悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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Episode 09 仮初めのコレクティブ

 ネフシュタンの鎧を纏う少女と仮面ライダーリガドの交戦が起きた翌日。

 ステンドグラスのように鮮やかで、壁画のような壁面が、ものすごい速度で上へと流れていく光景を、入間達は感心したように眺めていた。

 

「まさか、学校の地下にこんな基地を建ててたなんてねぇ~」

「とはいえ、仕方ないとはいえ我々がこうして二課と接触する羽目になるとはな……」

 

 アメリの言う通り、現在入間達は私立リディアン音楽院高等科に秘密裏に設置されている隠しエレベーターを降りているのだ。

 

 絶唱の反動により瀕死の重症となった翼を病院に連れ込み、ガタキリバコンボとなった奏が呼吸を荒くしながらも目を覚ましたあと、入間達は病院で【緒川慎次】という男から、改めて機動二課に同行してほしいと申し出を受けたのだ。

 普段なら断るところだが、リガドと面識があるらしい少女が来ていた鎧の事を知るためには、唯一それを知っているであろう機動二課に足を運ぶしかなかった為、負傷したティファニアの治療のために翌日に来ると、その申し出を受け入れたのだ。

 そして、緒川から合流場所として指示されたのがこのリディアンなのである。愛子が風鳴翼を監視するために放ったナゲジャロイカから送られていた情報から、この学校の地下に二課の本部が置かれていることは知っていたが、実際に目にするとやはりインパクトが違う。

 ……だが、正直今の入間は、それを気にする事はできない。

 

「ていうか……皆何で僕にくっついてるの?」

 

 そう、今の入間は、右腕にユエとシア、左腕にティファニアとミレディ、腰には両側面からミュウとチマ、正面からアメリと響、そして背中からティオ、トール、愛子、優花に抱きつかれてる状態なのだ。

 彼等がいるエレベーターはそこそこの広さがあるが、流石に緒川を含めて14人も入る事はできず、何人かに分かれておりようとしていたのだが、ここぞとばかりにユエ達が入間に密着。響も、ユエ達に押される形で入間と密着することとなった。

 

 全身に美女・美少女・美幼女に張り付かれ、体が見えなくなってしまっている入間に、緒川は苦笑いしている。

 

(全方向から暖かくて柔らかいフワフワが……!って言うか、何で響が正面に……意外と響って胸多き)

「何か変なこと考えた?」

「いえっ!何でもないです……」

 

 ギロリと自分を睨んでくる響を見て、入間はとっさに目をそらす。

 

 そして、煩悩を振り払う意味も含めて考える。

 ナゲジャロイカの情報から、リディアンの地下に二課の本部があるのは知っていたが、やはりどう考えてもおかしいと思うところがある。

 天羽奏がかつて在籍し、現在入院中の風鳴翼が多くの時間を過ごしているリディアンの地下に本部を置くことでいつでも出動できるように備えるのは分からなくはないが、どこかキナ臭い。

 そもそも、本部を地下に設立するのはまだしも、態々女子校の地下に建てる必要があるのだろうか?態々学校を設立せずとも、適当なダミーカンパニーでも良かった筈だ。

 トップアーティストの風鳴翼が在学していると聞けば、集まってくる生徒の数は計り知れない。だというのに、機動二課はそんな無関係の生徒達を巻き込む可能性を考えているのだろうか?

 いや、考えてみればリディアン音楽院は各種音楽教科を中心に据え置いてから一般教科を組み込むという音楽に力を入れた学校だ。それだけなら入間もなんとも思わなかったが、リディアンの地下に本部を置いている機動二課が所持している兵器(シンフォギア)は、『音楽』と密接に関わる『歌』をエネルギーにする物だ。そもそも、リディアン音楽院事態に何かがあるのではないのかと疑ってしまう。

 今のところ邪推の余地しかない事に、入間はため息を吐いた。

 

(少し判断が早かったなかな……)

 

 やがてエレベーターが止まり、重々しく扉が開く。

 緒川の案内で指令室にやって来ると、巨大な液晶パネルが設置されたいかにも指令室といった部屋の中で、弦十郎と奏を中心に、複数のオペレーター達の姿があった。

 

 入間達が指令室に足を踏み入れると、室内が軽くザワつく。オペレーター達の視線は、殆んどユエ達女性陣に集中しており、その表情を熱に浮かされたようにボーッとしているのを見て、やはりこうなったかと入間は溜め息を吐いた。

