悪魔の孫は時の王者となって世界最強 NEXT TIME   作:MTHR

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 サブタイトルは仮面ライダーゴーストを意識しております。

 初めての感想で、ゼロの使い魔のヒロイン候補を教えてほしいといただきました。候補はあるんですが、いれるべきかを悩んでいる為、一度アンケートを取ってみようと思いますりあくまでも参考のためなので、結果が必ず本編に繋がる訳ではありませんが、お気軽に投票してください。もしも他にヒロイン入り希望のキャラがいれば、感想でお伝えください。

 今回はデルフリンガー登場回、どうぞ!


EP07「仰天!出会いと再開!」

 ギーシュとの決闘騒ぎから2日、その短い間にも、入間の周囲は変わっていった。

 

 入間が実は遠い国から来た凄腕のメイジであるという噂は瞬く間に学院中に広まり、広場の惨状や、ギーシュに殺しかけた事も合間って、恐怖の対象と見られるようになっていた。

 それに伴って、ルイズをゼロとバカにする声もなくなっていった。

 

 入間の生活もかなり変化していた。使い魔の仕事は、自分の分もあるからということで洗濯と水汲みだけ。貴族が自ら洗濯をすることにルイズやシエスタは信じられないというような表情をしていたが、入間からすれば何て事はない。

 食事も貴族達と同じ食堂で同じものを食べられるようになり、シエスタがよく給仕をしてくれる。更に、ルイズの部屋に大きめのソファーを置かせてもらい、入間はそれをベッド代わりにして眠るようになった。

 そして、元々勉強は嫌いではない入間は、ルイズ達と共に魔法の授業を受け、その後は図書館から本を借りて読むのが日課となっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、今日は“虚無の曜日”と呼ばれる日で、分かりやすくいえば日曜日。生徒達は皆、思い思いの方法で休日を謳歌していた。

 

「イルマ、町に出掛けるわよ」

「……」

 

 ルイズの言葉に、入間は呼んでいた本から視線を外してルイズを見た。

 

「ショッピングかぁ……それで、なに買いに行くの?」

「足りなくなってきた日用品ね。……それから、剣よ」

「剣?」

「そうよ。この前の決闘でのあんたの功績を讃えて、私から剣をプレゼントしてあげようって訳よ。ありがたく思いなさい!」

「……君さ、決闘見てたなら僕が武器を持ってるの知ってるよね?今さら剣なんていらないよ」

 

 胸を張るルイズを見て、入間はやんわりと拒否する。

 入間はありとあらゆるライダーの武器を召喚できるグランドジオウウォッチを使って呼び出した武器を、自らの宝物庫に収納している。持っている武器は多い方が特なのは認めるが、既に40個近くまで武器を持っていると、これ以上増やすのはどうなのかと思えてくる。

 

 だが、ルイズとしては、同じ貴族ではあるが使い魔である入間が少しでも信頼関係を作れるようにプレゼントをして気を引こうとしているので、簡単には引き下がれなかった。

 

「そ、そうかもしれないけど……でも、町に行けばもっといいのがあるかもしれないじゃない!」

 

 そうは言うが、そもそも入間の持つ武器はどれもチートレベルの性能を持つ武器だ。武器屋に売ってるものなど、せいぜい“ライドセイバー”と同レベルだろう。

 

 だが、町に行ける機会を逃すのは惜しい。それに、入間の宝物庫には、旅のなかで手に入れた宝石や鉱石がいくつかはいっている。これからもここにいるのなら、どうしても資金は必要であるため、こちらの世界の金銭を手に入れておきたかった。

 

「分かった。行こうかな」

「そう、じゃあ早く支度しなさい」

 

 そうは言うが、入間は特に準備するものなどないので、ほぼルイズ待ちである。

 

「そういえば、移動手段と移動時間はどれくらい?」

「馬で2~3時間くらいよ」

「そっか……じゃあ馬は必要ないね」

「えっ?ちょっ、どこ行くのよ!?」

 

 ルイズが支度を終えると、入間は彼女を連れて校門の前に出てくると、“宝物庫”から、黒と金を基調としたサイドカー──“サイドバッシャー”を召喚した。

 

「な、なによこれ!?」

「簡単にいうと、僕の故郷での高速移動手段のひとつだよ。ホラ、これ」

 

