第一部を序章とすると、第二部から本格的に物語が進行していきます。
どうぞお楽しみに!
mission25 ~ベアトリーチェ~
バージル「・・・・」
サオリ「・・・・」
サオリの意図が読めない。警戒は解かず、様子を見る。
するとサオリはその場に崩れるように座り込み、地に手をついた。
バージル「・・・・何の真似だ」
サオリ「・・・・助けてくれ、先生」
バージル「・・・・話が見えてこない。何があった?」
サオリ「アツコが・・・・連れていかれた」
サオリ「他の仲間もアリウスの襲撃に遭って、散り散りに・・・・生死も不明だ・・・・」
サオリ「私では彼女を止められなかった・・・・」
サオリ「このままでは・・・・アツコは・・・・姫は、死んでしまう・・・・」
バージル「・・・・死ぬ、だと?」
サオリ「あぁ、アツコは、もとよりそのように育てられた存在なんだ・・・・」
サオリ「幼い頃からそうやって「生贄」にされる運命にあったのだと・・・・」
サオリ「「彼女」は・・・・姫の運命を変えたいなら、彼女の運命に従えと・・・・」
サオリ「エデン条約を強奪し、ユスティナ聖徒会の力をアリウスのものとし──トリニティとゲヘナが手中に納めたら・・・・」
サオリ「アツコが「生贄」にならずとも済む、と」
サオリ「だが・・・・私は失敗した」
サオリ「アリウススクワッドは・・・・任務を遂行出来なかった」
サオリ「エデン条約の強奪に失敗した上、トリニティとゲヘナ自治区の征服、仲間を助けること、アツコを守ることさえも、全て・・・・私の力が及ばず、叶わなかった」
サオリ「・・・・今の私は落伍者だ。トリニティにも、ゲヘナにも──同じアリウスにだって助けを求めることなどできない」
バージル「それで、俺に助けを求めに来たと」
サオリ「あぁ、都合のいい話だとは分かっている」
サオリ「あの時、先生を撃っておきながら・・・・自分勝手な話を持ち掛けて。」
サオリ「頼む・・・・先生、私の命を掛けて約束する、どんな指示だろうと従う」
サオリ「だから、どうか・・・・アツコを・・・・姫を・・・・助けてくれ」
少し黙り込み、思考を巡らせる。
バージル(たしか、アリウスの裏にはゲマトリアが絡んでいると百合園が言っていたな)
バージル(・・・・もしそうだとすれば――)
バージル「質問をするが、先ほどから言っている『彼女』とは、何者だ」
サオリ「『彼女』は、アリウス自治区の代表であり……アリウス分校の主人だ」
サオリ「私たちは『彼女』と呼んでいるが……他の生徒からは『マダム』とも呼ばれている」
サオリ「私も数回しか姿を見たことはない……」
サオリ「背が高く、赤い肌を持ち……白いドレスを纏った、大人だ」
サオリ「名を――」
サオリ「ベアトリーチェ」
その名を聞いた瞬間、バージルの気配がわずかに変わる
まるで獲物を捉えた獣のような、鋭い気配
バージル「・・・・」
サオリ「・・・・先生?」
==========================
話は遡り、ホシノ奪還時当日の出来事(misson10の外編)
PMC理事「ぐっ・・・・化け物が」
バージル「・・・・さて、貴様には聞き出すべきことがある。――少々、付き合ってもらおうか」
PMC理事「な、何を聞く気だ?」
バージル「あの機体、ゲマトリアからの貰い物と言っていたな」
PMC理事「それが何だ!」
バージル「・・・・あれを誰からもらったか言え」
PMC理事「誰が貴様の命令を──」
服を掴み、強引に引き寄せる
バージル「図に乗るな」
バージル「吐け。そうすれば、見逃してやる」
PMC理事「本当に見逃してくれるのか?」
バージル「あぁ、二言はない」
PMC理事「・・・・ベアトリーチェとかいう女から貰ったものだ、近々シャーレと敵対するであろうと見越して、渡してきた」
バージル「ベアトリーチェ・・・・そいつの容姿は?」
PMC理事「黒髪に赤い肌、正直黒服と同様異質な見た目をしている」
バージル「・・・・そうか、もういい、さっさと失せろ」
バージル「二度と俺の前に顔を出すな」
PMC理事「ックソ」
そのままPMC理事は走り去っていった
