悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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Episode 10 歪む世界

 迫り来るミイラのような姿をしたノイズの軍団を、ガングニールを纏った響と奏と、ゲイツに変身したアメリが迎え撃つ。

 

「吹っ飛べ!」

 

 

LAST∞METEOR

 

 

 奏の持つ槍から放たれた竜巻に、ノイズの軍団が吹き飛ばされる。

 普段ならばこれだけでノイズは炭素となって崩れ落ちる筈だが、全身に包帯を巻いたノイズは、フラフラとした動きで起き上がった。

 

「何ッ!?」

「はぁっ!!」

 

 驚きを露にする奏の真横を通り抜け、響の拳がノイズの腹に直撃する。衝撃波が貫通し、背後にいたノイズ軍をも吹き飛ばす。

 しかし、炭化して消えるノイズは一体もおらず、数秒後には全てのノイズが起き上がり、再び響と奏に向かって突撃してきた。

 

「ッ!?何なんだコイツら、全然効いてねぇぞ!?」

「まさか、あの時の……!」

 

 奏はこれまでとはまるで違うノイズに困惑し、響は魔界に現れた黒いノイズの同種なのかと疑う中、ジカンザックスでノイズの一体を押さえ付けたゲイツは思案する。

 

「この見た目、何かに……」

 

 何処かで見たことがあるビジュアルをしたノイズに頭を悩ませた末に、アメリはその知識の中からもっとも酷似した存在を思い出した。

 

「あれだ!まさかとは思うが……」

 

 ゲイツは深紅のライドウォッチを取り出し、ベゼルを回すと、それを起動する。

 

 

タジャドルコンボ!

 

アーマータイム!

 

 

 ベルトにウォッチを装填してロックを外すと、何処からか深紅の鳥が三羽飛んできて、ノイズを攻撃すると、ゲイツの元に集まる。

 

 

タカ!クジャク!コンドル!

 

タジャドルーー!!

 

 

 【仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボ】を模した姿に、胸部に「たか」「くじゃく」「こんどる」と書かれ、両肩には孔雀の羽をもした装甲を持ち、仮面に「たじゃどる」という文字が刻まれた【仮面ライダーゲイツ・オーズタジャドルコンボアーマー】に変身したゲイツは、背中から右腕に装着された“タジャスピナーZ”を構える。

 

「はぁっ!!」

 

 タジャスピナーZから飛び出した炎が、ノイズに炸裂する。

 爆発に巻き込まれたノイズは、そのまま炭素となって消えていった。

 

「効いた!?」

「オーズのウォッチ……もしかして!」

 

 奏が驚くなか、響はリバイスラッシャーを取り出し、【仮面ライダーオーズ】とバッファローの彫刻が施された“バッファローバイスタンプ”を取り出す。

 

 バイスタンプは本来、レジェンドライダーの力を宿したアイテムではない。しかし、響の持つバイスタンプには“カメレオンバイスタンプ”や“プラナリアバイスタンプ”の様に、そのバイスタンプのレリーフとして刻まれている仮面ライダーのデータが活かされている。

 

 響は、リバイスラッシャーにバッファローバイスタンプを押印する。

 

 

スタンプバイ!

 

必殺承認!

 

Here We Go!Let's Go!Here We Go!Let's Go!

 

リバイバイスラッシュ!!

 

 

 白銀の光を纏うリバイスラッシャーを振るい、空間を切り裂かんばかりの斬撃がノイズを襲う。切り裂かれたノイズ達は、やはり炭素の塊となって消滅した。

 

「なんでコイツら、突然倒せるように……?」

「説明は後だ。お前もオーズになれ」

「は?ま、まぁそう言うなら……」

 

 ゲイツに促され、奏は戸惑いながらもオーズドライバーにコアメダルをセットし、オースキャナーでメダルをスキャンする。

 

「変身!」

 

 

タカ!

トラ!

バッタ!

 

!  
 

