悪魔と青春の記録   作:黒凪カズキ

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mission07 〜真実へ〜

後日、アビドス学校に向かう道中、いつもよりも遠回りして向かった

 

~事務所前~

 

情報を得てとある場所に向かうと、

目的の人物達が引っ越し作業をしているのを目撃し、声をかける

 

バージル「昨日ぶりだな便利屋」

 

ハルカ「!!」

 

アル「えっ····!?」

 

カヨコ「シャーレの····!」

 

ムツキ「あ、先生だ!来てくれたんだね!」

 

バージル「まぁな」

 

アル「な、なんで来たのよ!アビドスのことを手伝っている身でしょう!?」

 

バージル「····確かに対策委員とは協力しているが、それ以外の生徒と争うつもりはない」

 

バージル「さて本題として、今回訪れた目的は貴様ら便利屋と連絡を取れるようにしておきたくてな」

 

カヨコ「なんで、連絡先を聞こうと?」

 

バージル「····仮に今後、アビドスで事が起き、戦力を要する戦闘になった場合……」

 

カヨコ「いつでも私たちに緊急の依頼を出せるように····」

 

バージル「····察しが早くて助かる」

 

アル「······内容によって、それに見合った報酬をいただくことになるわ」

 

バージル「その場合は奮発して出そう」

 

アル「······ふふっ、うふふふっ!もちろんよ!先生、あなには色々とお世話になったし、その分の報酬は割引させてもらうわ」

 

アル「ただ今はうちが忙しくてバタバタしてるから、落ち着いてからね」

 

バージル「いいだろう」

 

そして、便利屋68の荷物を積んだトラックは、路地の向こうへと消えてしまった。それに続いてバージルはアビドス学校に向かった

 

~対策委員会・教室~

 

教室にはシロコとホシノがいて

アヤネ、セリカ、ノノミは、柴大将のお見舞いに出かけており、戻るのを待っている状態、

バージルも黙々と待っているとノノミだけが教室へ戻ってきた

 

シロコ「ん、お帰り、ノノミ」

 

ホシノ「うへぇ~、お帰りノノミちゃん」

 

シロコ「····ノノミ、大将の容態は?」

 

ノノミ「····大将は身体の方は無事だったそうです」

 

バージル(身体の方は、か)

 

ノノミ「····ただ、それとは別に色々とあるそうでして、みんなが集まったら、あらためてそのあたりのお話を聞いてみましょう」

 

他に何かあるのか、残りのアヤネとセリカを待っていると二人が慌てて帰ってきた

 

セリカ「先輩たち、大変!!これ見て!」

 

アヤネ「アビドス自治区の関係書類を持ってきました!これを······」

 

アヤネがそういつ同時に一枚の地図を広げた

 

アヤネ「直近までの取引が記録されてる、アビドス自治区の土地の台帳····『地籍図』と呼ばれるものです。」

 

ノノミ「土地の所有者を確認できる書類、ということですか····?」

 

ノノミ「でも書類なんて見なくても、アビドスの土地は当然アビドス高校の所有で····」

 

アヤネ「現在の所有者は····カイザーコンストラクション····そう書かれています」

 

ホシノ・ノノミ・シロコ「······!!」「そんな······!?」「······っ!?」

 

ノノミ「カイザーコンストラクション······カイザーコーポレーションの系列ですか······!?」

 

ノノミ「アビドスの自治区を、カイザーコーポレーションが所有している······!?」

 

シロコ「······柴関ラーメンも?」

 

アヤネ「······はい。大将はそのことを知っていて、ずいぶん前から退去命令も出ていたとかで······」

 

アヤネ「大将は、元々もうお店を畳むことを決めていたそうです・・・・・いつかは起きるはずのことだった、と····」

 

ホシノ「どういうこと······!?」

 

ノノミ「そんな、柴関ラーメンが······」

 

アヤネ「····すでに砂漠になってしまった。本来のアビドス高校本館と、その周辺数千万坪の荒れ地」

 

アヤネ「そしてまだ砂漠化が進んでいない、市内の建物や土地まで····」

 

アヤネ「所有権がまだ渡ってないのは、今は本館として使っているこの校舎と、周辺の一部の地域だけでした······」

 

ノノミ「で、ですが、どうしてこんなことに?学校の自治区の土地を取引だなんて、

普通できるはずが······」

 

