悪魔と青春の記録   作:黒凪カズキ

41 / 41
今話は次話への繋ぎとなるため、普段より短めとなっています。
その代わり、次話は2~3日後を目安に投稿する予定です。


あまねく奇跡の始発点 エピローグ

――ミシッ。

 

骨が軋むような音とともに、バージルの意識が浮かび上がる。

 

バージル「……っ」

 

バージルの全身に激痛が響く。 悪魔の肉体ですら耐え切れぬほどの衝撃だった。全身の骨格や内臓にまで深刻な損傷が及んでいた。

 

指先一つ動かそうとしても、身体はまるで応えなかった。

 

ゆっくりと瞼を開く。

視界に真っ先に飛び込んできたのは、どこまでも青く広がるキヴォトスの空だった。

 

バージル「……さすがに無茶だったか」

 

口元から血が零れる。

 

無理に身体を起こそうとするも、身体中に鋭い痛みが走った。肋骨は折れ、両腕も両脚もまともに力が入らない。

全身が悲鳴を上げ、まともに動かせる部位など残っていなかった。

 

そのすぐ傍には、シッテムの箱が転がっていた。激しい衝撃に見舞われたにもかかわらず、目立った損傷は見られない。

 

アロナ「う、うぅ……先生ぇ……!」

 

バージル「……なんだ、アロナ」

 

アロナ「なんだじゃありません! 先生が箱舟の爆発に巻き込まれてから、どれだけ心配したと思ってるんですか!」

「少しでも衝撃を和らげられるように必死だったんですから!」

 

バージル「なるほど……これでも軽減された方か」

「この程度で骨が折れるとはな」

 

アロナ「骨が折れる程度で済んだ話じゃありません!!」

「今、リンさんたちが先生のところへ向かっています!」

「もう大人しく介護されてください!」

 

バージル「……ちっ」

 

アロナ「舌打ちしても駄目です!」

 

リンたちは満身創痍のバージルを発見すると、半ば強引に肩を貸し、そのまま医療施設へ搬送した。

 

全身複雑骨折という重傷を負っていた。だが、悪魔の血による驚異的な再生能力により、バージルはわずか一週間足らずで再び戦闘が可能なまでに回復した。

 

当初こそリンたちも驚きを隠せなかったが、今となっては、バージルの常識外れの回復力にもすっかり慣れていた。

 

この一週間、連邦生徒会はやるべきことに追われていた。

虚構のサンクトゥムタワーとその守護者によって被害を受けたD.U.都市の復旧、そしてサンクトゥムタワーの再建。

 

また、箱舟崩壊時にバージルとは別の落下反応が確認された人物――プレナパテス、すなわち別時間軸のダンテの捜索も進められていた。

しかし、箱舟崩壊以降、彼の姿が確認されることはなかった。

 

アトラ・ハシースからキヴォトスへ帰還して、一週間後――

 

~シャーレ執務室・深夜~

 

バージル「……手掛かりなしか」

 

アロナ「はい。あれ以降、『プレナパテス』の捜索を続けていますが、有力な情報は一切ありません」

 

バージル自身も別時間軸のダンテの行方を追っていた。だが、こちらも手掛かりは何一つ得られていなかった。

 

また、別時間軸のシロコも、一度こちらのシロコと顔を合わせた後、そのまま消息を絶っていた。

 

バージル「ふん……放っておけ。あの愚弟のことだ」

「そのうち別時間軸のシロコを連れて、自分から顔を出す」

「何故キヴォトスを滅ぼそうとしたのか――その全てを話しに来るはずだ」

 

アロナ「そうなのでしょうか……?」

 

バージル「……あいつは、理由もなくそんなことをする男ではない」

 

その時だった。アロナの表情が一変する。

 

アロナ「……っ!」

 

バージル「どうした、アロナ」

 

アロナ「シャーレのセキュリティゲートに反応です!」

「登録されていないIDが、正面ゲートを通過しました!」

 

