もしも空桜メンバーがポケモンの世界にやって来たら 作:時長凜祢@二次創作主力垢
しかし、その前に彼女は側にいたヒットマンに、あるものを託すのだった。
※ここから主人公視点メインとなります
ポケモンの世界で過ごすなら
自身のゲームのデータを引き継ぎ、まさかのポケモン世界への転移を果たした上、アルセウスの手によりポケモンの言葉がわかってしまう謎体質を与えられてしまったわたしは、ある程度落ち着きを取り戻すため、リボーンと一緒にワイルドエリアに座り込んでいた。
現在の天気は晴天。自分たちがいる場所がワイルドエリアの中で1番の危険地帯とされるげきりんの湖辺りであることはスマホロトムのマップで把握できている。
普通のトレーナーであれば、入場すら不可能なレベル帯。だけど、わたしの手持ちとなっている子たちには大した障害ではない。
だけど、リボーンは違う。彼は、ポケモンと言う存在がわたしたちがいた世界の動物とは全く違う力を持っていることを把握しきれていない。
火を吐くことも、水を吐くことも、雷を放ってくることだってある。
何よりはかいこうせんと呼ばれるとんでも火力の攻撃すら簡単にやってのける子たちばかりだ。
そんな子たちが闊歩する世界を、ポケモンを持たないリボーンを連れまわせるかと言ったら微妙なところである。
だってリボーン、対人戦は得意だし、きっと、普通の動物の狩猟だって軽々やってのけると思うけど、人間であることに変わりない。
つまり、モンスターと呼ばれる動物とは全く違う生き物・・・・・・さらに言うと、普通に殺傷力が強い力を持ち合わせているような存在がうろついている世界では、かなり厳しいことになるだろう。
だってポケモンは普通の生き物とは違って頑丈だし、怒らせたら手がつけられないからね。
となると、リボーンにもポケモンを持たせることが得策なわけだが・・・・・・。
「桜奈?移動しねーのか?」
「ん?ってもう普通にギャロップに乗ってんだけどこの人。」
『主の友人は我々を恐れないのだな。乗ってもいいか聞かれたため、承諾をしたらこの通りだ。
ポケモンを持たないヒトであるにも関わらずこれとは・・・・・・少しばかり私も驚いてしまった。』
「そりゃ驚くよ・・・・・・わたしだって驚いてるもん。」
『はは。言えているな。』
なんてことを考えていると、リボーンが既にギャロップにライドオンしていた。
あまりにもあっさりと乗ってるため呆気に取られていたが、ギャロップ自身もかなり驚いたようだ。
「一応、メラメラと鬣が燃えてるのに、ビビってる様子が全くない。」
「CHAOSだな。この程度のことでビビってちゃヒットマンなんかやってられねーぞ。
まぁ、確かに最初は熱くねーのかと思ったりしたが、触ってみたらむしろちょうどいいくらいの温度だったからな。
それに、服が触れたにも関わらず、布が燃えることもなかった。まぁ、炎であることに変わりはねーと思うが、問題はなかったな。」
“まぁ、わたしが燃やさないでねってお願いしたことも関係あるんだけど”・・・・・・と言う一瞬の思考をすぐになくし、わたしはスマホにあるポケモンボックスのアプリを開く。
剣盾の前の世代までは、ポケモンセンターでしかポケモンボックスを開けなかったが、なぜか剣盾以降はポケモンの項目でボックス操作ができたんだよね。
一体どうやって入れ替えているのかわからないが、普通にこの世界でもそのスタイルでポケモンを入れ替えることができる状態になってるみたいだし、これなら・・・・・・
そう思ってその場でボックスを整理すると、目を覚ました時から持ち歩いていたバッグに重さが加わった。
同時に、腰についていたモンスターボールが一つ姿を消す。本当に意味がわからない・・・・・・と思いながらも、わたしはバッグの中から比重が増えた原因を取り出した。
