っていた鎧はそれだけ公にしてはならない物なのだろう。つまり、それを隠蔽出きる程、特異災害対策機動部二課とは、そのノイズを倒すことの出きる極秘の兵器を用いて、ノイズを殲滅して国の治安を維持する為の組織の可能性が高い。

 入間達がこの世界に留まると決めたのは、この世界由来の存在であるノイズが魔界に現れた理由を探る為であり、ノイズの驚異から人を守ることではない。

 入間達とは、やるべき事が根本的に違う。

 

「それはそうですねぇ。それにしても……あの天羽奏って人が纏ってる鎧、妙に響さんの鎧と似てましたよね」

「……それを含めて、色々なことを知らなくちゃだね」

 

 特異災害対策機動部二課と協力する選択肢が存在しないわけではない。

 だが、まだその組織は信頼できない。少なくとも、奏と翼は善人だと思うが、だからと言って組織全体を信用するわけにはいかない。協力しようとすれば間違いなくこちらの情報を渡さなければならなくなり、その結果、入間達の力を利用しようとする輩が現れる可能性だってある。今や世界の理すらどうこう出来てしまうからこそ、慎重にならなければならない。

 

「まぁ、ノイズは放っておけないし、見つけたらなるべく倒していく方針で行こう。それから……」

 

 入間はチラリと愛子に視線を向けた。

 愛子は、自身を見つめてくる入間に、何故か嫌な予感を感じざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私立リディアン音楽院高等科。

 海を臨む高台に建てられた私立の音楽学校で、今や日本で知らぬものはいないツヴァイウイングの天羽奏がかつて在籍し、今は相方の風鳴翼が在籍していることでも有名である。

 小中高一貫校で、中等科・高等科への切り替え時に外部の生徒の編入を受け入れることもある。

 リディアン音楽院は、まず各種音楽教科を中心に据え置き、そこに一般教科を組み込むという独自のスタイルとなった音楽に力を入れた特別な学校なのである。

 

 そして今日、リディアン音楽院の一般教科を担当する教師に、新たな教員が加入した。

 

「今日から社会科を担当させてもらう、畑山愛子と申します。皆さん、よろしくお願いします」

 

 栗色の髪をボブカットにした、一見すると小学生にも見えかねない童顔低身長の女性──畑山愛子は、久しぶりとなる教壇に立つ感覚に高揚感を覚えつつも、教師としての威厳を見せるため、堂々と挨拶をした。

 

 この世界にやって来てから一週間が経過し、愛子はトールが魔法で作った戸籍と教員免許を元に、ツヴァイウイングの片割れである風鳴翼が在学しているリディアン音楽院の教師として働くことになったのだ。理由としては、風鳴翼が在籍しているリディアン音楽院に、特異災害対策機動部二課に繋がりがあるかもしれないと入間が推理したことと、単純に生活費を稼ぐ必要もあるためだ。

 

 魔界にいた頃は、サリバンのコネで悪魔学校(バビルス)にて【オペラ】の補佐として問題児(アブノーマル)クラスを中心に悪魔の生徒達を見守っていたり、ミュウやカンナに勉強を教えていた愛子である。調査を抜きにしても、教職に勤めて貰った方が愛子も生き生きできるという入間なりの気遣いだ。

 

 そして、愛子は約一年ぶりとなる人間の学校での教師生活がスタートしたのだが……

 

「「「「愛ちゃん先生、おはよ~」」」」

 

 たった一日で、愛子は生徒達から“愛ちゃん”と言う愛称をつけられる人気者と化していた。

 勿論、これはカルエゴやオペラのような威厳と頼りがいのある教師を目指している愛子からすれば、頭の痛い問題でもあった。

 

「うぅ……私、もう26なのにまだ“愛ちゃん”なんて呼ばれるの?私って生徒達からそんな風に見えてるの?頑張れ私ぃ、威厳と頼りがいのある教師になる為の試練よ! 何としても生徒達の考えを理解するのよ!」

 

 放課後、多くの生徒達が学校の外で自由な時間を過ごしている中、理想の教師にまるで近づくことができない現状に「ふぁいとー!」と自分を鼓舞する愛子。そんな姿こそが彼女がどの世界でも愛ちゃんと呼ばれる由縁なのだが、彼女が気付くことはあるのか。

