悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME 作:MTHR
今回もご都合主義&独自設定満載。
それでも言いという方々はご覧ください。
「あんたの事、ちゃんと話しなさいよ!!」
決闘の後、入間はルイズによって部屋に連れ込まれていた。
ベッドの上で座るルイズに向かい合うように、椅子に座る入間は、真面目に会話する気はないというように何処からか取り出したお菓子のクッキーを食べている。
そんな態度に怒りを覚えながらも、ルイズはまず第一に聴かなければならないことを問いただした。
「アンタ、なんであんな魔法が使えるの?それに、自分が平民じゃないって……本当に貴族なの?」
そう、一番の問題はそれだ。
今まだは公爵家のルイズは入間を平民として見ていたから高圧的な態度を取っていたが、入間が何処かの貴族の子息であるという可能性が出てきたのだ。最悪の場合国際問題になってしまう。
「まぁ、僕の事は殆ど話してないしね。こっちは色々と教えてもらったのに、秘密なままなのはフェアじゃない。少し長くなるけど……」
入間は最後のクッキーを口に放り込むと、自分の世界について語り始めた。
魔界全土を治める“魔王”と、“消失の魔王”デルキラ。
魔界の中枢を担い、平和を保っている英傑“13冠”。
その13冠の中でも最も高い実力と実績を誇る“三傑”の一人にして、“最も魔王に近い男”と称されていた大悪魔、サリバン。
そして、自分がサリバンの孫であり、祖父が理事長を勤める
一方で、入間からハルケギニアではあり得ない代物(ス魔ホ等魔界由来のもの)を見せられ、信じざるを得なくなったルイズは頭を抱えた。
「っていうか、貴族ならなんで教えてくれなかったのよ!!」
「聞かれなかったし」
「聞かれなかったって……」
つまるところ、入間はこのハルケギニアからは名前も聞こえないほど遠い地からやって来た名門貴族の子息ということになる。しかも、決闘を見て分かるとおり、入間は非常に優秀なメイジであったのだろう。つまり、もうこれは国際問題以外の何物でもない。
「とはいえ、別に君が僕を召喚したことについては責めてはないよ」
「…えっ!?」
自身の不安を覆すような言葉に、ルイズは顔を上げる。
だが実際、入間が不満を抱いているのはこのハルケギニアの使い魔のシステムと、自身の帰還を邪魔しているルーンだけであり、ルイズ本人には不満も嫌悪もない。何故なら、入間自身が自分の恩師を勝手に使い魔にした前科があるからだ。教室でも言ったが、結局のところ、ルイズの事は入間にとっては“どうでもいい”のだ。
「ただ、君も勝手に僕を呼んだのは事実だし、二つだけ条件がある」
「じょ、条件……?」
入間が出した条件は、端的に言えば待遇の改善と、ルーンの契約を解除する方法を調べるために自由時間の確保だった。それさえ受けてくれれば、少なくとも入間自身はルイズの召喚について責めるつもりはないという。
ルイズは少し不満そうだったが、入間が貴族であるなら相応の待遇を持つべきなのは当然だし、本意でなかったとは言え、自分は入間を勝手に召喚してしまったという負い目がある為、自身が起こした問題の責任を問わないでくれるというのなら、それを飲み込むしかなかった。
実は、入間の狙いはこれでもあった。今後もここで生活する以上、ある程度動きやすい方がいいからだ。
「じゃあ、これで話しは終わりだね。僕は調べものがあるから」
「あっ!待ちなさい!まだ話は……」
「君にあっても僕にはない。それに、午後の授業もあるんじゃないの?」
そう言い残すと、入間は騒ぎ立てるルイズから逃げるように、図書館を目指して去っていった。