 入間はルイズにヘルメットを手渡し、自身もヘルメットを被った。

 この世界に道路交通法などないだろうから、絶対にしなければならないことはないだろう。しかし、ライセン大峡谷でバイクをライドストライカーを乗り回した時はノーヘルだったが、不死身のユエや、身体強化チートレベルのシアと違って、魔法が使えること以外はただの人間と大差ないルイズの安全確保は必要である。

 

 そうして、サイドバッシャーはルイズの案内のもと、街を目指して走り出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、タバサは自室で本を読んでいた。

 本を読むことが何よりも好きな彼女は休日の読書は何物にも変えがたい至福の時間であった。“サイレント”の魔法で謝恩している辺りが、彼女にとってどれだけ読書の邪魔を嫌うのかが窺える。

 だが、その楽しみはドアを突き破りそうな勢いで部屋へと乱入して来た人物によって破られることになる。

 

「タバサ!今から出掛けるわよ!早く支度して頂戴!」

 

 入ってきたのは、彼女の親友のキュルケだった。キュルケはタバサの手から本を奪い取った為、仕方なく“サイレント”を解除する。

 

「虚無の曜日」

 

 タバサはキュルケの手から本を取り返そうと手を伸ばした。しかし、それに対してキュルケが高く本を掲げた。背の高いキュルケがそうするだけで、小柄なタバサの手は本に届かなくななってしまう。

 

「分かってる!あなたにとって虚無の曜日がどんな日なのか、あたしは痛いほどよく知ってるわよ。でも、今はね、そんな事言ってられないの。恋なのよ!恋!その人が今日、あのにっくいヴァリエールと出かけたの!あたしはそれを追って、2人がどこに行くのか突き止めなくちゃいけないの!分かった?」

 

 ヴァリエールという単語に、タバサはぴくりと反応した。それからキュルケの目を見て、尋ねる。

 

「……その人というのは、彼女の使い魔?」

「ええ、そうよ」

 

 キュルケがそう言うとタバサは珍しく何か考え込んでいるかのように顎に手を当ててから、言った。

 

「分かった」

 

 その言葉に、キュルケは思わずきょとんとした表情を浮かべた。

 いつもならもう少し渋るはずのタバサが、案外あっさりと了承したからだ。こんな事、今までほとんどと言って良いほど無かったのだ。

 

 実は、タバサも入間にはかなり強い興味を持っていた。

 ギーシュとの決闘騒ぎの際、タバサはキュルケに引っ張り出されて広場にいたが、決闘には微塵も興味がなく、ギーシュが勝つと疑っていなかった。だが、入間が炎を放った瞬間から、思わず落としてしまった本を拾うことすら忘れて、入間の圧倒的な力に見いってしまっていた。

 彼女はとある事情があり、命を懸けた実戦経験がある。そんなタバサだからこそ、入間がギーシュの胸を斬った事に躊躇も何もなかったのを見て、確信を得ていた。

 あの男は、ハルケギニアとは全く発展体系の違う魔法…魔術が優れているだけではない。明らかに実戦を経験し、数えきれない程の命を奪ったことがあるのだと。

 

 一体彼は何者なのか……。興味のないことにはドライなタバサだが、興味を引かれると熱中しやすい。そして、入間というあまりにも異質な存在は、タバサの中で、決して小さくない関心を持たせていた。

 

「………」

 

 タバサは窓際によって、口笛を吹いた。

 

「きゅい!」

 

 すると、窓の外から、大きな翼を羽ばたかせ、青いドラゴンが現れた。タバサの使い魔、【シルフィード】だ。

 2人は窓からシルフィードの背中に乗って、ルイズと入間を乗せたサイドバッシャーの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルイズと入間は、トリステインの城下町の前に到着した。と言っても、流石にサイドカーに乗ってきたとなれば騒ぎになるので、街の手前100m程のところでサイドバッシャーを止めた。

 

「信じられない……馬で2時間は掛かる所を、たった30分で辿り着くなんて……」

 

 ルイズは、サイドバッシャーの移動速度に呆然としていた。

 

 だがまぁ、馬の最高時速が約71kmに対して、サイドバッシャーの最高時速は380kmなので、比べたりなんかすれば馬が可哀想である。

 

 入間はサイドバッシャーを“宝物庫”に戻すと、再びルイズが説明を求めてきたので、入間は歩きながら“宝物庫”について説明したが、空間魔法など存在しないこの世界の出身であるルイズにはピンと来ていなかった。

 

 そんなこんなで、街に辿り着いた入間とルイズは城下町を歩いていく。

 町は人で溢れ、商人と平民で賑わっている。こういった騒がしさは好きな入間だが、たった一つだけ、気になることを呟いた。

 