 

「……っと、いつまでもこうしてられませんね。」

 

 そこで、何とか気を取り直した愛子は、何処からか箱入りナゲットのようなものを取り出すと、蓋を開き、“ジャイロスイッチ”を嵌め込むと、その箱が生き物のように動きだし、中にはいっていた四つのナゲットが浮遊した。

 

 “ナゲジャロイカ”と呼ばれるのフードロイドに収納されているナゲット型サブユニット“ツナゲット”は、それぞれ独自の動きをしながら拡散していった。

 

「生徒のプライバシーを侵害する気がしなくもないですが……二課と言う組織との繋がりを調べるだけですし、鈴木君も覗きをすることはありませんしね」

 

 このリディアン音楽院に機動部二課も繋がりがあると言うのはあくまでも入間の想像であり、それでドローンカメラを放つのはなんだか罪悪感を抱くが、入間の事だから仕方ないと苦笑する愛子は、まだ残っている仕事を片付けるために歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リディアン音楽院からさほど離れていない町の中で、四人の女子高生が町を歩きながら談笑していた。

 

「ねぇねぇ、今日は何処にいく?」

「そうですね。折角ですから、フラワーに行ってみるのはどうでしょう?」

「あっ、いいね!おばちゃんのお好み焼き、久しぶりに食べたいよね~」

(ここに響がいたら……一番喜んでたんだろうな)

 

 【安藤創世】【寺島詩織】【板場弓美】が和気藹々と話しているなかで、黒髪ショートに後頭部に大きな白いリボンを結んでいる少女──【小日向未来】は友人達の言葉に笑みを浮かべつつも、心の中で小さくため息を吐いた。

 

 彼女には親友がいた。何をするにも一緒で、たくさんの時間を共に過ごした、大切な人だった。だが彼女が親友に勧めたツヴァイウイングのライブの直後、彼女の父親の仕事の都合で引っ越す事になり、連絡も途絶えてしまい、親友と離ればなれになってしまった。

 

 彼女は今どうしてるのか……そんな風に考えてると、ふと周囲が騒がしくなった気がした。

 

「ねぇねぇ、見てあの人!すっごい美人!」

「うわっ、ホント!それにおっぱいデカッ!アニメにもあんな人中々いないよ!」

「綺麗な方ですわ」

 

 三人の視線が一点に集まっている事に気付き、未来も興味を引かれてそちらに視線を向けた。

 

 そこには創世達の言う通り、この世のものとは思えない程の美少女がいた。

 

 腰まで届く金髪に、整った顔立ち。何より目を引くのが、歩く度に上下にポヨポヨと揺れている乳房だろう。背丈は未来達とそこまで変わらず線も細いのに反して、まるでスイカのように大きな果実は、自然と人を集めてしまう。

 

 その女性は様々な食材を積めた袋を手に、灰色のパーカーを着た少女が、金髪の少女の隣でその女性の二倍はある袋を抱えていた。その少女はパーカーのフードを深く被っており、未来達にはパーカーの少女の顔が見えなかった。

 

「……?」

 

 未来はパーカーの少女を見て、何故か違和感を感じていた。パーカーの少女は金髪の少女を未来達の間に挟むようにな配置で歩いているため、全容はよく見えないが、何故か未来は金髪爆乳の超美少女よりも、そのパーカーの少女から目を離せなかった。

 

 そんな中、その二人は周りの注目を(金髪の少女が)集めながら町中を進んでいく。少しその後ろ姿を見つめながらも、未来達も歩きだそうとする。

 その時、未来の耳に、二つの声が聞こえてきた。

 

「響ちゃん……こんなにお米買ったんだから、無理しないで。私も半分持つよ?」

「大丈夫。これくらいどうって事ないし」

 

「──ッ!?」

 

 可憐な声が呼んだ名前と、それに答えた声に、未来はバッと後ろを振り返った。

 

 金髪の少女とパーカーの少女は、既に未来達からかなり離れた場所まで歩いていて、曲がり角を右に曲がろうとしていた。

 

 その時、パーカーの少女のフードから、茶色の髪と少女の横顔がチラリと見える。

 

「ッ!待って!!」

 

