悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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今回はサブタイトルの通り、あのコンボが登場します。


Episode 08 謎の敵と絶唱と最強コンボ

「へぇ、知ってるんだな。この鎧の出自を」

「当たり前だッ!」

「忘れるものか……!二年前、私達の不手際で失われた数多くの命を……私達が、忘れられる筈があるものか!!」

 

 突如ジオウ達の前に現れた白銀の鎧を纏う少女。

 奏と翼は、その少女が纏う鎧を見て表情を険しくして叫ぶが、鎧を纏った少女は二人の剣幕を前にしても、バイザーの下から除く口に浮かべた不適な笑みを崩さなかった。

 

 一方で、ジオウ達は目の前の急展開についていけず、混乱するばかりだ。そこで、ジオウは声を上げた。

 

「よく分かんないけど……僕ら帰っても良い?」

「なっ、何言ってるんだ!?」

「入間君!?流石に空気読みましょうよ!!」

 

 まさかの言葉に、奏とゼインが抗議の声を上げるが、ジオウは意に介さずに答える。

 

「いや、これどう見ても奏さんと翼さんの問題でしょう?僕達は彼女達の協力者じゃない。僕達も一緒に戦う必要がある?」

「……ない。帰る?」

「……確かにな。あの鎧は我々には関係ないしな」

「そうですね。私達、これから晩御飯でしたし」

「ミレディさんも同意見かな~」

「んみゅ?」

「じゃな」

「あとは任せました」

「……じゃあ、そう言うことで」

「では行きましょう!」

「ちょっ、皆~!」

「いやっ、そんなアッサリと!」

 

 元々、入間達はこの世界にあまり深く関わらない方針を取っている。あの鎧が何なのかも、奏と翼にどんな因縁があるのかも、入間達に関係があるのかと言われれば無い。ならば、自分達が関わる理由は存在しない。

 ジオウの言葉に、ウィザード達も同意のようであり、ゴーカイピンクとゼインとエターナルは戸惑っている。奏と翼が呆然としていると、鎧の少女の声が響いた。

 

「逃がすかよ!」

 

 鎧の女が腰に取り付けた杖のようなものを掲げると、杖から光が飛び出し、ジオウ達の真横を通り抜けて、彼等の目前の地面に打ち込まれる。

 その瞬間、光線が着弾した地面から、無数のノイズが現れた。

 

「ノイズを操ってる……?」

「へぇ~……?」

 

 その光景に響が目を見開き、ジオウは興味深そうに鎧の女の女が取り出した杖に視線を向ける。

 

「逃がさねぇよ。アタシの狙いはお前を掻っ攫う事なんでな」

 

 鎧の女が指を指した先にいたのは──ジオウだ。

 

「僕?」

「入間を拐う?宣戦布告と取って良い?」

「イルマ、この女は我々の敵だ。間違いない」

「ふざけてるんですか?ぶっとばしますよ?」

「おい白野郎。誰の許可を得てミレディさん達のイルくんを拐うとかいってやがんだ?」

「逆鱗に触れると言うことを教える必要がありそうじゃな……!」

「パパを誘拐なんてさせないの!」

「凍らせますよ?」

「そ、そんな事、させませんから!」

「その通りよ!」

「思い上がるな下等生物。塵も芥も残さず消してやろうか」

「入間に手を出すなら……私も黙ってません!」

「……」

 

 ジオウが首をかしげるより早く、ウィザード達が反応して敵意を剥き出しにした。響は何も言わなかったが、いつでも殴り掛かれるように拳をバキバキと鳴らしながら構えている。

 

「ハッ!やる気になったみてーだなぁ。そんじゃあ、アタシとじゃれ合おうや!!」

 

 その言葉と共に、鎧の女が棘のついた紫の鞭をこちらに向けて振るう。それを察知した響は瞬時にリバイスドライバーを腰に巻いてレックスバイスタンプを装填する。

 

 

レックス!

 

 

「変身!!」

 

 

バディアーップ!

 

オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング!

