悪魔と青春の記録   作:黒凪カズキ

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リアルの都合で更新が遅れました。今話から、またいつも通りの投稿頻度で投稿していくつもりです(※一応)


mission18~裏切り者~

各々が勉強に励み、分からない点は互いに教え合いながら、その時間は夜遅くまで続いていた。

バージルは教壇の椅子に腰掛け、読書に集中していると──

 

コハル「うわあぁぁぁっ!?な、なんでっ!?」

 

戸惑った表情で、コハルが大声を上げた。

 

バージル「?」

 

ハナコ「コハルちゃん、それは──」

 

コハル「ち、違う!見間違い!とにかく違うから!絶対に違う!!」

 

バージル「どうした、何かあったか?」

 

コハルの方に目をやると、彼女は両腕で何かしらの本を隠していた。

だが完全には隠しきれておらず、はみ出た表紙の一部に「R18」の文字が見えていた。

 

それを見たバージルは、少し呆れたような表情を浮かべた。

 

コハル「い、いや、そのっ……これはホントに私のじゃなくて、えっと」

 

ハナコ「でもそれ、コハルちゃんのカバンから出てきましたよね?それを合宿所まで持ってくるなんて、お気に入りなのですか?そうですか、あの真面目なコハルちゃんが、エッチな本を。なるほど……つまり、合宿のために必要なものなんですよね、コハルちゃん♡」

 

コハル「こっ、これは違うんだってばあぁぁぁぁっ!!」

 

参考書だと思って鞄から取り出したそれは、R指定の本だった。

あまりの生き恥に耐えきれず、コハルはその場で泣き出してしまった。

 

ヒフミ「そ、その、ハナコちゃん……その辺りで」

 

ハナコ「……やり過ぎてしまいましたね、本当にごめんなさい」

 

ハナコは罪悪感を滲ませながら、コハルに向かって頭を下げた。

 

ヒフミ「えっと、コハルちゃん。その、正義実現委員会として活動中に差し押さえた品を、つい入れたままにしてしまった。そういう感じなんですよね?」

 

コハル「…うん。私、押収品の管理とか、してたから、これは、その時のやつで」

 

ハナコ「うーん……であれば、押収品ってできるだけ早く返してしまった方が良い気がするのですが、どうしましょう?」

 

コハル「た、確かに、ずっと忘れてたけど」

 

ハナコ「では、今のうちにこっそり行って、バレないように正義実現委員会のところに戻してくれば大丈夫じゃないですか?」

 

コハル「え、今?いや、でも……」

 

正義実現委員会に向かうという選択肢に、コハルは明らかに戸惑いを見せた。

 

ハナコ「でしたら、先生と一緒に行くのはどうでしょうか?」

 

バージル「?」

 

ハナコ「万が一ハスミさん辺りにばれたとしても先生が一緒であれば、そこまで怒られないでしょうし」

「いかがでしょうか、先生?」

 

バージル「……まぁ、いいだろう」

 

そうしてバージルはコハルと共に、正義実現委員会の部室へと向かった

 

・・・・・

 

コハル「……その、い、言っておくけど、こればっかりは本当に間違いだから!」

 

バージル「なにがだ?」

 

コハル「押収品のことよ!いつもはちゃんと隠…じゃなくて、あんまり持ち歩いたりしないし」

 

バージル「別に。生徒がどんな代物を持っていようと、俺が咎め立てするつもりはない。好きにしていろ」

 

コハル「だ、ダメに決まってるでしょ!せ、先生なんでしょ!?何考えてるの!?危ない代物もエッチなものも全部ダメ!死刑!!」

 

バージル「その理屈だと、下江も刑に処されるだろ」

 

コハル「え、や、ちがっ……わ、私は、その……こ、これについては本当に間違いだから!ノーカン!!」

 

バージル「・・・・・あぁわかった、そういうことにしておいてやる」

 

どこか投げやりにも聞こえる返答に、コハルは思わず頬を膨らませた。

 

