悪魔と青春の記録   作:黒凪カズキ

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最近投稿頻度が下がっていて申し訳ないです、
最低でも月に2話分は投稿していく予定ですので、何卒よろしくお願いいたします


mission13 ~Cleaning&Clearing~

ミレニアム・オペレーションルームにて

アリスを単身で突撃させるも、捕らえられてしまう。

だがその際、エレベーターのセキュリティシステムを破壊することに成功した。

 

修理には時間を要するため、ユウカはエンジニア部から新しいセキュリティを購入しようと考える。

しかし、アリスの武器がエンジニア部製であることに気づき、この件にエンジニア部が関与していると推測し

そこでエンジニア部製ではない最強のセキュリティを購入し、急ぎ交換するのだった。

 

その一連の騒動を、盗聴器を通してモモイたちは把握していた

 

~ミレニアム・廊下~

 

モモイ「ううっ。アリスが連れていかれちゃった!」

 

ユズ「落ち着いてモモイ、計画通りだよ」

 

ミドリ「アリスちゃん·····待ってて、すぐに助けてあげるから」

 

ハレ「とりあえず······一つ目の仕掛けは、上手くいった感じかな」

 

マキ「ちょうど連絡が来てたよ、『こちらエンジニア部、トロイの木馬を侵入させることに成功した』ってね」

 

モモイ「ひゅー·····それなら一安心、もし失敗してたら、アリスが意味もなく監禁されただけになるところだった」

 

ハレ「じゃ、次のステップに移ろうか」

 

やがて日が暮れ、時刻は夜中へと移り変わった。――そして次の作戦が実行される。

時は少し遡り、作戦会議の最中······

 

~~~~~~~

 

~ミレニアム・ヴェリタス~

 

ハレ「じゃあ、私たちのターゲット『鏡』があるとされる、生徒会の差押品保管所について説明するわ」

 

ハレ「ミレニアムの生徒会『セミナー』は、基本的にミレニアムタワーの最上階を専用スペースとして使用してる」

 

ハレ「『鏡』がある差押品保管所は、その最上階の西側」

 

マキ「調べた感じ、入口から差し押さえ品保管所へたどり着くには、約400台の監視カメラと50体近い警備ロボットを突破しなきゃいけないみたい」

 

ウタハ「正確には監視カメラが442台、警備ロボットたちが3種に分類されて計52体」

 

ハレ「そして、一番の問題は、保管所まで行くためには必ず『エレベーター』を使わなきゃいけないということ。このエレベーターは、生徒会の役員とか限られた人にしか通過できない、指紋認証システムが付いてる」

 

ハレ「もし仮にエレベーターを突破できたとしても、セミナー所属の生徒たちや武装した警備員がもちろんいるだろうし、何より······」

 

ハレ「最上階は、各部屋ごとセクションで分けられてる」

 

ミドリ「セクション······部屋が仕切られてるのは当然のことじゃないの?」

 

ハレ「セクションと、セキュリティシステムとが対応してる。だからもし、どこかの部屋で火事が起きたり煙が発生したら、シャッターを下して他の部屋と隔離したりすることもできる」

 

ハレ「もしシャッターが下りたら、これもまた生徒会 メンバーの指紋でしか掃除できない」

 

ハレ「登録されてない指紋や強い衝撃に反応すると、次はもっと強力なチタン製の二番目のシャッターが出てくる。そうなると今度は、生徒会役員の指紋と虹彩、この二つの認証が必要になる」

 

ウタハ「·····監視カメラについてはハッキングができそうだが、セキュリティシステムそのものについては、ヴェリタスの力でも正面突破は難しそうだね。何せ、基本的に外部のネットワークから遮断されている」

 

ハレ「あ、もう一つ新しい情報が入った。エレベーターに無理やり侵入しようとすると、最上階のセクションにシャッターが下されるみたい」

 

モモイ「ああもう、なんか難しいし絶望的な話ばっかりじゃん!何か良い話はないの!?」

 

ヒビキ「······弱点なら、ある」

 

ヒビキ「まず、外部電力を遮断する方式に弱い。電力を持つと自然に外部のネットワークに繋がるから、一般的にハッキングの隙が生まれる」

 

ヒビキ「私たちが作った超小型EMPなら、その隙を狙ってあらゆるシステムを無効化することができる、恐らく、無効化できる時間は·······約6秒」

 

ハレ「6秒、か·····十分だね」

 

~~~~~~~~~

 

~ミレニアム・校舎内部~

 

バージル(果たして事は順調に進んでいるのだろうか)

 

ミドリ「先生、お姉ちゃん、ハレ先輩から連絡!アカネ先輩を閉じ込めるのに成功したって!」

 