 

仮面ライダー!!

 

リバイ!バイス!リバイス!!

 

 

「呼ばれて飛び出てバイスちゃんでぶへぇ!!!?」

 

 響がリバイへと変身し、バイスが実体化して名乗りを上げようとした時、女の鞭がバイスの顔面に炸裂し、バイスは唾液を吐きながら吹き飛ばされた。

 

「うっそ~ん!もうちょっとカッコつけさせて!」

「だ、大丈夫ですか!?」

「全く、何やってんのよ!」

 

 ゼインとエターナルがバイスを助け起こした時、バイス達の前にダチョウの姿をしたノイズが現れ、嘴らしき部分から粘着性の液体を発射した。

 

「こ、これ……!?」

「やッバイ……!!」

「あーーーっ!なんかベタベタネタネタする!響ー!助けてーー!!」

 

 粘液に全身を辛め取られ、身動きが取れないゼインとエターナルとバイス。そんな格好の餌となった三人に、ノイズ達はジリジリと距離を積めていく。

 

「トールお願い!」

「入間さんの頼みとあらば!!」

 

 進路を塞ぐように召喚されたノイズを相手取っていたジオウの指示で即座に飛び出したトールは、自分の鱗や爪を組み合わせて作った愛用の武器──“布団叩き”を具現化して手にとると、ノイズに向けてそれを一閃。ノイズ軍は、たちまち炭素の塊となり、布団叩きの風圧に消しとばされた。

 

「はぁっ!?」

 

 ノイズが布団叩きで倒されると言う事実に、流石の鎧の女も驚愕してしまう。

 

 

タカ!

トラ!

バッタ!

 

!  
 

 

 

「おらぁああああああっ!!!」

「ッ!」

 

 その時、再びオーズに変身した奏が、アームドギアの槍を手に飛び掛かる。僅かに反応が遅れた少女だが、手にした鞭でそれを受け止めた。

 

「彼等にかまけて、我々を忘れたか!!」

「このッ!?お高く留まるなッ!」

 

 そして、オーズの影から飛び出した翼の刀が鎧に直撃する。鎧から火花を散らして後退する少女に向けてオーズと翼が再び突撃してアームドギアを振るう。しかし、後退した隙に気を取り直したのか、鎧の少女は鞭を巧みに振るい、体を僅かにそらす程度でそれをいなしていった。

 

「くっ!まるで効いてないのか!?」

「こちとら完全聖異物。欠片しか使えねぇお前らとは訳が違うんだよ!!」

「ぐはっ!?」

「翼!?あうっ!!」

 

 鎧の少女の蹴りが翼に炸裂し、蹴りとばされた翼をオーズが受け止めようとするが、勢いが強すぎて翼と共に倒れてしまう。

 

「二人とも……!ゴーカイチェンジ!!」

 

 

ゴォォセイジャー!!

 

 

 それを見たゴーカイピンクは翼とオーズの前に割り込むと、【ゴセイブルー】にゴーカイチェンジすると、“ヘッダーカード”を“テンソウダー”に装填する。

 

 

サモン・シャークヘッダー

 

 

 ゴセイブルーの手に“シャークヘッダー”が召喚され、“ゴセイブラスター”に装着する。

 

「シャークバレット!」

 

 ゴセイブラスターから青い光線が飛ぶ。対する少女は、鎧の鞭をクロスさせると、エネルギーを一転に集中させる。

 

 

NIRVANA GEDON

 

 

 そして、鞭が振り抜かれると同時に黒雷を纏う純白の光弾が解き放たれ、光線とぶつかり合う。

 その光弾は、持続性に優れている筈のゴセイブルーの光線を容易く打ち消し、ゴセイブルーに直撃した。

 

「あぁああっ!!」

「ガハッ!?」

「ぐあっ!?」

「「「「「「「「「「「「「「テファ(お姉ちゃん/さん)!!」」」」」」」」」」」」」」

 

