悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME 作:MTHR
オーロラカーテンを抜けた入間の視界に飛び込んできたのは、青空と町。ライドストライカーから降りた入間は空を見上げた。
「ここがプリキュアの世界……。ここにアナザープリキュアの元……キュアアンサーがいるんだね」
ライドストライカーを戻し、入間は町に踏み込んでから辺りを見渡す。魔界やトータスを始め、数多くの世界をわたってきた入間だが、自らの意思でこの世界にやって来たのは始めてだ。
「取り敢えず、プリキュアを探してみようかな」
入間はそう呟くと、町に向かって歩きだした。
「ポチィ~~~~っ!!!」
「うわぁぁ~~っ!!!」
その時、入間の前を猛スピードで何かが通りすぎた。
「ッ!?」
咄嗟に身を翻し、入間は通りすぎていった人陰に視線を向ける。
「うわぁ~っ!すみませ~~ん!!!」
そこには、オレンジよりの茶髪をダウンシニヨンにした中学生ほどの少女が、何かに引っ張られているのか、奇妙な走り方で遠ざかっていく光景があった。
「待ってぇ~っ!!!」
すると、後ろから新たな声が聞こえてきて、小豆色の髪をツーサイドアップにした少女と、小柄な黄色い髪に白衣を着た少年が通りすぎる。
そんな三人の後ろ姿をポカンと見ていた入間は、やれやれという風に首を降った。
「プリキュア探し……再開しよ」
今通りすぎていった二人の事等気にも止めず、入間は疲れたようにプリキュア探しを再開させた。
数十分後。
転移した先にある町──まことみらい市を一通り散策し終えた入間は、公園のベンチに座り、ため息を吐いた。
「よく考えたら……何の手がかりもないのに見つかるわけないじゃん」
魔法や英霊や装者など、様々な世界を巡って数多くの戦士と相対していた入間だが、プリキュアはまだ見た事もなければ、詳しく知るための知識も持っていない。せいぜい、この世界にはプリキュアという戦士がいると言う事くらいだ。
アナザーアンサーの元になったと言う【名探偵プリキュア】も、オリジナルのキュアアンサーが何処の誰なのかも、そもそもどういう戦士なのかも知らない。だというのに接触を図るなんて、今更ながらかなり無謀である。
「それにしても……」
入間は“スタッグフォン”を開き、画面を見る。そこには、「1999年」というこの世界の時代を記す年号が表示されていた。
「1999年……平成ライダーが生まれる前から、プリキュアは存在してたんだね」
町を散策しているなかで、誰もスマホを持っていなかった事から調べてみたが、この世界では入間がいた時代から20年も前の時代らしい。つまり、キュアアンサーはその時代に生まれたプリキュアなのだと推測するが……
「でも、あのアナザーアンサーに刻まれていたのは2027……あれは未来で生まれたアナザープリキュアなの?」
アナザーライダーでないため、これまで培った常識では図れない相手。その存在の謎に頭を捻るも答えが出てくる筈もなく、入間は再びため息を吐いた。
「あんな!!」
「みくる!!」
その時、大きな声が公園に響いた。
興味を引かれた入間がそこに視線を向けると、さっきぶつかりそうになった茶髪の少女と、その少女を追いかけていた小豆色の少女と金髪の少年が立っていることに気付いた。
何やら話しているようだが、大して興味を引かれなかった入間はスタッグフォンを閉じ、その場をあとにしようとする。
その時、わずかに何かを言い合うような声のあとに、拍手が聞こえてきた。気になった入間は、公園の出入り口に立ったままふりかえると、目の前に広がっている光景に唖然とした。
「いかにも、僕はニジーさ!ベイビー!」
そこには、いつの間にか薄い緑色の髪をした青年が立っていた。右頬に黒い星形のフェイスペイントが施され、顔の片側だけを覆うドミノマスクと片翼のコウモリの翼の付いた黒のシルクハットに黒いマントを身に付けた青年は、何処からかペンとバラを取り出した。
「嘘よ覆え!いでよ、ハンニンダー!!」
怪盗風の男が投げたバラがペンに突きささる。その瞬間、そのペンが人の体を遥かに越えるほどに巨大となり、その姿が変貌した。
『ハンニンダァーーーッ!!!!』
マントを着たような手足に、シルクハットに髭、どことなく怪盗のような姿となったペンが雄叫びを上げた。