そのあと、入間は図書館を探して学院を歩いていた。
途中ですれ違うメイジ達は、入間を見るなりヒソヒソと話したり、怯えたように逃げ去っていくのを見て、決闘の影響が早くも出ているようだと感心した。
「……あ」
その時、入間はシエスタと鉢合わせた。
入間自身は特に用はなかったのだが、当のシエスタは何か言いたそうな表情をしていた為、立ち止まって問い掛けた。
「どうかしたの、シエスタ?」
「イルマさ……いえ、ミスタ・イルマ。先程は私のせいでご迷惑をお掛けして、申し訳ございませんでした」
「……?」
突然、名前の呼び方が変えられ、謝られた事に困惑する入間だったが、直ぐに理由に辺りをつけた。
先ほどの食堂での光景や、決闘の前までの入間に対するメイジ達の言動を思い起こす。力の無い平民は理不尽に強いたげられ、貴族はそれを行うことになんの疑問も持っていなかった。そんな歪んだ思考が当たり前のこの世界の中で、平民の貴族に対する心象は決していいのもではないだろう。
そして、入間は先程、自分が貴族であることを学院中に広めたのだ。だが同時に、平民達からは、入間もメイジの連中と同じ穴の狢と思われてしまったのだろう。そして、そんな貴族同士の決闘差和議の原因となってしまったシエスタの恐怖は、計り知れない。
まぁ、血の繋がりがないとはいえ貴族であることは事実だ。更に言えば、本人達の同意を得ているとはいえ、9人の女性と同時に交際して義理の娘までいるという最低極まりない行為に及んでいる。ある意味、ギーシュより悪質である。
「謝る必要なんて無いよ。君には何の非もないんだし」
「え?」
予想外の言葉に目を丸くするシエスタ。
「君はメイドとしての仕事を果たしただけだよね?それをあのバカがいちゃもんをつけて、僕が自分から止めにはいろうとしたらあのバカが勝手に決闘を申し込んだ。君が謝る理由は一つもない」
そもそも、止めに入ったのは洗濯場の恩があるシエスタの為だったが、入間が態々決闘を受けたのは、メイジの戦闘力の確認と、自分の状況を良くするためだ。いわばシエスタの身に起きた不幸な状況を利用したのだから、謝られるのは違う。恩を感じているなら借りとして恩を押し付けるが、罪悪感を抱かせてしまう事は入間は望んでいない。
「ですが、私がミスタ・グラモンの香水の瓶を拾わなければ……」
「それがそもそもの間違い。それはあのバカが女の子二人の誠意を裏切ったから。彼が二股してたのを知らなかったんだよ。それとも、僕が介入したのがそんなに不味かった?」
「もっ、申し訳ございません!私を助けていただいたミスタ・イルマには心から感謝しております!」
そういって頭を下げるシエスタに、入間は苦笑しながら、シエスタに顔を上げるように促した。
「そういう時は、“ありがとう”でいいんだよ」
「えっ?」
「何度も“ごめん”って謝られるより、一回“ありがとう”って言ってくれれば、相手は満足するんだよ。何かしてほしいからじゃなくて、して上げたくてした事なんだから」
再び目を丸くするシエスタ。
彼女の知る貴族は、皆平民を見下しているものが殆どだった。ギーシュに叱責されていた時だって、シエスタは内心で滅茶苦茶だと嘆いていたが、平民の意思は貴族の言葉一つで理不尽に捩じ伏せられてしまう。
だが、目の前にいる貴族の少年は、彼女の知る貴族のように一切偉ぶらず、平民でしかない自分をまっすぐに見てくれている。
「その……ありがとうございました、ミスタ・イルマ」
「ミスタ、かぁ……うん。まぁ、気にしなくて良いよ」
慣れない呼び方に居心地の悪さを覚える入間だが、ティオから「ご主人様」と日常的に呼ばれているため、なんとかそれを飲み込んだ。
「あぁ、そうだ。図書館に行きたいんだけど、場所知ってる?」