コハル「何それ!大人の余裕ってわけ!?」

 

バージル「……さぁな、そんなことより、さっさと返しに行くぞ」

 

コハル「ちょっと!話は終わってないわよ」

 

~正義実現委員会・押収品管理室~

 

コハル「……これで良し」

「とりあえずひと安心──」

 

押収品を無事に返すことができ、安堵したその瞬間だった。扉が開き、入ってきたのは――

 

ハスミ「……コハル?」

 

コハル「ハスミ先輩!?」

 

ハスミ「それに、先生まで……?たしか合宿で別館にいると聞いたのですが、どうかしましたか?」

 

ハスミ「成績が良くなるまで、ここへは出入り禁止になっているはずですが……」

 

コハル「そ、その、違うんです、えっと……」

 

あまり面倒事にならないよう、事実は伏せ、参考書を取りに来ただけだという体で話をした。

 

ハスミ「……なるほど、授業に使う書類の件で」

「そういうことでしたら、仕方ありませんね」

 

コハル「は、はい」

 

ハスミ「ですが、ある意味ちょうど良かったです。コハルに伝えておきたいこともありましたし……」

 

コハル「え?私ですか……?」

 

ハスミ「先生。申し訳ないのですが少し席を外していただいても?」

 

バージル「分かった」

 

バージルは頷くと、隣の部屋へと移動した。

 

椅子に腰を下ろし、二人の話が終わるのを待つ。

部屋の中は静まり返り、時計の針が刻む音だけが淡々と響いていた。

 

壁越しに、かすかにハスミとコハルの声が途切れ途切れに聞こえてくる。

聞こうと思えば、内容を拾うこともできただろうがバージルはしなかった。

ただ静かに時間が過ぎるのを待った。

 

そうして、数分が経った。

 

コハル「お、お待たせ……先生?」

 

バージル「終わったか、なら帰るか」

 

コハルとハスミがどんな会話をしていたのか、バージルは尋ねることなく、コハルと並んで帰路についた。

 

翌日

~合宿所・プール~

 

バージルは今、とある人物に呼び出され、合宿所のプールサイドへと足を運んでいた

 

ミカ「わぁっ、水が入ってるー!」

「ここに水が入ってるのなんて久しぶりに見たなー。もしかしてこれから泳ぐの?それともみんなでプールパーティー?」

 

バージル「……何用で呼び出した」

 

ミカ「ん?ただ、先生はちゃんとうまくやれてるのかなって思って」

 

バージル「まずまずだ」

 

ミカ「そう?他はどんな感じ?合宿の方はどう?遠いのを良いことに、何か楽しそうなことしてたりしない?例えばみんな水着でプールパーティーとか!」

 

バージル「……」

 

バージルは無言のまま、じっとミカを見つめる。

 

ミカ「そこまで警戒されちゃうのは心外だなー。私こう見ても繊細で、傷つきやすいんだよ?」

 

バージル「雑談はいい。本題に入れ。補習授業部の様子を聞きに来たわけではないだろう」

 

ミカ「……そうだね、先生もあんまり長い前置きは好みじゃないんだね」

「それじゃあ、本題に入るね」

「あっ。ちなみに私がここにいることについて、ナギちゃんは知らないよ?見ての通り、付き添いもなしの私の単独行動だから」

 

「というわけで、改めて本題だけど……先生、ナギちゃんから取引とか提案されなかった?例えば……「トリニティの裏切り者」を探してほしい、とか」

 

バージル「……その言葉のままされたな」

 

ミカ「……ふぅ、やっぱり。もうナギちゃんったら、予想通りなんだから。何か詳しい情報とかは?そういうのも無しで、ただ『探して』って言われた感じ?理由とか、目的とかは?どうして補習授業部がこういうメンバーで構成されてるのかとか、ナギちゃんは教えてくれなかった?」

 

バージル「詳しい事情は。聞いてないな」

 