「なにあれ……!?」
数多く戦いを経験したことのある入間だが、ペンが怪物になって巨大化するのは予想外だったのか、目を見開く。しかし、怪物の前にあの三人組がいることに気付き、入間は即座にジクウドライバーを腰に巻いた。
ジオウライドウォッチを取り出そうとした時、目の前で起きた光景に、入間の動きが止まった。
「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!」」
先程の茶髪の少女──【明智あんな】と小豆色の少女──【小林みくる】が首から下げていたペンダントが、光と共に時計のようなアイテムに変わったのだ。
異様な光景に入間がその場を見守っていると、少女達はクリスタルのようなアイテムをその時計に嵌め込んだ。
「「プリキュア!メイクアップタイム!!!」」
その言葉を唱え、二人は「サン! 見つける!」と言うと時計──“ジュエルキュアウォッチ”の針を3時に合わせ、瞳とヘアスタイルが変化。「ロク! 向き合う!」と唱え、針を6時に合わせるとコスチュームを纏い、「キュー! 奇跡のふたり!」と唱え、針を9時に合わせるとブーツ、グローブを装着する。
最後に、「くるっと回して キュートに決めるよ!」と言い、針を11時まで回すとアクセサリーやケープなどを整える。
やがて、“変身”を終えた二人は靴音をならしながら高らかに名乗りを上げる。
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵、キュアアンサー!!!」
紫色のロングヘアーをお団子型のツインテールにまとめ、ツインテールはピンク色となるグラデーションをかけ、毛先はハート型となって、頭頂部には1本のアホ毛が生えている。
瞳は水色に近い青緑。
コスチュームは紫色を基調としており、背中に黄色いリボンのついたビスチェタイプのワンピースにケープを羽織って、両手には薄い水色のフィンガーレスグローブの上に薄紫色のオープンフィンガーグローブを着用している。足元は薄紫色のオーバーニーソックスを履き、リボンが付いた紫色のパンプスを合わせている。
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵、キュアミスティック!!!」
ピンク色のロングヘアーを三つ編みにまとめ、髪は切り揃えられており、ピンク色から薄紫色となるグラデーションが見られる。インテークの間にリボンがあり、リボンの裏側には1本のアホ毛が生えている。瞳は紫色に変化している。
コスチュームはピンク色を基調とし、キュアアンサーと同じビスチェ風で首元のアタッチドカラーが胸元に重なっており、ノースリーブワンピースに見えるようなデザインとなって、その上からケープを羽織っている。
両手には薄紫色のフィンガーレスグローブの上に薄ピンク色のオープンフィンガーグローブを着用している。また、ネイルが濃い目のピンク色になる。
足元は薄ピンク色のオーバーニーソックスを履き、リボンが付いた濃いピンク色のパンプスを合わせている。
変身を遂げた二人は、靴音をならしながら手を繋ぐと、高らかに名乗りを上げた。
「「名探偵プリキュアッ!!!」」
その光景を、入間は物陰に隠れながら観察していた。
「彼女達がプリキュア……それに、キュアアンサーもいるとはね」
魔術を使い気配を消し、念には念をと認識阻害グラスをかける。周りに気付かれないようにした入間は木の影に隠れながら、プリキュアと怪物の戦闘の様子を伺っていた。
あの怪物は恐らく、プリキュアの世界特有の敵。つまり、プリキュアが戦わなければならない相手であり、別世界の戦士である入間にはあれを相手にする義務はない。ならば、この世界の戦士であるプリキュアの実力を見定めておきたかったのだ。
その時、【ハンニンダー】と呼ばれた怪物は頭の先からインクのような液体を吹き出す。ミスティックはアンサーを抱き締めてその場から飛び退き、空振りになったインクが近くにはえた木にふりかかると、
「マコトジュエルを強力な嘘で覆えば…誰にも止められない力になるんだよ!!」
「エリザさんのペンで……なんてことするの!!」
怪盗風の男がなにか言って、キュアアンサーが憤慨しているが、入間には半分も意味が分からなかった。その事を含めて、やはり後でプリキュアと接触する必要があるだろうと考える。