 

 

 オーズに変身した奏は、トラクローを展開してノイズを切り裂く。

 体に三本の切り傷を刻まれたノイズは、体を炭素の塊へと変えて崩れ落ちる。

 

「おっ、倒せた?」

「やはりそうか……ならば、一気に決めるぞ!」

 

 

フィニッシュタイム!オーズ!

 

ギガスキャンタイムバースト!!

 

 

 飛び上がったゲイツは、両足に鉤爪のような武装を展開させ、ノイズの軍勢に向けて急降下する。

 

「はぁああああああっ!!!」

 

 「たか」「くじゃく」「こんどる」という赤いメダルのエフェクトを通り抜けながら炸裂したゲイツの蹴りにより、ノイズの軍勢は一撃で全滅した。

 

 着地したゲイツは、炭素となったノイズの残骸に視線を向けると、その炭素の中に、太陽の光を反射する物を見つけ出し、それを拾い上げる。

 

「それって……」

「メダルか……?」

 

 響とオーズがそれを覗き込む。

 ゲイツの手に握られていたのは、コアメダルと酷似した、半分に割れている銀色のメダルだった。

 

「……どうやら、事態は私達の予想よりも面倒なことになっているらしいな」

 

 そのメダルを握りしめながら、ゲイツは忌々しげに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……つまり、例の仮面ライダーリガド……ジットという男が召喚したノイズには、シンフォギアの攻撃が通用しなかったというのか?」

 

 数時間後、情報共有のために二課に戻った三人の話を聞き、弦十郎は眉間に深いシワを作りながら呟いた。

 その場には当事者の三人と弦十郎の他に、入間、ユエ、了子、そして二課のオペレーターである【藤尭朔也】と【友里あおい】の姿もある。

 

「確かに、近くの防犯カメラに映っていた映像も見る限り、普通のノイズとなんだか違う気がしましたね。全身に包帯を巻いてたし……」

 

 藤尭の言葉に頷くと、了子は手に持った端末を弄りながら、分析するような口調で口を開く。

 

「私も少し調べてみたけど、ジットという男が召喚したノイズは、他のノイズと変わらないように見えたわ。響ちゃんと奏ちゃんはシンフォギアを纏っていた以上、位相差障壁を越えられた筈なのだけど、何故かシンフォギアの攻撃は効かず、奏ちゃんのオーズ、そしてアメリちゃんと響ちゃんの武装はノイズを消滅させることが出来た。これに何の違いがあるのか、貴方の意見を聞かせてくれないかしら、入間君?」

 

 了子の言葉と共に、機動二課のメンバーの視線が入間、ユエ、アメリ、響の三人に向けられる。

 

「まぁ、一番有効なのは……あの時奪われたコアメダルでしょうね。そして、彼らは見た目からしてヤミーの特性をもったノイズ……安直ですけど、【ヤミーノイズ】とでも呼びましょうか」

「ヤミーとはなんだ?」

「そうですね……一から説明すると、メダルには二種類あるんです。セルとコア……銀色の量産型のメダルと色のある有限のメダルです」

「それって、まさか……」

 

 そこで奏は、持っているオーメダルホルダーを開き、そこからタカメダルと同じ彫刻のある銀色のメダルを取り出し、「これのことか?」というような視線を向ける。

 

 オーメダルには主に二種類存在する。

 “コアメダル”は、文字通りグリードやオーズの力の心臓(コア)となるメダル。

 そして、グリードの体を作り上げる“セルメダル”。

 セルメダルはコアメダルと違い無限に生産することが可能であり、グリードが欲望の強い人間に投入することで生まれるのが、生み出した人間の欲望を満たしてセルメダルを産み出す存在、【ヤミー】なのである。

 

「そのヤミーという存在に、ノイズを融合している……そんな事が可能なのか?いや……」

「まぁ、あのノイズを呼び出せる杖なら出来なくもないでしょうね」

「じゃあ、奏ちゃん達の力が効かなかった理由は分かるかしら」

「まっ、十中八九」

 