 その横顔を見て、未来は目を見開くと、無意識のうちにその二人を追って走り出した。

 しかし、既に二人は曲がり角を曲がり、建物の影に隠れて姿が見えなくなっている。

 

 友人の声も聞こえず、呼吸を荒くしながら、曲がり門にたどり着いた未来は二人があるいた方向に視線を向けるが……

 

「いない……?」

 

 しかし、そこにはパーカーの少女も、金髪の少女も、何処にもいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、未来は友人達と分かれて、一人で町を歩いていた。

 パーカーの少女の横顔を見て、いても立ってもいられず、未来は町中を走り回って、パーカーの少女を探していた。

 だが、結果は全て空振り。

 まるで、()()()()()()()()姿()()()()()ように、辺り一体を探し回っても、影も形を見つけることができなかったのだ。

 

「もう、帰らないと……」

 

 空を見上げると、太陽は半分以上沈んでいる。明日も学校に行かなければならない未来は、思い足取りでリディアンに向けて歩きだそうとする。

 

 その時、未来の耳に、警報の音が届いた。

 

 ノイズの出現を知らせる警報だ。それを耳にした町の人々は、我先にとシェルターに向かって逃げ出し、町は一瞬にして阿鼻叫喚へと変わった。

 

 未来もまた、シェルターに避難するために走り出そうとする。

 

「ぐすっ……お母さん……どこぉ……」

 

 だがその声を聞いて、未来はすぐに足を止めて振り返る。そこには、小学生ほどの女の子が、ノイズから逃げることもせず、涙を流して立っていた。

 それを見て、未来はすぐに踵を返して少女の元へと駆けつけ、手を繋いで共に駆け出す。

 

 しかし、その間にもノイズはは未来と少女に狙いを定め、不気味な動きで二人を追いかける。

 

 未来はシェルターの場所も経路も考えずに、ひたすら走り続けた。

 子供が転び足を怪我してしまい、未来は少女を背負って走り続ける。しかし、それでもノイズという驚異は無慈悲に、そして無機質に、彼女達を追い詰めた。

 

「お姉ちゃん……」

「大丈夫……お姉ちゃんがついてるからね……!」

 

 川岸に追い詰められた未来と少女を囲うように、ノイズは近付いてくる。

 未来は、少女抱けでも守って見せると、少女を抱き締めてノイズの群れを睨み付ける。

 

 しかし、それも無意味な抵抗だというように、ノイズが未来に触れようとした──その時だった。

 

ガキィィンッ!

 

 突如飛来した何かが、ノイズの身体を貫いた。

 身体を穴を空けられたノイズは、身体を炭素にかえながらボロボロと崩れ落ちる。更に、周囲にいたノイズが、突然何処かに飛んでいったり、身体が真っ二つになったりと、次々と未来と少女の前から姿を消していく。

 やがて周囲のノイズが一掃されると、未来達の前に小さな金属の生き物が立ち塞がった。

 

 全身が薄いディスクのような、赤金色と黒い身体を持つ鷹、猿、蟹を模した金属質の身体を持つその三体に未来は目を丸くし、少女は目をパチクリさせていると、その場に新たな声が聞こえてきた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

 その声に反応するように、三体の機械はその身体をディスクのような形に変形させ、独りでに飛び出していく。

 未来がそのディスクを目で追うと、ディスクが向かう先にはこちらに向かって走ってくる人物がおり、そのディスクをキャッチした人物は、未来と少女の前で足を止めた。

 

「は、畑山先生!?」

 

 そう。その人物とは、つい先日リディアン音楽院の社会科教師となった人物──愛子だったのだ。

 

 未来と少女を庇うように前に立った愛子は、未来を守るために放った“鋼鷹”、“兜大猿”、“鎧蟹”をしまうと、未だ大量に残っているノイズを睨み付けると、ゼインドライバーを取り出した。

 

「ッ!」

 

 そこで、変身に躊躇いが生まれた。後ろにいる未来達に不安そうな目を向ける。

 

「小日向さん……この事、どうか誰にも話さないでください!」

 

 しかし、それも一瞬。愛子はドライバーを腰に当て、ゼインドライバーをベルトとして装着した。

 

「私は…私の生徒を守ります!」

 

 決意と共にゼインプログライズキーを取り出すと、上部のライズスターターを押す。

 

 

ゼイン!