「……狭いね」

「これで狭いって、あんたのいた所はどうだったのよ?ここはトリステインでも有数の大きな街なのよ?この先にはトリステインの宮殿があって、街として発展もしてるわけ」

 

 それを聞いて、入間はトータスと、“もう一人の自分”と邂逅した『ミッドチルダ』と呼ばれる世界を思い出す。

 

 全て魔法が浸透している世界だが、ミッドチルダはトータスやこの街と比べれば、とてつもない程の発展を遂げている。入間は、ミッドチルダで出会った魔法使い達が使う魔法は、本当はSF何じゃないかと疑っている為、科学がない世界だと文明としての進歩は期待できないのだろうなとぼんやり考える。

 

(だとすると、やっぱり魔界って近代的なのか古風なのか分からない所があるよね……貴族社会で中世時代なのかと思えばマンションとか建ってたり、漫画や花火がないのに携帯があって、遊園地とかバイクとかあるし……)

 

 そんな風に考えていると、路地裏へと足を運ぶ。

 路地裏は道幅はさらに狭くなり、道端には汚物やゴミが散乱し、臭いもひどく、見るからに不衛生だった。

 

 そうして歩いていると、入間とルイズは剣の看板が目立つ店にはいった。

 

 店の中は、壁や棚に剣や槍が乱雑に並べられ、立派な甲冑が飾られていた。店の奥には店主と思われる壮年の男がパイプを咥えており、こちらを訝しげに見つめていた。しかし、ルイズが貴族だと気づいた瞬間、パイプを話して急に畏まった調子を取った。

 

「貴族のお嬢様、ウチはまっとうな商売をしてまさあ、お上に目をつけられることなんか、これっぽっちも……」

「客よ。コイツに武器を見繕ってちょうだい」

 

 ルイズがそう言うと、店主はそそくさと店の奥へと入っていく。しかし、その店主が振り替える瞬間にあくどい笑みを浮かべていた事に、入間は気が付いていた。

 

 しばらくすると、店主は1.5メイルある大きな剣を持ってきた。宝石が散りばめられた輝く刃に、いかにもよく切れそうな両刃式の大剣だ。

 

「こいつはかの高名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー興が自ら鍛えた剣で、魔法がかかってあるため鉄だって一刀両断!この店一番の業物でさあ!」

「そ、そう……」

 

 ルイズは目を輝かせる。どうやら気に入ったようだ。

 しかし、入間は見た瞬間に興味を失った。入間は弓使い専門であり剣士ではないが、数多くの武器を手に取ってきた経験から、武器を見る目は多少なりとも養われている。

 

 ライドセイバーにも劣る剣から目を離すと、ある場所に視線を向けて口を開いた。

 

「……で、何時まで覗き見してるの?」

「えっ?」

 

 突然、脈絡のない台詞を口にした入間に目を丸くするルイズ。

 しかし、入間の視線の先は、剣の束があるだけだった。

 

「へえ、まさかここで俺の存在に気がつくたぁね?今度のは、ちったあマシな奴が現れたじゃねえか」

 

 それは、お世辞にも綺麗とは言えない錆まで浮いている剣だった。その剣が、鍔をカチカチ鳴らしながら声を発したのだ。流石にそれは興味を引いたのか、入間はその剣を手に取ってみた。

 

(なのはさん達がこんなの使ってたな……)

 

 異世界の魔導師達の使う、意思を持った杖やら斧やらローラーシューズやらを思い出しながら、入間はその剣を観察する。刀身の長さは1.5m程はあり、中々な長さに丁度良く反った片刃の剣だ。

 錆びだらけの刀身だが、思いの外造りはしっかりしていて、店主が見せたものよりは遥かに質のいい剣だ。

 

「珍しい。それってインテリジェンスソード?」

「へえ、おっしゃるとおりで。まったく、どこの物好き魔術師が剣をしゃべらせるなんて考えついたんだか。こいつはデルフリンガーなんて大層な名前持ちなんですが、やたら口は悪いわ、客という客にケンカを売るわで、あっしもほとほと困っておりやしてんね」

 

