片手にコップを持ちながら、アンズは私に聞く。
「あなた、どこから来たの?」
私は答える。
「地球から……?」
アンズは私の言葉を聞いて、少し考える。
お茶を置いた僅かな時間で、アンズは答える。
「
アンシェントバース……?ここではそう呼ばれているんだ……
アンズは目を輝かせながら、私に近づく。
「つまり、あなたは人間?」
「え? そうだけど……」
この成りで人間じゃない事があるの……?
「人間を見るのは久しぶり。何だか楽しくなっちゃうね」
今まで、物静かな雰囲気を醸し出していたアンズのテンションが上がっている。
「という事は……アンズは人間じゃないの……?」
私の質問が意外だったのか、アンズはピタッと止まった。
「あぁ……人間なら、とっくに絶滅したよ」
その言葉に私は少し戸惑いながらも、「じゃあアンズは……?」と聞いてみる。
「私はね、半分人間なの」
半分人間……?
「もう半分は……?」
「もう半分は、
アーセナル……セル? よく分からないけど、この世界は随分と時代が進歩しているみたいだ。
「そうだ。折角なら、レダンズに行ってみる?」
「レダンズ?」
「そういえば、言ってなかったね」
「ここ、ステラバースは戦闘が娯楽として盛んなの」
戦闘が娯楽として盛ん……? 随分と物騒な世界だな……
「レダンズって言うのは、沢山の戦闘場が集まった場所の事」
「そんな所……私が行ったら死んじゃうんじゃ……」
アンズは少し考えて……
「大丈夫だよ。もし死んでも、蘇生方法ならいくらでもあるから」
「冗談だよね!?」
「うん、冗談」
まったく冗談に聞こえない……
アンズは私の手を取って、引っ張る。
「安心して。レダンズは戦闘に参加するだけじゃなくて、観戦する場所もあるから」
「ちょ、ちょっと!?」
私はアンズに身を任せる。
「これ、私の靴だけど……サイズは合うと思う」
私がアンズが差し出した靴に履き替えると、アンズは玄関のドアを開ける。
暖かい風が私に当たる。
私はドアの先に見える光景に、驚きを隠せなかった。
そこには、青く光る巨大なビルが沢山並んでいて、その間を縫うように車が空を走っている。
まるでゲームや映画の世界に入ったみたいだ……
「どうしたの、行くよ」
アンズが私の手を掴んで、走り出す。
「ま、待って! 私、今足が動かな……」
アンズは足を止めて、私の方を向く。
「あ……ごめん、少し興が乗りすぎた」
そう言って、私の手を離す。
「ゆっくりで行こう」
アンズは私に手を差し伸べる。
「うん、ありがとう……」
私は立ち上がった。
でも、アンズは私の手を離さない。
「アンズ? もう大丈夫だよ」
アンズは少し表情を顰めて、私に言う。
「手、繋いで行こうかなって……」
私はアンズの言葉に少し恥ずかしがりながらも、アンズの手を握りしめる。
アンズって、少し子供っぽいんだな……
「じゃあ、行こうか」
アンズが歩き始める。