モモイ「よし、指紋認証システムも正常に作動したね」

 

モモイ「生徒会の役員も全員隔離できるはずだし····これで今もタワーの中を自由に動けるのは、私たちだけ!」

 

ミドリ「量産型のセキュリティ······上手くいったみたいだね」

 

モモイ「名前を隠してたし、エンジニア部製だとは思わなかっただろうね」

 

モモイ「さ、じゃあ堂々と行くとしよっか」

 

バージル「気を抜きすぎだ。少しは緊張感を持ったらどうだ?」

 

モモイ「えぇーだって、この生徒会専用フロアは私の思うがままなんだよ、もう少しで『鏡』がある差押品保管所に──」

 

ハレ『モモイ、伏せて!』

 

モモイ「えっ?」

 

いきなりのハレの言葉に意図が掴めず立ち尽くすモモイ。その服をバージルが掴み、力任せに引っ張ると、

直後に窓ガラスが砕け散り、弾丸がモモイの顔のすぐ前を掠めて通り抜けた

 

モモイ「うわああっ!」

 

モモイ「い、今、なんかすさまじい威力の弾丸が!?壁に穴が空いてるんだけど!?」

 

ミドリ「対物射撃用の49mm弾!?良かった、先生が咄嗟にお姉ちゃんを動かしてなかったら頭にクリーンヒットだったよ········」

 

モモイ「た、助かった」

 

バージル「ここは遮蔽物がない、常に有効射程内に入っている状況だな」

 

ミドリ「うん、C&Cの狙撃手、カリン先輩の──」

 

モモイ「ミドリ、伏せて!また来る!」

 

バージル「······被弾を避け、突破するしかないな」

 

ミドリ「な、なんか、デジャヴな感じ」

 

会話の最中、正確に狙いすました弾丸が次々と放たれる。

だが、それも長くは続かず、十分と経たぬうちに銃声は止んだ

 

モモイ「······狙撃が止んだ?」

 

ミドリ「ウタハ先輩とヒビキちゃんだ!カリン先輩の相手をしてくれる間に、急ごう!」

 

と同時に大きな爆音が階下から廊下に響く

 

モモイ「えええっ!な、なに、地震?」

 

ミドリ「爆発、みたいだけど······まさか!?」

 

バージル「······とりあえず、先を急ごう」

 

進むこと数分

 

いきなり照明が切れて廊下全体が暗くなる

 

モモイ「この停電、もしかしてウタハ先輩とヒビキの策が成功したってことだよね?」

 

ミドリ「うん、そのはず。後はここさえ抜ければ······」

 

モモイ「うん、もう生徒会の差押品保管所のはず。ようやくこれで!」

 

バージル「待て」

 

気配を察したバージルは足を止める

 

モモイ「え?どうしたの先━━」

 

???「お、やっと来たね!」

 

モモイ・ミドリ「!?」

 

???「遅かったねー、だいぶ待ってたよー」

 

アスナ「ようこそ、ゲーム開発部!それに、えっと······あ、思い出した『先生』だ!」

 

アスナ「ずっと会えるのを楽しみにしてたんだよ~?」

 

目の前に現れた少女はメイド服を着こなしていた

 

ミドリ「あ、アスナ先輩!?どうしてここに!?」

 

アスナ「どうしてって言われても~······何となく?」

 

アスナ「予感とか直観とか、そういうのってあるでしょ?ここで待ってたら先生にも、あなた達にも会えるんじゃないかな~、って」

 

ミドリ「難しい言葉じゃないのに、全然何言ってるかわからない・・・」

 

アスナ「さっ、じゃあ始めよっか?」

 

バージル「······来るぞ」

 

モモイ「やっぱりぃっ!?」

 

薄暗い廊下から、こちらに向かって駆けてくる。

モモイとミドリが銃撃で迎え撃つが、アスナは弾丸をことごとく躱し

こちらの隙を付き、バージルと才羽姉妹に向けて銃弾を放つ

バージルはモモイとミドリを抱え、アスナ同様銃弾をかわす。

 

モモイ「うぅ、全然当たらないよぉー」

 

ミドリ「流石に薄暗い部屋じゃ命中させることはちょっと難しいかも」

 

モモイ「それなのに、なんでアスナ先輩は的確に当てられそうになるのさ」

 

モモイ「先生がいなかったら、一方的にやられてたよ」

 

バージル「感が良いんだろう」

 

ミドリ「ど、どうしましょう?先生」

 

バージル「無理にでも突破······はさせてはくれまい」

バージル「となれば、ここは俺が押さえ──」

 

ミドリ「······どうしましたか?先生」

 

いきなり黙り込んだバージルに疑問を抱くミドリ

その直後、窓ガラスが砕け散り、銃弾が頭上を掠めた

 