バージル「……」

 

その言葉を聞いたバージルは、僅かに口角を上げ、静かに席を立った。

 

バージル「通せ」

 

アロナ「……え?」

 

バージル「……問題ない。あの愚弟なら、来ると思っていた」

 

扉の向こうから、ゆっくりと足音が近づいてくる。やがて執務室の扉が開いた。

 

そこに立っていたのは――別時間軸のダンテだった。

 




次話から数話は、完全オリジナル展開となっています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ブルーアーカイブ~Wish of Blue Devil~(作者:ロキシード)(原作:ブルーアーカイブ)

バージルがキヴォトスで先生やります。ダンテもいるよ!▼DMC5の完結後、魔界に残るダンテとバージル。人間界に戻ろうとしないバージルにダンテは説得を試みるが、バージルはダンテの言葉に対しある"願い"を抱いてしまう。▼彼の願いに呼応したのか、突如空間に現れた裂け目。その向こうは、魔界でも人間界でもない、別の世界だった。▼※ブルーアーカイブ最終…


総合評価:230/評価:7.7/連載:16話/更新日時:2026年08月03日(月) 07:00 小説情報

シャーレのレオン・S・ケネディ先生(作者:マルチ投稿?できらああ!!)(原作:ブルーアーカイブ)

*本小説はバイオハザードレクイエムの重大なネタバレを含みます▼ていうかRE4のネタバレも含みます▼バイオハザードレクイエムの主人公の一人。レオンが、キヴォトスに”シャーレの先生”として就任することに▼「…化物退治の専門家から先生か、人生何が起こるかわからないとはいうが…」▼「…泣けるぜ」


総合評価:1519/評価:8.54/連載:8話/更新日時:2026年07月24日(金) 15:00 小説情報

ゲヘナ学園の狼(作者:jbs)(原作:ブルーアーカイブ)

彼、三日月・オーガスは死んでしまった。▼その彼がもしも、青春を送れたら?▼彼は、どのような道を進むのか。▼という思いつきで書きましたが、内容までは考えてないのでめっちゃぐっだぐだになると思います。投稿頻度は不定期なので、投稿されること自体が少ないです。それでも良いというのなら、よろしくお願いします。▼追加▼恋愛タグを一様付けました。 でもくっつかせる気はあり…


総合評価:203/評価:6.75/連載:17話/更新日時:2026年08月04日(火) 23:06 小説情報

BlueArchive -Strive-(作者:笹の船)(原作:ブルーアーカイブ)

ブルーアーカイブ×ギルティギアストライヴ▼魔王とバイク屋の親父とその嫁がなぜかキヴォトスの先生になってしまった。▼突然のことに戸惑いながら、それでも彼らは生徒達と青春の物語を紡ぐ。▼これは生徒達だけではなく、遠い昔に失われた彼ら自身の青春。その続きの物語。▼プロローグ~原作パヴァーヌ1章相当まで終了済▼進行中:エデン条約2章▼ウルト兎さんより表紙を頂きました…


総合評価:3165/評価:8.95/連載:150話/更新日時:2026年07月04日(土) 16:29 小説情報

ブルーアーカイブ 透き通る青春よ永遠なれ(作者:Jon.Do)(原作:ブルーアーカイブ)

「へーえ、イマドキ女子のトレンドって銃だの爆弾だのでドンパチすることなんだあ……ってそんなことあってたまっかァァァァァ!?!?何処の修羅の国だよココはァァァァァ!?!?」▼銃火器が彼女達のアクセサリー、硝煙の匂いが香水も同然。そんな歪な巨大学園都市「キヴォトス」に坂田銀時は迷い込む。▼少女達の青春を濁らせる不条理な運命をぶち壊すため。笑いあり涙あり恋愛あり!…


総合評価:1239/評価:8.87/連載:66話/更新日時:2026年07月24日(金) 21:03 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>