 

 

 その瞬間、愛子の背後に、都心の光景が映った青い光球とファンタジー世界の光景が映った赤色の光球が出現し、愛子はゼインプログライズキーをドライバーに装填した。

 

「変身!」

 

 

ゼインライズ!

 

JUSTICE!JUDGEMENT!JAIL!

 

ZEIN!!

 

“Salvation of humankind.”

 

 

 背後の光球が愛子と同化し、高速道路のタイムラプス映像が背後で流れると、愛子の身体が鎧と仮面に包まれる。

 

「は、畑山先生!?」

「すご~い……!」

 

 善意の救世主──仮面ライダーゼインへと変身した愛子は、ノイズの軍勢に向けてパンチを放つ。たったそれだけで、ノイズは炭素の塊となって崩れさる。

 そして、ゼインは一枚のカードを取り出し、ゼインドライバーに装填した。

 

 

電王・ソードフォーム!

 

執行!!

 

JUSTICE ORDER!!

 

 

 ゼインの手に“デンガッシャー・ソードモード”が出現し、ゼインが構えると、デンガッシャーのオーラソードが飛び出す。

 

「私の必殺技……ゼインバージョン!!」

 

 その言葉と共にデンガッシャーを振るうと、オーラソードが連動して、辺りのノイズを一掃した。

 その時、爆煙に紛れて視界から消えていたノイズの一体が、ゼインの不意を突いて突撃する。

 

「ッ!」

 

 反応が遅れたゼインは衝撃に備えようとする。

 だが、突如上空から飛来した人影の拳が、そのノイズを地面に叩きつけ、炭へと変えた。同時に、ゼインの背後から襲ってきたノイズを、数発の弾丸が貫いた。

 ゼインの隣に立つ二人の戦士。その姿を見て、ゼイン以上に、未来が目を見開いた。

 

「大丈夫ですか、愛子さん?」

「私達も戦います!」

 

 やって来たのは、ゴーカイガレオンから飛び降りたゴーカイピンクと、ガングニールを纏った響だった。ガレオンの番をしているトール以外全員が出払っているゴーカイガレオンで夕食の準備をしようとしていた二人は、ガレオンから飛び降りてゼインの援護にやって来たのだ。

 

 そして、響とゴーカイピンクはゼインと立ち並ぶ。そして、ノイズの群れに向かっていこうとした時、震えるような声が彼女達を引き留めた。

 

「……ひびき……」

「えっ?」

 

 振り返った響は、その声の主を見て、目を見開いた。

 

「未来……?」

『えーーっ!?まさかの急展開!?』

 

 それは、立花響の()()()()陽だまり──小日向未来。

 響は、顔を歪めて未来の顔をじっと見つめた後、彼女から視線をはずして、リバイスドライバーを腰に巻く。続けて取り出したレックスバイスタンプを起動する。

 

 

レックス!

 

 

「響いてきた……!」

 

 響は闘志を沸き上がらせると、バイスタンプをオーオンジェクターに押印し、ドライバーに装填する。

 

 

Come on!

レ・レ・レ・レックス!

 

Come on!

レ・レ・レ・レックス!

 

 

「変身!!」

『ハハハーッ!お待ちどう様でーーす!!』

 

 

バディアーップ!

 

オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング!

 

仮面ライダー!!

 

リバイ!バイス!リバイス!!

 

 

 バイスタンプを操作して、響は仮面ライダーリバイに、実体化したバイスも仮面ライダーバイスに変身する。

 

「フハハハ!俺っちの最強の武器で、行ってみよう!あぁっ、持ってない!!」

「ふざけるな!!」

「私も一緒に戦います!ティファニアさん、小日向さん達を守ってください!」

「分かりました!」

 

 リバイとバイスは拳を、ゼインはデンガッシャーを構え、ノイズの軍団へと走り出し、ゴーカイピンクはゴーカイガンで未来達を襲おうとしていたノイズを撃ち抜く。

 

「動かないで。大丈夫だから……」

「あ、貴方は……」

 

 混乱する未来と少女の前に立ち、ゴーカイピンクはバックルからレンジャーキーを召喚し、そらをモバイレーツに挿入する。

 

「ゴーカイチェンジ!」

 

 

ドォォンブラザーズ!!