モモイ「大口径弾!?何で!?」

 

ミドリ「これ、カリン先輩の······ってことはまさか、ウタハ先輩······!?」

 

モモイ「ミドリ、先生、ハレ先輩から連絡!カリン先輩を抑えられなくなって、ウタハ先輩が掴まちゃったって!」

 

モモイ「それとマキからも連絡!アカネ先輩がすごい数のロボットを連れてこっちに向かってきてるって!」

 

ミドリ「ええっ」

 

アスナ「あははっ、何が何だかわからないけど、もしかして私たちが優勢って感じ?」

 

???「そうね、もうそろそろ諦めたらどうかしら?」

 

モモイ「うげ、ユウカ!」

 

ユウカ「ここまで状況を引っ搔き回したことについて褒めてあげる、でもこんなありとあらゆる方法を使ってまで生徒会を襲撃するなんて、やり過ぎよ」

 

ユウカ「無条件の一週間停学か、監禁くらいは覚悟しなさい」

 

モモイ「停学、監禁!?」

 

ミドリ「そんな、一週間だとミレニアムサプライスが終わっちゃう!」

 

モモイ「むぅ、どうにかして、突破しないと!」

 

ユウカ「突破?へえ、私たちを?」

 

アカネ「ふぅ、やっと着きました······」

 

ミドリ「あ、アカネ先輩に、戦闘ロボットまで!」

 

アカネ「ここまで入り込んできてしまったあなたたちに、もう言い訳の余地はありませんよ、それに····」

 

ユウカ「先生も、シャーレに抗議文くらいは送らせていただきますので。ご承知おきくださいね」

 

バージル「······」

 

その場にいる生徒たちは気づいていないようだったが、

バージルだけは壁越しに響く『充電音』を、かすかに聞き取っていた

 

バージル「······少し下がれ、巻き込まれるぞ」

 

モモイ「え、どうして?」

 

バージル「見ていればわかる」

 

モモイ「?」

 

モモイとミドリを伴い、バージルは一歩下がる。

その直後、壁越しに「光よ」という声が響くと共に

壁を突き破って眩いエネルギー弾が飛び出した。

 

アカネ「くっ!!あ、アスナ先輩!?大丈夫ですか!?」

 

アスナ「あははっ、思いっきり当たっちゃった!頭のてっぺんからつま先まで1ミリも動かしたくない」

 

ユウカ「そんな、アスナ先輩と半分近くのロボットをまとめて行動不能に·······!?」

 

アリス「モモイ、ミドリ!今です!」

 

破壊された壁から、アリスが姿を現し声を張り上げた

 

アリスの一言に応じ、才羽姉妹は差押品保管所へ迷わず駆け出した

 

アカネ「くっ、マズいですね·····!」

 

ユウカ「っ、逃げられる!」

 

アカネ「いえ、そうはさせま──」

 

バージル「生憎だが、ここで足止めさせてもらう」

 

いつの間にか移動していたバージルが、差押品保管所のある方向に背を向け、

ユウカたちがゲーム開発部を追おうとする行く手を塞いだ

 

アカネ「·····いくら先生相手でも、手加減はしませんよ」

 

バージル「構わん。来るなら、さっさと来い」

 

アスナはアリスの攻撃を受け、戦闘続行不可能な状態まで追い込まれていた

残されたアカネとユウカ、そしてロボットの軍勢がバージルに向かって突撃してくる

 

戦闘開始から十数分後──。

ロボットの軍勢はバージルの手によってほぼ壊滅し、アカネとユウカは彼に軽くあしらわれる

 

アカネ「はぁ····はぁ····ここまで実力差を見せつけられると、さすがに参ってしまいます」

 

ユウカ「くっ····ほとんどの警備ロボットを壊された·····」

 

アカネ「カリンからの援護があるにもかかわらず、傷一つ与えることができないなんて……」

 

そのとき、バージルに通信が入る。

 

バージル「······そうか、分かった」

 

どうやら、ゲーム開発部たちは鏡を無事に手に入れ、脱出に成功したらしい

 

バージル「用は済んだ。俺も撤退させてもらう」

 

ユウカ「せ、先生······このまま黙って返すと思わないでください!」

 

バージル「·····できるものなら、やってみろ」

 

そう言い放つや否や、窓ガラスを突き破り外へ。そのまま飛び降り、姿を消した

 

ユウカ・アカネ「「·····えぇぇ」」

 

翌日。

ゲーム開発部は鏡とG.Bibleをヴェリタスに預け、セキュリティファイルを抜き取ってもらう

一方、ゲームに関する知識を持たぬバージルは、一度シャーレへと戻るのだった

 

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