ノノミ「いったい誰が、こんなことを······」

 

ホシノ「······アビドスの生徒会、でしょ」

 

シロコ「····!」

 

ホシノ「学校の資産の議決権は、生徒会にある。それが可能なのは普通に考えて、その学校の生徒会だけ」

 

アヤネ「····はい、その通りです。取引の主体は、アビドスの前生徒会でした」

 

ノノミ「そんな······アビドスの生徒会は、もう2年前に無くなったはずでは····」

 

アヤネ「······はい、ですので、生徒会が無くなってからは、取引は行われていません」

 

ホシノ「そっか、2年前······」

 

セリカ「何をやってんのよ、その生徒会のやつらは!!」

セリカ「学校の土地を売る?それもカイザーコーポレーションなんかに!?」

セリカ「学校の主体は生徒でしょ!?どうしてそんなこと・・・・・っ!!」

 

ホシノ「······」

 

ノノミ「こんな大ごとに、ずっと私たちは気づかないまま······」

 

アヤネ「······それぞれの学校の自治区は、学校のもの。余りにも当たり前の常識です。当たり前すぎて、借金の方にばかり気を取られて、気づくことが出来ませんでした」

 

アヤネ「私が、もう少し早く気付いていたら······」

 

ホシノ「······ううん、それはアヤネちゃんが気にすることじゃないよ」

 

ホシノ「これはアヤネちゃんが入学するよりも前の······いや、対策委員会ができるよりも前のことなんだから」

 

シロコ「······ホシノ先輩、何か知ってるの?」

 

ノノミ「あ、そうです!ホシノ先輩も、アビドスの生徒会でしたよね?」

 

セリカ「え?そうだったの!?」

 

アヤネ「それに····最後の生徒会の、副会長だったと聞きました」

 

ホシノ「······うへ〜、まあそんなこともあったねえ。2年も前のことだし、そもそも私もその辺の生徒会の先輩たちとは、実際に関わりは無くってさー」

 

ホシノ「私が生徒会に入った時には、もう生徒会の人たちはほとんど辞めちゃってたから」

 

ホシノ「その時はもう在校生も二桁になってたし、教職員もいない。授業なんてものは、もうとっくの昔に途絶えてた」

 

ホシノ「生徒会室も、そうと言わなければただの倉庫にしか見えないところだったし、引継ぎ書類なんて立派なものは一枚も無かった。ちょうど砂漠化を避けようとして、学校の建物を何度も移してた時期だったってこともあってね」

 

ホシノ「そもそも最後の生徒会って言ったって、新任の生徒会長と私の二人だけだったし。」

 

ホシノ「······その生徒会長は無鉄砲で、会長なのに校内でも随一のバカで······私の方だって、嫌な性格の新入生でさ」

 

ホシノ「いや〜······何もかもめちゃくちゃだったよ」

 

セリカ「校内随一のバカが生徒会長······?何それ、どんな生徒会よ······?」

 

シロコ「成績と役回りは別だよ、セリカ」

 

アヤネ「そもそも、セリカちゃんも成績はそんなに······」

 

セリカ「わ、分かってるってば!!どうして急に私の成績の話になるわけ!?一応ツッコんでおいただけじゃん!?」

 

ホシノ「うへ〜、いやいや、正にその通りだよ。生徒会なんて肩書だけで、おバカさん二人が集まっただけだったからね」

 

ホシノ「何の間違いだか、生徒会なんかに入っちゃって······いや〜、あの時はあちこちに行ったり来たりだったねぇ」

 

ホシノ「ほんっとバカみたいに、なんにも知らないままさ······」

 

アヤネ「······」

 

セリカ「ホシノ先輩······」

 

シロコ「······ホシノ先輩が責任を感じることじゃない」

 

シロコ「昔の事情は知らないけど、実際に生徒会が解散になった後······アビドスに対策委員会ができたのは、間違いなくホシノ先輩のおかげ」

 

ホシノ「う、うん······?」

 

シロコ「······ホシノ先輩は怠け者だし、色々とはぐらかしてばっかりだけど、大事な問題には絶対に誰よりも前に立ってる」

 

アヤネ「そうです。ヘルメット団の基地を襲撃するのを提案したのもホシノ先輩でしたし······」

 

ホシノ「······うへ〜、そうだっけ?」

 

