まるでわたくしの心の中を表しているかのように強く降りしきる雨の中を歩き、わたくしはバンドメンバーの待つスタジオに向かっておりました。
めぐり逢いは美しく、儚く、そして別れの日はこんなにも切ない。それでも別れがあるからこそ、わたくしは今日をまた精一杯に生き、新たな出会いの日に心を輝かせるのかしら♪
とはいえこんな日には得意の鼻歌のメロディもいまいち冴えませんの。困ったものですわね。
わたくしが、重い気分を抱えながらスタジオの扉を開けると、その音に反応したそよさんが振り向いてこちらへ駆け寄ってくる。
学校を休み、雨に濡れたこの躰を心配し、ハンカチを出して拭こうとするそよさんをわたくしは制止した。
「どうかお構いなく。」
「え?」
気遣いや心づかいがいっそ疎ましい。そんなときもございますのね。
なぜならばわたくしはこれからこうして心優しい彼女達も引きずり堕とすのだから。
「わたくしは本日この場限りをもって、CRYCHICを辞めさせていただきますわ。」
呆気にとられたように床に座り込んで読んでいた漫画から目を離し、振り返った体勢で唖然とする燈さん。わたくしがこれから引き起こす結果をわたくしは忘れず刻み込んでおかなければ。
「ちょ・・・ちょっと待って、いったん座らない?」
「椅子が濡れてしまいますから結構ですわ。」
「どうして?何かあった?私たちには言えない?それとも私たちが原因?ダメなところがあったら直すから」
「貴女方に落ち度は一つたりともありはしませんわ。これは偏にわたくしの力不足の成した結果。」
突然辞めなければならないほどの深い事情があったのかと尋ねてくるそよさん。彼女の優しさと深い愛情を裏切らなければならない事にわたくしの心も軋む。しかしここは断固として成さなければならない時。人の上に立つものには時として死ねと命ずる覚悟も必要になるのですわ。
まぁそのお父様が不覚にもやらかしてしまってお前は死ねと言われてしまっているのですが。あら。別に黒塗りの車に衝突してしまった訳ではございませんわよ。決して。
「どうして?この前のライブ楽しかったじゃない。またやりたいって話してたよね。」
「そうね・・・・・・それでも時は元には戻りませんの。あれはあま~いひと時の夢。」
「そ、そんなこと言わないでよ・・・・・・祥ちゃん・・・・・・いったい何があったの・・・・・・?」
「・・・・・・わたくしの緊急の家庭の事情によるものですわ。それによりわたくしは貴女方に割けるだけのリソースが無くなってしまいそうですから。」
「祥ちゃん・・・・・・流石にそれだけの説明じゃ私たちも納得できないわ?CRYCHICをはさきちゃんが始めたんだし。そこには責任というものが生じると思わない?祥子ちゃんなら分かるわよね?」
当然といえば当然・・・・・・そよさんがわたくしを静かに詰めてくる。
「わたくしにも、誇りというものは・・・・・・できれば隠してしまいたい事実というものはございますのよ?貴女達は乙女の秘密を暴こうと?」
雨で濡れた服が、そして彼女らの放つ空気が、身体に貼り付いて疎ましい。けれどもこれ以上この場から逃げるわけにも参りません。唯でさえここ数日わたくしは彼女らのご好意に甘えてしまっているのですから。
「わたくしの父が事業で失敗し多額の損失を出して、豊川の家を追われましたの。ですからわたくしも物事に選択順位をつけなければならなくなりました。
そしてわたくしからお誘いした身でありながら皆様方には誠に申し訳ございませんが、今のわたくしにはCRYCHICより優先して成さなければならないことがある。
・・・・・・ですからここでCRYCHICを続けていくことはできなくなりましたの。」
表情を歪めて涙を流しながら床に崩れ落ちるそよさん。あら。あなたのような乙女がそんな表情をするものではありませんわ。まぁそんなことをさせているのはわたくしなのですけれど。
「・・・・・・本当に・・・・・・辞めちゃうの・・・・・・?」
静かなる詩人である燈がいつも通りに静かに問う。
「燈が聞いてるんだけど・・・てか無責任じゃない!?」
ドラムの前に座りながら腕を組んで黙っていた熱い人情家である立希さんが怒りを露にする。