 

DON MURASAME!!

 

斬リ捨テ Sorry!!

 

 

 サメの要素を付加した忍者のような紫のカラーリングが特徴の戦士でサングラスを模したゴーグルはサメの歯茎の様に赤く染まっている【ドンムラサメ】へと変身し、“ニンジャークソード”を構える。

 

 

(シャーク)!群鮫!!

 

 

 ドンムラサメがニンジャークソードで地面を切り突けると、三つの斬撃が鮫の如く上部を出しながら地面を潜り、獲物に飛びかかるようにノイズ達を切り捨て、次々とノイズを炭化させていった。

 

「なんだか……マザーになった気分!」

 

 何故かこの姿にシンパシーのようなものを感じながら、ドンムラサメは未来と少女を守りながら、ニンジャークソードで次々とノイズを切り捨てていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!!」

「アハハハハハッ!!」

「えいっ!!」

 

 リバイとバイスの拳がノイズを殴り飛ばし、ゼインのデンガッシャーが切り捨てる。入間達と比べれば戦闘経験値は少ない面々だが、それでも彼女達が培った実力は確かな物であり、ノイズが何体来ようと無意味なものだった。

 

「そういえばッ、響さん!小日向さん、何か貴方を知ってるみたいでしたけど、もしかして知り合いなんですか!?」

「ハハッ!そうなんだよね!未来と響って昔はラブラブだったんだけど、突然未来が引っ越してブホッ!?」

「……」

 

 喋ろうとしたバイスの頭を殴り、リバイは無言のままノイズの相手をする。

 それを見て、何か複雑な事情があるのだと察したゼインは、自分の失言を恥じ、ノイズに意識を戻してデンガッシャーを振るう。

 

 その時、戦場に歌が聞こえた。

 

 

STARDUST∞FOTON

 

 

千ノ落涙

 

 

 同時に、上空から無数の槍と剣が降り注ぎ、周囲のノイズを一掃した。

 

 それだけで、駆けつけたのが誰なのかを察したリバイ達は、足早にこの場を立ち去ろうとする。だが、その退路を塞ぐように二人の人物──奏と翼が立ち塞がった。

 

「またですか……」

「悪いな……でも、このままお前を放っておくわけにはいかないんだ」

「今日こそお前達の力の事を、聞かせて貰う」

 

 その言葉と共に臨戦態勢をとる奏と翼。リバイはチラリと、戦いをためらう様子を見せるゼインとゴーカイピンクを見て、平和主義者の二人には荷が重いと判断し、前に出た。

 

「私とバイスがやります」

「響さん!でも……」

「私なら、平気です。バイス、やるよ!」

「へへッ!ハイよ!!」

 

 リバイとバイスは同時に走り出し、リバイは奏と、バイスは翼と激突する。

 

「ヘヘヘーッ!全国の皆ー!俺っちVS翼っちのメチャクチャ熱い戦い、SNSで拡散ヨロシクーー!#~、ナイスバイス!!」

「誰に話してるんだお前は!!」

「ウワーオッ!ちょっと、まだ皆に宣伝してる途中でしょうが!!」

 

 この場にいない誰かに向かって話すバイスに、翼の刀が振り下ろされる。しかし、バイスは紙一重でそれを避けると、ガンデフォン50とオーインバスター50を取り出すと、翼に向けて走り出した。

 

「アハハハーッ!俺っちスーパースター!!」

「くっ!煩い奴め……!」

 

 出鱈目にガンデフォンで射撃しながら接近し、オーインバスターを振るうバイス。翼は最小限の動きで射撃を回避すると、バイスと刃をぶつけ合う。しかし、バイスのパワーに若干押されつつあった翼は、僅かに表情を歪めた。

 

「アタシは、お前達と戦いたいんじゃない!頼む!話を聞いてくれ!」

「話すことなんてない!!」

「くっ!」

 

 突き出されたリバイの拳を受け止めた奏が呼び掛けるが、リバイは無視して再び拳を叩き込む。しかし奏もやられるだけではなく、槍を巧みに振るってリバイを怯ませると、反撃に槍を振るう。