「欲しいものは何でも…嘘で手に入れる!!」
ハンニンダーが頭の先端を開くと、無数の棘のようなものを発射する。
「僕らファントムは!嘘で溢れ覆われた素晴らしい世界を造る!そのために、マコトジュエルが必要なのさ!!」
「嘘の世界なんて……全然素晴らしくない!!」
「そうかな?君たち名探偵を倒す、こんな力があるのに?」
ダメージを受けたプリキュアに向けて言い放つ怪盗風の男の言葉を断固として否定するキュアアンサー。しかし、やはり「嘘で覆われた世界」というのがよく分からない。取り敢えず、マコトジュエルなるものが重要だということがわかった。
すると、今度は金髪の少年が前に出てきて、怪盗風の男と言葉を交わしていく。キュアット探偵事務所がどうとか言っているが、やはりこの世界の知識がゼロに等しい入間には意味が分からない。
「プリキュアがいる!!歴史上、数人しかいなかったと言われる名探偵プリキュアが、今二人もいる!!!」
その言葉に反応したのか、ハンニンダーは拳を振りかぶり、金髪の少年に向けてその拳を振り下ろす。しかし、その拳は二人のプリキュアが、両の手で受け止めていた。
思わず後退るハンニンダーに向け、二人のプリキュアは凛とした表情で、鋭く一括した。
「嘘をつかれて、ペンを取られたエリザさんの心は悲しんでる……!」
「人を悲しませる嘘なんて…!」
「「プリキュアが嘘を終わらせる!!」」
そろそろ戦いも終わりに近い。それを感じ取った入間は二人に視線を集中させ、戦いの結末を見届けようとする。
しかし、二人の前に現れた銀色のオーロラによって、入間の目は大きく見開かれた。
変身アイテムであるジュエルキュアウォッチを取り出し、時計のはりを回そうとする。
しかし、二人の手は、突如ハンニンダーと自分達を遮るように現れた銀色に揺らめくオーロラが出現したことによって止められてしまった。
「な、何っ!?」
「あれって、オーロラ?」
驚くミスティックと、混乱するアンサー。その時、目の前のオーロラが意思を持つように後ろに下がっていくと、オーロラの向こう側から等身大の影が2つ現れ、オーロラがその影を通り抜けると、その影が姿を現した。
一人は、紫色の鞭を持ち、紫の模様のある深緑色の体をしたカメレオンのような見た目をした『電王の世界』に存在した怪人──【カメレオンイマジン】
もう一人は、両腕と肩部に巨大なコンクリートに見える装備を備えた灰色の姿を持つ『ドライブの世界』に存在した怪人──【クラッシュロイミュード】
二体ともこの世界には存在する筈のない、異世界に存在する怪物達。二体は知性の感じられないような禍々しい唸り声を発すると、武器を構えてアンサーとミスティックに襲い掛かった。
「えっ?えぇっ!!?」
「なんなのコイツら!?」
「どうなっているんだ……!?」
襲い来るイマジンとロイミュードの前に、アンサーとミスティックは咄嗟に応戦するが、それにより必殺技を放つタイミングが完全に見失ってしまった。
「なんだ、コイツらは……こんな奴ら、聞いていないぞ!?」
『ハンニンダァ?』
ニジーとハンニンダーも、その二体のことは知らないようで混乱している中、戦局は変化していた。
カメレオンイマジンを相手取ったミスティックは、カメレオンの舌のようにしなやかに伸びる鞭をスレスレでかわす。空振りになった鞭が背後にあった木々を小枝のようにへし折るのを見て、ミスティックは背筋を震わせた。
カメレオンイマジンは続けて鞭を振るうが、ミスティックはその攻撃を回避し続けていくと、木の幹を蹴って一気に距離を積め、拳を振りかぶる。しかし、その拳が突き出された瞬間、カメレオンイマジンの姿が消えた。カメレオンの力を持つイマジンの為、景色と同化したのだ。
「えっ!?消え……きゃあっ!!?」
混乱したミスティックの背後に、カメレオンイマジンの姿が現れ、鞭の一撃を受けたミスティックは吹き飛ばされた。
アンサーはクラッシュロイミュードの振り下ろした拳を蹴りで迎え撃つ。しかし、クラッシュロイミュードは見た目の通り体が固くパワーも凄まじいものであり、岩をも砕くプリキュアの身体能力を持ってしても、足に大きな痺れが残ってしまう。
「いったぁ……うっ!!?」