「わたくしのことは怨んでくれてかまいませんわ。貴女方にはその権利がある。それにきっとそうしていただいた方が楽ですわ。これはあくまでもわたくしの身勝手ですもの」
「辞めるのはあんたの勝手だけど、迷惑かけないで辞めてくれる!?、今日だって祥子待ちで」
「あら。別にわたくし抜きで始めていて構いませんでしたのよ?貴方達だってわたくしにおんぶにだっこというわけではないでしょう?」
「燈はお前を待ってたんだよ!!!」
今日最大限のボルテージの立希さん。まぁ彼女には到底許容できないことですわね。
忠実なる番犬。
「わたくしだって何もかもに責任をとれるわけではありませんわ。」
考えていた燈が再び言葉を紡ぎだす。
「でも、祥子ちゃんがいないと・・・・・・」
「燈、これは貴女のバンドですわ。大丈夫。貴女にならきっとできる。」
「・・・・・・そんな・・・・・・そんなことできないよ・・・・・・」
「ならば、CRYCHICの命運は絶たれるでしょう。CRYCHICとは貴女の魂の叫びを聞いて、貴女の才の許に集った貴女のバンド。」
「それを活かすも殺すも貴女次第。貴女の好きなようになさい。」
「ちがう。わたしなんか詩だけ書いて楽器もやらずに歌ってるだけで・・・・・・いつも大したことできない。今もこうやって祥子ちゃんに呆れられて・・・・・・繋ぎとめるだけの力もなくて・・・・・・」
俯く燈。
力は秘めているのに、それをしっかりと使おうとしないのが彼女の大きな欠点ですわ。
今回のことでそれが改善されると素晴らしいのですけど・・・・・・
「とにかく皆様、さよならだけが人生ですわ。わたくしは貴女方に詩と音楽の何たるか、その一つを学ばせていただきました。束の間の夢であってもここで貴女方と共に青春の一ページに音の葉を記せたこと。心から誇りに思いますわ。」
「それでは皆様方。よい夢を。わたくしのことは今日限り忘れていただいて結構ですわ。
けれどもしもまたいつか縁が逢いました日には新たなるメロディを。新たなる詩を。新たなるノートへ書き記しましょう。」
わたくしは胸を張ってそう告げる。例え虚勢であろうとも、これ以上何かを失わないために張らなければならないときがあるのですわ。
そして一礼をしました。別れというものは幾度繰り返しても切ないものですわね。
「祥ちゃん待って!ちゃんと話し合おうよ!ね?お願いだから!私たちにだってきっと祥ちゃんのために何か手伝ってあげられることがあると思うの!せっかく今日まで楽しくやってきたんだから」
床に座り込んで、幽鬼のようにわたくしに手を伸ばすそよさん。
「・・・・・・私は・・・・・・バンド・・・・・・楽しいって思ったこと・・・・・・一度もない・・・・・・」
そしてそんな空気にとどめを刺すように今まで黙っていた睦が爆弾を投下した。
だから睦のギターにはいつも空虚と重々しさが付きまとう。それを今に至るまで改善できず、愉しみも理解させてあげられなかったのはわたくしの心残りですわ。
「涙も同情も結構ですわ。許されるならばどうか笑顔で。笑顔で見送って下さいまし。和やかにお別れをいたしましょう。」
キーンコーンカーンコーンと間の抜けたチャイムの音が鳴り響き、わたくしは机に突っ伏していた身体を反射的に起こしました。はっ。あれは夢でしたのね。
今になってあの夢を見るとは、何かが始まろうとしているのかもしれませんわ。
放課後わたくしが音楽室のピアノで気分転換に何となく夢に引き摺られて、ヴェートーヴェンのテンペストを弾いているとおもむろに一人の女子生徒がやってきた。そしてわたくしの姿を認めると立ち止まる。あの日も雨の日でしたからね。
まぁ通称以外に関連性はありませんが。
ひとまず互いに邪魔にはならないようですのでそのまま演奏を続け、やがてわたくしが音を紡ぐのを止めるとその女生徒が拍手を送る。
はて。このような目立つピンク色の髪の女生徒がうちの学園にいましたかしら。
最近転校生がやってきたと誰かが言っていたような気もいたしますが。
「めっちゃ上手いね~技術的なことはあんまりわからないけど~奇麗なだけじゃなくて心にすごく迫ってくるというか~とにかく私感動しちゃったよ~」
