成り行きで儀玄《イーシェン》とデートするだけの単発ネタ。pixivにも同様のタイトルで本作品を投稿しております。

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儀玄《イーシェン》とのデートイベント

 平和な日々がまた戻ってきた。

 

 スロノス区内の衛非地区に訪れてから早々、雲獄山(うんがくさん)陣営の面々と共に讃頌会(さんしょうかい)の陰謀を食い止めた。未だに漂う邪悪な予感こそ()ぎれども、今の澄輝坪(ちょうきへい)一時(いっとき)もの安堵に包まれている。

 

 かく言う僕も、司祭の事件が収束したことに心底から安心したらしい。あれから少しの時間が経過した今になっても、当時の危機感や恐怖が心を蝕み、それは夢となって、現れる。悪夢にうなされた日には隣で眠るリンに「お兄ちゃん大丈夫?」と心配の様相で顔を覗き込まれるのだが、これに対して妹を心配させまいとする気概と、一方で心配してくれる妹の心遣いが満更でもないと感じる二つの内なる自分が、まるで天使と悪魔みたくせめぎ合って仕方がなかったものだ。

 

 リンの話題が出てきたことで思い出したが、彼女は今日、雲獄山の先輩方とポート・エルピスへ出向いている。彼女曰く、「今日は兄弟子さんと姉弟子さんと一緒に、あの百戦錬磨のカモメ達からフライドポテトを守り抜く修行をしてくるんだ!」とのこと。そう言ってリンは実兄さんの僕に機材のメンテナンスを押し付けると、ピューッと逃げるようにここから飛び出していった。

 

 そうして僕は、適当観の自室内にあるH.D.Dと数時間にらめっこする羽目になった。現在の時刻は昼前。メンテナンスも問題無く終わり、一息つくように椅子の背もたれに寄り掛かりながら背伸びをして、スマートフォンを覗き込んでいく。

 

 リンからの連絡は一向に無し。今頃はあの最高速度300キロ(目測)で突っ込んでくるカモメの群れを相手に、兄弟子と姉弟子の面々とヒーヒー言いながら過酷な修行に励んでいることだろう。そんな光景を脳裏に思い浮かべながら端末を見つめていると、ふと“ある人物”のアイコンが視界に入ってきた。

 

 墨汁のように真っ黒な鳥が、訝しげに首を傾げている写真。スタンプによる簡単な加工も施された現代的な側面は、まさに時としてフランクな言葉遣いも使用する彼女に相応しい。

 

 チャットの履歴を遡ってみると、最後のやり取りからそれなりの時間が経過していたことに気付いた。その内容は主に仕事関連の報連相から日常的な雑談など多岐にわたるが、意外と返答の数が多い彼女のチャット欄を眺めている内に、この気持ちの中に微笑ましさと、同時に切なさという対極的な感情が混じり合うように巡り始めてきたものだ。

 

 ……最近、師匠と連絡してなかったな。久しぶりにメッセージを送信してみようか。

 至って何気無い思い付きだった。軽い指捌きで『師匠?』とだけ送り、天井を仰いでいく。そうして、返信待ちのもどかしいひと時で寂しさを紛らわしながら背もたれに深く寄り掛かった瞬間、次の時にも背後からは自室の扉が開く音と共にして、仕切りの向こうから白髪の女性が姿を現した。

 

「アキラ、いるのか?」

 

「し、師匠!?」

 

 図星を突かれたような気分だった。それ故の過剰気味なリアクションを前にして、師匠こと儀玄(イーシェン)は眉をひそめて訊ね掛けてくる。

 

「どうした、なにか驚かせるようなことでもしたか?」

 

「いや、そういうわけではないんだ」

 

「私が原因ではないのか。それじゃあ、何故(なにゆえ)そうも仰天する」

 

「それは……たまたまタイミングが合ったから、かな。ノックノックを確認してもらえるかい?」

 