しかし、痛みに悶えていたのがよくなかった。その隙をついたクラッシュロイミュードの一撃が炸裂し、アンサーも同様に吹き飛ばされてしまった。
「プリキュアァッ!!」
「ポチィ!!」
後退し背中を打ち付けあったアンサーとミスティックが膝をつく。そんな二人にジリジリと近づくイマジンとロイミュード。ハンニンダーから受けたダメージも合間って、既に満身創痍の状態だった。
『ウォオオオオオッ!!!』
『グァアアアアアッ!!!』
そんな二人に向け、カメレオンイマジンとクラッシュロイミュードは雄叫びを上げ、二人に襲い掛かる。対応が間に合わず、二人が目をつぶった、その時だった。
銃声と共に、青い無数の光弾が様々な軌道を描きながら飛び交い、直撃した二体の怪物が火花を散らして吹き飛ばされたのだ。
「やれやれ、流石にプリキュアが殺されるのは見過ごせないかな?」
目を丸くしたアンサー達が、新たに聞こえてきた声の音源に目を向ける。
そこには、あんなやみくるより少し年上に見える青いコートを着た少年が立っていた。後ろ髪がはね、屈折したようなアホ毛をした青髪の少年の右手には、黒・銀色・黄色を基調に青いマークのようなものが刻まれた奇妙な形状の銃が握られている。
その少年───鈴木入間は“ディエンドライバー”をしまい、プリキュア達の真横を通り抜けると、イマジンとロイミュードの前に立った。
「貴方は……?」
「って、それより危ないですから、早く逃げてください!!」
アンサーが呟くなか、ミスティックははたと気付いて入間にここから離れるように叫ぶ。それがなんだか可笑しくなってしまい、入間は思わず苦笑すると、コートの内側からクリアホワイトのバックル──ジクウドライバーを取り出した。
「問題ないよ。こんな危険な状況、幾らでも乗り越えてきたから」
ドライバーを腰に当てると、帯が伸びて腰に装置される。
続けて、ポケットからジオウライドウォッチを取り出すと、ベゼルを回して絵柄をライダーの顔にし、ライドオンスターターを押した。
起動したライドウォッチをジクウドライバーに装填すると、時計の秒針と共に、入間の背後に巨大な時計が現れる。
驚く周囲を他所に、入間は構えを取り、叫んだ。
「変身!」
ジクウドライバーを腕で回転させると、世界が回転する。
時計のバンドが体を包み、光と共に姿が変わる。
背後の時計に現れた「ライダー」の文字が仮面に張り付くと、入間は時の王者──仮面ライダージオウへと姿を変えた。
「へ、変身した……!?」
「顔に文字が書いてる……!?」
「プリキュアじゃ…ない!?なんなんだアイツは……!」
「ポチィ~!」
絶句しているプリキュアとジェット。ポチタンも鳴き声を上げて驚いている。しかし、何一つとして気にすることなく、拳を握りしめて走り出す。
プリキュア達と同様に驚いていたイマジンとロイミュードも、ジオウが走り出したことに反応して、唸り声を上げて襲い掛かる。
カメレオンイマジンが鞭を振るうと、ジオウはそれを避けながら鞭を掴み取り、鞭を引っ張ってイマジンを自身の元に引き寄せる。思わずバランスを崩したカメレオンイマジンの鳩尾に蹴りを加えて吹っ飛ばすと、今度はクラッシュロイミュードが拳を繰り出す。ジオウは体を翻して後ろに回り込み、背に蹴りを食らわすが、クラッシュロイミュードにはあまり聞いている様子はなかった。
「流石にこの姿じゃ無理があるかなぁ……。それじゃあ、これで!」
ジオウは腕のライドウォッチホルダーから新たなライドウォッチを取り出すと、それを起動する。
ジクウドライバーに装填し、ドライバーを回転させる。
黒と緑のメモリ型のロボット【メモリロイド】がイマジンとロイミュードを攻撃して怯ませると、ジオウの左右でポーズを取りながら変形すると、ジオウに装着された。
【仮面ライダーW サイクロンジョーカー】を模した左右に色が分かれた装甲を上半身に装着し、複眼にはカタカナで「ダブル」と描かれている姿──【仮面ライダージオウ・ダブルアーマー】に変身する。
「姿が、変わった!?」
驚くアンサーだが、やはり気にもしていないジオウはイマジンとロイミュードに右手を銃のような形にして言葉を投げ掛けた。
「さぁ、君達の罪を……聞かせて?」
その言葉と共に、ジオウは走り出してロイミュードに左腕でパンチを繰り出す。肉体能力を極限まで高めたジョーカーメモリの力で強化された拳は、クラッシュロイミュードを後退させるだけの力があった。
