ステラバース   作:猫間黄泉

3 / 8
第三話「人工細胞(アーセナルセル)」

 アンズと一緒にレダンズへ向かっている最中、私はアンズの事が知りたくて、色々質問する。

 

「アンズは半分サイボーグみたいなものって言ってたけど……それってこの世界では普通なの?」

 

 アンズは少し躊躇った様子で答える。

 

「……普通じゃないよ。この世界で唯一、私は人間の細胞を持ってるの」

 

「私が知らないだけで、他にも居るかもしれないけど」

 

「そういえば……アーセナル……セル? だっけ、それは?」と私が聞くとアンズは、

 

人工細胞(アーセナルセル)。人の手によって作られた、老化する事のない完璧な細胞だよ」

 

 と説明してくれる。

 

 なら何で半分人間なんだろう? 私は気になって聞く。

 

「私はね、元人間なんだよ」

 

「凄く昔に、私が21歳くらいの頃かな。その頃に人工細胞が誕生して、私が初めての実験体だったの」

 

「実験体……?」

 

 アンズは曇った顔で話を続ける。

 

「私は体の細胞の半分を人工細胞にされた。()()()()()()()……名前で分かると思うけど、これは普通の人工細胞じゃない。この細胞を持つ個体は、身体能力が劇的に向上する効果があるの。人によって進化の仕方が違って、反射神経が良くなったり……脚力が強くなったり……様々。その中で、私だけ半々の細胞を持ってて……中途半端な進化しかしなかった」

 

「中途半端な進化……?」

 

 アンズは私の目を見て言う。

 

「私は左目が特殊なの」

 

 私はアンズの左目を凝視する。

 

「特に変わった様子は無いけど……」

 

 私がそう言うと、

 

「ぱっと見じゃ分からないの。私は物を左目だけで見る時、対象の過去の姿を鮮明に見れる」

 

「だから、最初にあなたがベッドで寝ていた時に見させてもらったよ」

 

 どうりで冷静なわけだ……

 

「私の話はいいから、早くレダンズに行こう」

 

 アンズは急かすように軽く手を引っ張る。

 

「ほら、レダンズの中央タワーが見えてきたよ」

 

 そう言って、アンズが指した方を見ると……

 

 周りのビルとは比べ物にならない程大きな赤い建物が見える。あれがレダンズ中央タワー?

 

「東京タワーの2倍は高さありそう……」

 

「東京タワーか……懐かしいね」

 

 アンズがそう言うって事は、もう東京タワーは存在しない……?

 

「安心して。私達が行くのは一階の受け付けだけだから」

 

「良かった……」

 

 私は迷わなくて済む……と安堵する。

 

「そういえば、戦闘が娯楽って言ってたけど、具体的にはどんな戦闘が行われるの?」

 

 アンズは少し困った様子で答える。

 

「ん……多分、あなたが思うような戦闘とは違う……と思う」

 

 その言葉に、私は困惑しながらも、「まぁすぐ分かるか」と思いながら、アンズが受け付けを済ませる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。