 そこについては入間も見当がついてる。

 かつて、バグスターウイルスとネビュラガスが融合した事で生まれた【ネビュラバグスター】という存在がいた。その特殊なバグスターを倒すには【エグゼイド】といったゲームの力を持つライダーだけであり、仮面ライダーゴーストや仮面ライダービルドはネビュラバグスターを倒す事が出来なかった。

 つまり、それと同じでオーメダルの力と融合したノイズを倒すには、同じくオーメダルの力が必要なのだろう。それが入間の推測だった。

 

 その言葉を聞いた二課の面々は、信じられないというような気持ち半分、納得半分といった様子だった。

 

「だからアタシのメダルを持ってったのか……」

「だとしたら、私のバイスタンプも……」

「少なくとも、次にくる時はヤミーとデッドマンの特性を持つノイズを使ってくるという事か……」

 

 種が割れれば対処の仕様はあるが、倒す力を制限されるのはかなりの痛手だ。これから同じ様に特定の力でなければ倒せないノイズが現れてしまえば、仲間の一部は役立たずになってしまう。インフィニットジオウの付与能力ならそれも何とか出来るが、所詮は一時的なものであり、根本的な解決にはならないだろう。

 

 そして、弦十郎は今回の事を上層部に報告すると言って退室したことで、入間達もまたゴーカイガレオンに帰ることとなった。

 

「……それで、本当にどうする気なの?」

 

 ゴーカイガレオンに向かう道中。響は入間に問いかけた。入間は万が一にも盗み聞きがないように防音の魔術をかけつつ、響の問いの続きを待つ。

 

「あんたが決めたことなら文句はないけどさ……アンタがあいつらを信用した根拠はなんなの?」

 

 ネフシュタンの鎧の情報を得るためには、どうしても二課との接触は必要だった。それに情報網と言う点から見ても、確かに二課との共闘にはメリットがある。しかし、今まで接触を避けたきた組織をこうも簡単に信用することに違和感を抱いたのだ。

 

「信用してるわけないでしょ」

 

 そんな響の疑問は、あっさりと否定された。

 

「二課のメンバーは()()()()()()()()悪人じゃない。これはよく分かったよ。けど、それ以外にはまるで魅力がない」

 

 弦十郎や緒川といった人間でありながら常識はずれの力を持つ面々や、オペレーター達の情報処理能力など、機動部二課は戦力以外の点では自分達を越えている所ある。だが、入間には彼等の参加に入っても良いと思うような魅力はなかった。

 

 人類守護を目的としながら戦力(シンフォギア装者)が二人だけと言う現状。

 

 アイドルのライブを装いつつ行った完全聖遺物の起動実験に起きた事件による、完全聖遺物の紛失。

 

 その後に起きた魔女狩りともいえる生存者()への迫害。

 

 リディアンの地下に本部を置いているキナ臭さからしても、人材は揃っていても、組織全体に対して力を貸そうと思える魅力がまるでない。必要とあらば他人を殺すことも犠牲を出すことも厭わない入間達では、人類守護を目的とする二課とは反りが合わないだろう。

 あくまでもこの件が片付くまでの仮初めの協力。入間にとって、二課との関係はそれ以上でもないし、変える気もない。

 

「……でも、あのオッサンはどうする?」

 

 響もアメリも、最初に弦十郎を見た時から、あの男の異常性に気付いていた。身体能力で言うのなら“幻想王”を使用したアメリに匹敵、もしくは越えているかもしれない程の実力を有している。それに、眼鏡をかけた緒川という男も、雰囲気こそ出来るマネージャーという風だが、数々の強者と対峙してきた入間達は、彼が自分達には及ばないが、そこそこ強いという事を見抜いていた。

 

「確かに…あの男、人間とは思えないくらいに並外れた強さを持つ。トールには負けたらしいが……だが、問題ないのではないか?」

 

 それだけの戦闘力を持つ人物がノイズと戦えないということは、彼等はどう足掻いても『人間』の枠組みを越えていない。ノイズを倒すことも出来ず、触れれば即座に灰になるのは避けられない。ならば、空間魔法やら魂魄魔法など、殺す手段も此方との契約を守らせる手段はいくらでも存在する。