続けて、ジオウはカメレオンイマジンが口から吐いた炎を、サイクロンメモリの力で発生させた竜巻を纏う腕でかき消す。
二体はそれでもとジオウに向かっていくが、ジオウはまるで赤子の手を捻るように、二人の攻撃を受け流し、逆に重い一撃を食らわせ続け、二体に確実にダメージを蓄積させていく。
「な、なんなんだアイツは……ハンニンダー!!」
『ハンニンダァー!!』
そこへ、あまりの怒涛の展開に混乱していたニジーが復活し、ハンニンダーに指示を出す。ハンニンダーは怪人と交戦しているジオウの背中に向かって拳を突き出す。
「っ!はぁっ!!」
『ハンニッ!?』
対するジオウは、ハンニンダーの拳に風を纏った回転蹴りをお見舞いした。風の力をプラスしたその蹴りに押し負けたハンニンダーは、轟音を立てながら倒れ込む。
(動きは単調だけど、図体大きい分かなり重量とパワーがあるね)
ハンニンダーを蹴り飛ばした足をプラプラと揺らして相手の力を確認したジオウは、次いでアンサーとミスティックに視線を向けた。
「君達…プリキュアだよね?あの怪物、放っておいていいの?素材は大切なものなんでしょ?」
「っ!そうだった!みくる!!」
「うん、あんな!!」
ジオウの言葉に、アンサーとミスティックは顔を見合わせ、再びジュエルキュアウォッチを取り出す。時計の針を11に合わせると、二人はハンニンダーを見据え、地を踏みしめる。
それを見て、ジオウもジクウドライバーに装填されている2つのライドウォッチのライドオンスターターを押し、ベルトのロックを外す。
ベルトを回転させ右手を軽くスナップすると、イマジンとロイミュードに視線を転じたジオウは竜巻を纏い、空を飛ぶ。
「「これが私たちの……アンサーだぁーーーーーっ!!!!」」
アンサーとミスティックは地を踏みしめ、ハンニンダーに向かって砲弾のごとく飛び出す。紫とピンクの光を纏い、2つの光が重なる事で一つの光となり、真っ直ぐにハンニンダーに突撃する。
「タァーーーッ!!!」
ジオウの上半身のアーマーがメモリドロイドとして分離・変形すると、開いたジオウの両足と合体する。そしてジオウは「W」の描き、急降下する。
光となったプリキュアがハンニンダーの体を貫く。
ジオウの蹴りがイマジンとロイミュードを空へと打ち上げる。
「「キュアっと解決!!」」
ハンニンダーの後ろに着地したアンサーとミスティックの決め台詞と共に、ハンニンダーはピンクの光に包まれる。
同時に、カメレオンイマジンとクラッシュロイミュードは、空中で断末魔を上げながら大爆発を起こした。
『ハン……ニン……ダァ……』
ハンニンダーが安らかな声と共に消滅し、後には星を象った宝石のようなアイテムが残る。アンサーがそれをキャッチし、ポチタンの首に嵌め込むと、「ポチポチ、キュアキュア~」という言葉と共に、その宝石が吸収された。
「……今日は客演が多すぎたみたいだ。次のショーまで幕を引いておこうじゃないか!!」
ニジーはジオウに視線を向けたあと、取り出したボールを地面に投げ、発生させた煙幕に紛れて姿を消す。同時に、ハンニンダーのインクをかけられた木が元に戻った。
ジオウはダブルウォッチを外して基本形態に戻る。そして無言でその場を立ち去ろうとした時、後ろから声をかけられた。
「待って!!」
ジオウは足を止めて振り替える。そこは案の定、こちらを見ているアンサーとミスティック、そして訝しげな眼でこちらを見ているジェットの姿があった。
「引き留めてごめんなさい……でも、貴方は何者なの……?」
アンサーの問いに、ジオウはしばらく考えるように虚空を見上げたあと、ライドウォッチホルダーから取り出したライドストライカーを起動した。突如として銀色のバイクが現れたことに驚愕しているプリキュア陣営に視線を向けると、ジオウアンサーの問いに答えた。
「僕は仮面ライダージオウ。全てのライダーの力を持つ魔王……らしいよ?」
「魔王?それってどういう……」
「じゃあね」
「あぁっ!ちょっと待って!!」
ミスティックの問いにも答えず、ジオウはアンサーの声を無視してライドストライカーを発進させ、その場を後にした。
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