翌朝、アビドスに向かう道中で、見覚えのある顔と鉢合わせた
セリカ「うぅ、なっ」
バージル「…はぁ、なんだ俺の顔を見た瞬間狼狽えて」
セリカ「な、狼狽えてないんだから、ていうか馴れ馴れしく話しかけないでくれる?」
セリカ「いい!私はまだ先生のこと認めてないから!まったく、朝っぱらからのんびりとうろついちゃって。いいご身分なことね」
バージル「そういう、お前は何をしているんだ?」
(アビドス高校とは別の方向に向かおうとしていたが)
逃げるセリカを追う
セリカ「私が何をしようと、別に先生には関係ないでしょ?ていうか、勝手についてこないでくれる?」
バージル(何か隠しているな)
バージル「はぁ。何をしているのかも分からん生徒を、黙って見過ごすほど無責任ではない
バージル「…答えるまで追う」
セリカ「うぅ、わかったわよ、バイトよ、それでいい?じゃあね、バイバイ」
バージル(警戒心があるのは悪くない。いきなり現れた部外者を簡単に信頼しないあたり、アビドスの連中ではまともだが)
バージル「朝から、騒がしい奴だ」
バージル「とりあえずアビドス高校へ行くか」
〜アビドス学校部室〜
バージル「……誰かいるか?」
と部室前の扉を開ける
ノノミ「あ、こんにちは先生~」
ホシノ「うへぇ~こんちは先生ぇ~」
バージル「あぁ……貴様ら二人だけか?」
ノノミ「はい。今日は自由登校日ですから。みんなも来るのはバラバラだと思いますよ〜」
バージル「ふむ。……それで、黒見は登校せずバイトに向かっていたのか」
ノノミ「え、セリカちゃんバイトしてたんですか!?」
バージル「さぁな、本人はそう述べていたが」
ホシノ「うへぇ~、ならバイト先までみんなで凸っちゃおうかな?」
ノノミ「いいですね、セリカちゃんのバイト姿見てみたいです」
バージル「……バイト先知っているのか?」
ホシノ・ノノミ「しらないよぉ~」「しらないですぅ~」
バージル「………」
バージルの表情に変化はないが眉間に僅かな皺を寄せ、呆れた表情をしているとホシノが「ピン」ときたような表情を浮かべ、口を開く。
ホシノ「あ、でもセリカちゃんのやりそうなバイトに心当たりがあるなぁ」
………
……
…
セリカ「いらっしゃいませ!柴関ラーメンで……」
『ドドン!』という効果音とともに、手を腰に当てて胸を張り、堂々と登場する
ホシノ、ノノミ、シロコ
その背後では、アヤネが苦笑いを浮かべ、バージルは眉間に指を当てて、これ以上ないほど呆れた様子を見せていた
セリカ「なっ、なんであんたらがここに……」
バージル「……」
セリカがこちらに気づいた瞬間、ピクリと肩を揺らし、一歩後ずさると
セリカ「ま、まさか先生........ストーカー」
と思わず距離を取るようにして、引き気味にそう言い放った。
バージル「……は?」
バージルの声は低く抑えられていたが、その一言には明らかな苛立ちが滲んでいた。
ホシノ「うへー、先生は悪くないよー」
ホシノ「セリカちゃんのバイト先といえば、ここしかないじゃん。だから来てみたの」
セリカ「ホシノ先輩……」
柴大将「おや、アビドスの生徒さんと......」
と柴大将がバージルの方に視線を向ける
バージルはその意図を察する
バージル「シャーレの先生だ」
柴大将「おぉ、シャーレの先生だったか、セリカちゃん、おしゃべりはそれくらいにして、注文受けてくれな」
セリカ「あ、うう……はい、大将。そ、それでは、広い席に案内します……こちらへどうぞ……」
ノノミ「いやぁー、セリカちゃんってユニフォームでバイト決めちゃうタイプ?」
セリカ「ち、ち、ち、違うって!関係ないし!こ、ここは行きつけのお店だったし……」
ホシノ「バイト姿のセリカちゃん、写真撮っとけば一儲けできそうだねー。どう?」
アヤネ「変な副業はやめてください。先輩……」
シロコ「バイトはいつから始めたの?」
セリカ「い、一週間ぐらい前から……」
ノノミ「そうだったんですね☆時々姿を消していたのは、バイトだったということですか!」
セリカ「も、もういいでしょ!注文はっ!?」
ホシノ「『ご注文はお決まりですか』でしょー?セリカーちゃーん、お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃー?」
セリカ「ご、ご注文は、お決まりですか……」
ノノミ「私はチャーシュー麵をお願いします!」
シロコ「私は塩」
アヤネ「えっと…私は味噌で…」
ホシノ「私はねー、特性味噌ラーメン!炙りチャーシュートッピングで!」
ホシノ「先生も遠慮しないで、じゃんじゃんたのんでねー。この店、めちゃくちゃおいしいんだよー!アビドス名物、柴咲ラーメン」
バージル「ラーメン、か……初めて食べる。何が定番だ?」