バージル「ベアトリーチェ、そいつが持っているの、か」
回想終了
==========================
バージル「・・・・いいだろう。詳しい事情は知らんが、乗ってやる」
サオリ「・・・・!?」
サオリ「ほ、本当に良いのか? だが、どうして?」
バージル「とりあえず、利害の一致と考えてくれ」
サオリ「・・・・? 先生は何か彼女と因縁が?」
バージル「・・・・そう考えてくれ」
バージル「俺の目的ついでに秤を救出しよう」
サオリ「つ、ついで、に・・・・まぁ、姫を助けてくれるなら・・・・」
バージル「で、どうするんだ?」
サオリ「まずは、ミサキとヒヨリと合流をしたい」
バージル「・・・・そうか」
・・・・
ヒヨリ「リ、リーダー」
ヒヨリ「って、シャ、シャーレの先生がどうしてリーダーと一緒にいるんですか・・・・!?」
サオリ「それは──」
ヒヨリ「つ、ついに天罰の時がやってきてしまったんですね?やっぱり、私は終わりなんだ・・・・」
ヒヨリ「うわぁぁぁぁああん! もう終わりです・・・・まだやりたい事も、読みたい雑誌もたくさんあったのに・・・・」
サオリ「落ち着け、ヒヨリ。一応「シャーレ」の先生は、私たちの手助けをしてくれる」
ヒヨリ「手助け? 先生が・・・・どうして?」
サオリ「その経緯は後で話すとして、一緒に姫を助けよう」
ヒヨリ「そうだ、姫ちゃん・・・・」
ヒヨリ「リーダーの居場所を教えれば、アリウスの自治区に戻れるよう便宜を図ると「彼女」にいわれました・・・・」
サオリ「・・・・っ!?」
ヒヨリ「わ、私はリーダーの言葉に従っただけの存在だから・・・情状酌量の余地があるのだ、と言っていて・・・・へへ・・・・」
サオリ「・・・・そうか、ならば、そうするといい」
ヒヨリ「・・・・えっと?」
サオリ「私の居場所を「彼女」に伝えて、そのまま自治区に戻れ」
サオリ「そうすればヒヨリ、少なくともお前に迷惑はかからない」
ヒヨリ「は、はい!? わ、私は・・・・」
サオリ「いつかこんな日が来ると、分かっていた。お前は今までよく私に付き合ってくれた」
ヒヨリ「ええと、その・・・・もう断ったんですけど・・・・」
サオリ「・・・・」
ヒヨリ「・・・・な、何ですか、その裏切り者に理解を示すみたいなムーブ。私ってそんな簡単に裏切ると思われたんですか?」
ヒヨリ「そもそも、「彼女」の言葉が本当かどうかもわかりませんし・・・・それに、もう私たちは同じ船に乗った運命共同体のようなものですし・・・・私一人で自治区に戻ったって、何の意味も・・・・」
ヒヨリ「それに・・・・私一人が救われたとして、アツコちゃんは・・・・」
ヒヨリ「わ、私もみんなでアツコちゃんを・・・・姫ちゃんを助けられるなら、その方がいいと思うんです・・・・」
ヒヨリ「それはリーダーだって同じじゃないですか?だから私を助けに来たんですよね」
サオリ「・・・・ああ、そうだ」
サオリ「詳しい話は全員集まってからにしよう。まずはミサキを探さないと」
ヒヨリ「・・・・そうですね。ミサキさんなら、この状況をもう少し上手く説明してくれるかもしれないし・・・・。わかりました」
ヒヨリ「ミサキさんがどこにいるかは、なんとなく見当がつきます」
サオリ「そうだな・・・・おそらくあそこだろう」
バージル「・・・・」
サオリ「あ、済まない先生、だいぶ待たせて」
バージル「・・・・別に構わん」
・・・・
~長きにわたって放置された橋~
ヒヨリ「ここなら・・・・いました」
ミサキは橋の手すりを乗り越え、今にも深い川へ飛び込もうとしていた
サオリ「ミサキ」
ヒヨリ「ミ、ミサキさん・・・・」
ミサキ「リーダーにヒヨリ・・・・そして、「シャーレ」の先生か・・・・」
ミサキ「そっか・・・・そういう選択なんだね、リーダー」
ミサキ「予想外だったな」
ミサキ「でも先生、知ってる?」
ミサキ「私たちは「先生」を始末すれば、アリウス自治区に戻れる」
バージル「・・・・」
ミサキ「ヒヨリも、リーダーも同じ話を聞けていたはず。だよね?」
ヒヨリ「わ、私が受けた提案は少し違いましたけど・・・・」