「ご清聴感謝いたしますわ。それにそういう感想がわたくしにとって一番励みになりますわ。貴女は転校生の方ですの?」
「え。う、うん。今日この学校に転校してきて~。あの、一緒にバンドやらないっ?」
ピンク色なんて珍妙な髪色をしているだけあって、なかなか面白い方のようですわね。
音楽につられてこんなところまでやってくるぐらいですしね。
ハーメルンのピアノ弾き、あらいやですわ。わたくしはピアノなんて投げませんわ。
だってもったいないですもの。
「あら。」
「あっ、急にごめん、えっと~一年A組の千早っていうんだけど~」
「わたくしは一年B組の豊川祥子と申しますわ。」
「今バンドメンバー探してて~私ギタボなんだけどキーボードとか~」
「そうですわね・・・・・・他のメンバーはそろっているのかしら?」
「え~と~転校したばっかりだから~まだ私だけなんだけど~」
「それではもう少しメンバーを揃えてから、それでもまだわたくしの力を望むのならばまたいらっしゃい千早さん。」
「あ、あのんってよんで。そっか~いきなり変なこと言ってごめんね?」
「こちらこそ貴女の力になれなくて、心苦しく思いますわ。代わりと言っては何ですが、わたくしの知り合いのベーシストを一人紹介してさしあげますから、口説いてみてはいかがですか?わたくし豊川祥子からの紹介だといえば、とりあえず悪い顔はなさらないでしょう。
あとは貴女の頑張りしだいですわ。ふふっ。あのんさん、陰ながら応援してますわね。頑張ってくださいまし。」
わたくしはピアノの蓋を閉め、ポケットから万年筆とメモ帳を取り出すと、そよさんの名前と連絡先を記し、あのんさんに手渡しました。
「ありがとう。長崎そよさん?えっと~どんな人?」
「心優しくて物腰の柔らかな方ですわよ。ふふっ。」
それとそろそろ吹奏楽部の方々がいらっしゃいますわ。わたくしはもうお暇致しますし、貴女もそうしたほうがよろしいかと思いますわ」
「う、うん。」
音楽室から一緒に退室をしたあのんさんと世間話をしながら廊下を並んで歩く。とんたんと彼女の足音が軽快に響きます。新たな一ページに気分が高揚してるみたい。
「そういえば、同じA組の高松燈さんという方はご存じ?」
「え、う、うん。ひとつ前の席で、石拾ってるのを見かけたことがあるよ?それが?」
「そうですか。燈らしいですわね。彼女とは中学時代にバンドを一緒に組んでいたことがありますわ。作詞とボーカルが出来ますし、彼女の詩は魂がこもっていますから、よろしければ誘ってみるのもいいかもしれませんわね。」
「え!?そうなんだ!?そんな風には見えなかったな~確かに個性的だよね~でも確かにポエムとか書きそうかな~」
「あら。あのんさん・・・・・・ご発言には気を付けた方がよろしくてよ。吐いた唾飲まんとけよとも世間では言われているそうですわ。」
にこにこ。わたくしがあのんさんに微笑みかけると何故かあのんさんがあわあわとものすごい勢いでたじろぐ。あら。わたくし噛みつきませんわ。失礼ですわね。
「ご、ごめんなさいっ私なにか怒らせるようなこと言っちゃった?」
「いえなにも。今度ポエムの素晴らしさを貴女にも教えて差し上げますわ。」
「それではごきげんよう。貴女のささやかな野望が叶いますこと、陰ながらお祈りしていますわ。ふふっ。」
「ごきげんよう?え、え~っと祥子ちゃんいろいろとありがとう!」
わたくしたちは会釈を一つしてお別れをいたしました。
変な髪色で性格も軽薄だけれどなかなか推進力はありそうですわね。
バンドでかっこよく決めて目立ちたいようですが、そういうところから始めるというのも大切な動機かも知れませんね。
彼女がどんな風にこれから彼女達を搔きまわすのか、愉しみに見守ってみるとしましょう。
大都会東京のいいところ、ひと~つ♪未だに走っているところには路面電車が走っておりますの。
都電荒川線、げふんげふん、最近は東京さくらラインとかいうヤンキーネームでしたかしらという名のそれは始発駅も終発駅も地味ですけれど。
でも月ノ森みたいな名門中の名門だとか遊園地(笑)も沿線にはありますのよ。あそこの空中ちゃりんこで爆走するのが一流の月の森学園の生徒の嗜みですの。スカートの中身が下から見えて恥ずかしいなどと抜かしている方々はまだまだどさんぴんですからお顔を洗ってから出直していらっしゃいな。