ノノミ「え、そうなんですかチャーシュー麵がおすすめですよ」
シロコ「塩を選ぶべき」
ホシノ「うへ、味噌がいいんじゃない」
バージル「………貴様らの好みを押し付けられても、判断のしようがない」
セリカ「…ラーメン初めてなら、王道の醤油じゃない?」
バージル「そうか。では、醤油を頼む」
バージルたちの注文がひと通り終わったあと、セリカが口を開いた。
セリカ「……ところで、みんなお金は大丈夫なの?もしかして、またノノミ先輩に奢ってもらうつもり?」
ノノミ「はい。私はそれでも大丈夫ですよ☆」
ホシノ「いやいや、またご馳走になるわけにはいかないよー。ここは大人の先生がおごってくれるはず。だよね、先生?」
バージル「……いいだろう」
ホシノ「やったー。ありがとう、先生」
初めて食べたラーメンは、麺とスープの風味、具材の食感と香りが複雑に絡み合って、「美味かった」のこと。
その後、バージルは『大人のカード』で会計を済ませると、みんなは満足そうに店を出ていく。
ホシノ「いやぁー!ゴチでしたー、先生!」
ノノミ「ご馳走様でした」
シロコ「うん、お陰様でお腹いっぱい」
アヤネ「ありがとうございます。先生」
バージル「……別に構わん」
セリカ「早く出てって!二度と来ないで!仕事の邪魔だから!」
アヤネ「あ、あはは……セリカちゃん、また明日ね……」
セリカ「ホント嫌い!みんな死んじゃえー!!」
………
……
…
その後、対策委員会はなかなか帰ってこないセリカを心配して探していた
アヤネ「ど、どうでしたか?」
ホシノ「うへ、ごめん見つからなかった」
アヤネ「そんな、どうしましょう」
あらかた手は尽くした。だが、セリカの姿はなかったな
その状況下でバージルはシッテムの箱を起動し、アロナに話しかけた
バージル「……なぁ、アロナ」
アロナ「はい、なんですか?、先生」
バージル「黒見セリカが行方不明だ、どうにかできないか」
アロナ「え、あっ、はい、わかりました……。今からセントラルネットワークにアクセスしてセリカさんの端末の位置を追ってみます。ただ……連邦生徒会から始末書、反省文を求められるかもしれません……」」
バージル「構わん」
アロナ「……わかりました!」
……
アロナ「特定できました」
バージル「礼を言っておく」
バージル「…今、セントラルネットワークにアクセスして黒見セリカの居場所を特定した」
アヤネ「セントラルネットワークに。……先生、そんな権限までお持ちなのですね」
バージル「……バレれば始末書だ。だが、状況が状況だ。気にしてはいられん」
アヤネ「先生……」
バージル「黒見セリカの端末の最後の位置反応。ここで途絶えたようだ」
ノノミ「ここは……砂漠化が進んでいる以外地の端の方でうね?」
シロコ「住民もいないし、廃墟になったエリア……治安が維持できなくて、チンピラばかりが集まってる場所だね」
アヤネ「このエリア、以前危険要素の分析をした際にカタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認できた場所です」
アヤネ「ということはカタカタヘルメット団の仕業…」
シロコ「ん、人質、ってこと」
ノノミ「考えても仕方がないです!助けにいきましょう!」
シロコ「うん、もちろん」
ホシノ「よっしゃー、そんじゃいってみよー!」
……
…
─セリカ視点─
振動で目を覚ますセリカ
セリカ「う、うーん……」
セリカ「ここは……トラックの、荷台……?」
セリカ「私、さらわれた!?ヘルメット団め……どこに連れていくつもりなの……」
暗い荷台の中から隙間を除き、今どこにいるか確認するため。隙間に近づきそっと覗いてみる。
セリカ「……砂漠に……線路!?そんな!まさかここって、アビドス郊外の砂漠!?」
セリカ「どうしよう、みんな心配してるだろうな……」
セリカ「私も愛想つかして街を去ったって思われるんだろうな……。
みんなに酷いこと言っちゃたし……。
裏切ったって思われるかな……。
誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて……。
そんなの……ヤダよ……」
セリカの瞳から涙が零れ落ちたその時。
ドカーーーーン!!!!
と、大きな音と共にトラックが大きく揺れた。
セリカ「う、うわあ!な、なにっ!?」
突然の衝撃に驚いていると、荷台の扉が開いてシロコが現れた。
シロコの横にはアヤネのドローンが飛んでおり、そこから彼女の声が聞こえた。
アヤネ『セリカちゃん発見しました!』
シロコ「ん、半泣きのセリカを無事確認した!」
ホシノ「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いていただと!?
そんなに寂しかったの?