 着弾と同時に爆発が起こり、ゴセイブルーと翼とオーズは吹き飛ばされる。爆発に巻き込まれただけでも、翼とオーズはかなりのダメージを負っており、特に直撃を受けたゴセイブルーはゴーカイピンクの姿に戻ると、すぐに変身を保てなくなり、強制的に変身が解除された。

 

「なんなの、この強さ……あうっ!!」

「ハッ!トロいんだよ、お前は!お前らの持ってるモンもターゲットに入ってるんだ。大人しくその鍵を寄越しな!」

 

 倒れ伏したティファニアを踏みつけた少女は、テファニアが落としたレンジャーキーに手を伸ばす。その時、少女の背後から凄まじい殺気が放たれた。

 

その子(テファ)に……触れるな!!!」

「ッ!?」

 

 少女が咄嗟にその場から飛び退くと、空間すら切り裂かんばかりの剣閃が煌めく。着地した少女が目を向けると、そこにはティファニアを優しく抱き起こすジオウの姿があった。

 

「入間……」

「ゴメン、雑魚に手間取った……。皆、テファをお願い」

「……ん。任せて」

「テファお姉ちゃん……!」

 

 ウィザードはティファニアを受けとると、“テレポート”を発動させて、ゴーカイレッドと共にその場から転移する。

 

「はぁっ!」

「っ!」

 

 鎧の少女が反応するよりも早く、接近したリバイが肥大化させた脚を振り下ろす。鎧の少女は鞭を交差させて防ぐが、キック力に優れたリバイの強化された脚力の重さに、少女の足元の地面が没落する。

 

「チッ!思い上がんじゃねぇ!!」

「ッ!?」

 

 交差した鞭を振るい、リバイを押し飛ばす。

 リバイはなんとか空中で体勢を整えて着地する。

 

 

ディ・ディ・ディ・ディケイド!

 

 

 そこへ、ジオウは鎧の少女に向かって走りながら“ディケイドライドウォッチ”を起動すると、ジクウドライバーに装填して、回転させる。

 

 

ライダータイム!仮面ライダー!ジオウ!!

 

アーマータイム!

 

KAMEN RIDE!ワーオッ!

ディケイド!ディケイド!ディーケーイードーッ!

 

 

 【ディケイドアーマー】へと変身したジオウは新たに手にしたライドヘイセイバーの針を回転させながら、少女に向かけてライドヘイセイバーを振り抜いた。

 

 

ヘイ!ブレイド!

 

ブレイド!デュアルタイムブレーク!

 

 

 ジオウはライドヘイセイバーに蒼電を纏わせて刀身を巨大化させると、鎧の少女に向けてそれを振り下ろす。しかし、少女は僅かに体をそらしてそれを回避すると、ジオウに向けて鞭を振り下ろす。

 

「ふんっ!!」

「ッ!?」

 

 しかし、そこに割り込んできたゲイツが鞭を掴みとると、ハンマー投げの要領で少女を投げ飛ばした。予想外の乱入者と襲い掛かってきたGに目を見開くが、すぐに空中で姿勢を整えると、地面をえぐりながら着地した。

 

「さっきの出来損ない共よりはやるのは認めてやるよ。けど、まだまだこんな物じゃ無えぞ、アタシのテッペンはなッ!」

「……言いますね」

 

 そもそも戦いに積極的ではないティファニアを侮辱するのは、入間の怒りを買うには十分すぎた。完全聖異物(ネフシュタンの鎧)のポテンシャルと少女のスペック、そしてノイズを自在に召喚する杖の存在を考え、ディケイドアーマーじゃ少し物足りないと考えたジオウはジオウⅡライドウォッチを取り出す。

 

「……出来損ない、か……確かにその通りだ」

 

 しかし、その言葉に反応した翼が立ち上がった事で、ジオウは動きを止めた。

 

「翼……?」

「この身を一振りの剣として鍛え上げてきたはずなのに、あの日、私は目の前で多くの命を守ることが出来ず……この二年、ずっと生き恥を晒してきた身だ」

 