サオリ「・・・・ああ、そう言われたな。先生を始末すれば私たちの裏切りを許す、と」
ミサキ「・・・・いつ後ろから引き金を引くか分からないのに、先生は私たちを信用できるの?」
ミサキ「しかも、それが「かつて自分を撃った相手」なのに?」
サオリ「・・・・」
バージル「撃つつもりなら、もうとっくに撃っている。だろう?」
ミサキ「・・・・そうだね」
サオリ「とりあえず、こっちに来いミサキ」
ミサキ「私の意思は変わらないよ、リーダー」
ミサキ「姫を救うのは無理」
ミサキ「アリウス自治区に潜り込んでどうするの?」
ミサキ「姫がいるバシリカに辿り着くために、四人で戦うの?」
ミサキ「アリウスの全生徒と?しかも日が昇るまでに?」
ミサキ「いくら「シャーレ」の先生の助けがあったとしても不可能だよ、おそらく「彼女」は私たちすら知らない武器を用意しているはず」
ミサキ「それに、仮にアツコを救出できたとして、そこに何の意味があるの?」
ミサキ「帰る場所もないこの世界に取り残されて、泥水を啜って生きるだけの・・・・この無意味で苦しい人生が続くだけでしょ?」
ミサキ「苦痛ばかりだった姫の人生を引き延ばして・・・・そこに価値があるの?」
ミサキ「「全ては虚しいものである」・・・・それだけが、私たちが納得できる真実」
ミサキ「そうじゃない? リーダー」
サオリ「・・・・黙れ。ミサキ」
ミサキ「・・・・」
サオリ「それで?苦痛だらけのお前の人生を終わらせたいということか?──そんな緊迫が私に通じると、本気で思っているのか?」
サオリ「よく聞け、ミサキ。お前がそこから飛び降りるなら──」
サオリ「今もすぐに追いかけて飛び込む」
サオリ「服の中に何か重りを入れていたとしても無駄だ。川岸まで連れて行くのにさほど時間はかからない」
サオリ「長くても20秒。もしもお前が気を失ったところで、何度でも心肺蘇生を繰り返す」
サオリ「お前がそうやって脅そうと、私はお前を生かして見せる」
サオリ「今までは何度やっても無駄だったのに、今回は成功できると思っているのか?」
ミサキ「・・・・」
ヒヨリ(・・・・)
ミサキ「・・・・まぁ、自信はないかな」
ミサキ「・・・・で、結局姫を助けんだね」
ミサキ「わかったよ、リーダーの命令なら、従う」
ミサキ「今回も最後までお供するよ、リーダー」
サオリ「・・・・ああ、頼んだ」
ヒヨリ「はああ〜〜・・・・なんとかなってよかったです・・・・」
ミサキ「そうと決まったら急ごう・・・・残された時間は90分。それまでに入り口にたどり着かないと」
サオリ「・・・・なるほど0時までに1時間半・・・・急ぐとしよう」
サオリ「説明は向かいながら言う・・・・行くぞ」
・・・・・
ミサキ「まず、アリウス自治区に行くには、トリニティ地下のカタコンベを通過しないといけない」
ミサキ「カタコンベの入口は、判明しているだけでも約300か所。その中の「本当の入口」は限られていて、残りはすべて偽物」
サオリ「入口を間違えれば、迷い続ける羽目になる」
サオリ「だから私たちは正しい入り口と、そこからアリウス自治区に通じるカタコンベの内部ルートを暗号で伝えている」
ミサキ「カタコンベの内部は一定周期で変化するからね」
ミサキ「この前通った道が行き止まりになっていたり・・・・あるいは方向を見失ったり・・・・そんな感じ」
ヒヨリ「で、でも・・・・たった1つだけ、まだ使える入り口が残ってます」
ミサキ「それも今日の日付変更までしか使えない」
バージル「だから残り90分ということか」
サオリ「それになんとか戻れたとしても、アツコを助けることはできない」
・・・・・
ミサキ「・・・・ここから地下道を通ってカタコンベの入り口に入るけど・・・・おかしい」
サオリ「そうだな、あまりにも追手が少なすぎる、訓練されたエリート兵が待ち受けているはずだが」
さらに奥へと進んでいくと――
アリウスの兵たちが、地面に横たわっていた。
ヒヨリ「・・・・!!」
サオリ「・・・・これはどういうことだ?」
すると、倒れた生徒たちの奥から、
ゆっくりと歩いてくる影が見える。
