ある者にとっては訃報、ある者にとっては朗報、ある者にとっては覚悟表明。
ジオン公国公王デギン・ソド・ザビの愛息、ザビ家末弟ガルマ・ザビの戦死は宇宙中の話題をさらった。
早すぎる死を悼むようなしめやかさはそこには無く、真逆、豪奢な国葬はギレン・ザビによるジオン公国国民の戦意高揚、士気高揚の決起集会と化したのだった。
翌日のU.C.0079年10月7日、ジオン公国宣伝省にて。
さんさんとした光が降り込んでいる
映画スタジオ、スペースフィルム社長ルカは出社後すぐ呼び出され、渡航船を乗り継ぎ、車を走らせ、省内を走り次席次官室に来た次第である。
呼び出しから2時間と少し後、現在11時28分。
(いつもなら1時間30分でこれる距離ッ! 今までの
ルカの脳内は最悪な未来をいかに回避するかをどうにか導き出そうとする。
それもそのはず、彼は会社の社長ということになってはいるが、七光りというところが近い。
スペースノイド排斥の中で犠牲になった親戚の空になったポストに戦場に出たくない一心で猛アピール、おべっか、その他諸々……、どうにか座った次第である。
そのため、官公庁とのお付き合いを壊したら“おしまい”なのである。
「先日……」
重苦しい室内、静謐な空間で次席次官が口火を切った。
ルカは、脳内そろばんをはじくのをやめる。
「先日ガルマザビ様が夭折なされたのしっていると思いますが」
「は……はい」
「我々はこのことを非常にまずいと考えています」
「な」
「なぜか……。それはガルマ様は地球連邦の
「ガルマ様は勇猛果敢な突貫を見せ、勇ましい様を見せ果てたのではないんですか?」
「確かにそう、そうなんですが討った敵はMSを運用していた」
「は……はぁ……」
「我々が我々のみが運用していたMSを敵も使い、あまつさえジオンは若い雄を失った……。一夜にして! 一夜にして……我々のアイデンティティは二つも消失!! ジオン戦意低下は免れないのは必至!」
「た……確かに」
「いままでの戦意高揚モノとはわけが違います。ジオン狂信を産むレベルのエスイストグートなものを宣伝省は望みます」
(えぇ……)
「できますね? 期待していますよ」
中身のA4サイズの企画書が大量に入っているのか、はち切れそうになっている。
げんに次席次官は両手で取り出し、置く時も鈍い音を出していた。
(できる、できないでなくやる一択でしょうよ……この流れ)
「ヤ……ヤイン」
恐る恐るそれを手に取る。
「ノイン?」
「ヤー!!!」
U.C.0079年10月7日11時47分、ここに悪魔撃滅三勇機の制作が決定した。
食わず嫌いしていたシン・ガンダム(ジークアックスのこと)を映画館でみて、創作意欲がわきました。