アスラ・ヴァン・クリスカルティア
種族 ハイエルフ Lv6 女 (57)
ロキ・ファミリア所属 二つ名 戦乙女
非処女←NEW
アスラが初めてをフィンで散らしたことは当然広まった。だが意外にも広めたのは当事者のアスラであった。
想い人で卒業出来たのは彼女としてはプラスらしい。
オラリオのエルフにとっては阿鼻叫喚の嵐だが。
「♪〜♪〜♪〜」
ルンルンとしたその足取りはまるで子供が好きなお菓子を買ってもらった時の様に軽く、とてもではないが平時の彼女とは似ても似つかない様だった
(お酒の力もあったけど、こうして処女をフィンに捧げられたし同じファミリアで幹部同士でレベルも同じだしもう結婚したと言っても過言じゃないよね♪)
(ティオネには悪いけど、フィンは頂いたよ♪)
これがエルフの考えか?と思うかもしれないが、エルフとはそういうものである。何処ぞの疾風もポンコツになるんだからハイエルフはもっとポンコツになる。そうに違いない。
「よし、これからデメテル様のところに行って花嫁修業だ!ファミリアの副団長は無理でも、妻として公私共にフィンを支えるんだ!」
当たり前の様に話しているが、まだ結婚どころかお付き合いもしていない。だが、ハイエルフの純潔を散らすとはそういうことである。哀れ勇者
フィンは今窮地に立たされていた。
正確にはボロ屋のボロ雑巾の如くボコボコにされた状態で市壁に背を付けて正面に180°展開されているエルフ群に杖を向けられている。
(うん、無理)
これが最後の光景かと辺りをくまなく見渡すと白黒騎士や疾風、アリシアやその他大勢の上級冒険者がいて何故か副団長のリヴェリアもいる。
(これがロキの言っていたクソゲーってやつか)
もうどうなってもいいや。なんて言ってる場合ではないけど、もうどうしようもないのだ。
例えアミッドが膜を再生させてもフィンが殺されても純潔を奪った事実は消えないし、変わらない。
思い出してほしいが炎金の四戦士がリヴェリアを襲っただけでオラリオ中のエルフ達から袋叩きにされたのだ。
未遂でそれならフィンはどうなる?そんなの死刑以外にない。
フィンが軽い現実逃避をしている中でとあるエルフが前に出てきた。レフィーヤである。レフィーヤはフィンに向かって言った。
「団長、いえクソ小人」
「…!?」
「貴方の事は尊敬していました。学区でも沢山の友達が団長の事を讃えていましたし、同族の方々の希望となっていたでしょう。ロキ・ファミリア団長として数々の活躍は世界に轟いています」
「ですがそれも今日までです。貴方は今日から勇者から恥晒しのクソ小人として人類の汚点となります。そしてこれから生まれてくる小人は貴方が犯した汚点を生涯恨むでしょう」
「いや、それは飛躍し過ぎじゃないか…?」
「黙りなさい!」「どの口が」「公害め」「恥晒し」「ゴミ」「死ね」「くたばれ」「犯罪者」「ちくわ」「勇者笑」「ブレイパー」「カス」「変態」「ロリコン」
コンコンッ
レフィーヤが杖で地面を数回叩くとフィンへの暴言は収まった。レフィーヤはゆっくりと息を吸い言葉を続ける
「ですがオラリオに貢献し、ロキ・フレイヤの二強の片割れとして活躍してきたのも事実です。故に慈悲を与えます」
「慈悲…だって?」
「そうです。今から死にゆく哀れで愚かな小人に最後の時間を与えます。」
「さあ、どうぞ」
そう言ってレフィーヤはフィンの言葉を待つ様に耳を傾けている。他のエルフもフィンの言葉を待っている。
(これはマズイな。適当な事を言えばそのままお陀仏だしあからさまな時間稼ぎも通じない。なによりリヴェリアが向こう側に居るから説得も仲介も期待できない。)
フィンは考える。今何が最善で最良の行動なのか。今までも経験と知識をフル動員してある最適解に辿り着く。
(そうか、別にリヴェリアじゃなくてもいいんだ。説得させるならアスラ本人を此処に連れてくれば!なら僕がすべき行動は…)
フィンは告げる。そしてその小さい身体を全身で使って頭を地面に着ける。それは極東に伝わる伝統的な技。土下座だ
「最後に、アスラ本人に謝罪させてくれ!出ないと…死んでも死にきれない!」
レベル6のプライドを捨てた迫真の土下座だった。
周囲のエルフは暴言をくりかえしているがレフィーヤとリヴェリアだけはその意味をきちんと把握していた。そして
「貴方の誠意は伝わりました。アスラ様に最後の面会を許可します。ですが!アスラ様が拒否された場合には即刻灰にします」
「…!ありがとうレフィーヤ!!」
そして使者として陰に隠れていたアスフィが選ばれ向かった先はデメテル様の農園だった
「え!?フィンが呼んでる!?私を!?オッケーすぐ行く!」
「(軽っ)」
「ほら行くよアンドロメダ!速く速く!」
「(本当にこれが純潔を奪われたハイエルフの姿なんですか?)」
「遅いですね…」
「もう殺すか…?」
「ええ…そうしましょうk
「お待たせっ!フィン!」
救世主ここに見参。フィンの命はまだ続くようだ。良かったね!