ミカ「そっかー。もう、何も教えずに先生にこんな重荷を背負わせるなんて」

 

バージル「まぁ、提案は断ったが」

 

ミカ「へぇ?それは、どうして?」

 

バージル「俺は補習授業部の専属顧問として来ている。その時点で、桐藤の借りは返している。それに、生徒間のいざこざに深入りする気もない」

 

ミカ「そっかそっかぁ……確かに先生は、『シャーレ』の所属だもんね。トリニティとは無関係の第三者。あくまでも中立に立つと、なるほどね。そんな中立の立場に居る先生は、一体誰の味方かな?」

 

ミカ「ゲヘナの味方?連邦生徒会、それとも本当に誰の味方でもない……とか?」

 

バージル「……どうだろうな。今まで、生徒からの要請を受けては協力してきた。それを、御園の言う『味方』と呼ぶのなら……俺は生徒たちの味方になるのだろうな」

 

ミカ「生徒達の味方、かぁ。照れくさいことを言うんだね」

「それならさ、先生は一応、私の味方って考えても良いのかな?私も一応、生徒には変わりないんだけど……」

 

バージル「御園が、俺を敵として見ない限りはな」

 

ミカ「え? しないしない、先生と敵対する気はしないし、仲良くしたいなと思ってるよ」

「それに、先生が強いって話も聞いてるし。猶更、ね」

「そんな先生に私から一つ取引を提案しようと思うんだよね」

 

バージル「取引?」

 

ミカ「……補習授業部の中にいる「裏切り者」が誰なのか、教えてあげる」

 

バージル「知っているのか?」

 

ミカ「うん、ナギちゃんの言う「トリニティの裏切り者」、退学させようとしているその相手」

「補習授業部にいる「トリニティの裏切り者」、それは……白洲アズサ」

 

バージル「白洲が……」

 

ミカ「うん。知ってるかもしれないけど、あの子は元からトリニティにいたわけじゃないんだ。ずいぶん前にトリニティから分たれた、いわゆる分派…「アリウス分校」出身の生徒なの」

 

バージル「……それを俺に言って、どうしろと?」

 

ミカ「そうだね、端的に言うと、あの子を、守ってほしいの」

 

バージル「白洲を、守る?」

 

ミカ「あー、ごめんね。ちょっと単刀直入すぎたかな?ナギちゃんの悪い癖が移っちゃったのかも。もう少し最初の方から説明するね」

 

「まず、この「トリニティ総合学園」について。ナギちゃんがこの前言ってた通り、その一番の特徴は「たくさんの分派が集まってできた学校」だってこと」

「パテル、フィリウス、サンクトゥス…この三つの分派がトリニティの中心になったのは、前に話した通り」

 

「でも正確には、今の「救護騎士団」や「シスターフッド」の前身にあたる派閥も含めた大小さまざまなものがいくつもあるの」

「元々そういう沢山の派閥が、お互いを敵視して、毎日、紛争ばっかりの時代があったんだって」

 

バージル「今のトリニティとゲヘナの関係のようなものか」

 

ミカ「うん、そこで、もうこれ以上戦いを続けるんじゃなくて、仲良くしよう。…私たちはもう戦わなくて良い、一つの学園になろう…そんな話をしたのが、「第一回公会議」」

「それで…その会議で生まれたのが、今の「トリニティ総合学園」」

 

ミカ「でもその会議は円満に話し合いが終わったわけじゃなくて……その時、最後まで反対していた学園があったの。それが、「アリウス」」

「元々は、私たちとあんまり変わらなかった、一つの分派」

 

「でも、そのアリウスは連合を作ることに猛烈に反対して……最終的には、争いに繋がっちゃったの」

「連合になって強大な力を持つようになったトリニティ総合学園は、その大きな力でアリウスを徹底的に弾圧し始めた」

 