 こちらの返答を聞き、師匠はスマートフォンを取り出して通知を確認する。

 師匠は「フッ」と穏やかで呆れ気味な微笑を零し、無言で端末を操作し始めた。師匠の綺麗な指が画面の上で跳ね回ると、少しして僕のノックノックに新しい通知が届く。

 

 すぐに確認すると、そこには師匠とのチャット欄に『どうした?』というメッセージが追加されていた。遊び心を感じさせる行いに僕は顔を上げていくと、視線の先には悪戯に微笑む師匠の姿があった。

 

 彼女の、どこか期待している力強い眼差し。片腕を組む余裕のある佇まいで悠々とこちらを見下ろしていたものだから、時折と見せる彼女の“そういう一面”に僕はどぎまぎしながらも、ノックノックへと視線を戻して再びメッセージを打ち込んでいく。

 

『今、暇かい?』

 

『時間ならあるぞ。私に用か?』

 

『何となく師匠にメッセージを送ってみただけなんだ』

 

『つまり、暇を持て余しているというわけだな?』

 

『まぁ、言ってしまえばそうだ』

 

『ならば、少し私の散歩に付き合ってもらうとしようか』

 

『散歩?』

 

 顔を上げて、師匠を確認する。師匠もまた顔を上げてこちらの面食らった表情を一目確認すると、どこか満足気にフッと鼻を鳴らしながら再びスマートフォンへと視線を落としていく。

 

『ルミナスクエアの駐車場で集合だ。お前さんは先に向かっていろ。私もすぐ追い付く』

 

 終始、無言を貫いた声無き会話。その終わりを告げるよう視界の中の人影は動き出すと、踵を返す動作と共に彼女は颯爽とこの場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 師匠に言われた通り、僕は一足先にルミナスクエアへ向かった。

 引っ越してきたばかりの衛非地区から、馴染みのある街中へと繰り出した感覚に一種の懐かしさすら覚えたものだ。なんだか久しぶりに感じるヤヌス区の空気に触れ、変わらない街並みに安心しながらいつもの駐車場で待っていると、直にも裏路地の方から接近してくる一つの気配に気が付いていく。

 

 振り向いた視線の先には、こちらへ歩み寄る儀玄師匠の姿が映し出された。ただひとつだけ変化を挙げるとするならば、先程までの服装とは異なる黒色のドレス姿で僕の前に現れたことだった。

 

 その衣装を一言で言い表すならば、“墨まとう影の足跡”。以前にもルミナスクエアで仕立ててもらった特注品を改めて身に纏い、肩に乗せた青溟鳥(せいめいちょう)を肌身離さず連れ歩きながら、師匠は優美な貫禄を醸し出す悠然とした足取りでこちらに近付いてくる。

 

「アキラ、待たせたか」

 

「そんなことはないさ。それよりも師匠、その服……」

 

「あぁ、お前さんに見せるのはこれで二度目になるか。まさしく、こういう機会にこそ着て歩くべきだと思ってな」

 

 落ち着きを払った素振りでありながらも、師匠はどことなくこちらの反応を伺うような眼差しを向けていた。一方で彼女はこちらの反応を待つことなく視線を街中へ投げ掛けると、次にも穏やかな調子でそれを喋り始める。

 

「適当観が賑わうにつれて、雲獄山の門下生も増え始めた。それ自体は私も嬉しく思っているが、門下生になったばかりの若者の間で流行っている、所謂トレンドという目まぐるしく移り変わる世俗(せぞく)に私は少々手を焼いてしまっていてな」

 

「インターノットを通じて、若者の好みや流行りはどんどん変化していくだろうからね。特に新しく入ってくれた門下生達と話そうにも、話題についていけなくて結果的に親睦を深めることができなかったという事態が起こりそうだ」

 

「今まさにその事態が起こっているんだがな」

 

「おっと、これは難題だな……」

 