 自分たちはあくまでも協力者。それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()と先に断りをいれておいたのだ。必要以上に彼等に干渉する必要もない。

 

()()()には目を光らせておくように、ティオとすり合わせしなあとなぁ……)

 

 そして、二課に招かれた際に顔を合わせた不振な人物への対処法を練りながら、入間達はゴーカイガレオンへと帰還していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その翌日、ある事件が起きた。

 二課を裏から支えてくれていた、広木防衛相が暗殺されたのだ。そして、二課では防衛省に定時報告に向かった了子が殺される直前に防衛相から受け取ったという機密資料から明かされた指令が行われる事となった。

 

 機動部二課と協力体制を敷くことになった入間達も、その指令に参加することとなった。

 本来なら、いくら協力体制を築いているとは言え、入間達は二課の問題に深く干渉したくなかったのだが、その指令というのが、完全聖遺物“デュランダル”の護送ということだったのだ。

 ネフシュタンの鎧と並ぶ、現在まで完璧な状態を保った聖遺物を、先日の少女やジットが狙っている可能性は十分に考えられることだった。

 そこで、デュランダルは今後、一つ街を越えた先にある永田町に建設された特別電算室『記憶の遺跡』で剣を保管する事となり、二課はデュランダルの護送を要請されたのだそうだ。

 

「お前達も手を貸してくれるのか?」

「まぁ、成り行きでね」

 

 奏が問いかけてくる。

 そこには、二課からの協力を頼まれて護送に参加した入間、響、ユエの三人だ。他のメンバーはガレオンで待機をしている。あまり大所帯でも騒がしいからだ。

 

「まぁ、手伝ってくれるのは嬉しいよ。翼はまだ動けないし、頼りにしてるよ」

「アンタ達の為じゃないですから。話し掛けないでくれます?」

 

 奏の言葉に、響はそっけなく答えると同時に踵を返して歩き出し、入間が召喚したサイドバッシャーのサイドカーに腰を下ろした。

 

「……前途多難」

「そうだな……」

 

 奏は溜め息を吐きながら、自身のバイクに向かっていく。

 トータスではノーヘルだったが、道路交通法のあるこの世界の法律に則ってヘルメットを被った入間とユエもサイドバッシャーに乗り込み、入間の後ろに乗ったユエは入間の腰に腕を回すと、了子が乗る車と、その車を四方から囲む車、そして奏が乗るバイクが発進したことで、入間のサイドバッシャーのアクセルを踏み、サイドバッシャーを急発進させた。

 

 そのまま車とバイクは道路を突き進んでいく。

 上空には弦十郎がのるヘリが車を追いかけており、奏や響は、いつノイズがやってきても問題がないように周囲を警戒している。

 

 やがて、車が海上を繋ぐ橋の上を突き進んでいくと──橋が崩壊した。

 

「「「ッ!!」」」

 

 元々引き締めていた気を更に引き締め、入間はサイドバッシャーを旋回させて、橋に空いた穴を避ける。大穴に落ちた二課の車が爆発を起こす音を耳にしながら、サイドバッシャーと奏の乗るバイクは了子の車を追いかける。

 

 その時、道路のマンホールから水柱が立ち上ぼり、二課の車が打ち上げられた。更に立て続けに水柱が上がり、もう一台も空へと打ち上げられた。

 

「下かっ!!」

 

 敵の潜伏先は下水道。だとすれば、下手に攻撃すると町を無駄に破壊してしまうことに気づき、入間は舌打ちする。その時、バイクに乗って並走する奏が入間達に声を投げ掛けた。

 

「おい、このまま科学工場に行くぞ!旦那からの指示だ!!」

「はぁ!?そんなことしたら機材や薬品に引火して面倒なことになるでしょ!」

「敢えて危険な場所に行って敵の動きを封じるつもりなんだとさ!!」

 

 奏の言葉に頷いた入間はサイドバッシャーのエンジンを噴かし、目の前を突き進む了子の車を追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 道路の上を激走する車を、ビルの屋上から双眼鏡で眺める男──ジットは、双眼鏡から顔を上げ、その掌に視線を落とす。そこ手の上には、三枚のメダルがあった。