ミカ「あまりにも大きな力を持ちすぎると、その強さは確認したがる……なんていうのはよくあるお話で。アリウスは悲しいことにちょうど良いターゲットだった」

「そうして、アリウスは潰された」

「トリニティの自治区から追放されて、今は……詳細は分からないけど、キヴォトスのどこかに隠れてるみたい」

 

「大半の生徒たちにとっては、「そんな学園あったっけ?」って感じだと思う。ほとんどはきっと、そんな争いがあったことすら知らない」

「そうして表舞台には姿を現さなくなって、今となってはその影すらも薄くなってしまった存在……」

 

バージル「それが「アリウス分校」そして今、桐藤が進行しているエデン条約が先ほど話した「第一回公会議」の再現か」

 

ミカ「そういうこと…でも本当のところ。その核心は、ゲヘナとトリニティの武力を合わせたエデン条約機構、通称「ETO」と呼ばれる全く新しい武力集団を作ることなのに」

 

バージル「トリニティとゲヘナが手を取り合えばキヴォトスのどの学園でも太刀打ちできなくなるな」

 

ミカ「そうだね」

「連邦生徒会長が行方不明っていう。混迷の時期に、圧倒的な力を誕生させて、ナギちゃんは果たして何をしようとしてるのかな?」

「もしかして、会長が不在の連邦生徒会を襲撃して、自分が連邦生徒会長にでもなるとか?」

 

「細かい目的は知らないけど……でも、これだけはハッキリ言えるよ」

「大きな力を手に入れたら、きっと自分が気に入らないものを排除する……」

「昔、トリニティがアリウスにしたみたいにね。あるいは――セイアちゃんみたいに……」

 

バージル「もう一名の生徒会に何かあったのか?」

 

ミカ「……前にお話した通りだよ。セイアちゃんは、入院中なの」

「でもそれは表向きの話、本当は入院中なんかじゃない」

「ヘイローを、壊されたの」

 

バージル(ヘイローの破壊、たしかヘイローの持つ者が死か廃人になる事を表すとアロナが言っていたな)

 

ミカ「去年、セイアちゃんは何者かの手によって唐突に襲撃された」

「対外的には「入院中」って事になってるけど……そっちの方が真実」

「私たちティーパーティーをのぞけば、このことはまだトリニティの誰も知らない」

「それほど秘匿事項なの」

 

「……それで、話に戻るんだけど。「白洲アズサ」……あの子をこの学園に転校させたのは、私なの」

 

バージル「それは何故だ」

 

ミカ「……私はアリウス分校と和解がしたかった」

「でもその憎しみは、簡単には拭えないほど、負えないくらいに大きくて……」

「ナギちゃんもセイアちゃんも私の意見には反対だった……政治的な理由でね」

 

「私は不器用だから、そういう政治とかは得意じゃないんだけど……また今から仲良く、前みたいにお茶会でもしながら、お互いの誤解を解くことはできないのかな?」

「だから私はあの子……「白洲アズサ」という存在に、和解の象徴になってほしかったの」

 

「あの子についてはそれほど詳しいわけでもないんだけど。アリウスでもかなり優秀な生徒だったみたいだし、その可能性にかけたかった」

「ナギちゃんに説明してちゃんと正式に進めるっていう手段もあったかもしれないけど……ナギちゃんはそういうの、聞いてくれないだろうなって思って、しなかった」

 

「もしエデン条約が締結されたら…その時は、アリウスとの和解は不可能なものになっちゃう。だから、どうにかその前に実現させたかったけど」

「そんな中でナギちゃんがトリニティに「裏切り者」がいるって言い始めて……」

 

「それでナギちゃんは条約の邪魔をさせまいとして、「補習授業部」を作ったの」

「最初は「補習授業部」って何のことかと思ったけど……あ、そういえば先生。何であの子たちなのかって、聞いたことある?」

 

バージル「しらんな」

 

ミカ「あそこにいるのは、ナギちゃんが疑った子」

「ハナコちゃんはすごい変わったところがあるけど、本当に本当に優秀な生徒で。何ならティーパーティーの候補として挙がってたこともあったくらいなの」

 