サオリ「・・・・御園、ミカ・・・・」
ミカ「まだ覚えてくれてたんだね?会えて嬉しい・・・・って顔じゃなさそうだけど、どうし──」
バージル「・・・・」
ミカ「せ、せ、先生・・・・!?」
バージル「何故、ここにいるんだ御園?」
ミカ「わ、私は・・・・えっと、そ、それより!」
ミカ「どうして、先生がスクワッドと一緒にいるの・・・・?」
バージル「・・・・」
どう説明するか思案する中――
横からミサキが割って入る。
ミサキ「先生、時間がない・・・・すぐ入らないと」
バージル「・・・・たしかにな」
バージル「御園この件は後で話す、お前はトリニティに帰っていろ」
ミカ「え?で、でも──」
そのとき、背後からアリウスの兵たちが押し寄せてくる
サオリ「先生、早く」
バージル「・・・・」
そのままミカの脇を通り抜け、カタコンベへと入った
ヒヨリ「はぁ、はぁ・・・・なんとか間に合いました」
サオリ「移動するぞ。先生、この先がアリウス自治区だ。行こう」
バージル「・・・・」
バージル(御園は何故ここに・・・・いや、今は考えるべきではない)
・・・・
~アリウス自治区~
ミサキ「ここら辺は警備の手が薄いはず・・・・正解だね」
バージル「今さらだが、なぜこう人目に忍んで歩いているんだ?さっさと進むべきだろう」
ミサキ「・・・・先生になら出来るかもだけど、私たちはそこまで体力はないの」
ヒヨリ「ここまで来るのにだいぶ早歩きで、もうヘロヘロです」
リーダー「・・・・」
ミサキ「・・・・リーダー?」
そのとき――
サオリの身体が、力なく崩れ落ちた。
ヒヨリ「り、リーダー!?」
サオリ「うっ・・・・ぐっ・・・・」
ミサキ「・・・・すごい熱。こんな状態になるまで我慢するなんて・・・・」
ミサキ「・・・・リーダーはもう4日近く休んでいない。負傷してる上に、睡眠不足と疲労・・・・気力で我慢するのも限界だったんだと思う」
ヒヨリ「あ、あわ・・・・ど、どうしましょう?」
バージル「・・・・これ以上は無理がすぎるな」
ミサキ「じゃあ、どうするの?」
バージル「アリウス自治区への潜入は済んだ。俺一人で行く」
ヒヨリ「え、えぇ!?、では私たちは!?」
バージル「錠前の介護をしていろ」
サオリ「ま、待ってくれ」
バージル「・・・・?」
サオリ「私はまだ、動ける」
ヒヨリ「リーダー、これ以上動いたら体調を悪化させてしまいます」
サオリ「だ、だが・・・・」
バージル「・・・・秤アツコは必ず救出してくる、俺一人で事が足りることだ」
サオリ「で、でも・・・・」
ミサキ「ここは、先生に頼ろう、正直、私たちじゃ足手まといになる」
サオリ「・・・・すまない、ありがとう先生」
バージル「それと、警備の手が薄いと言っていたが、何かあるか分からない」
バージル「一応、こいつを残す。好きに使え」
そう言うと――
バージルと同じ姿をした、分身体が現れた
ミサキ「え、それは何?」
バージル「端的に言えば俺の分身。といった所だ」
ミサキ「ぶ、分身?」
分身のバージルは話すことはないが親指を立てサムズアップをした
ヒヨリ「な、なんか先生よりも感情表現が豊かですね」
バージル「は?」
ヒヨリ「ひぃぃ、なんでもありません!」
バージル「それじゃあな、次会うときは決着がついた頃だろう」
そう言い残し、一人ベアトリーチェの元へ歩き出した
・・・・・
・・・
アリウスの生徒A「いたぞ、シャーレの先生だ、戦闘態勢」
アリウスの生徒たちが一斉に銃口を向ける。
しかしバージルは、それを気にも留めず、無視して歩みを進める。
アリウスの生徒B「うぐ、私らは眼中にないのか」
アリウスの生徒C「防衛線を張れ、今すぐ止めろ」
だが、その抵抗も虚しく――
バージルは易々と突破し、そのまま通過しようとする。
そのとき、不意に足を止めた。
アリウスの生徒D「・・・なぜか足を止めたぞ?」
バージルの進行方向から、一人の少女が歩いてくる。
バージル「・・・・トリニティに帰っていろと言ったはずだがな、御園」
ミカ「ごめんね先生。私、元々言うことを聞かない「悪い子」だったでしょう?」
アリウス生徒A(今がチャンスだ……!)