 

 すると、弦十郎がわざとらしく咳払いをしてオペレーター達の意識を現実に引き戻すと、入間達に話し掛けた。

 

「始めて顔を会わせる子もいるから、改めて自己紹介しよう。俺は風鳴弦十郎。この特異災害対策機動部二課の司令官を務めている」

 

 丁寧に挨拶をしてくる弦十郎。

 すると、今度は白衣を着た女性が入間達の前にやって来る。

 

「私は出来る女こと櫻井了子。よろしくね♪」

「……」

 

 フレンドリーに接してくる了子だが、入間は若干目を細め、探るような視線を向けた。見れば、ティオもその金色の目で了子を鋭く見据えている。

 だが、情報を教えてもらうために来ているので、入間達も相応の礼儀を尽くすために名乗る。

 

「鈴木入間、仮面ライダージオウです」

「……ユエ。仮面ライダーウィザード」

「アザゼル・アメリ。仮面ライダーゲイツだ」

「シアです。仮面ライダーエグゼイドですぅ」

「畑山愛子です。その…仮面ライダーゼインです」

「園部優花。仮面ライダーエターナルです」

「…クロケル・チマ」

「ティファニアです。ゴーカイピンクとしてミュウちゃんとチームを組んでます」

「下等な人間に名乗る名などない」

「そして私が!天才美少女魔法使いのミレディ・ライセンちゃんだよ☆」

 

 入間達が口々に名乗ると、今度はミュウが可愛らしく両腕を広げながら声を上げた。

 

「ミュウです!ゴーカイレッドで、パパの娘です!なの!!」

「む、娘ェッ!?」

「何か?」

 

 奏だけでなく、オペレーター全員が入間に視線を注目させて声を上げるが、入間は何処か吹く風である。すると、今度はティオが前に出た。

 

「ふむ、残るは妾だけか。妾は一度名乗っておるが……ティオ・クラルスじゃ。仮面ライダー龍騎にして、ご主人様の性のどれあひぃいいいいいいいいいんっ♡」

 

 例の如く、とんでもないことを口走ろうとしたティオに向けて、入間のアッパーカットが炸裂する。

 ティオは艶声を上げながら高く打ち上げられると、ビタンッと床に打ち付けられ、ビクンビクンッと体を痙攣させながら、恍惚とした表情で入間を見る、

 

「ひ、久し振りの衝撃じゃ~♡はぁはぁ♡んっ♡ご主人様よ、もっとお仕置きしていいんじゃよ?寧ろ足蹴にしてくれていいんじゃよ?」

「君はいい加減にTPOを弁えろぉぉぉっ!!!」

「あひぃいいいいいいいいいいんっ♡」

 

 続けて、入間の○ロスペシャルを決める。相手の背後から両足を内側から引っ掛けられ、両手をチキンウイングで絞り上げられたティオは、女性がしちゃダメな声を上げながら気持ち悪……嬉しそうな表情で声を上げてている。

 当然ながら、周囲にいるオペレーターや奏、弦十郎ですら、皆入間とティオにドン引きである。

 

「おい、アイツら……」

「あー、大丈夫ですよ。いつもの事なので」

「あまり気にしないで上げてください……」

 

 シアと愛子がうんざりとしたような表情で答える。他のメンバーも似たような表情である。その表情から、彼女達もティオのあの性癖には苦労しているのだなと察した奏達は乾いた笑い声を上げるしかなかった。

 やがて、ダウンしたティオを放置した入間が、真面目な表情で弦十郎に声をかけた。

 

「それで、説明してもらいましょうか?あの銀髪の子が持っていた鎧の事」

「う、うむ。そうだな。だが、我々も仮面ライダーリガド(君達とは違う未確認)について聞きたいことがある」

「まぁ、それくらいなら良いですよ」

 

 入間の足元で恍惚とした表情で痙攣しているティオを極力見ないようにしつつ、先に弦十郎は語り始めた。

 

 ネフシュタンの鎧とは、『完全聖遺物』と呼ばれる代物で、奏達の持つシンフォギアのような欠片ではなく、現代まで完全な形を保ったままの聖遺物であり、誰にでも扱うことが出きる代物であること。

 