 

 ジットはそのメダルを虚空に投げ放つと、何処からか無数の銀色のメダルが飛来し、ジットが投げたメダルに集まっていく。メダルは、まるで意思を持つように生物の形を作ると、銀色のメダルの塊の姿が変化した。

 

『グォオオオオオオオッ!!!!』

 

 禍々しい雄叫びを上げるのは、三種の生物を掛け合わせたような怪物だった。

 ジットは、唸り声を上げる怪物に向けて顎をしゃくると、怪物は一際大きなな唸り声を上げ、ビルの屋上から飛び出していった。怪物の向かった先には、科学工場があった。

 

 怪物が去っていくのを見届けたジットは、スーツから一枚の写真を取り出した。

 

「ただでは済まさんぞ、ジオウ。この世界は誰も幸せにならないディストピアとなる。そして最初にバッドエンドを迎えるのは……」

 

 そこまで言ったところで、ジットは写真を屋上から投げ捨て、踵を返して歩き出した。

 投げ捨てられた写真には、小日向未来の顔が写されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 了子を乗せた車と護衛の車、そして二台のバイクは科学工場にたどり着く。その目前には既にあの杖を使って呼び出されたであろうノイズの姿があり、了子の車の前方にいた車がノイズの突撃によって爆発する。

 サイドバッシャーに乗る入間は、辺りを見渡す。すると、工場のタンクの上に、あの鎧の少女を見つけることが出来た。

 

 その時、了子の乗る車に目掛けてノイズが飛び出した時、奏はペンダントを握りしめながら歌を歌った。

 

「Croitzal ronzell Gungnir zizzl」

 

 光に包まれた奏の身体にシンフォギアが纏われ、アームドギアを手にバイクから飛び出した奏は、アームドギアである槍を振り下ろした。

 ノイズが一瞬にして炭素に返り、了子の乗る車とサイドバッシャーは奏のすぐ後ろで停車した。

 

「この前の借り、返させてもらう……!」

 

 鎧の少女を見据えた響はペンダントを握りしめ、入間とユエがベルトとアイテムを構えると、3人は変身の体制にはいった。

 

「──Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

「「変身!!」」

 

 

ライダータイム!

 

仮面ライダー!ジオウ!!

 

 

フレイム!プリーズッ!

 

ヒー!ヒー!ヒーヒーヒィー!

 

 

 ガングニールを纏った響と、ジオウとウィザードが奏の隣に並び立つ。各々の武器を構えると、ウィザードはデュランダルが納められてると思われるケースを抱えた了子を守るように前に立ち、一同はノイズを掃討するために走り出す。

 

 その時、ネフシュタンの鎧の少女がジオウは向かって飛び蹴りを放つ。ジオウはジカンギレードを構えて迎え撃とうとした時、電子音声が響いた。

 

 

ゼロタイム!キワキワ撃ち!!

 

 

「がっ!?」

 

 赤い矢が鎧の少女に炸裂し、爆発を起こした鎧の少女は地面に落ちる。

 ジオウが驚いていると、目の前に赤い影が舞い降りた。

 

「アメリ!!」

「留守番は性に合わないからな」

 

 そこにいたのは、今回の任務に参加しない筈のゲイツだった。ジカンザックスとジカンギレードを構える二人に、鎧の少女は不適な笑みで返した。

 

「思い上がんなよ。今日のアタシの狙いは、そっちなんだよ!!」

 

 そう言って、鎧の少女はデュランダルを保管したケースを抱える了子に向かっていく。しかし、了子の前に立っていたウィザードが立ちはだかった。

 

「チッ!邪魔すんじゃねぇ!!」

「邪魔なのは、貴女!」

 

 ジオウとゲイツ、そして響と奏は、させるものかと言わんばかりに飛び掛かってきたノイズを一気に打ち倒し、了子の元へと駆け付けようとする。

 

 その時、科学工場に紫と黄色の光線が、辺り一面に爆発を起こした。

 