 彼女の脳裏に浮かぶのは、二年前にライブを見に来てくれた観客達を守れなかった時の事。

 あの日、入間(オーマジオウ)が介入しなければ、あの日、奏は響を守るために()()()()()()()()()()()()()()使い、命を落としていたのかもしれない。

 

「だが、それも今日までの事。奪われたネフシュタンの鎧を取り戻す事で、この汚名を雪がせてもらうッ!」

「そうかい。脱がせるものなら脱がして………ッ!?なッ、動けない……ッ!?」

「翼、お前何を……うわっ!?」

 

 立ち上がると同時にオーズをジオウ達のもとへ投げ付けたた翼に向けて、少女は鞭を叩き付けようと動かそうとした手が動かず、自身の身に起きた異変に気付いた少女は、自分の影に一本の小刀が刺さっているのが見えた。

 

「月が出ている内に、決着をつけましょう……」

 

 影を縫い付けて相手の動きを封じる技──“影縫い”により動けなくなった鎧の少女に歩み寄る。

 

「翼!まさかお前、“絶唱”を……!!」

 

 オーズは、最悪の可能性に行き着いて顔を青くする。言葉の意味が分からないジオウ達も、ゆっくりと動けなくなった少女を目指して歩く翼が何かをする気なのだと判断して、身構える。

 

 絶唱。

 装者が持つ攻撃手段の中でも、最大にして最強の威力を誇る切り札。一度それを歌えば、並の敵など全てが塵と化すその攻撃は、その絶大な威力の代償として装者に想像を絶する反動を与える。反動で受けるダメージは装者の適合係数によって変わるとされ、LiNKERが切れた奏等が使用すれば、反動で命を落とすことすらある。

 

 いくら正規の適合者の翼とはいえ、それを使えばただではすまない。

 

 しかし翼は、それを分かっていながらも、その歌を歌った。

 敵と自分自身に破滅を招くための歌を。

 

「──Gatrandis babel ziggurat edenal……Emustolronzen fine el baral zizzl……」

 

 オーズは立ち上がろうとするが、クワガタメダルの反動と鎧の少女との戦闘のダメージが重なり、立ち上がれない。

 そんな間にも、翼は歌を歌い続ける。

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal……Emustolronzen fine el baral zizzl……」

 

 その瞬間、翼を中心に光が発生する。

 

「ッ!?“聖絶”!!」

 

 その光に危機感を覚えたゴーストは、すかさず最上級の結界魔法を発動させる。

 同時に、翼の発生させた光がドーム状に広がり、その衝撃波がドームに襲いかかる。森林公園全体を揺るがす光の波動に、結界越しでもその技の破壊力が伝わってきた。

 

「スゴい威力だね……!」

「ユエの雷龍と同等か……!」

「翼……翼ァッ!!」

 

 ゴーストが結界を解除すると、オーズは槍を投げ捨てて翼の元へと走り出す。

 

「か……な……で……」

 

 その視界の先では、口から、目から、ありとあらゆる箇所から地を流す翼の姿があった。

 しかし、違和感がある。

 翼は鎧の少女を確実に倒すために少女とゼロ距離にいた筈なのに、鎧の少女がどこにもいない。絶唱により作り出されたクレーターの中心に立っているのは、翼一人だけなのだ。

 

 だが、オーズはそれに気付かずに翼に手を伸ばそうとした瞬間、

 

「がッ!?」

 

 翼の脇腹に、鋭い蹴りが叩き込まれる。

 血塗れの体から、鳴ってはいけない音を鳴らしながら、翼はゴミのように蹴り飛ばされた。

 

「つば──ガハッ!?」

 

 翼に視線が向いた瞬間、オーズの鳩尾に鋭い拳が入れられる。強化された体によって何とか耐えたオーズだが、重い拳に

膝をつき、体を震わせながら顔を上げる。

 

「ネフシュタンの鎧は破壊させんぞ。アレにはまだ需要があるからな」

 