わたくしが何を言いたいかというと、転校しても相変わらず軽快にチンチ~ンといかした音を立てる電車で通学してるんですの。この音を聞くともう思わずわたくし濡れてしまいそうですわ。
パブロフの牝猫。にゃんにゃん祥子だにゃぁん♪
わたくしは二人の現在のお城であるアパートの扉を開けました。
豪邸もいいですけれど狭い集合住宅というのもなかなか趣があるものですわ。
住めば都。古の格言ですわ♪
「はぁいお父様♪今日も相変わらずアンニュイですのね。かわいいかわいい祥子ちゃんが今日も帰ってきましたわよ♪」
きゃぴっ☆っとポーズを作ってみるも、お父様は安いビールの缶を眺めながら微動だにしない。
これは今日も相変わらずのうつ状態ですわ。暴れる元気もないのかしら。
まぁそれで警察のご厄介になられてもそれはそれで面倒なのですけれど。
どうせなら豊川の重鎮のどこかにでもかちこめばよろしいのに。
餞別代りのロケットランチャー発射ですわ。
まぁそれも生まれついての優男のお父様には荷が重い話ですわね。
「相変わらずつれないですわね。そうやってお部屋でうーうー唸ってても何も産まれませんわよ?」
「お父様は産まさせる側、わたくしが産む側。そういうものですわ♪」
わたくしの華麗なジョークにも反応はほとんどなし。
はぁ。こちらまでため息がでてしまいそうですわ。
仕方がありませんので料理でもするといたしましょう。
お父様もしっかり食べて頂かなければさらにお体を悪くしてしまいますわ。
まずは土鍋にお水を入れて~♪ご飯をお水につけて~♪30分から一時間鼻歌でも歌って待ちますの~♪
その日の夜、宿題をマッハでこなしながら酔っぱらって眠るお父様を生暖かく見守っていると、わたくしのスマートフォンに電話がかかってきました。
「今夜も貴女の鼓膜にスウィートハートビート♪豊川祥子ですわ♪」
「はぁ・・・・・・今回は祥ちゃんの思惑に乗せられてあげるけど・・・・・・そう簡単に上手くいくとは思わないでよね?」
「あら。そよさんにとっても悪くない取引だと思いますけれど。勿論うまくいけばの話ですが。まぁわたくしにとってはどう転ぼうと構いませんわ。わたくしの物語ではありませんもの。」
「CRYCHICを破壊した祥ちゃんに無関係だって言われるとものすごく腹が立つわ。」
「あれはわたくしのばんどではありませんもの。」
「・・・・・・もしかして、自分のバンドを作る気!?そんなこと許されると思ってるわけ!?」
「あら。選択肢の一択でしかありませんわ。少なくとも今のところは。」
「・・・・・・そう・・・・・・でも私は絶対にあきらめないから。」
翌々日の放課後、私が音楽室で来年に控えたショパンコンクールに備えてショパンのバラード1番を弾いているとあのんさんがやってきました。
バラードは4番が一番好きなのですけれど、コンクールとなると好きな曲ばかり弾いているわけにもまいりませんわね。
「ごきげんようあのんさん♪音楽室の妖精とはわたくし、豊川祥子のことですの♪妖精さんに相談したいことでもあるかしら?あるいは愚痴ですの?いずれにしろ祥子にお任せですわ♪な~んて♪」
「え?・・・・・・燈ちゃんも不思議ちゃんだけど・・・・・・豊川さんもどこか似てるよね?」
「豊川さんなんてお行儀のいい呼び方でなくても、わたくしのことはミラクルキューティ祥子ちゃん♪と呼んでいただいてもよろしくてよ?」
「えぇっ!?なにそれ~!?」
「ふふっ♪あのんさんは面白い方ですわね。それはそうとわたくしと燈が似ているのは当然ですわ。だって乙女ポエム同好会の同志ですもの。」
「え~っと話戻していい?ってまだ始まってもないかな~?祥子さんがいきなり変なこと言い出すんだも~ん」
「ふふっどうぞ♪っと言いたいところですが、ここでは時間制限がありますし、人目もありますから、あのんさんが良ければ何処かお店の中ででも話をいたしませんか?わたくしが誘ったのですから勿論料金はわたくしが持たせて頂きますわ♪」
「え~時間とかは大丈夫だけど~悪いから私の分は私が出すよ~?」