 ルイズと店主の会話を聞く限り、どうやらこの剣は異世界から流れ着いたデバイスの類いではなく、正真正銘この世界発祥のものらしい。

 剣が喋ることは驚かない。

 ミレディと初めて出会った時、彼女は自身の魂をゴーレムに移しかえていて、ゴーレム姿で話していたのだ。今更剣が喋っても驚くことはない。

 ただ、剣が明確な意思を持っているという事は、かつてのミレディのように誰かの魂を剣に定着させたか、剣そのものに意思を宿らせたかのどちらかという事だ。神代魔法と似た現象を引き起こす魔法があるということに入間が意外に思っていると、その剣が再び口を開いた。

 

「……おでれーた、オメー、『使い手』か?……いや、それ以前に、何だよこのとんでもねぇ力……オメー、本当に人間か?こんな奴は初めてだ」

「?」

 

 急に神妙な口調で剣がそう言うと、何の事だか分らない入間を無視して、何事かブツブツ言い始めた。

 

「それだったら、さっきの反応も納得だな………よし!お前、俺を買え!」

「ふーん……」

 

 入間はその剣の刀身を観察したあと、軽く叩いてみる。妙な音は混じっていない辺り、錆びだらけの外見とは裏腹にかなりの名刀である事が分かる。

 だが、入間としてはこれ以上武器が増えても困るだけだ。そもそも、入間が一番気に入っている武器は弓矢である。さほど剣に拘りがあるわけではないし、アリクレッドもいるから話し相手にする意味もないため、入間はその剣を元の場所に置いた。

 

「別に剣とか必要ないから、それじゃあ僕はこれで」

「えっ、ちょっ!剣買わないの!?」

 

 店の外へとさっさと行ってしまう入間に向け、錆び剣から懇願するような声が聞こえて来た。

 

「待て待て待て待て待て待てぇぇっ!!取り敢えず買っておくれよ!!出番がなくなっちまう!!」

「いや、意味分からないし……っていうか、僕はもう自分の武器は持ってるから」

「まあそう言わずに、お願いだからさ、損はさせないからよぉ!!」

 

 ずいぶん必死である。

 溜め息を吐いた入間はもう一度錆び剣を手に取る。正直なところ、この剣を購入しても意味はない。

 だが、先ほどいっていた「使い手」という言葉が気にならなかった訳ではない。使う用途はなさそうだが、その言葉の意味を聞くだけなら問題ないだろう。本当に使い道がなくなったら、生成魔法で無敵の剣に魔改造してもいい。

 

「しょうがない、君にするか」

「イイィィィィィィィヤッホォォォォォォ!! ありがとよ相棒!!」

「えぇ~、そんなのがいいの?」

 

 自分がさらっと魔改造される未来が待っているかもしれないとは露知らず、歓喜の声をあげる錆び剣。

 そして、明らかに嫌そうな声を隠そうともせず、ルイズは不機嫌な顔をした。しかし他の豪勢な剣や得物をパッと見るあたり、金貨でも千や二千は下らないものばかりだ。

 

「あれ、おいくら?」

「こちらとしても厄介払いができて大助かりなんで、百で結構でさ」

 

 店主は適当な様子で手をヒラヒラと振った。

 結局、ルイズは錆び剣を購入することとなり、武器やを出た。1.5mはある錆び剣は入間の腰には収まらないので、背中に背負うこととなった。“宝物庫”にしまえば済む話なのだが、流石に意思を持つ剣を真っ暗な宝物庫に気が引けたのだ。

 

「で、君には名前とかあるの?」

「おう!おれはデルフリンガーっていうんだ!デルフって呼んでくれ!よろしくな相棒!」

「相棒って呼ばないで。僕は鈴木入間だよ」

 

 そうして、【デルフリンガー】と名乗る剣を新たに手に入れた入間はルイズの案内で質屋に行き、適当な鉱石や宝石を金貨に変え、城下町を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 城下町を出て、人目につかないところで再びサイドバッシャーを召喚し、入間達は僅か30分弱で学院に到着した。

 

 校門の前でサイドバッシャーを止めると、“宝物庫”の中へと収納する。

 

「あんたのそれ、便利よね」

 

 ルイズはそれを見て興味深そうに“宝物庫”の指輪を見つめる。あの後、ルイズは足りなくなってきた日用品を買い足してそこそこ荷物になりそうだったのだが、それらは全て入間の“宝物庫”に収納した為、ほぼ手ぶらでの帰路となったのだ。

 

「欲しがってもあげないからね?」

「わ、分かってるわよ!」

 

 “宝物庫”から購入した物を取り出しながらジト目を向ける入間に、ルイズはそっぽを向いて答える。

 

 その時、学院の前に、凄まじい風を引き連れながら、巨大なドラゴンが降り立った。

 