「はい。それでしたら、私が案内します」
そうして、入間はシエスタの案内で図書館へとやって来て、いくつか本を拝借した。途中、司書がここは貴族しか使えないと言って入間を追い出そうとしていたが、入間が魔術で作った氷剣を喉元に突き付けてO☆HA☆NA☆SHIしたら、快く利用を許可してくれた。
そうして何冊かの本をゲットした入間は図書館を出て、中庭のベンチに移動した。図書館でも良かったが、どうせなら見晴らしの良いところで読書をする方が気分が落ち着く。
目を通すのは、このハルケギニアの歴史書や、この世界の魔法が詳しく書かれた本だ。
「ミスタ・イルマ。宜しければ、紅茶を飲まれますか?」
「あっ、ありがとう」
そこへ、シエスタがティーカップが乗せられたトレーを手にやって来た。喉が渇いていたのでありがたいと思い、礼を良いながらティーカップを受けとり、カップに口をつける。
「うん、美味しい。淹れてくれた人に礼を言っておいて」
「は、はい……」
入間がそう言うと、何故かシエスタはトレーで口元を隠しながら顔を赤くした。
その様子に入間は首をかしげるが、特に指摘するようなことでもないため、再びカップに口をつけながら本に目を通す。シエスタが近くで控えていることが気になったが、本に記されている内容の方が興味深い為、なにも言うこと無く本を読み進めていると、ふと足音が聞こえてきた。
入間とシエスタがその足音が聞こえた方に目を向けると、そこにはルイズと同じくらいの身長をした小柄な少女だ。水色の髪をショートカットにしており、赤い縁のメガネをかけた美しい少女だ。手にはそれぞれ、彼女の身の丈よりも大きな杖と、数冊の本がある。
シエスタが仰々しく頭を下げるが、特に気に止める事でもないと判断した入間は再び本に視線を下げる。
一方で、メガネの少女──【タバサ】は、自身のお気に入りの読書スポットにいた先客が、先程の決闘騒ぎで学院中を騒がせた使い魔の少年だったことに気付くと、ベンチに腰を下ろし、入間の方を向いて口を開いた。
「聞きたいことがある」
問い掛けられて、入間は本から視線を上げてタバサを見る。
小柄でクールな外見に反して、そこそこ実力があるのを見抜いた入間は彼女をけしかけてメイジの魔法を見ようと考えたが、直ぐにギーシュのように挑発しやすいタイプではないと悟り、頭に浮かんだ案を即座に却下すると、名前を知らないことに気付いた。
「君は?」
「……タバサ」
「そっか。それで、聞きたい事って?」
「決闘で使ってた魔法、あれはなに?」
「何、というと?」
「最初に放った炎、紫色の炎なんて存在しない。ゴーレムを一掃した魔法も、雷の魔法に近かったけど、別物だった」
答えに一瞬迷ったが、特に隠す理由もないため、それに答えようとした時、新しい声が聞こえてきた。
「あら、ダーリンの魔法、私も聞きたいわ~」
「……?」
「だ、ダーリン!?」
そこに視線を向けると、そこにはキュルケが立っていた。身に覚えの無い呼ばれ方に、入間は首をかしげ、何故かシエスタはトレーを落とした。
すると、そこへ新たな人物が割り込んできた。ルイズだ。
「ちょっとキュルケ!人の使い魔を勝手にダーリン呼ばわりするんじゃないわよ!」
「しょうがないじゃない。好きになっちゃったんだもの」
「……は?」
入間は目を丸くする。
九人の女性と付き合っている天然の女誑しの入間である。無自覚に女性とフラグを立てていたことなど数えきれないほどあるが、キュルケと入間の接点は今朝の授業前の会話でしかない。それに、あれはどちらかと言えばルイズと張り合ってたようなものであり、入間はろくに会話もしてない。