「ふふっ見栄を張るのも大切なのですわ。」
というわけで、わたくしたちは二人連れだって池袋東口の家電量販店の隣にある喫茶店に参りました。
「わ~なんかレトロな感じですごいお洒落~、こんな所にこんなお店があったんだ~」
「ふふ、こちらはお味のほうもそれなりですのよ」
「ま~それはこの本格的な内装だけでも期待しちゃうっていうか~」
メニューをふんふんと覗き込みながら何を注文しようか考えているあのんさん。
「祥子さんのおすすめとか、よく頼んでいるメニューとかある?これだけたくさんあるとどれも美味しそうで目移りしちゃうっていうか~」
「祥子ちゃんでよろしいですわよ。あのんさんに、さんづけされるのは何か背中がむずむずするような感じがしますわ。」
「祥子・・・ちゃんって、なんか不思議だけど何やってもすごそうというか~只者じゃない雰囲気というか~なんかちゃん付で呼びづらい感じが~」
「ふふっあのんさんは面白い方ですわね。年頃の乙女らしくアンブル・ドゥ・レーヌという甘めのコーヒーは如何ですか?あまり飲めるところは多くないと思いますわよ?」
「
「おかげさまでそよさんとは話がつけられたんだけど」
「よかったですわね♪」
「ともりちゃんとは色々あって天文学部の部室に二人で行ったり、それから一緒にカラオケに行ったりしたんだけど、バンドに誘ったら、最終的に逃げられちゃって~」
「あら、そうですの」
「しかも追いかけたらよくわかんない黒髪の怖~い顔した女がいきなり喧嘩売ってきて~」
「ふむふむ。おそらくそれは以前燈やわたくしたちがやっていたバンドのドラマー、立希さんですわね。人情家ですが激しやすいところがございますもの。
なるほど、それであのんさんは私に入れ知恵をしてほしいのですわね?」
「え~っと~まだまだ色々話したいことはあるんだけど~ま~大体そんな感じかな~」
「え~~~っと、もし話しても大丈夫ならでいいんだけど、祥子ちゃんも燈ちゃんも昔一緒にバンドをやってて今はやってなくて~燈ちゃんは新しく始めるのも逃げるぐらいに嫌がってて、何があったのか教えてくれたりなんか」
「別に構いませんわよ。わたくしが辞める前までで良ければ。」
「こう見えましても、わたくし昔はお嬢様でして。」
「いや~こう見えてもも何もどう見ても昔も今も典型的なお嬢様にしか見えないけど~」
「いろいろあって今は家出中なのですわ♪」
「う~ん?」
かわいらしく首を捻って考えるあのんさん。どじっこ臭がいたしますわ。
「それにまつわるゴタゴタで時間なりなんなりが捻出できそうになかったので、わたくし脱退することにいたしましたの。」
「なるほど~?」
「ところが意外とわたくしに拠っていた部分が大きかったのかバンドは敢え無く空中分解。見事大爆発しておじゃんというわけのようですわね。燈はリーダーだったからそれを今でも気にかけているのでしょう。」
「う~ん、なるほど」
「燈には貴女のバンドなのだから活きるも殺すも貴女の好きになさいとはっぱをかけたのですが、結局長持ちせず死んでしまったようですわね。」
「うわ~・・・・・・さすがにえぐいかも・・・・・・私が燈ちゃんでも引きずっちゃうかも~」
「?」
「祥子ちゃんは何でもうまくできそうだもんね~」
「まぁ・・・・・・その分、超一流には逆立ちしてもかないませんけどもね。わたくしなんて所詮作られた一流ですわ。」
「凡人からしてみたら遥か高みという意味ではどっちも一緒だよ~」
「あら、燈の詩には確かなセンスがございますわ♪」
「あ~そういえば、天文部で春日影だっけ?の歌詞と楽譜みたよ?確かに私の事を歌われているかのような心に引っ掛かるものがあったかな~」
「今となってはその名前も懐かしいですわね。燈も頑固ですけれど、逃げるぐらいに劇的ということは逆に芽があるかもしれませんわ。」
「そうかな~・・・・・・でも意外とそうかもね~・・・・・・もうちょっと頑張ってみるか~・・・・・・」
「でも祥子ちゃんがそんなきついこと言わなかったらあそこまで酷く落ち込まなかったんじゃないかな~?」
原作の祥子ちゃん狂犬すぎるペロペロ
祥子ちゃんはコーヒー嫌いとか見たけどしらねぇなぁ(・ε・)