「ところでこれ、なんの集まり?」
「…私が説明します」
カクカクシカジカ
(…………なんで?)
まあ、当然である。そもそもアスラ本人はフィンと次のステージに進んだという超絶プラスに考えていたので、逆にみんなが否定的な事に疑問を覚えているのだ。
(え?みんなは私のフィンが結ばれるのが反対ってこと?なんならフィンを殺す?は?え?なんで?爆絶意味わかんないんですけど?)
メンヘラかよ。君実はヘラ・ファミリアだったりしない?
(ん?てことは今の状況を利用すればフィンとの関係を確実にしてティオネを排除できるってこと?みんなが生き証人になるってこと?)
(よしっ!やるか!)
(じゃあ…レフィーヤと話そう)
「ねえ、レフィーヤ」
「え、はい!」
「わたし、初めてだったんだよね」
「え!?あ、いやそれは…はい」
「そんな私の初めての相手を殺したら私は一生独身だよね」
「それは…そうですね、でも」
「レフィーヤ」
「はい」
「ハイエルフのこの私にフィン以外の男を抱けって言いたいの?」
「うえ!?!?」
(!?)
「めめめ滅相もありましぇん!!?」
「だったらさ、フィンを殺すのはだめだよね?」
「いやでもそれはエルフの矜持として」
「レフィーヤ?」
「はい」
「貴方はいつから私に命令出来る立場になったの?」
「ヒエッ」
「フィンはね私が認めた雄なの。私が生涯を捧げて尽くそうと思った相手なの」
「「「「雄!?!?」」」」」
「」バタン
「アリシアが倒れた!?しっかりしろ!」
「ええええええ!?」
「姫がご乱心だ!?」
「(何言っているんだ君は!?)」
「それを私の了承無しに勝手に決めるなんて、ねえ?」
「あばばば」
「許されると思う?レフィーヤ?」
「」
「…」
「…」
「レフィーヤ」
「はい」
「フィンは私のものにする。これでいいよね?だって私の初めてを捧げた相手だもん。いいよね?」
「あわわわわ」
「みんなもいいよね?ね?」
「「「「「………」」」」」
「ね?」
「「「「「は、はい!!!」」」」」
「じゃあ解散」
「「「「「し、失礼しました!」」」」」
蜘蛛の子を散らすようにエルフが去っていく。さながらヌーの大移動だ
静かになった市壁にフィンとアスラだけがとり残された
(よし!敵は去った。今のうちに僕も…)
ダァンッッッ!!!
まさかの壁ドンである。やっぱり君ヘラ・ファミリアじゃないの?
「何処に行くの旦那様?妻である私を差し置いて、まさか浮気ですか?」
「エッ イヤッ」
「無かったことになんてしませんからね?先程の彼等が証人です。もし不貞があったら彼等が敵になるんですから、ね?」
「まてアスラ話をッ」
「いただきます」
リュールゥ×アルゴノゥトが読みたいです