(先生が動かない今、全員で――)
その瞬間――
ミカが、背後から襲いかかろうとしていた生徒たちを撃ち抜いた。
ミカ「今、先生と話してるところなの邪魔しないでよね?」
その言葉と、容赦のない気配に――
アリウスの生徒たちは、静かに撤退していった。
ミカ「これでやっと、話せる。それでさ先生、スクワッドと一緒じゃないの? さっきまで一緒だったのに」
バージル「・・・・置いてきた」
ミカ「へぇー、じゃあ、どこにいるか教えてくれる?」
バージル「断る」
ミカ「じゃあ、当てずっぽうで探すしかないか」
バージル「・・・・何故、そこまであいつらに拘る?」
ミカ「だって・・・・」
ミカ「・・・・私にはもう何もないの、帰る場所も、トリニティにも・・・・どこにも・・・・」
ミカの目から、涙が溢れる
ミカ「私はトリニティの裏切り者で、みんなの敵で・・・・──何度もセイアちゃんを傷つけてしまった魔女だから・・・・」
ミカ「学園を追い出されたら、ナギちゃんにも、大切な人たちにも・・・・二度と会えなくなる・・・・」
ミカ「なのに、スクワッドはどうして?何も失ってないの?私は失ってばかりなのに・・・・」
バージル「・・・・たしかに、許されはしないだろうな」
ミカ「そうだよね、だって私、取り返しのつかないことをしちゃったから」
バージル「取り返す必要?・・・・無いな」
ミカ「え?」
バージル「過去の罪や行いは変わらん。消えることもない」
バージル「なら、言えることは一つ、背負って生きて行け」
バージル「そして、二度と繰り返すな」
ミカ「・・・・そうだよね」
ミカは顔を伏せる
バージル「・・・・俺のやってきたことに比べれば、軽い方だ。それくらい、背負えるだろう?」
ミカ「え、えっと、比べれば? 先生も、昔は許されないことをしたの?」
バージル「そうだな・・・・深くは言えないがな」
ミカ「そっか・・・・なら、私はまだ変われるのかな、ナギちゃんたちと、一緒にいていいのかな」
バージル「どうだろうな、ただ、そうしたいなら・・・・自らの手で掴み取るしかないだろう」
ミカ「・・・・そこは『大丈夫だよ』って言うところじゃない?」
バージル「甘えだな」
ミカ「・・・・これから、先生はどこに行くの?私で良ければ、手を貸すよ」
バージル「必要ない、ただ一つ言っておくがスクワッドには──」
ミカ「うん、大丈夫だよ、先生が思ってるようなことは、しないよ」
ミカ「・・・・でも、ただ少しちゃんとお互い顔を見合わせて話したかったかな」
バージル「・・・・」
バージルは少し考えた後、紙を一枚取り出し、何かを書き込むとミカに渡した。
ミカ「えっと、先生これは?」
バージル「そこにスクワッドがいる。口頭では、どこで誰が聞いているか分からんからな」
ミカ「・・・・先生って、たまに優しいことしてくれるよね」
バージル「勘違いするな、今、錠前サオリは体調が悪い。人手は多いに越したことはないだろう」
ミカ「そっか、そんなに追いつめられていたんだ・・・・ありがとう先生、じゃあ必ず戻ってきてね」
バージル「・・・・」
・・・・・
・・・
・
~バシリカの至聖所~
???「あら、ここまで、よくお一人で辿り着きましたね」
バージル「貴様がベアトリーチェか?」
ベアトリーチェ「ふふ・・・・そのとおり、既にご存知かもしれませんが、「ゲマトリア」の一員です」
ベアトリーチェ「それで、何をしに、ここへ?」
バージル「愚問だな、貴様なら、心当たりがあるだろう?」
ベアトリーチェ「さぁ・・・・一体どちらの事か分かりませんね」
バージル「・・・・両方だ」
ベアトリーチェ「・・・・残念ながら、儀式は既に進行しています」
ベアトリーチェ「ロイヤルブラッドの神秘を搾取し、キヴォトス外から到来する力を借りて・・・・私は自分の存在をより高位のものへと昇華させ、さらに・・・・」
祭壇に磔にされているアツコ
その背後に――
バージルが求めていた“もの”があった。
それは――
ベアトリーチェ「このキヴォトスに落ちてきた魔具の魔力を用い」
ベアトリーチェ「バージル――あなたを、ここで根絶やしにしてあげましょう」
なんらかの装置に固定された――
魔剣『閻魔刀』の姿があった
次回、対ベアトリーチェ戦!
更新は少し遅れるかもしれませんが、お楽しみに。