「そして、これから先は……立花響君、君も間接的に関係のあることなんだ」

「私に……?」

 

 怪訝そうな表情で警戒し、目を細める響。

 だが、その目も、弦十郎から明かされた話を聞いたことで大きく目を見開くことになった。

 

 完全聖遺物を起動させるためには、シンフォギアのエネルギーでも使われている、シンフォギア適合者のエネルギーが鍵となる。

 そして二年前……響の運命を大きく変えたツヴァイウイングのライブの裏側では、ツヴァイウイングの歌声でネフシュタンの鎧にツヴァイウイングの歌声のエネルギーを送り込み、鎧を起動しようとしていたらしい。

 しかし、そこでノイズが発生し、混乱の最中にその鎧は紛失してしまったのだという。

 何故、完全聖遺物起動実験の最中にノイズが現れたのかは今の今まで分かっていなかったが、あまりにも良すぎるタイミングと失われた完全聖遺物の観点から、機動二課は何者かの意図によるものではないかと疑っていたのだが……

 

「成る程、鎧の子が持っていたノイズを呼び出す杖。二年前のライブの真相は、ネフシュタンの鎧を狙って意図的に引き起こされたってことですか……」

「そんな……!?」

 

 入間の冷静な言葉に、愛子だけでなく、シア、優花、ティファニアも驚いていた。ユエ達はどうでもよさそうな表情だが、内心では衝撃の事実に少なからず驚いている。

 無理もない。入間や弦十郎の推理が正しければ、二年前のライブによって生まれた犠牲者達は、聖遺物の機動という二課と政府の都合に巻き込まれたということなのだから。

 

「……ッ!!」

 

 そして響は、明かされた二年前のライブの話を聞いて目を見開いていたが、やがて話を理解すると、爪が食い込んで血が出てしまう程強く拳を握り締め、弦十郎を睨み付けている。

 

 すると、弦十郎は響の視線の険しさを知りつつ、指令室の床に膝をつき、額を擦り付けんばかりの土下座をしながら、入間達に頼み込む。

 

「こんなことを君達に頼むのは御門違いなのは分かっている!だが、完全聖遺物ネフシュタンの鎧に加えてノイズを操る術を持つ彼等を相手にするには、俺達だけでは手が足りない!だから、恥を忍んでお願いする!今回の事態を解決するまででいい!我々に力を貸してほしい!!」

 

 弦十郎の言葉は事実である。

 元々機動二課の戦力であるシンフォギア装者は奏と翼の二人だけだったが、翼は現在絶唱の反動で入院しているため、実質今の二課の戦力は時限式の奏一人だけ。オーズの力にしても、恐らくネフシュタンの鎧に対抗するにはコンボしかないだろうが、【火野映司】程の器を持たない彼女ではコンボを完全に使いこなせるとは思えない。

 戦力が最低レベルに下がっている彼等に、ネフシュタンの鎧や使役されたノイズ、そしてリガドを相手にすることは不可能に近い。

 だが、それは全て機動二課の事情であり、入間達には関係がない事である。

 

「要するに、貴方達の尻拭いの手伝いをしろってことですか?」

「お、おい!」

「奏。彼の通りだ。これは俺達の不甲斐なさが引き起こした事であり、彼等はネフシュタンの鎧の件とは無関係なんだ。俺達の都合に彼等を巻き込んでいるのは、紛れもない事実だ」

 

 挑発するつもりの言葉を真摯に受け止める弦十郎の姿を見て、入間は数秒間考えた後に仲間達に視線を向ける。その視線に気付いたユエ達は、入間の判断に任せると言うように頷く。

 すると、入間は続けて響に視線を向ける。

 響は、しばらく思い詰めるような表情で悩んだあと、コクリと首をたてに振った。完全に受け止められたわけではないだろうが、現状、二課と手を結ぶ方がメリットがあると判断したようだ。

 

「まぁ、仕方ないですね。こっちも情報に関して手が不足してたので、協力することは構いません。けど、僕達は僕達のやり方でやらせてもらいます。道中に敵対はしませんが、貴方達の言うことをなんでもかんでも聞く気はありません。それだけは確約してもらいます」

「あぁ、構わない」

「では、今度は此方の知ってることはあらかた話すとしましょうか」

 

 そうして、入間は仮面ライダーリガドについての情報を共有し、今後の方針を纏めていく為の話し合いを始める。

 