セリカ「······確かに····」

 

シロコ「ホシノ先輩は色々とダメなところもあるけど、尊敬はしてる。」

 

セリカ「それって褒め言葉なの?悪口なの······?」

 

ホシノ「ど、どうしたのシロコちゃん!?急にそんな青春っぽい台詞を······!おじさんこういう雰囲気、ちょっと苦手なんだけど!?」

 

シロコ「······や、なんとなく、言っておこうかなって思って」

 

ホシノ「え、えぇ······?」

 

ノノミ「······では、どうして前の生徒会は、カイザーコーポレーションにアビドスの土地を売ったんでしょうか?」

 

シロコ「実は裏で手を組んでたとか」

 

アヤネ「いえ······それは違うと思います」

 

ホシノ「そうだね〜。私もしっかり関わってないからただの推測だけど······ちゃんと学校のためを思って、色々と頑張ってた人たちだったんじゃないかなーって思ってる」

 

ホシノ「多分、最初は借金を返そうとして······って感じなんだろうな〜」

 

ノノミ「借金のために、土地を······」

 

アヤネ「はい、私もそう思います。当時すでに学校の借金は、かなり膨れ上がった状態でした」

 

アヤネ「ただ、それでもこのアビドスの土地に高値が付くはずもなく、少なくとも借金自体を減らすには至らなかった······」

 

ノノミ「それで、繰り返し土地を売ってしまう負の循環に······ということでしょうか。」

 

セリカ「何それ、なんかおかしくない?最初からどうしようもないっていうか······」

 

バージル「······最初から仕組まれていた可能性があるな」

 

セリカ「え、え?」

 

ホシノ「あ〜······」

 

ホシノ「なるほど、そっか。」

 

シロコ「······アビドスにお金を貸したのも、カイザーコーポレーション」

 

アヤネ「······!!」

 

ノノミ「ということは······」

 

シロコ「カイザーローンが、学校の手に負えないぐらいのお金を貸して、利子だけでも払ってもらうために土地を売るように仕向ける」

 

アヤネ「はい。きっと最初は、要らない砂漠や荒廃した土地でも売ったらと、甘言を弄したのでしょう」

 

アヤネ「どうせ砂漠と化した使い道のない土地、その提案を断る積極的な理由もなく······」

 

アヤネ「ですが、同時にそんな安値で売ったところで借金が減るわけでもなく、土地を取られる一方で······」

 

アヤネ「······アビドス自治区そのものが、ゆっくりとカイザーコーポレーションのものになる」

 

シロコ「元々、そういう計算だったかもしれない」

 

ノノミ「アビドスにお金を貸した時点で、こうなるように全てを······」

 

ホシノ「だいぶ前から計画してた罠だったかもね。それこそ、何十年も前から······」

ホシノ「それくらい、規模の大きな計画だったのかも······」

 

セリカ「なにそれ!?ただただカイザーコーポレーションのやつらに弄ばれてるだけじゃん!」

 

セリカ「生徒会のやつら、どんだけ無能なわけ!?こんな詐欺みたいなやり方に、騙されてさえいなければ····!」

  

バージル「貴様も、言えた立場ではないだろう」

 

セリカ「っ!?····分かってるわよ!ゲルマニウムのブレスレットとか買ったりするし、下手したらここの誰よりも分かってる!」

 

セリカ「でも······」

 

セリカ「悔しい、どうして······」

 

セリカ「ただでさえ苦しんでるアビドスに、どうしてこんなひどいことを······」

 

アヤネ「セリカちゃん······」

 

シロコ「······」

 

ノノミ「······」

 

ホシノ「······苦しんでる人たちって、切羽詰まりやすくなっちゃうからね〜」

 

セリカ「······え?」

 

ホシノ「切羽詰まると、人は何でもやっちゃうものなんだよ····」

 

ホシノ「ま、よくある話だけどね。ただそれだけだと思うよ、セリカちゃん」

 

アヤネ「学校の借金、このアビドスが陥ってる状況、そして私たちが先生方と一緒に見つけ出してきた幾つかの糸口」

 

アヤネ「全てが少しずつ、繋がり始めている気がします」

 

アヤネ「カイザーコーポレーションは、アビドスの生徒会が消えてしまってから土地を購入する方法が無くなり····」

 