「……でも、あの子は急に変わっちゃったの。落第直前の状態になるくらいに」

「たしかに、それで探りを入れたくなる気持ちはよく分かる。あの子はトリニティの上層部とか色んな所と交流があって、結構な数の秘密を知っちゃってたこともあって」

 

「ナギちゃんにとっては、気にせざるを得ないだろうね」

「コハルちゃんは……あの子はどろどろした政治とか、何の関係も無い、純粋で良い子なんだけど」

 

「疑われた原因は本人じゃなくて、ハスミちゃんたちだね」

「巨大な武力を持った存在は、それも特にゲヘナに対して強い憎しみを持っている存在が、自分の統制下に無いという不安感……」

 

「ナギちゃんはそこに対して、何かしらの備えが欲しかったんだと思う」

「正義実現委員会だったら多分、誰でも良かったんじゃないかな。ただとりあえず成績が悪かったから、あの子が選ばれた」

 

「つまりあの子は人質。「退学」の件については多分、ハスミちゃんも知ってたはずだよ」

「以前、ハスミちゃんはゲヘナの生徒会「万魔殿」とちょっとしたトラブルがあって、部室に帰ってきてはそれはもう暴れまわったらしいとか?」

 

「あとは……ヒフミちゃんか。」

「ヒフミちゃん、優しくて可愛くて、良い子だよね。ナギちゃんもすっごく気に入ってる」

 

「……でも、それでもナギちゃんの疑いの目が向いちゃったの」

「どうやらこっそり学園の外に出て、怪しい所に行ってたみたい。トリニティの生徒は出入り禁止になってるブラックマーケットとか、あちこちにね」

「それに、どこかの犯罪集団との関わりがあるって情報も流れてきたり」

 

バージル「……」

犯罪集団については、内心で少しだけ身に覚えがあった。

 

ミカ「それで、ナギちゃんの中にあった「トリニティの中に裏切り者がいるかもしれない」という疑いは、色々と情報が集められて進められていく中で」

「「あの中の誰がトリニティの裏切り者なのか?」っていう懸念に変わったんじゃないかな」

 

「もういるのかどうかなんて話はしてない、「裏切り者」はすでにナギちゃんにとっては確定路線の現実問題になってる」

「……それが、今の状況。ちょっと長かったけど、これで今私が知っていることは全部話せたかな?」

 

バージル「つまり、桐藤が言う裏切り者はトリニティと敵対関係を持つアリウスの元所属、白洲アズサのことを指しているが、桐藤が思うトリニティを脅かす存在ではない、ということか」

 

ミカ「そういうこと☆でも、あの子には申し訳ないと思っているよ、こんな複雑で政治的な争いのど真ん中に立つことになっちゃって……」

「だから、守ってほしいの。それは今、先生にしかできないことだから」

「それから、ある意味では……ナギちゃんにとっての「裏切り者」は、私でもある。私は、ナギちゃんが進めてるエデン条約に賛成の立場じゃないからね」

 

「ホストじゃない私には、邪魔も何もできないんだけど」

「……それと、別の観点からは同時に、こういうことも言えるよね?」

「「トリニティの裏切り者」……それはナギちゃんだっていうこともできる。そう思わない?」

 

「これまで調和を保っていたトリニティを、巨大な怪物に変えようとしてる存在……そういう見方があっても、そんなにおかしくはない」

「……まあ、でもこれも含めて全部全部、私からの一方的なお話でしかないよ」

「だから、もちろん最終的には先生が決めて。白洲アズサを守るのか、裏切り者を見つけるのか……ナギちゃんを信じるのか。それとも、私を信じるのか」

 

「じゃあ、今日はこんなところかな。先生とまたこうしてお話しできて、楽しかったよ」

「じゃ、またね。先生」

 

ミカの語ったエデン条約とトリニティの歴史を聞き終え、

その背中を見送りながら、バージルは補習授業部のいる教室へと戻った。

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