 その間、手持ち無沙汰になってしまったメンバーは一時解散という事となり、入間はユエと共に本部に残り、愛子はリディアンの教職に戻り、シア達はオーロラカーテンを経由してゴーカイガレオンに戻っていったが、響だけはそこら辺を歩いてから帰るという言って、リディアンの近くの町身を歩いていた。

 

「響!」

 

 すると、後ろから声が掛けられた。

 振り返ると、そこには息を切らしながら自分を追いかけてきた奏の姿がある。

 

「私に話しかけないで」

 

 それに対して、響はこの上なく冷たい目で返した。

 顔を見るのも不愉快だと言わんばかりのその表情に、奏は僅かに目をそらす。

 

「二年前の事、今更アンタ達を責めたところでお母さんもお婆ちゃんも還ってこない。だから貴方達を責める気はない……だけど、私はアンタ達を信じた訳じゃない……!」

 

 自身の母親と祖母の死は、入間達と過ごした一年の日々の中で過去として受け入れることが出来た。しかし、大好きな二人が死んだ原因となった事件の真相、あのライブの犠牲者達は、政府と二課の実験に巻き込まれたという事を知らされて、響の内心は穏やかではなかった。

 二課の面々が悪人でないことは理解しているし、二年前のライブも全面的に彼女達に責任があるわけではないのも分かっている。

 しかし、そのライブのせいで地獄を味わい、家族を喪った彼女は、彼女達が善人だから許すという甘い考えを持つことが出来なかった。

 

「理解できないなぁ。許せないなら何故二課と手を結ぶ?」

 

 その時、その場に奏でも響でもない声が聞こえてきた。

 二人はバッと後ろを振り向くと、そこには見知らぬ男が立っていた。

 紫色のスーツを着用している若い男だ。整った顔立ちは世間一般的に美形の部類に入るが、眉間に皺を寄せた険しい顔つきは、見るものに畏怖を抱かせる。

 どう見ても友好的な相手ではないと、奏は警戒心を露にしつつ困惑していると、響は敵意を露にし、目の前のスーツの男を睨みつけた。

 

『なんだよコイツ!見るからに悪者じゃ!!』

「アンタ、この前の仮面ライダーか……!」

「ッ!コイツが……!?」

 

 響の言葉に、スーツの男は否定することなく鼻を鳴らす。

 それだけで、響の推測が当たっていると確信した二人は臨戦態勢をとる。

 

「リバイ、お前はいつまでお遊びを続けるつもりだ?」

「……何の事?」

「人間の世界を捨てたお前が、今更この世界を守るのは、滑稽だなと言っているんだ……」

 

 その瞬間、スーツの男──【ジット】は腕を振り抜き、警棒を装備する。それを見て、戦闘の意思アリと二人が判断した瞬間、ジットは警棒を手に響に襲い掛かる。

 

「フンッ!」

「っ!?」

 

 ジットが振り抜いた警棒を避け、ジットの腕を掴むことで動きを止めた響は彼の脇腹を狙い膝蹴りを放つ。しかしそれはジットの左腕に受け止められると、直ぐ様カウンターの拳を腹部に叩き込まれる。

 

「うぐ…!」

 

 思わず後退してしまうが、ジットは直ぐ様警棒をふるう。間一髪でそれを避けると、直ぐ様距離をとる。しかしジットはお構いなしに接近して警棒を振るう。

 持ち前の洞察力でそれを回避した響だが、直後に放たれた蹴りに対応できず、蹴り飛ばされて尻餅をつく。そんな響に馬乗りになったジットは、警棒を響の首に押し付ける。

 

「ぐぅ……!」

『やめろ!響をいじめるな!!』

 

 自身も警棒を握り押し返そうとするが、体制と男女の筋力差によってうまく押し返せない。霊体のバイスが抵抗を試みるが、ジットに認識されることもなくパンチがすり抜けてしまう。

 

「おらぁ!!」

「っ!」

 

 そこへ、奏の蹴りが炸裂し、ジットは響の上から引き離される。

 

『ウッヒョー!奏っちカッコいいんですけどー!!』

「響、大丈夫か!?」

「……!」

 

