おかしくなった俺たちの話   作:変態という名の紳士

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俺は異常者だ。前々から道を外れかけている自覚があったが、もう戻れなくなってしまった。

 

元は普通の人生だった。なんの変哲もない学生だった。ただ顔のいい幼馴染みがいるだけのパンピーだった。

けど、それが俺が異常者になる起因だった。

 

ずっときっかけはあったんだ。小学校から今に至るまで。その度にどうにかこうにかして俺はその思いを自戒していた。こんなことは普通ではないと。こんな思いがバレてしまえばもう元の関係には戻れないと。

 

だが、もう限界だった。

 

わかってたんだ、もうとっくに手遅れなのだと。忘れもしない中学二年生の7月5日。俺にその気はなかったんだ。けどあの夏に学校で起きたことを思い出して、俺は、無意識に自慰をしてしまった。

 

あの時に俺は確実に壊れた。その日からあいつの顔を見るたびにその事実がちらついて、罪悪感がどんどん溜まっていった。けど、それがまた俺の興奮を掻き立てるようになってやめられなくなった。

 

本当にごめん。あいつは俺がこんなやつだと知ってどんな顔をするだろうか。裏切られた気持ちになるだろう、心底俺を軽蔑するだろう。今まで幼馴染みだったやつがずっと劣情を抱いていたなんて、あいつはどれ程傷ついてしまうのだろう。

 

恐ろしい、あいつを傷つけることになるのがひどく恐ろしい。けれど、このままずるずる引きずっていてもどうしようもない。手遅れになる前に、決断は、覚悟は、今しなければ。

 

明日この話を切り出す。絶縁になってもいい、半殺しにされてもいい。だから、俺のエゴを通させてくれ。そしてどうか、どうか……。

 

俺を許してくれ。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

ある日、幼馴染みの(すぐる)から放課後に教室に残っていてほしいと言われた。すぐに了承したけど、いったいどうしたんだろう。

 

放課後に残るってことは誰にも聞かれたくないことを話すんだろうね。なんだろう、好きな子の相談かな?そうだったら楽しみだなあ。克の浮ついた話とか一度だって聞いたことなかったから。

 

そんなことを考えながら待っていると、引戸のガラガラという音と共に克がやってきた。夕日が逆行となって表情がよく見えないけど、なんか物々しい雰囲気だ。

 

「来たね克。話ってなんだい?」

 

「………」

 

「ん?どうしたの?黙ってたらわからないよ~」

 

克はずっと黙ったまんまだ。克って緊張しいなのかな?

そんなことはなかったと思うけど……。

 

僕は黙って克が話すのを待っていた。急かしても無駄に緊張させるだけだしね。克は何か決心したように拳を握りしめると、口を開いた。

 

「……なあ、(れい)。ずっとお前に言ってなかったことがあるんだ」

 

言ってなかったこと?何のことだろう。あ、あれかな。小学校の時に克が僕のおやつを勝手に食べたときのことかな?玲があまりにも不器用な嘘つくから、面白くて許しちゃったやつ。

 

「始まりはいつだったかはわからない。けど、俺とお前は近所のよしみでずっと一緒に遊んだよな。幼稚園から今に至るまで、お前といなかった思い出がなかったほどに」

 

うん、そうだったね。片時も離れなかったは流石に言いすぎだけど、それくらい共に成長してきたね。

 

「だから、俺がおかしいんだ。俺が今から言うことは頭のおかしいことだ。きっとお前は傷つくと思う。だから、嫌なら帰っていい。これはただの自己満足だから」

 

「帰らない。別に克がなに言っても受け入れるよ。何年一緒にいたと思ってるのさ」

 

今さら何を気にしているのか。君が何を言ったとしても僕が君を嫌うとも?笑えない冗談だよ、それは。

 

……それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「本当に、いいんだな?」

 

漸く克の顔が見えてきた。うわ、ひどい顔。そんなに苦しそうな顔をして……。そこまで追い込まれてたんだ。もっと早く、正直になればよかったのに。

 

「俺は、俺は………。玲、お前のことが好きなんだ。男なのに、お前のことが好きになってしまったんだ。ごめん、本当にごめん。こんな気持ち悪いことを言って」

 

……………ああ、やっとか。克、やっと僕のことを好きになってくれたんだね。

 

今にも泣きそうな顔をしている克の手を握る。唐突な行為に今度は鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をする。

 

「ふふ、大丈夫だよ克。君は自分のことを異常者だと思っているようだけどね、それは逆だよ。異常なのは僕のほうだよ」

 

「なっ……。どういうことだ?」

 

「僕が君をずっと誘っていたんだよ、克。小学校の時からさ。君が僕のことを好きになるようにずっとずっーーっと誘っていたんだよ」

 

実を言うと安心したよ。僕の顔がいくら女の子みたいに可愛いからって所詮は男だ。克が女にしか興味がないなら僕はどうしようもなかった。

 

けどそうはならなかった。ああ克、克!君は気付いていなかったけど、僕は小学校の時から君のことを好いていたんだよ。

 

そして、今それは成就した。だからもう、いいよね?

 

「うわっ!どうしたんだ、玲?」

 

「ふふふ、たまらなく嬉しいのさ。君が僕のことを思ってくれていると知れて」

 

優しく克を抱擁する。温かい君の体温がとても心地よい。昔と違ってがっしりとした体つきになっている。僕は全然筋肉がつかないからね、ちょっと羨ましいよ。

 

「い、いいのか?玲。こんな俺を受け入れてくれるのか?」

 

「当然さ。僕は君とずっとこうしたかったんだから。ほら、君からも抱き締めてよ」

 

克は恐る恐るその大きな手で僕を抱き締める。身長の差で僕の肩に手が当たってるのが、僕と君がこんなに近くの距離で抱き合っているということを伝えてくれる。

 

「僕は今とても幸せだよ、克」

 

「そうか……よかった。俺も幸せだよ、玲」

 

ここまで長かった。小学校と中学校の9年間でやっと克を落とすことができた。これからの高校生活、まだまだ始まったばかりだ。

 

君と楽しめることがこんなにドキドキするとは。ああ、待ち遠しい。文化祭や修学旅行、他にも色んな行事を君と過ごすことができるなんて。

 

こうして僕と克は付き合うことになったんだ。勿論他の生徒には秘密で。バレたら五月蝿そうだからね。

 

……克、僕の克。絶対に離しはしないよ。昔からずっと一緒だったんだ。これからも、ね。




男の娘が好きだけどマジのBLはダメなんすよね。けどショタはいけるんですよね。

やっぱ見た目なんですかね、こういうのは。ヤってるのは全員男なんですけどね。
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