第一、入間は決闘騒ぎでギーシュに負傷させたことで恐怖の対象と見られている。キュルケも広場で決闘を観戦していたのは確認していた為、そんな自分に惚れる理由が本気で分からない入間。
それは、ルイズも同じだった。
「アンタ、アイツが決闘で何やらかしたか見てたじゃない。とうとう頭おかしくなったの?」
「失礼ね。でも、確かにあなたの言うことは分からなくはないわ」
「だったら何で……」
「でもね!それ以上に燃え上がったのよ!あの圧倒的な強さに容赦のなさ!あたしの炎も上回る紫色の業火!どれを取っても今まで会ったことの無いタイプの男だもの!是が非でも落としたくなっちゃったわ!」
それを聞いて、入間は直ぐに分かった。
この女の言葉からは、入間の恋人達のような真剣身を感じられないのだ。謂わば、ギーシュの女版…いや、サキュバスだなと、入間は冷めた目でキュルケを見定めた。
キュルケの容姿は確かに女性としての魅力に溢れているが、ユエ達から調きょ……基、愛を育みあっている入間からすれば、キュルケには何も感じなかった。
「えと……えっと……」
「それで、僕の力について知りたがってたっけ?」
ギャーギャー言い合うルイズとキュルケにオロオロするシエスタ。
入間はそれを無視してタバサに質問内容を確認すると、タバサはコクリと頷いた。
「あれは魔法じゃなくて、魔術だよ」
「……魔術?」
聞き馴染みの無い単語に首をかしげるタバサ。言い合いをしていたルイズとキュルケも、オロオロしていたシエスタも、その言葉を聞いて、入間に視線を集めた。
「魔術は、君たちにとっての魔法とおんなじだよ。といっても、この国とは全く別の発展体系だから、仕組みはかなり違うんだけどね」
「聞いたこと無い……先住魔法?」
「いや、違うね。魔術は“イメージを実現させる力”の事を言うんだ。あの炎も龍も、イメージを僕の魔力で実現させたんだよ」
「……炎が紫色なのは、魔術だったから?」
「あぁ、普通は赤いよ。紫色の炎は僕達がいたところでは上位の実力者が使う炎だからね」
「あら、そんな炎をあんな簡単に扱えるなんて、流石はダーリン!」
「ちょっとキュルケ!誰がダーリンなのよ!人の使い魔に色目を使わないで!」
そうして、再び言い合いが始まるルイズとキュルケ。
別に他人にどう呼ばれようと構わないが、やはりその呼び名は受け付けられない入間はため息をはいた。もしもユエ達にばれようものなら、地獄のフルボッココース確定だろう。キュルケが。
「あのさ、君僕の事をダーリンって呼んでるけど……」
「あら、キュルケって呼んでよ、ダーリン」
「……そもそも、前提が間違ってるからね」
「前提?」
首をかしげるキュルケと、入間の言葉を聞いていたルイズとタバサ。
シエスタがタバサ達の分の紅茶を持ってきたのとほぼ同時に、入間はキュルケにビシッと指を指すと、さも当然のように衝撃の事実を明かした。
「僕には故郷で恋人がいる。君からダーリン何て呼ばれる筋合いはないから」
その言葉を聞いて、シエスタがトレーをもつ腕を脱力させ、カップを落とした。重力に従い床に落ちた皿は粉々に砕け散り、カップの欠片や紅茶があたりに散乱した。
場所は変わり、魔界のサリバン邸。
新たに増えた8人が家族に加わり、常に明るい雰囲気が美点だったこの屋敷では、現在重苦しい空気に満ちている。
それもそのはずだ。何故なら、その中心とも言える人物──入間が失踪したからだ。
「……入間からの最後の連絡」
サリバン邸のリビングで、ユエはテーブルの上に自身のス魔ホを置いた。テーブルの席に座るのは、サリバン、アメリ、シア、ミレディ、ティオ、ミュウ、レミア、チマ、愛子、優花アスモデウス、クララは、そんなス魔ホの画面を覗き込み、記された内容を読み上げた。
『おじいちゃん達へ
僕は今、ハルケギニアっていう異世界にいます。