「うわっ!?」

「ぬっ!!」

「うあっ!?」

「ぐぅっ!!?」

 

 爆発に巻き込まれた面々は倒れる。

 顔を上げると、そこには工場のタンクを破壊しながら、一体の怪物が現れた。

 

『ウゥオォオオオオオッ!!!』

 

 頭がムカデの顔になっており、後頭部からムカデの胴体が垂れている。目はモノアイ型で、色はレッド。首にはミツバチの毛、両肩にはアリの顔、右腕にはハチの腹部のような意匠があり、手の甲からは毒針が伸びている。下半身にはムカデが巻き付いたようなライン、右足はハチのような縞模様で彩られている。

 

 見たこともない怪人だったが、三種の動物を混ぜ合わせたような外見から、ゲイツはその怪物に辺りをつけた。

 

「グリードだと!?」

『オォオオオオオオオッ!!!』

 

 怪物──【ムチリ】は雄叫びを上げ、身体を丸める。そして、そのまま身体を転がしてゲイツ達に突撃した。

 

「くっ!何だよ、コイツは!?」

「この前奪われたコアメダルで作られたのかな……!」

 

 奏の叫びに、ジオウは忌々しげに呟きつつ、ジオウⅡライドウォッチを取り出し、二つに分けてジクウドライバーに装填した。

 

 

ライダータイム!

 

仮面ライダー!ライダー!

ジオウ・ジオウ・ジオウ!(ツー)ッ!!

 

 

 ジオウⅡに変身し、ジカンギレードとサイキョーギレードを構え、ムチリに向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ネフシュタンの鎧の少女の相手をしているウィザードは、少々苦戦を強いられていた。

 ユエも近接戦の訓練を怠ってはいないが、翼と奏を軽くあしらうだけの力量を持つ少女の相手は荷が重く、振り抜かれる鞭のウィザーソードガンで受け流し続けているが、指輪を変える隙をつくことが出来ないでいた。

 

 牽制のために、ウィザードはウィザーソードガンから銀の弾丸を放つ。しかし、鎧の少女にはその弾道を見切られていたのか、鎧に備わった鞭が銃弾を撥ね飛ばした。

 

「きゃっ!!」

 

 跳ね返された弾の内、幾つかが了子のすぐ近くに着弾して火花を起こす。同時に、彼女が抱えていたケースが地面を滑っていく。

 

「もらったぁっ!!」

「ッ!させない!!」

 

 鎧の少女が直ぐ様ケースを目指して飛び出す。ウィザードはそうはさせるものかと追いかけるが、スピードは鎧の少女の方が早い。

 

「フッ!」

「なっ!?」

 

 そこへ、スライディングで割り込んできた響がケースを掴み取り、そのまま地面を滑り抜けていく。

 

「テメェ…!」

「渡すわけがないでしょ?」

 

 そう言いながらリバイスドライバーを腰に巻き、響はレックスバイスタンプを取りだした。

 

「変身!」

 

 

バディアーップ!

 

オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング!

 

仮面ライダー!!

 

リバイ!バイス!リバイス!!

 

 

「ヘヘーンッ!お待ちどうさまでーーす!!」

 

 仮面ライダーリバイに変身し、バイスが実体化する。リバイはデュランダルが納められたケースを左腕で抱え、ガングニールのガンレッドを装着されている右手を鎧の少女に向けた。

 

「欲しいなら……自分の手で掴み取ってみろ…!」

「ハッ!言ってくれるじゃねぇか恐竜野郎!!」

 

 リバイの挑発を受けた鎧の少女は地を蹴り、同時にリバイも走りだし、各々鞭と拳を相手の装甲に叩き付ける。甲高い音と共に、2人の装甲から火花が飛び散った。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、衝突を始めたリバイと鎧の少女の様子を、工場のタンクの影から観察する一人の影があった。

 仮面と装甲に身を包んだその人影は、リバイと鎧の少女の戦闘を観察しながら、ベルトの側面に備え付けられたケースを開き、そこから一枚のカードを取り出した。




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