 インターノットが普及している現代だからこその課題を師匠は抱え込んでいるようだった。師匠は考え込むように右手を自身の顎につけながら言葉を続けてくる。

 

「常に移り変わる若者のトレンド。それを理解しようにも、流行に疎い私ひとりの知恵ではあまりにも難解を極める。そこでだ、アキラ。お前さんには、若者のトレンドを追い掛ける私の手伝いをしてもらいたい」

 

「事情は分かったよ、師匠。それで僕は、具体的に何をするべきかな?」

 

「そうだな。例えば……」

 

 師匠は周囲を見渡し、ルミナスクエアの街中に広まる“トレンド”を探し始める。雑多な人混みや行き交う車を観察するよう注意深く目で追っていく中で、手始めに師匠はあちこちで散見されたのであろう“それ”を提案してくる。

 

「アキラ、私と手を繋いで歩いてくれ」

 

「え?」

 

「ほら。手、繋げって」

 

 あまりにも唐突な提案に気圧されている間にも、僕の手は師匠に取られてしまった。

 彼女の張りがある手のひらに握られるあまり、思わず気が動転してしまう。だが、同時に巡ってきた師匠の温もりは心を包み込むように柔らかく、護られているという安心感か、はたまた弟子という立場に甘んじた包容感か、彼女の手から伝わる強さ、優しさ、そして温かさは、儀玄という人物を肌で理解するのに十分なほどの説得力を感じられた気がした。

 

 照れ隠しだと自覚できる目逸らしで僕はそっぽを向いてしまう。だが、そうしている間にも師匠は次なるトレンドを探って耳を傾けていると、その張り巡らせたアンテナに引っ掛かったのであろう“それ”を続けて提案してくる。

 

「アキラ」

 

「つ、次は何だい……?」

 

「今日この時だけ、私のことを儀玄(イーシェン)と呼べ」

 

「でもそれって、師匠の名前じゃ?」

 

「私の名前だから、そう呼んでもらうんじゃないか」

 

「それなら、お安い御用だよ。儀玄さん」

 

「違う」

 

「違う?」

 

「儀玄、だ」

 

「まさかとは思うけど、師匠の名前を呼び捨てしろとでも言うのかい……?」

 

 おそらくだけど、周辺を歩いているカップルの様子からそれらの“トレンド”を得ているのだろう。察するにあまりある状況を瞬時に理解していく間にも、師匠はムスッとした表情で繋いでいた手を引きながら迫ってくる。

 

「いいから。そう呼べって」

 

「じゃあ……儀玄(イーシェン)。これでいいかい?」

 

「あぁ、お前さんは物分かりが良くて助かるよ。さすがは私の弟子だな」

 

 心なしか、師匠……もとい儀玄(イーシェン)は上機嫌に見えたものだ。恋人繋ぎと名前の呼び捨てという段階を踏んでいき、段々と高揚し始めた心の変化も人間という感受性豊かな知能ある生命体であれば必然とも言えるか。

 

 虚狩りに匹敵する戦闘力を持ち合わせながらも、その本質は一人の女性でもあるのだ。彼女もどことなく満足気に微笑すると、手を繋ぎ合わせたその状態で共に体を正面に向けながらそう言葉を切り出してきたものだった。

 

「生憎だが、私のトレンド巡りはまだ始まったばかりだ。悪いがアキラ、今日は私が満足するまでとことん付き合ってもらうからな」

 

 

 

 

 

 思いもしない展開から幕を開けた、儀玄(イーシェン)とのデートイベント。その手始めに人々が行き交うルミナスクエアの街中を、恋人繋ぎで手を繋ぎながら歩調を合わせて歩いてみるところから実践した。

 