 それをバックステップで回避したリバイは、自身の胸にレックスバイスタンプを押印する。すると、リバイの脚が、まるでティラノサウルスのように強靭な脚へと変化した。

 

「っ!?」

「ハァッ!!」

「あぐっ!!?」

 

 それに驚いた奏に向けて、リバイは急降下キックを浴びせる。先程よりも大幅に威力が上がった脚力の前に、流石の奏も耐えきれず、追撃の蹴りを受けて吹き飛ばされてしまう。

 頃合いを見計らったリバイは、緑と紫の鷲の意匠を持つバイスタンプ──“イーグルバイスタンプ”を取り出した。

 

 

イーグル!

 

 

「あれ?あーーーっ!!?」

 

 翼にオーインバスターを振り下ろそうとしたバイスがリバイのもとへと飛び、身体の中に戻る。バイスタンプの印面に息を吐きかけたリバイは、イーグルバイスタンプをオーオンジェクターに押印する。

 

 

Come on!

イ・イ・イ・イーグル!

 

Come on!

イ・イ・イ・イーグル!

 

 

 緑のインクが入ったスタンプを抱えたバイすが飛び回り、リバイはドライバーにバイスタンプを装填し、倒す。

 

 

バディアーップ!

 

荒ぶる!高ぶる!空駆け巡る!

 

イーグル!(イーグル!)

 

お前の羽を数えろ!!

 

 

 リバイを包みこんだスタンプが新たな装甲を形成し、実体化したバイスには新たな装甲が纏われる。

 

「翼には、翼で勝負する」

 

 右がピンク、左がパープルに分かれており、複眼はピンクサイドがグリーン、パープルサイドがマゼンタ。額にはW型の触覚が付いており、よく見ると近くには鋭い鳥の目、セントラルパーテーションに当たる部分には嘴の意匠が確認できる。肩アーマーはエッジの効いたデザインとなっている。胸部にはワシの顔を模したアーマーが装着されるており、下半身はマントが追加されている──【仮面ライダーリバイ・イーグルゲノム】

 

「俺っちカッコ良すぎて、飛んでいっちゃいそう」

 

 【仮面ライダーダブル】を模した被り物は右がターコイズ、左がグレーとなっており、サイクロンジョーカーと言うよりもナスカスカルやアナザーWのような印象を受け、こちらにも額にWの形をした角が付いている。その下にある目を模したパーツと合わせてワシの鋭い眼光を再現している。下半身は「レックスバイスレッグ」のままだが脛部装甲は上半身同様右がターコイズで左がグレー──【仮面ライダーバイス・イーグルゲノム】

 

 姿を変えたリバイは風を纏いながら飛び出し、奏と翼に風を纏った拳を食らわせる。パワーは落ちているが、竜巻を纏った拳の風圧に怯む。

 

「バイス!」

 

 

イーグル!

 

 

「あいよ!てーーい!!」

 

 リバイがバイスタンプを起動させると、バイスは緑の竜巻を放つ。

 

「くっ!」

 

 

LAST∞METEOR

 

 

 奏が穂先を回転させた槍が生み出す竜巻でそれを迎え撃つ。凄まじい竜巻同士のぶつかり合いに、凄まじい衝撃波が広がる。

 

 

蒼ノ一閃

 

 

「はぁあああ!!!」

 

 その瞬間、アームドギアを大型化させた翼が飛び出して来る。

 慌てるバイスと違い、それを見越していたリバイは、右腕のガンレッドに風を纏わせ、最大火力で叩き潰そうと拳を構えた、その時だった。

 

 

フィニッシュタイム!カブト!

 

クロックタイムブレーク!

