受け付けを済ませた私達は、中央タワーから出て左側を歩いて行った場所にある、第一戦闘場「フォアモスト」に向かう。
「アンズ、私迷いそう……」
広く、複雑なレダンズ内を歩きながら言う。
「大丈夫。私の手を離さないで」
アンズは私の手を強く握る。
「うん、ありがとう」
少しすると、大きなドームが見えてきた。レダンズは中央タワーを囲むように戦闘場が5つ繋がっている場所らしく、このドームはおそらくフォアモストだろう。
私達がドームに入ると、目の前の画面から音声が流れる。
「受付番号-10486-、受付番号-10487-、入場を確認しました。左手の階段から5階にお上りください」
画面にも同じ文章が書かれている。どうやって確認したんだろうか?
言われた通り階段を登ると、コロシアムのように円形に囲まれた戦闘場が見える。
観戦席は1/3くらい埋まっている。
「一万人くらい居るのに、結構席空いてるんだね」
「今は自由観戦の時間帯だから、あまり有名な人達は見れないけど、普段と違って料金が要らないんだ。いつもは予約しないと絶対入れないんだけどね……(人数が多すぎて)」
「そうなんだ……」
戦闘が娯楽として盛ん……
ようやく意味が分かった気がする。この世界での戦闘は、スポーツなんかと同じような公式競技になっているんだ。
私達は受付時に言われた席に座って一息付く。
「私の家からレダンズまでは少し遠いから、疲れたでしょ?」
アンズはそう言って、私の肩に寄る。
「えっ? まぁ、疲れたけど……」
「少し休んでて。時間的に今は休憩時間だから、試合が始まるのはあと20分後くらい」
アンズがそう言うと、自分の太ももを指差して……
「ここ、頭置いていいから」
「い、いや! 大丈夫だよ!」
私は遠慮したけど……
「遠慮しなくていい」
アンズが無理矢理、反対の肩に手を寄せて私を倒す。
「ほら、ゆっくりして」
アンズの太もも……柔らかい……
少し恥ずかしがりながらも……眠くなってしまう。
「アンズ……私寝ちゃいそう……」
アンズは私を見下ろして、少し笑った気がする。
アンズの笑った顔、初めて見た……かも?
「いいよ。寝ても」
「試合が始まる前に起こすから」
その言葉に甘えて、私は目を閉じた。
アンズの柔らかく、甘い服の匂いが、さらに私の眠気を誘う。
アンズの口ずさむ歌にトドメを刺された私は、ゆっくりと意識が遠のいて――
「ら〜ら〜……」
「……寝た?」
アンズは、あなたの頭に手を置いて、優しく撫でる。