 そこにいたのは、仮面の戦士であった。

 赤・黒・金のカラーリングで、目に当たる部分は紫で頭部にはバッタを思わせる触覚があり、アーマーとローブには丸いモールドが大量に配置されている、仮面ライダーだ。

 

「テメェ……!何でこんなところにいやがる!!」

「アイツの命令を受けてるのはお前だけじゃないんだ。それに、お前がミスをやらかしたらフォローしろとも言われてるんでな」

 

 鎧の少女は、噛みつくような勢いでその仮面ライダーと言い合いをしている。どちらかと言うと鎧の少女が仮面ライダーに突っかかっているという印象だが、名前を呼び合わないながらも互いの存在を認知しているようで、二人に面識があるのは理解できる。

 しかし、誰よりも翼の絶唱の資金距離にいた筈の鎧の少女は全くの無傷。鎧の強度が凄まじいとも考えたが、二人の会話から察するに、あの仮面ライダーが少女を助けたようだ。

 

「仮面、ライダー……!?」

「あの人って……!?」

 

 その存在に驚いているのは、ジオウ達も同じだった。

 入間の仲間内でも、あのライダーに変身する者はいない。この世界に存在しない筈の仮面ライダーの登場に気をとられた瞬間、赤と金色の仮面ライダー───【仮面ライダーリガド】は、ジオウ達に向かって襲い掛かった。

 

「ぐッ!?」

 

 僅かに対応が遅れたジオウは咄嗟に身を翻してそのリガドの拳を回避するが、続けて素早く放たれた右フックを避けきれずに後退する。

 

 それを見て、完全にリガドを敵だと認識したゲイツとエグゼイドが、身体強化を施した拳で顔面を狙う。しかし、そのライダーは肘でゲイツの拳を受け止め、エグゼイドの拳より早く彼女の腹を蹴り飛ばす。

 

「「うぐっ!?」」

「嘗めるでないわ!!」

 

 バランスを崩したエグゼイドと衝突してゲイツは横に転がると、今度は龍騎がドラグクローを手にして、火炎放射を放つ。周りへの被害を考慮した簡易版だが、それでも目の前のリガドを吹き飛ばせるだけの威力はあり、そのリガドは僅かに後退する。

 しかし、それも一瞬。

 踏み出したリガドは、炎をものともせずに龍騎に迫り、鳩尾に拳を叩き込む。

 

「この……!」

 

 リバイはリガドに挑もうとするが、彼女の前を遮るように無数のノイズが現れる。視界を彷徨わせると、未だに粘液に捕らわれているバイス達を守るトールも、更なる数のノイズによって足を止められていた。

 

「アイツにばっか気をとられてんじゃねぇ!!」

「チッ!邪魔しないで!!」

 

 鎧の少女が鞭を振るい、リバイはバックステップで回避する。

 どうやら彼女がノイズを召喚したらしい。ノイズを何体か撃破し、リバイはそのまま、白いエネルギー弾を放つ鎧の少女へと突撃し、戦闘を開始した。

 

「ッ!問題!私は貴方を…グッ!?」

「下らないお喋りをする気はない」

「うわぁっ!!」

 

 クイズはすぐさまリガドや少女に問題を出そうとするが、リガドはそれよりも早くクイズの首を掴むと、鍵盤とターンテーブルの装飾を持つ“ビートレイズバックル”を取り出し、腰に巻かれたベルトの右側面に装填する。

 

 

READY…!

 

BEAT INFINITY…!

 

 

 リガドの手に、ギターを模した拡張武器“ビートアックス”が出現すると、ビートアックスの一撃でクイズを吹き飛ばした。

 そしてリガドは、振り向き様にビートアックスをジオウに向けて投擲する。しかし、ジオウはそれをジカンギレードの一撃で簡単に弾く。

 

 

TACTICAL BLIZZARD

 

 

 だが、ビートアックスの投擲は罠だった。近くの木に突き刺さったビートアックスから発生した冷気が一気に広がり、ジオウの足元を凍結させた。

 

「やば……!」

 

 

READY…!

 

ZOMBIE INFINITY…!