どうやら、僕はその世界に召喚されたみたいなんだ。
帰ろうとしたんだけど、妙な力に阻害されて出来ないので、しばらくこっちに留まって、帰る方法を確保してくるね。
ユエ、皆、また会おうね♪
入間らしいと言えば入間らしいメッセージだ。
だが、文章を読むに、どうやら入間は自分達の想像以上に面倒臭い状況に巻き込まれているらしい。
「義祖父さま、ハルケギニアという世界はご存じですか?」
「……いや、残念だけどはじめて聞いたよ」
「ふむ……当然、トータスにもそのような地名はない。これは、また違う世界に召喚されたと見るべきじゃな」
「また異世界召喚されるなんて、イルくんって生粋のトラブル体質だよねぇ~」
ミレディが呆れたように口にした、異世界召喚という言葉に、愛子と優花が顔を曇らせる。
彼女達は、『神を自称する欺瞞者』の愉しみのために異世界に召喚され、クラスメイトから多くの犠牲者を出されてしまった。入間の召喚を行ったのがエヒトではないとは思うが、過去一度だけの異世界召喚の経験から、どうしても悪い方向にと想像してしまっていた。
「……異世界にわたる手段なら、ある」
そう言ったユエは、紫色のウィザードリングを取り出した。
“テレポートウィザードリング”。
文字通り空間転移が出来るウィザードリングだ。本家ウィザードの【操真晴人】は、これを使って『武神ライダーの世界』から元の世界へと転移することが出来た。その論なら、ユエ達もこの指輪を使えばハルケギニアに渡ることが出来るのだが……
「……正確な位置のイメージが出来ないと、行き先にゲートが繋がらない」
「導越の羅針盤は、イルマ先輩が持ってるんですよね?」
「……ん」
「それは、中々難儀だな……」
入間はハルケギニアから魔界の位置を特定できるが、世界の壁を越えられない。
ユエ達は世界の壁を越えられるが、魔界からハルケギニアの位置を特定できない。
「……だから、入間の位置を特定できる概念魔法を造る」
そこで、ユエが声を上げた。
このメンバーのなかで、概念魔法に至ったのはミレディとユエの二人のみ。ならば、その概念魔法で、導越の羅針盤と同じ効果を持つ魔法を作れば良いと口にする。
「それは、大丈夫ですか?」
オペラが質問する。
概念魔法は物に付与しなければならない。それ無しだと、一回きりの使い捨ての魔法だ。いや、そもそも、概念魔法は現実の理を上書きできるほどの極限の意思がなければ発動しないのだ。
いかにユエが魔法の天才とはいえ、一朝一夕で出来ることではない。
「……一度使えれば良い。それに……」
そう、世界の壁は最初から越えられるのなら、場所さえ分かればそれで良い。
そして、問題の“極限の意思”だが……
「……私が入間を求める気持ちが、現実の理ごときに負けるはずがない」
何処までも、魂の底から愛している男を求める吸血姫が、現実の理を曲げられないはずがない。
その意思の強さを宿したと、妖艶な微笑みを目にしたシア達は、「まぁそうだよなぁ」というように苦笑した。
「そうですねぇ……それなら、その時は私も行きます!」
「当然、私も同行しよう」
「それなら、当然ミレディさんも行くよ!」
「無論、妾も行くのじゃ。何があるのか分からんからのぅ」
「私も…」
「そ、それなら私も行きます!」
「私も行くわよ。アイツが帰ってくるつもりなのは分かったけど、ジッとなんかしてられない……」
「無論、私も同行するぞ!イルマ様の矛としてな!」
「私も行く行く!イルマちがいるところなら何処だって行く!!」
シア、アメリ、ミレディ、ティオ、チマ、愛子、優花、アスモデウス、クララが同行を名乗りでた。
入間は帰ってくると言っていたが、そう言われたから待つような面々ではないのだ。
ユエはコクリと頷いた。