 ルイズが驚く傍らで、入間はそのドラゴンを観察し、ティオには遠く及ばないなと見定めていると、そのドラゴンの背中から誰かが降り立った。ドラゴンからは敵意がなかったので誰かの使い魔だろうと思っていたが、降りてきたのは意外な人物だった。

 

「はぁい♪ダーリン♪」

「……」

 

 それは、キュルケとタバサだった。

 キュルケの手には見覚えのある剣があった。

 

「ツェルプストー!何の用よ!!」

「アンタに用は無いわよ、ヴァリエール。私の目的はア・ナ・タ♡」

 

 キュルケの視線の先にいたのは、入間だ。

 

「…あのさ、ダーリン呼びは止めてって言ったよね?」

「もう!つれないわね!でも、そんなところも良いわ!それと、これダーリンにプレゼントよ♪」

 

 そう言いながらキュルケが差し出してきたのは、ルイズが危うく購入しそうになったあの剣だ。どうやら、入間達が出ていった後でキュルケもそこに入って購入したみたいだ。

 

「いや、別に新しい武器とかいらないから」

 

 入間はバッサリと切り捨てた。デルフリンガーはまだ悩めるだけの余地があったが、どう見ても実用性皆無なこの剣を持っていても、無駄以外の何物でもないからだ。

 

「残念だったわねツェルプストー!イルマはアンタからの贈り物なんて受け取らないわよ!!」

 

 そこで、何故かルイズが得意気に胸を張った。

 別に、今回は実用性のない剣だから受け取らなかっただけで人の善意を無下にする入間ではないなのだが、指摘しない事にした。

 

 案の定、それからルイズとキュルケの口論が始まる。取り残された入間とタバサは、特に会話をする事もなくその場で立っていた。入間はタバサには特に関心は無かったのだが、入間に強い関心を持っていたタバサはチラリと横目で入間を見ていたのだが、元々口数が少ないゆえに中々話し掛けられずにいた。

 

 その時、入間達の前に、凄まじい魔力の光が発生した。

 

「きゃあっ!?」

「な、なんなの!?」

「……!!」

 

 その魔力の光に驚きを露にするルイズとキュルケを他所に、タバサは二人を守るように前に立ち、杖を構える。

 

「な、なんだぁッ!?相棒、何が起こってんだ!?」

「相棒って呼ばないで!でもこの魔力……なにか、来る!」

 

 入間は“ジクウドライバー”を腰に巻き、デルフと“ジカンギレード”を召喚する。

 

 

テレポート!プリーズッ!

 

 

 その時、奇妙な声と共に、ルイズ達の前に魔法陣が現れる。

 それを見て、驚愕するルイズ達。入間も同じく驚愕していたが、ルイズ達とは反応が違った。

 

「あれは……もしかしてっ!!」

 

 次の瞬間、その魔法陣から8人の影が現れた。

 ルイズ達が目を瞬かせながらも、その全容を見て目を見開いた。

 

 其々、ルイズやタバサと同じくらいの金髪紅眼の小柄な美少女、ネコミミのような突起がある赤い髪の長身美女、頭からウサミミを生やした美少女、金髪をポニーテールにした碧眼の美少女、和服に似た服を着た黒髪金眼の美女、栗色の髪の美少女、茶髪をボブカットにした小柄な女性、水色の髪を低めのツインテールにした小さな角を生やした美少女。

 

「な、なんだぁ、アイツ等……って、相棒!?」

 

 余りにも予想外の出来事に、困惑していたり呆然としているルイズ達を他所に、入間はデルフを放り投げて歩き出す。

 

 その靴音を聞いて、美女達も入間の存在に気付くと、金髪紅眼の美少女が、入間の前に歩み寄ると、入間の体に抱きついた。入間は直ぐ様、その美少女の背中に手を回して、彼女を抱き締めた。

 

「……やっと会えた、イルマ」

「ごめん、待たせ過ぎたね……ユエ」

 

 入間は最愛の吸血姫──ユエと唇を重ね合わせる。

 同時に、他の七人の美女達も、全力で喜びを露にするように入間へと飛び付いた。





次回予告

ルイズ「魔界ィッ!?」

アスモデウス「そちらに行けず……無念ッ!!!」

 ハルケギニアにユエ達、参上!!

アメリ「イルマは私達全員と付き合ってるぞ?」

シエスタ「この学院を離れることになったんです」

EP08「恋・人・到・来」


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