「桜奈?そんなデカいタマゴ、どこに隠してたんだ?」
すると、リボーンが驚いたような声音で荷物から出て来たもの・・・・・・タマゴに関して言及して来た。
すぐにわたしはタマゴを抱え込み、リボーンの方に視線を向ける。
「ポケモンの世界では、基本的に手持ちは6体までしか手にすることができないんだけど、ポケモンボックスを使えば沢山のポケモンを持ち歩くことができるんだよ。
このタマゴもポケモンボックスの中に入っていたもので、一緒に歩けばポケモンが生まれる。
ポケモンボックスと手持ちの入れ替わりのメカニズムは少しわからないけど、可能性としてあげるなら、わたしの場合パルキアの影響かもしれないね。
あの子は空間を司るから、もしかしたらその加護みたいなのがあるのかも。」
とりあえず、今上げることができる仮説を口にしながら、わたしは手にしていたタマゴをリボーンに渡す。
わたしからタマゴを差し出されたリボーンは、その場で首を傾げた。
「・・・・・・何でオレに手渡した?」
「ん?そのタマゴから生まれてくる子をリボーンのポケモンにするから。モンスターボールもあるし、この世界では鋭い爪も、鋭い牙も、一撃で蹴り殺せるような脚力も持ち合わせていない人間は危ない。
ポケモンは炎を吐いて来たり、雷を落として来たり、吹雪を吹かせることだってできる。
オマケに、わたしたちがよく知る動物のように、弾丸一発で命を奪えるような脆さはポケモンにない。
つまり、いくら凄腕のヒットマンであろうとも、この世界では等しく弱い生き物なんだよ。
小さいポケモンですら、一撃で建物を倒壊させることができる力を持ち合わせているこからね。
だから、この世界ではこの世界の理で過ごすことが先決なんだ。」
「そんなにやべーのか、この世界は?」
「うん。だから、リボーンの身を守るためにも、ポケモンは持ち合わせた方がいい。
今回、リボーンに渡したのは、育て上げたらリボーンにぴったりの子に成長する子だし、試しに親になってみて。
きっと、育てることに楽しさを見出せるし、何より、リボーンが育て上げたポケモンをわたしが見てみたい。」
“いいでしょ?”と首を傾げながらリボーンに告げれば、彼は何度か瞬きを繰り返したのち、口元に笑みを浮かべる。
そして、手元にあるポケモンのタマゴを見ては、楽しげな様子を見せた。
「そう言うことなら、キッチリとこいつの面倒を見てやるさ。どんなポケモンが生まれるか、楽しみだな。」
「きっと、最終進化まで行ったらリボーンも気に入ると思うよ。最初のうちは手がかかるかもしれないけどね。」
「ほう?それはますます楽しみだな。桜奈の成長にはあいつらのせいで関わるのがかなり後になったが、ディーノを立派なマフィアのボスに育て上げた業績もある。育てるなら徹底的に育て上げてみせるさ。」
「うん。是非そうしてほしいな。」
楽しげな様子のリボーンに笑顔を返し、わたしは自分の手持ちを整理する。
タマゴはリボーンに譲渡したことになったからか、手持ちのポケモンはしっかりと6体にすることができた。
「じゃあ、他にも飛ばされて来た子もいるって話だし、早速探しに行こうか。」
「そうだな。桜奈。お前は後ろに座ってオレの腰に抱きついとけ。タマゴを抱えている状態じゃ、流石に桜奈を前に座らせることができねーからな。」
「うん。わかった。あ、一応孵化装置が荷物に入ってるみたいだけど、使う?」
「・・・・・・お前のそのバッグは異空間にでも繋がってんのか?」
「うーん・・・・・・わかんない。」
「そうか。わかんないか。」
リボーンのツッコミは最もだと思いながらも、バックの中から孵化装置を取り出す。
うん。本当になんでこのバックから明らかに入らなさそうなでっかい孵化装置が出てくるんだろうね?
これもパルキアの仕業だったりするの?ポケモンの世界って無限収納できるバッグでも開発されてんの?