「それなら僕も……」
「理事長まで
サリバンは三傑の一角だ。ただでさえ魔界が不安定なこの時期に、魔界の中枢を担う悪魔が消えるのは大問題だとオペラに指摘されれば、サリバンもものすごく不満そうに引き下がるしかない。
「……ん。安心してください、お義祖父様。戻るのに時間がかかったとしても、デンライナーで出発の一時間後に戻れば問題ありません」
「ユエお姉ちゃん、ド○えもんみたいなの!」
「みゅ、ミュウちゃん?何でドラえ○ん知ってるんですか?」
そんな風に会話を終えると、ユエはさっそく概念魔法生成のために部屋に籠り、シア達は同じ部屋に待機することとなった。
「ミュウも行きたかったの…」
「ミュウ、パパはきっと直ぐに戻ってくるわ。イルマさんがミュウとの約束を破った事なんてないでしょう?」
流石に、入間ですら直ぐに帰れなくなってしまったような何かがある世界に5歳のミュウは連れていけないという説得の末にお留守番となったミュウは、レミアと共に廊下を歩きながらしょんぼりとし、レミアそんな愛娘の頭を優しく撫でた。
レミアとて、ミュウが異常なまでに強くなったのは分かっているが、まだ5歳だ。どんな危険があるのか分からない世界に連れていくわけにはいかない。
そうしている間に、ミュウとレミアは自室にたどり着いた。ミュウが大好きなパパと同じ部屋で過ごすことが多いために使われることが少ないが、ここには曾孫も溺愛するサリバンが集めたオモチャがたくさん置かれている。
「「ッ!?」」
その時、ミュウとレミアの前に、光る鏡が現れた。
その鏡には見覚えがある。何故なら、それはつい昨日ら見たばかりの物だったからだ。
「これは、もしかして……お、お
「ママ!」
あまりにも突然の事に、レミアは手の先が鏡に触れてしまい、入間の時と同じ様に鏡に吸い込まれていく。ミュウは慌ててレミアの手を引っ張ろうとするが、やはり入間の時と同じでびくともしない。
「こうなったら、やってやるの!ママをつれていかせたりなんかしないの!!」
レミアから一度手を離したミュウは、“携帯電話のようなアイテム”と“掌に収まる程度の赤い人形”を取り出す。
携帯電話を開くと、腕を上げた人形の下半身が上に上がり、鍵となった。
携帯と鍵を構え、鍵を前に出すようにして構え、叫んだ。
「ゴーカイチェンジ!なの!!」
その言葉と共に、ミュウは鍵を携帯にあった鍵穴に差し込み、鍵を回すと、携帯の上部が、Xの形に変形する。
携帯から、X、X、V、Xの形をした光が飛び出し、ミュウの体が赤いスーツとヘルメットに包まれ、幼児の体が、成人の体に変化する。
僅か0.1秒という速度で変身を遂げたミュウは、レミアの体の殆どを飲み込んでいる鏡に向かって飛び出した。
「ド派手に行くぜ!なの!!」
その台詞と共に、赤い戦士となったミュウは鏡に飛び込み、レミアの体が完全に吸い込まれると、鏡は役目を終えたように消え去っていった。
「ミュウ!レミーさん!!」
「お前達、何があった!!?」
その直後、タカウォッチロイドが連れてきたクララとアスモデウスが、部屋に飛び込んできた。部屋に護身用として待機していたタカウォッチロイドが、自らの意思で飛び出し、二人を連れてきたのだ。
しかし、その部屋には、ミュウもレミアも、光る鏡も、何処にもなかった。
次回予告
ルイズ「町に行くわよ」
デルフ「オメー、『使い手』か」
ルイズ「それってインテリジェンスソード?」
デルフ「よろしくな、相棒!」
喋る剣、デルフリンガー!
入間「……来る!」
ユエ「……やっと会えた」
EP07「仰天!出会いと再開!」
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