 

 

 動けなくなったジオウに近寄りながら、リガドは新たに“ゾンビレイズバックル”を使用して“ゾンビブレイカー”を装備するも、デッドリーポンプと呼ばれる器具をポンプアクションのようにカバー上部まで上げる。

 

 

POISON CHARGE

 

TACTICAL BREAK

 

 

「うぁああああっ!!?」

 

 紫のオーラを纏う一撃が炸裂し、ジオウは火花を散らした吹き飛ばされる。地面をゴロゴロと転がると、ジオウ(入間)が持っている数枚のコアメダルが転がり落ちた。

 

「ほぅ、これは面白いな」

 

 リガドはそれを見て、足元にあるメダルを拾おうとすると、彼の耳に音声が聞こえてきた。

 

 

タカ!

ゴリラ!

チーター!

 

 

「おらぁああああっ!!!」

「ッ!」

 

 そこへ、【タカゴリーター】へと変身したオーズが、高速移動を発動してリガドへ接近し、両腕の“ゴリバゴーン”と呼ばれる外骨格でリガドの胸部を殴る。僅かに対応が遅れたリガドは、ゾンビブレイカーを手放して地面を転がった。

 

「大人しく泣き喚いていればいいものを……」

「翼が死ぬ覚悟で戦ったのに、アタシがただ座って見てるわけねぇだろ!!」

「下らない……」

 

 

ACCELERATE…!

 

 

 リガドは、ベルトの上部のボタンを押し込む。

 その瞬間、リガドの姿が消え、高速でリガドへと迫っていたオーズが吹き飛ばされた。

 

「うがっ!?」

 

 オーズは火花を散らして吹き飛ばされる。チーターの加速能力で対抗しようとするが、リガドはまるで()()()()()()()()()()()()()()()()ような異次元の速度で四方八方から攻撃を仕掛けてくる。

 

「はぁっ!!!」

「がぁあああああああっ!!!?」

 

 リガドの強力な一撃が鳩尾に炸裂し、オーズは勢いよく吹き飛ばされた。

 

「おらぁ!!」

「ッ!」

 

 追撃を加えようとしたリガドに、エグゼイド達が襲い掛かる。

 しかし、リガドの何よりの強みはその戦闘能力。能力の多彩さではなく、身体能力と格闘技術の高さにより、エグゼイド達は明確な決定打を打つことが出来ないでいた。 

 

「はぁ……はぁ……あ?」

 

 ヨロヨロと立ち上がろうとしたオーズは、自身の目の前がキラリと光るものに気付いた。

 それは、ジオウが落としたカマキリの刻印が刻まれた黄緑色のコアメダル──“カマキリメダル”だ。

 そのメダルを見て、オーズは直ぐ様そのメダルを掴みとるの見て、ジオウが声をあげた。

 

「ッ!待ってください!なにする気ですか!?」

「旦那から聞いたよ。同じ色のメダルがこれで三枚……コンボになるんだろ!」

 

 前に説明したオーズの事を奏でも伝えたのか、とジオウは舌打ちする。オーズドライバーの所有者としては当然の権利だが、今になって後悔した。

 

「ダメです!同色のコンボはタトバや亜種とは訳が違う!死にはしなくても、受け止められる器じゃない人間には負荷が多きすぎます!」

「それでも、やるしか!」

 

 ジオウを押し退け、オーズはオーズドライバーの位置を戻すと、三枚のメダルを抜き取り、クワガタとバッタのメダルを取り出す。ドライバーの窪みに緑のメダルを挿し込む。

 ドライバーに装填されたメダルが共鳴するような輝き、ドライバーを傾けたオーズは、オースキャナーでそのメダルをスキャンする。

 

 

クワガタ!

カマキリ!

バッタ!