 決して嫌ではないシチュエーションだが、もしもこの状況を特定の知り合いに見られたらどんな誤解をされてしまうんだろう、という一抹の不安は拭い切れなかった。特に往来の激しいルミナスクエアの中では、僕達ビデオ屋兄妹のことをプロキシと認識している知人と出くわすことも少なくない。彼らなら事情を酌んでくれるという信頼感を寄せているものだが、その弁明に至るまでが憂鬱だ……。

 

 ……といった雑念を脳裏に過ぎらせていたからか、今も隣を歩く儀玄に余計な気を遣わせてしまったのかもしれない。彼女はそれとなくこちらに視線を向けて様子を伺いながら、会話のキッカケとして一つの話題を振ってくる。

 

「アキラ。お前さんはトレンドという言葉を聞いた時、最初に何を思い浮かべる?」

 

「え? そうだな……新エリー都のトレンドとして真っ先に思い浮かべる話題といったら、ここルミナスクエアにあるリチャード・ティーミルクだろうか」

 

「リチャード・ティーミルク。ティーミルクとついている感じからして、衛非地区の糖水と似たような飲み物か?」

 

「糖水よりももっと甘くて、種類も豊富なんだ。何よりもリチャード・ティーミルクは、期間限定商品を売り文句に短いスパンで様々な種類のドリンクを販売している。このリチャード・ティーミルクの新作をいち早く知ることが、ヤヌス区に住む若者のトレンドの最先端とも言えるだろうね」

 

「ふむ、地域は異なろうとトレンドという世俗を理解するには打って付けか。アキラ、私をそこに案内してくれ」

 

「ヤヌス区の案内なら任せてくれ、儀玄(イーシェン)

 

「よろしい。それでこそ、私の弟子だ」

 

 不思議な師弟の会話を交わしながら到着したリチャード・ティーミルク前。大半が学生である行列に並ぶこと十数分してティーミルクを手に入れると、儀玄はその時だけトレンドの調査を忘れたかのように甘味を堪能し、満足そうに笑みを浮かべていた。

 

 そんな彼女を眺めながら頂くティーミルクは、それはもう筆舌に尽くし難い格別な味わいだったことは言わずもがな。時にはお互いのストローで味見をするなど師弟の境界線すら怪しい次元のやり取りも交わしたものだが、特に印象的だったのはこの場面だろう。

 

「あの若者の集団は、ひと際と異彩を放っているように見えるな」

 

「派手なメイクに、武器のように長いネイル、スカートの丈を短くして、煌びやかな自分達を自撮りしている彼女達は、所謂ギャルという女の子達だ」

 

「ギャル、か」

 

「あぁ、ギャルっていうのは」

 

「言わずともいい。私でもそれくらいは知っている」

 

「さすがは儀玄だ。ついでだけど、儀玄の考えるギャル像ってどんなものかな?」

 

「私の考えるギャル像か? そうだな……」

 

 右手にティーミルクを持つ儀玄は、刹那の思考を巡らせた後に左手でギャルピースをしながら一言。

 

「うぇーい」

 

「!?」

 

「みたいなもんか?」

 

「そ、そうだね。確かにそうだ。僕もそう思うよ。うん」

 

 危ない。過剰な供給で危うく心肺停止するところだった。

 

 なんとか一命を取り留めつつ、無事にティーミルクを飲み終えた。空になったカップをゴミ箱に捨ててからも、儀玄はさも当然のように手を繋ぎ直してから街中へと繰り出していく。そうして歩調を合わせていく最中にも僕と儀玄は自然と歓談し、それでいて若者のトレンドを理解するべく二人でルミナスクエアの各施設へと足を運んだものだ。

 

 若者の間で流行っているとされる恋愛映画を観て、有名なインフルエンサーの間で取り上げられた新種の花を見て、裏メニューの存在が明かされた火鍋屋に立ち寄ってみたりして、そうこうしている内に時刻は夕暮れ時を迎えていく。

 