 奏が響に手をさしだすが、響はその手を払い除けながら立ち上がると、再びジットを睨み付ける。響は走り出すと、奏も続いて走り出す。

 ジットは警棒を振るい二人の足を止めさせた隙をつき警棒を振るう。しかし、響も奏もそれでまんまとやられるような素人ではなく、絶妙なタイミングで警棒を避け、響は拳を、奏は蹴りをジットに炸裂させる。しかし、ジットはそれを腕と脚で受け止めると、反撃として二人の鳩尾に強烈な一撃を叩き込んだ。

 

「ぐっ!」

「ガハッ!?」

 

 後退する二人。

 その時、響の所有するタートルバイスタンプと、奏の持つサイメダルとタコメダルが転がり落ち、ジットは足元に転がぅたそれ等を拾い上げた。

 

「悪いが、クライアントがお前達の持っているものをご所望でな」

 

 そう言って、響の目前に接近したジットは再び警棒を振りかぶった時、その警棒を何者かが掴んだ。

 

「はぁっ!!!」

「ぐっ!」

 

 ジットが振り向いた瞬間、凄まじい速度で放たれた鉄拳が腹部に突き刺さる。ジットは殴られた箇所を抑えて後退する。

 顔を上げると、そこには響と奏を守るように立つ赤い髪の女傑が立っていた。

 

「アメリさん!」

「遅いと思ってきてみれば……面倒なことになっているな」

 

 それは、少し帰りの遅い響の様子を見にきていたアメリだった。

 アメリはジットへの警戒心を解かぬまま身構えていると、ジットは構えを解いた。響と奏から奪ったバイスタンプとコアメダルに視線を向けたあと、アメリと響を見据えて口を開く。

 

「お前達がこの世界でのさばっていようと、この世界の結末は変わらない。より強い願いを持つものが、この世界を支配するのさ」

 

 ジットは手にした警棒で、地面をコンコンと叩く。

 その瞬間、地面をすり抜けるようにして、ジットの周囲に無数のノイズが出現した。

 

「ノイズが!?」

「アイツが呼び出したのか!?」

「なに、このノイズ……!?」

 

 鎧の少女が使っていた杖を見せずに、ジットの行動に反応するように現れたノイズ達。

 しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()異質な姿をしたノイズを目にして、奏達は不気味なものを感じながら、聖異物のペンダントとベルトを手に取った。

 

 ジットはそれを一瞥した後、警棒を片手に持ちながら踵を返し、その場を後にした。

 

「……成る程な、大体分かった」

 

 そんなジットと奏達の姿を見ていた人影は、首に下げたトイカメラで殺伐とした光景を撮影すると、顔を上げた。

 

「これからどう動く?魔王」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある研究施設のような部屋の中に、一人の女が立っていた。

 

「仮面ライダー……戦隊……」

 

 部屋に設置されたモニターに映るのは、自身の知らない異端技術を用いて鎧に身を包む戦士達の姿。

 

 シンフォギアが奏でる旋律には別次元にまたがって存在するノイズを強制的に現実世界の物理法則下に固定する事で、物理攻撃による殲滅を可能とする。

 だが、聖異物の反応もなく、シンフォギアでもないイレギュラー達は、難なくノイズを殲滅することができる。ましてや、生身でノイズを撃滅できるトール(存在)まで現れる始末だ。

 彼等の登場は、あまりにも突然すぎていた。

 自身の知能ですら理解が及ばない不確定要素。

 

 女は、掌にある()()()()()に視線を落とすと、口角を吊り上げた。

 

「だからこそ、()()には利用する価値がある……」

 

 数日前、突然自身に接触してきた()()

 彼等に対して、信頼も信用も欠片も存在していないが、その技術力だけは本物であるのは認めていた。

 【仮面ライダー】【スーパー戦隊】そして【奴等】から教えられた情報にあった【立花響(元融合体)】。これらのイレギュラーが、更なるパラダイムシフトが引き起こされるのは間違いないだろう。

 

「見せてもらうわ……貴方達が造り出したノイズの力……」

 

 女は不気味に笑う。

 

 この世界が本来紡ぐべきだった『歴史』は、少しずつ、しかし確実に、本来の道筋から外れようとしていた。





次回予告

響「全然効かない!?」

 謎のノイズの驚異!

ユエ「大臣が殺害された?」

入間「完全聖異物の護送、ねぇ……」

 敵の狙いは完全聖異物!?

ゲイツ「あれは、グリード!?」

Episode 10 歪む世界
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