Dolls Nest外伝『ポロッカの秘宝』   作:ゆらNari

14 / 14
エピローグです。
もうちょっとだけ続くんじゃ!


Re El(神は再び)

ナレフカは、下層の更に下へ着地した。

 

「こんなところに繋がってたなんて……」

 

ゆっくりと周囲を見渡す。

小さく頷いた後、彼女は歩を進めることを決めた。

 

現状、マースから託されたガーディナの大隊は危機に瀕していた。

異形の死体や手付かずの倉庫から辛うじて食料などは調達できているものの、女王が居ないコロニーというのは脆い。

 

それでも、ケルシュ達を筆頭に兵達はなんとか規律を守り続けていた。

 

「……」

 

だからこそ、ナレフカは率先して資材を探しているのだ。

彼女たちがこれ以上苦しい思いをしないように、全力を尽くしていた。

 

だが、いくら意志が強くとも疲労は訪れるものだ。

 

「あ__」

 

崖際を歩いていたときに、ふっと立ち眩みがした。

そのまま足を踏み外す。

 

「しまっ__」

 

彼女は底が見えない裂け目に落下してしまった。

咄嗟にバーニアを点火するも、隆起していた鉄骨に頭を打ち、そのまま落ちてしまった。

 

朦朧とする意識の中、彼女は確信した。

ああ、こんなので死ぬんだな__と。

 

「リエル__」

 

落下する中、友人の名を呟いた。

 

 

「__ですか」

 

誰かに声を掛けられる。

もし、死んだとするならシードルだろうか?

なんとなく彼女なら、私に皮肉を言いに来そうだった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

その呼び声で、意識が覚醒した。

鎧殻の異常が幾つも通知され、頭が重かった。

 

「……どうなってるの」

 

「良かった、空から降ってきた時は、ほんとにびっくりしたんですから!」

 

彼女は大袈裟に両手を振った。

 

「そうだ……足を滑らして……でもどうして?」

 

ナレフカは空を見上げる。

天井は果てしなく、地上の光すら届いていないようだった。

 

「色んなケーブルに絡まって落ちてきたんですよ!運が良いですね!」

 

ナレフカは身体を起こす。

どうやら彼女は修復剤まで注入してくれたようだった。

 

「ここは、どこなんだ?」

 

「下層より下の、吹き溜まりです!色んなものが集まるから、ヨヨはここで生計を立てているんです!」

 

誇らしげに答える彼女に手を差し出す。

 

「ありがとう、ヨヨ。あなたは一人で暮らしているの?」

 

彼女は首を振った。

 

「戦士様のコロニーで暮らしています!すっごく良いところなんですよ、寝るとこは綺麗ですし、ギリーベルさんは頼もしくて」

 

やや熱のこもった口調で話す彼女は、何かを思い出す。

 

「あっ、ヨヨにも妹が出来たんですよ!」

 

「そう……なんだ」

 

会話が一方通行で、説明不足もいいとこだった。

だが彼女が言うには、戦士様のコロニーには女王が居るようだった。

周囲には異形の気配も無いことから、ナレフカに一つの考えがよぎった。

 

「良かったら、案内してくれないかしら?私たちもコロニーがあるのだけれど、女王が居なくて途方に暮れていたの」

 

ヨヨは目を瞬かせる。

 

「……はいっ!」

 

しばし考えた後、彼女は頷いた。

 

「ありがとう、この恩は忘れないわ」

 

にこやかに微笑み、感謝を告げる。

それと同時に、少し不安でもあった。自分たちが受け入れて貰えるかどうか。

ひいては、あまりにもあっさり連れて行ってくれる事にも、少し疑問が残った。

 

「大袈裟ですよ!」

 

ナレフカはヨヨと共に薄暗い吹き溜まりを進んで行く。

異形は驚く程少なく、ヨヨが話す説明不足の身内話を聞きながら進んでいた。

 

「この先です!」

 

彼女がそう言うと、大型の昇降機のレバーを動かした。

デザインや様式が周囲と違う事から、どうやら新造されたもののようだった。

 

「ここが私達のコロニーですよ、あそこにヤシカさんとムシカさんが暮らしていて__」

 

彼女は少し興奮気味に、昇降機越しに見える街並みを指差していた。

背の低いブロック状の家屋が並ぶ集落。

その中心部には白く輝く樹が、女王が生えていた。

 

「女王は、私達を受け入れてくれるかしら」

 

ナレフカは不安げに呟く。

最下層にあるコロニーなど聞いたことが無い。

それがもしあるとするのならば、根の国、アーヴドなどといった伝説の文明に他ならなかったからだ。

 

「はいっ!大丈夫ですよ!!」

 

ヨヨはいつになく自信満々に答えた。

 

昇降機が降り切り、市街に足を踏み込む。

 

「おかえり、ヨヨちゃん」

 

「おねーちゃん、遅いよ!!」

 

「あれ、その人だれ?」

 

何人もの幼精たちが、二人の元に集まって来た。その子達の一部は、何処か見覚えのある姿をしていた。

 

「まさか__」

 

ナレフカは、ヨヨと共に女王の元に近付いた。

 

「戦士様、戻りました!新しいお友達も見つけたんですよ!」

 

彼女がそう言うと、女王は身体を震わせ、声を発した。

 

「久しぶり、ナレフカ」

 

それは、懐かしい友の声だった。

 

__ポロッカの秘宝-完-




これにて-DollsNest外伝 『ポロッカの秘宝』-
完結となりました。

いかがだったでしょうか?
DollsNest界隈の二次創作が!少ねぇ!!を切っ掛けに始まった本作ですが、僕と同じようにDollsNest二次創作に飢えている人や本作に少し興味がある人への一助になれたなら幸いです。
ちょっとぶっ飛んだ設定を加えすぎたかとも思いましたが()

高評価、コメント等すごく励みになりました。

今後は未定ですが何か思い付いたらまた書きたいなと思っていますので、その時は何卒よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。