 

 

 二人の間に割り込んだ赤い影が、振り向きながら蒼電を纏った蹴りを、翼のアームドギアに叩き込んだ。

 

「あぁっ!?」

「翼!!」

 

 アームドギアを破壊され、衝撃の余波で地面を転がる翼。

 奏が駆け寄り、翼と共にリバイ達の方に視線を向けると、そこには時計とカブトムシを模したような赤い鎧の戦士──【仮面ライダージオウ・カブトアーマー】が立っていた。

 

「テファ、響。帰ってもいなかったから心配したよ」

「別に、買い物は済ませてたし」

「ごめんなさい。でも、放っておけなくて」

「もうっ!入間っち!美味しいトコ全部持ってっちゃうんだから!!」

 

 ジオウのもとにリバイ達が集まり、翼と奏に目を向ける。二人は警戒するように自分達を見ているが、必要以上に彼らと戦う理由がないジオウ達からすれば、ノイズを殲滅した時点で彼女達に構っている意味もない為、ジオウはオーロラカーテンを出現させる。

 

「帰るよ」

「待っ」

 

 引に止めようとする奏を無視して、一同はオーロラカーテンに入りこもうとする。

 その時、奏でも翼でもない声が、ジオウ達を引き止めた。

 

「待って、響ッ!!」

 

 その声に、ジオウ達が振り返る。

 そこには、ゴーカイピンクに守られていた未来が立っていた。未来の視線は、リバイを捉えて動かない。

 ジオウ達の視線がリバイへと向けられる。対するリバイはベルトからバイスタンプを取り外して変身を解き、ジッと未来を見つめている。

 

「響……ずっと、ずっと会いたかった……」

 

 目に涙を溜め、響に駆け寄る未来。その表情と目には、言い表せない程強い感情が込められておら、ゼインもゴーカイピンクも、奏も翼も、なにも言う事が出来ずにその様子を見守っている。

 そして響は──未来の手を、振り払った。

 

「えっ?」

 

 何が起きたのか分からず、呆然とする未来。

 響は、未来を一瞥した後、マフラーで口元を隠し、ポツリと呟いた。

 

「私の居場所(陽だまり)は……魔界(あそこ)にしかない。私と貴方は……もう切れた縁だ」

 

 その言葉と共に、響はオーロラカーテンへと飛び込んでいった。

 

「ひ、響さん!」

「えっと、その……ごめんなさい!」

「……前途多難、だね」

 

 ゼインは響を追いかけ、ゴーカイピンクも未来や翼達に頭を下げてから、響に続くようにオーロラカーテンの中へと姿を消していく。ジオウは未来に視線を向けた後、自身も静かにオーロラカーテンの向こうへと消えていった。

 

「響ッ!!」

 

 未来は咄嗟に飛び出して、響を追いかけようとする。

 しかし、銀色のオーロラは未来を拒むように、彼女の体を通す事はなかった。

 

「待って、響!!待って!お願い、戻ってきてよぉっ!!」

 

 オーロラの向こうにいるであろう響を呼び掛けてオーロラを叩く。しかし、返ってくるのは手の痛みと、壁を叩くような鈍い音だけ。

 

 やがて、銀色のオーロラが消え、バランスを崩して未来はその場で膝をついた。

 

 その場に残ったのは、地面に額を押し当てて嗚咽を溢す未来と、それを心配そうに見つめる少女と、ツヴァイウィングの装者達だけだった。




悪魔絶唱のスキ魔

生徒達「愛ちゃん先生~」

愛子「うぅ……だから私を愛ちゃんって呼ばないでくださいよ~」

生徒A「ねぇねぇ、愛ちゃん先生って何歳なの?」

愛子「わ、私は26です!」

生徒B「愛ちゃん先生ってさ、彼氏とかいるんですか?」

愛子「なっ、ななななな何を言っているのですか!?わ、私に恋人なんて……ゴニョゴニョ」///

生徒C「その反応……もしかしているんですか!?どんな人ですか!?」

愛子「い、いえ!なんでもありません!それに私は教師で、彼はまだ学生なんですよ!!」

生徒A「えっ、今彼氏が学生って……」

愛子「………………あっ」

 愛子は他校の男子生徒と付き合っていると言う噂は瞬く間に広がり、愛子は首を言い渡されそうになるも、入間達の根回しによって、なんとか首の皮一枚繋げることが出来たのだった。

ー完ー




次回予告

未来「私のせいで響は……?」

 失った未来の絆──

愛子「私、小日向さんの事を何とかして上げたいです」

入間「決めるのは響自身だよ」

 どうする愛子先生!?  

バイス「新しいバイスタンプじゃん!!」

ジオウ「アブノーマルに行こうか!」

Episode 05 どうなる友情!新ゲノム登場!
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