アヤネ「まだ手に入れていない『最後の土地』であるこの学校を奪うために、ヘルメット団を雇用していた····!」

 

アヤネ「カイザーコーポレーションの狙いはお金ではなく土地だった、という結論で良いと思います!」

 

ノノミ「ですね、バッチリかと。そうなると、次の疑問が出てきますが····どうして土地なんでしょうか?」

 

ノノミ「アビドス自治区は、もうほとんどが荒れ地と砂漠、砂まみれの廃墟になっているのに····」

 

アヤネ「確かに····こんな土地を奪ったところで、何か大きな利益があるとは思いませんが····」

 

バージル「······砂漠の件で、耳にしておくべきことがある」

 

シロコ「······先生?」

 

空崎ヒナから聞いた一件を話す

 

~~~~~~~

 

ヒナ「これはまだ万魔殿も、ティーパーティーも知らない情報だけど」

 

ヒナ「······あなたには知らせておいた方が良いかもしれない」

 

ヒナ「アビドスの捨てられた砂漠······あそこで、カイザーコーポレーションが何かを企んでいる」

 

~~~~~~~

 

バージル「······っという話をしていてな」

 

ホシノ「アビドスの砂漠で····」

 

シロコ「カイザーコーポレーションが····」

 

ノノミ「何かを企んでる····?」

 

アヤネ「そ、そんなことをどうして、ゲヘナの風紀委員長が····」

 

シロコ「それに、どうして先生に····?」

 

セリカ「ああもう、そんな難しいことを考えるより、先にやることがあるでしょ!」

 

セリカ「アビドスの砂漠はうちの自治区なんだから!実際に行ってみればいいじゃん!」

 

セリカ「何が何だが分からないけど、この目で直接確かめた方が早いって!」

 

シロコ「····ん、そうだね」

 

ホシノ「····いや〜、セリカちゃん良いこと言うねえ。こんなにたくましく育ってお姉ちゃんは嬉しいよ、泣いちゃいそう。ティッシュちょうだい」

 

セリカ「な、何よこの雰囲気!?私がまともなこと言ったらおかしいわけ!?」

 

アヤネ「あ、あはは」

 

アヤネ「そんなことは······ですが、セリカちゃんの言う通りです」

 

バージル「······さて、準備が整い次第、向かうとしよう」

 

ホシノ「······何があるか分らないから先生はアヤネちゃんと一緒に留守番ねぇ~」

 

バージル「は?」

 

ノノミ「先生が危険な目合うことは避けたいです」

 

アヤネ「確かにその通りですね」

 

バージル「いらん、心配だ」

 

セリカ「いいから、先生はここで大人しくしていて」

 

バージル「····っち」

 

~廊下~

 

シロコ「····先生。」

 

シロコ「出発する前に、ちょっと時間が欲しい」

 

バージル「構わん、どうした?」

 

シロコ「······実は、相談したいことがあって。」

 

シロコについて行った。

 

~教室~

 

シロコ「····これ」

 

シロコ「······ホシノ先輩のバッグの中から見つけたの」

 

バージル「······退会、退部届····対策委員会小鳥遊ホシノ····」

 

シロコ「······ん」

 

シロコ「書かれてる通りの意味だと思う」

 

シロコ「先生以外には誰にも見せてないし、言ってもないけど・・・・・そもそもバッグを漁ったこと自体、ホシノ先輩にはバレてる気がする」

 

バージル「これをどこで······?」

 

シロコ「······ホシノ先輩があそこまで長い時間席を外すなんてこと、今までに無かった。それに、風紀委員会からあんなに追い詰められるまで、先輩が来ないなんて」

 

シロコ「それがどうしても引っかかって····先輩のバッグを漁ってみたら出てきたの」

 

シロコ「······ごめん、悪いことなのは分かってる。ホシノ先輩からはもちろん、生徒として、先生に怒られても仕方ない」

 

バージル「とりあえず、これは保留だ」

 

シロコ「······うん」

 

[misson07 対策委員会編 ~真実へ~ end]




Q「今回、バージルのセリフ少なくね?」
作者「しょうがない、力を求め続けて、コミュニケーション能力を放棄してしまったから、
つまりはバージルはコミュs」
バージル「ダァーイ」
作者「あ······」
(かっけぇのに癒しも与えてくれるバージルとかお得かよ)
 ↑本編クリア後のメインメニューの背景(?)の話
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