 

ガ~タガタガタキリッバ! ガタキリバッ

 

 

 緑のエフェクトが集束し、オーズはクワガタの顎をもした角にオレンジの複眼を持つ仮面に、カマキリのような刃を備えた黄緑色の腕、バッタの装飾を持つ緑の足に、胸に三体の虫の装飾が並んだ姿──【ガタキリコンボ】となった。

 

「ウゥオオォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

 

 姿を変えたオーズは、沸き上がる力のまま吠える。

 空気が轟くような咆哮に、ゲイツ達やリガド、リバイや鎧の少女までもがオーズに視線を向けた時、オーズはリガドに向かって真っ直ぐに走り出した。

 

 その瞬間、オーズの姿が増える。

 群を成して行動する虫の特性を反映させたガタキリバコンボの能力によって生まれた分身体“ブレンチシェイド”は、瞬く間に50と数を増やし、リガドに襲い掛かった。

 

「ぐっ!ぬぅ!?」

 

 一体や二体、数人程度ならまだ対処できていたが、流石に50人という理不尽すぎる数の暴力の前に、リガドは対処しきれず、殴る、蹴る、手にしたカマキリソードで切り裂くといった攻撃に吹き飛ばされる。

 

(コイツは、流石にヤバイな……!)

 

 だが、コンボの負荷を直に感じているオーズは、こうして立っているだけでも苦しいほどの重圧を感じていた。一瞬でも気を抜いたら倒れそうになる前に決めると、すべてのオーズが、オースキャナーでメダルをスキャンする。

 

 

スキャニングチャージ!!

 

 

 全てのオーズが一斉に飛び出し、蹴りの姿勢をとる。

 そして、まるで緑の流星群のように一斉にキックを放つ“ガタキリバキック”が、次々と炸裂した。

 

「グッ、ハァ……ッ!」

 

 爆発に吹き飛ばされたリガドは、かなりのダメージを受けながらもしっかりと立ち上がる。

 

「この、まだ……ッ!?」

 

 再び立ち向かおうとしたオーズだが、突如全身を襲う疲労感と脱力感に膝をつき、そのまま倒れてしまう。コンボの負荷に、奏が限界を向かえてしまったのだ。

 

 ジオウ達が奏と翼の介抱をするのを見ながら、リガドは手の中にある複数枚のコアメダルを見る。依頼主が望んでいた物には程遠いが、これは利用価値があると判断して立ち去ろうとするが、直ぐに強烈な殺気を感じて振り向く。

 

「貴様……入間さんに怪我を負わせたな……」

「ドラゴンか……」

 

 その殺気の主は、メイド服を着たドラゴン少女、トールであった。

 

 ノイズを駆逐する間に愛する入間に傷つけられ、周囲の空気全体が本当に重くなったような殺気を放つトールは、表面に深緑色のマーク、裏面にジオウのライダーズクレストが描かれたカード──“レイズライザーカード”をライズカートリッジに挿し込むと、それを腰に翳す。

 

 

LASER RAISE RISER

 

 

 その瞬間、トールの腰に、段々のある角ばった見た目でベースは黒で中央に紫のラインがあり、その左隣の一部が白いベルト──“レイズライザーベルト”が出現する。

 ベルト右側のホルダーに懸吊されているグリップパーツを取り外し、ライズカートリッジと合体させる。

 

 

TOHRU SET

 

 

 待機音が響き渡り、トールはレーザーレイズライザーを天に掲げる。

 

「変身」

 

 その言葉と共に、トールは引き金を引いた。

 

 

LASER ON

 

 

 銃口から、緑の光を纏うカードが2つ飛び出し、トールの周囲を飛び交う。

 小さなブロック状のエネルギーがトールの体を包み込み、その体が白と黒を基調とした鎧に包まれる。そして、銃口から飛び出したカードが顔面と胸部に突き刺さり、変身が完了した。

 

 

TOHRU LOADING

 

READY──FIGHT

 

 

 黒をベースに無作為に白いラインが走り、左半身は白、右半身は黒の割合が若干多い左右非対称のボディに、頭部左側と左胸部にプレートが突き出た姿。

 鹿の角のような形状の大きな角と緑色の複眼を持った仮面は何処となくドラゴンに似ており、左側から見ると口を開けて牙を見せているドラゴンのような形状の仮面。

 