ママが悪かったわ、ごめんねー!!」
セリカ「う、うわああ!うるさいうるさい!泣いてなんかないわよ!」
シロコ「嘘!この目でしっかりと見た!」
ノノミ「泣かないでください!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」
セリカ「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!!黙れー!」
外からホシノとノノミの声も聞こえて慌てて袖で目元をこすって強がるセリカに、シロコの通信機器越しにバージルの声が聞こえる。
バージル『ふん……相も変わらず騒がしいな、貴様らは』
セリカ「な、なんで先生まで!?」
バージル『……今は感動に浸っている場合か?』
シロコ「ん、先生の言う通り、まだここは敵陣のど真ん中だから」
ホシノ「だねー」
アヤネ『前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!!』
ホシノ「敵ながらあっぱれ…それじゃー、せっかくだから包囲網を突破して帰りますかねー。」
ホシノ「それじゃあ、行こうか?」
ここから、アビドス対策委員会の反撃が始まり、
ヘルメット団の団員は瞬く間に撃退されていった。
しかし、問題はここからだった。
そのとき、大きな轟音とともに
大型の巡航戦車が姿を現した。
シロコたちは即座に状況を判断し、戦車の攻撃を回避しながら反撃を加える。
だが、彼女たちの銃器では、車体の装甲をわずかにへこませるのが精一杯だった。
バージル「…やはり、重火器では、装甲を貫くのは難しいか、
ならあの時(プロローグ参照)と同じように――……いや、ここは」
いつもなら自ら前線に立って戦闘を終わらせようとするところだったが、バージルはとある作戦が浮かんだ
バージル「……貴様ら、戦闘をやめろ。作戦がある」
「「「「「先生?」」」」」
シロコたちは戦闘をやめ、身を隠しながら通信越しにバージルの作戦に耳を傾けた
……
バージル「…といった作戦だ」
シロコ「ん、いいと思う」
ノノミ「はい、それでいきましょう」
アヤネ『支援は任せてください』
ホシノ「頼んだよ、セリカちゃん」
セリカ「うん、やってみる」
アヤネ『準備ができました各自行動を開始してください』
そうアヤネが告げた瞬間、隠れていたシロコとホシノ、ノノミは一斉に飛び出した
ヘルメット団A『逃がすか!』
そう言い放ち、戦車が一斉に逃げたシロコたちを追いかけていくのを確認すると、セリカは近くの高層ビルへ向かって走り出した。
………
その後、一斉に退却したシロコたちは、一か所に集まり身を寄せ合った
ヘルメット団B『鬼ごっこは終わりか?観念するんだな!』
高笑いを上げるカタカタヘルメット団たち
セリカ「10、9、8……」
ヘルメット団の戦車の後方――その射線が通る高層ビルの中で、
セリカはライフルのスコープを覗きながら、静かにカウントを始める。
セリカ「7、6、5、4……」
カウントが0に近づく頃、アヤネのドローンがタイミングよく飛来してくる。
セリカ「3、2、1――」
そして、つかんでいたボックスを手放し――
それが戦車の頭上へと落ちてきた、その瞬間。
バージル(……ここで、
バージル「
そのセリフと同時に、セリカのライフルから放たれた銃弾が、空中のボックスを撃ち抜いた。
次の瞬間、ボックスはまばゆい光を放ちながら爆発。
轟音とともに、大きな爆炎が戦車を包み込んだ――
ヘルメット団「撤収~!」
倒れた戦車の中から、真っ黒に汚れた幹部が這い上がってきて声が響いた。
それを合図に、ヘルメット団たちは散り散りに逃げていった。
セリカ「ふん、私を誘拐したこと後悔しなさいよね!」
ビルの陰から状況を見下ろしていたセリカは、得意げな笑みを浮かべてそう言い放った。
シロコたちはバージルとアヤネの元へと戻ってきていた。
ノノミ「先生、お疲れ様です」
ホシノ「いやぁー、先生は偉大だねー」
バージル「……ふっ」
ほんのわずかに、口元を緩めるバージル
ちょうどそのとき、セリカが戻ってきた。
バージル「……泣いていたそうだな」
セリカ「う、うるさいわね!泣いてなんかないし、別に助けがなくたって、自力で脱出できてたし、ヘルメット団だって私だけで……。でも、その……助けてくれてありがとう、先生!」
バージル「……あぁ」
セリカにお礼を言われたバージルは、いつも通り冷徹な態度を崩さなかったが──その口元は、わずかに緩んでいた。
ホシノ「おう、セリカちゃんがデレた」
セリカ「違っ、違うわよ!」
ホシノ「もう素直じゃないな~」
セリカ「うるさーい!!」
アビドス砂漠に笑い声とセリカの叫びが響いていった。
[misson02 〜黒猫の平凡?な一日~end]
小説の内容は、ブルアカの原作とアニメを混ぜて構成しています。
....ブルアカアニメ 第二期やらないかなぁ
Netflix版のデビルメイクライ。シーズン2もいつ放送されるかわからないけど楽しみだなぁ
というか、今さら感がすごい。
今さら語るにはちょっと遅かったかなって気もする。