 陽が沈み始めた川沿いの道で、防護柵に寄り掛かる儀玄は風に吹かれながら心地良さそうに黄昏れていた。頬杖をつきながら川と向かい合う彼女の姿は、黒のドレスが織り成す美麗なシルエットも相まって麗しくも立体的な人影のようにも見受けられた。まるで儀玄という女性は、実体を伴った影が如く最初から存在していなかったかのような。そんな幻想的な存在感と、今にも姿形が消えてしまいそうな、儚さを纏って……。

 

「アキラ」

 

「なんだい? 儀玄(イーシェン)

 

「世界は、希望に満ち溢れているな」

 

 防護柵に両肘をつき、マイナスイオンを乗せた風に吹かれながら儀玄は言葉を続けていく。

 

「私は今日という日まで、目まぐるしく移り変わるトレンドのことを消費期限が短い一時(いっとき)の話題みたいなものだと思い込んでいた。だが、どうやらその認識は間違いだったよ。……トレンドとは即ち、希望なのさ。人々の幸福や喜びが流行という形で流布(るふ)し、それは大きな影響力を以てして世間を風靡する。トレンドという世俗の共通点として、どれもポジティブな話題であることが挙げられるだろうな。良い空気の流れで人々に活気をもたらし、それは充実した生活を作り上げる。そういう意味では『風水』に通ずるものがあるとも思わないか? 私は今日、未知の世界をつくづく思い知らされたものさ」

 

 儀玄はそう語りながら、ある意味での達成感に満ちた清々しい表情で振り向いてきた。そんな彼女の満足気な様子に僕は頷きながら返事する。

 

「儀玄がトレンドを理解できたみたいで良かったよ。師匠のお役に立てたことは、弟子としても本望さ」

 

「お前さんがついてきてくれたことで、私は新境地を垣間見た。このことについて、お前さんには礼を言わないといけないな。……ありがとう、アキラ」

 

「こちらこそ、ありがとう儀玄。キミのおかげで、僕も楽しいひと時を過ごすことができたのだから」

 

「本当にお前さんという男は……」

 

 儀玄は呆れたように鼻で笑いつつ、彼女は満更でもなさそうに穏やかな眼差しで見つめてくる。

 

 揺らめく川の水面は夜の色を映し出し、赤、青、黄色とルミナスクエアの光を反射しながら鮮やかに輝き出す。地平線から顔を出した月がロマンチックに存在を主張し始めた空間の中で、影のようなドレスを身に纏う儀玄はその美しい白色の髪を風でなびかせながら柔らかく微笑んでみせた。

 

 

 

 

 

 儀玄とのお出掛けによる熱が冷めやらぬまま翌日を迎え、衛非地区の適当観に戻っていた僕がいつものように修行をしていた時のことだった。

 

 適当観内の庭スペースで気を高めるポーズに取り組むリン。周辺には兄弟子や姉弟子といった面々も各々のやるべきことに取り組んでいく傍らで、おもむろに開かれた戸からは雲獄山衣装の儀玄が姿を現した。

 

 皆が師匠に挨拶の言葉を投げ掛けていく最中、僕も彼女へと挨拶をする。

 

「やぁ、儀玄(イーシェン)

 

 ……数秒の沈黙を挟んだ後、周囲からは絶句の視線を向けられていたことに気が付いた。特に隣で修行をしていたリンは絵に描いたようにあんぐりとした顔で立ち尽くしていたものだったから、皆の反応を受けて初めて言葉足らずだった自分に慌てながらすぐさま挨拶を追加していく。

 

「…………師匠!! 儀玄師匠! は、ははは! まさか師匠を付け忘れてしまうだなんて、うっかりしていたな……!」

 

 咄嗟のフォローにより、周囲は半ば胸をなでおろすかのような反応を見せてきた。何とか誤魔化しが利いたらしく僕も安堵でホッと息をついていく傍らで、そんな僕の様子を言い知れない眼差しで眺めながら微笑する彼女の姿も確かに見えたような気がしたものだ。


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