「命乞いの台詞が上手ければ、壊すのは肉だけにして魂は還してやる。さぁ、命を乞え!!!」

 

 姿を変えたトール──【仮面ライダートール】は、レーザーレイズライザーのクロスオルタネーターを1度入力する。

 

 

FINISH MODE

 

 

 その音声を聞いて、仮面に隠れたジオウ達の表情が強張った。

 

「ッ!?不味い!!」

「トールさんが怒っちゃいましたよ!!」

「止める間もない……行くぞ!!」

「ミレディさんが結界はるから、避難して!」

「手伝うのじゃ!」

「私も!!」

「ッ!皆も来て!!」

「グェエエエっ!?おい!引っ張んなよ響ーー!!」

「あっ、おい逃げんな!!」

 

 ゴースト、龍騎が森林公園全体を覆う“聖絶”を発動し、クイズがその結界を氷で包んで更に強固な物にする中、ジオウ達はゼインとエターナルとバイスを拘束していた粘液を焼いて彼女達を解放すると、エグゼイドとゲイツが翼と奏を担ぎ上げる。

 リバイもまた、鎧の少女との戦闘を放棄して、バイスのマフラーを掴んで引き摺るように、ジオウ達と共にその場を走り去っていく。

 鎧の少女がそれを追いかけようとした時、

 

 

LASER VICTORY

 

 

 トールの持つレーザーレイズライザーに緑のエネルギーと極熱の炎が纏われ、トールが右腕を振り上げる。

 そして、トールはレーザーレイズライザーを地面に叩きつけ、引き金を引いた。

 

「……ッ!」

「おわっ!!?」

 

 ジオウは、背後にいた少女に視線を向けると、彼女の腕を掴み、自身の胸の中に抱き寄せる。

 

 その瞬間、トールを中心にして解放されたエネルギーが火を吹き、凄まじい衝撃波と爆炎が広がる。

 

 至近距離にいたリガドだけでなく、森林公園全体を包む程の火柱が立ち上ぼり、ゴースト達三人の結界が悲鳴を上げる。そして、ドーム状の結界の天辺に穴が空き、解き放たれた火柱が、宇宙にまで届いた。




~オリジナルライダー紹介~

▪︎仮面ライダートール

【スペック】
パンチ力:測定不能
キック力:測定不能
ジャンプ力:測定不能
走力:測定不能

【概要】
 トールがレーザーレイズライザーを使って変身する仮面ライダー。
 レーザーレイズライザーの理想の自分をデザインする機能により、人間型とドラゴン型の形態を使い分けて変身する。
 レーザーレイズライザーに付与された昇華魔法によりトールのあらゆる能力値が一段階引き上げられているが、そもそも生身のトール一人でツァーリ・ボンバ級水爆20個分、地球上全ての核兵器の1/10に値する攻撃力を有しているため、滅多に変身しない。
 レーザーレイズライザーの他に布団叩きが使用可能。

【使用アイテム】
・レーザーレイズライザー
 自分にフィット武器を探していたトールのために入間がプレゼントした武器兼用変身銃。トールの魔力を加えることで破壊力と硬度を上げることが出来る。

・トールレイズライザーカード
 変身に使用するカード型デバイス。ジーンレイズライザーカードの色を深緑にした見た目をしている。
 カードの裏にはジオウのライダーズクレストが描かれている。

【必殺技】
・レーザービクトリー
 超威力の光線を放つ。トールの魔力を乗せることで攻撃の属性を変えることが可能で、ブレスのような炎の攻撃が得意。

・レーザーチャージ
 劇中未使用。










次回予告

弦十郎「我々に力を貸してほしい!!」

入間「仕方ないですね」

 機動二課と協力!?

????「仮面ライダー……それに立花響か……」

ジット「いつまでこの世界で遊んでいるつもりだ?」

 暗躍する謎の敵!

リバイ「何、あのノイズは……!?」

士「どう動く?魔王」

Episode 09 仮初めのコレクティブ
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