「はい。」
「・・・・・・CHAOSだな。明らかに入らねーサイズだろ。どうなってやがるんだそのバッグは。」
「わかんない。」
「わかんないなら仕方ねーな。」
とりあえず孵化装置を取り出してリボーンに手渡せば、彼は孵化装置の仕組みをしっかりと確かめた上で、タマゴをその中に入れた。
そして、孵化装置についているボタンを操作して、装置の内部を温め始める。
「桜奈。こい。」
「うん。」
しっかりと孵化装置が機能してるのを見て、リボーンは小さく頷いた後、器用にギャロップの上で姿勢を変え、わたしの方に手を伸ばす。
すかさずリボーンの手に自身の手を重ねれば、彼は軽々と片手だけでわたしを持ち上げ、自身が座っているギャロップの背中に、わたしのことを座らせた。
「落ちねーようにしっかりと跨がれよ。思った以上にギャロップの背中は幅が広いみてーだから、前に教えた、デカい馬に乗る時の方法を使え。
桜奈は体が柔らかいから、骨盤に負担はそこまでかからねーだろうが、長時間の移動になれば、例え柔らかくても痛みが発生する可能性もある。ところどころ休憩しながら移動するぞ。」
「わかった。」
リボーンから丁寧に手解きを受けながら、ギャロップの背中に跨がれば、彼も姿勢を乗馬のものへと戻す。
ギャロップに乗って移動することは確定していたため、なぜか荷物の中に入っていたポケモンライド用の鞍と手綱はキッチリとギャロップに取り付けていたため、安全性は抜群だ。
「ギャロップ。重たくない?」
『これくらいは問題ないぞ、主。安心して跨っていてくれ。主の友人にもそう伝えてもらえるだろうか?』
「・・・・・・リボーン。ギャロップからの伝言。安心して跨っていてくれだってさ。」
「そうか。じゃあ、移動は頼んだぞ、ギャロップ。」
リボーンから穏やかな声音で頼まれたギャロップは、肯定するように鳴き声を漏らし、力強く地面を蹴り上げる。
オヤブン個体と言う巨大さも相まって、地面を蹴り上げる時の音がかなりの重低音な気がするが、気にしない方がいいのだろうか。
「わたしたちが今いるのは『げきりんの湖』と呼ばれるワイルドエリア一の危険地帯みたいなんだ。
もし、ここにみんながいるとしたら、本当に命が危ない。なんせ、ここはワイルドエリアで生きる中で強い力を会得したポケモンばかりが生息してる場所だからね。
トレーナーカードを見るに、わたしは知ってる地方のジムバッジを全て集めてるトレーナーで、このガラル地方のジムチャレンジにも参加したことがある存在・・・・・・なおかつ、ジムチャレンジの終極点、リーグにも参加したトレーナーになってる。
まぁ、結局チャンピオンに挑んだところで敗北しちゃったみたいだけど、このガラル地方では、チャンピオンに挑むところまで行くことはなかなか難易度が高いんだよ。
だから、ワイルドエリア一の危険地帯にいても問題はなかったみたいだね。
つまり、念のため周りを確かめに歩いたリボーンはかなり命の綱渡をしていたことになる。
本職のこともあり、気配の消し方は得意だから、安全に歩けただけでね。」
「・・・・・・・・・ゾッとしちまったじゃねーか。」
「それだけポケモンの世界は危険だってこと。まぁ、強いポケモンがいたらある程度は安全が確保できるけどね。
だから、これからはリボーン1人で行動を取ったらダメだよ?」
「ああ・・・・・・。気をつける・・・・・・。」
少しばかりテンションを低くしながら自身の現状を把握したリボーン。
流石の彼も、とんでもない力を秘めてるポケモンたちがいる世界・・・・・・さらに言うと、一番の危険地帯にいると言う現実に、顔を青くせざるを得なかったようだ。
元の世界では、まだまだわたしはリボーンに守られる側だけど、この世界ではわたしがリボーンを守る側になるのかと少しだけ考える。
わたしより弱いリボーンなんて想像もつかないけど、この世界では向こうの常識が通用しないわけで、わたしだけがその常識を知っている。
「大丈夫だよ、リボーン。リボーンにあげたタマゴの子が強くなるまでは、わたしとわたしのポケモンたちがしっかりとリボーンを守るから。」
「・・・・・・女に守られるってのも変な気分だが、今回ばかりは仕方ねーな。こいつがしっかりと育つまでは、頼んだぞ、オレの女王陛下?」
「女王陛下って言うな。」
わたしと軽口を交わし合いながらも、リボーンはギャロップに取り付けた手綱をしっかりと操りながら移動を行う。
わたしがリボーンと仲良くしているからか、ギャロップ自身、リボーンに対して警戒心は抱いておらず、相乗りしているわたしたちのことを少しだけ楽しげに見守っているようだった。
そんなことを思いながら、わたしはリボーンにしっかりと捕まる。
他のみんなは一体どこにいるのか・・・・・・空を飛べる子たちも出した方がいいのかもしれない。
「・・・・・・うん。一応、上空からもみんなを探してもらおう。ちょうど、空を飛び回れる子もいるわけだし。」
そこまで考えたわたしは、腰にあるモンスターボールの一つに触れ、上空の方へと中にいるポケモンを呼び出した。
『おや?サクナ。どうかしたのかな?』
「ラティオス。ちょっと空から探してほしいヒトたちがいるの。お願いしたいんだけどいいかな?」
『もちろんだとも。誰を探しているんだい?』
ワイルドエリアを走り回るギャロップと並走するように姿を現したラティオスに、リボーンが目を丸くする。
明らかに取りではない姿をしているポケモンが現れたから、少し驚いてしまったようだ。
「黒い髪をした短髪の青年。肩から黒い上着を羽織っており、袖を通していない。
次に、藍色の髪をした2色の瞳を持つ青年。髪型がちょっと特徴的で、こう言ったらあれだけどパイルのみのへたに似てる。
次に、銀髪のセンターわけ、緑色の瞳を持つ少年。アクセサリーをかなりつけている。
次に、黒い髪を持つツンツン頭の少年。目は少しだけ大きめで、もしかしたらイヌ系のポケモンに絡まれてるかも。
次に、銀髪の芝生っぽい髪をした青年。この人はかなりガタイが良くて、極限!ってよく叫んでる。
最後に、もじゃもじゃ髪の小さな男の子。探してほしい人の中で、一番幼くて、緑色の瞳をしている。」
『了解。それらしい子を見つけたら知らせに戻るよ。』
「ありがとう、ラティオス。」
『これくらいどうってことないよ。おれの大切なトレーナーからのお願いだからね。
じゃあ、広大なワイルドエリアをひとっとびしてくるよ。』
そう言ってラティオスは一気に高度を上げ、一瞬にして姿を消す。ラティアスとラティオスは、光の反射を利用することで周りから姿を見えなくすることができるとは聞いていたけど、本当に一瞬にして姿を消したな・・・・・・。
「・・・・・・桜奈。さっきのもポケモンなのか?」
「うん。ラティオスって言って、ホウエン地方を中心にして生活してる子。
ポケモンの中でもかなり珍しい子とされていて、ゲームの世界では準伝説ポケモンってよく呼ばれてた。」
「準伝説のポケモン・・・・・・」
「そうだよ。確か、ポケモンの対戦の大会や、エンドコンテンツになるバトル施設などで使用制限がかからないが、素の能力値が通常の野生のポケモンたちに比べたらかなり高い子たちの総称だったかな?
通信対戦や大会などで出すことができない伝説のポケモンを禁伝説と称していたから、その区別をつけるためとも呼ばれていたね。
ゲーム上では、見つけても初手逃げ周りから入る子が多くてね。ラティオスもそのうちの1体なんだよ。」
「なるほどな。簡単に言えば法律には触れねーが、殺生力はある武器ってところか。」
「う〜ん・・・・・・近いようだけどなんか違う・・・・・・」
例えが物騒過ぎると苦笑いをこぼしながらも、ギャロップに乗った移動を続ける。
さて・・・・・・わたしのファミリーは一体どこにいるのやら・・・・・・。
沢田 奈月(桜奈)
ポケモンの世界ではいくら強くても生身で過ごすには危険な世界であるため、リボーン含め、こちら側に飛ばされてきたメンバーに絶対ポケモンを持たせようと考えている貝の女王。
とりあえず、最初はファミリー捜索!と自身の手持ちを惜しまず使用する。
現在確認できている彼女の手持ち
色違いギャロップ♂ オヤブン個体
ラティオス
リボーン
桜奈がよく知る世界と言うこともあり、過ごすのには問題ないだろうと考えていたら、気配を消すのが上手いため今回は運良く問題はなかったが、下手をしたら即行で命が危なかったと彼女から言われ、柄にもなく顔を青くしたヒットマン。
最愛の女性に守られることに関して思うところはあるが、今いる世界では彼女の知識に頼らざるを得ないため複雑ながらも彼女に守られることになる。
安全を確保するためにもと、ポケモンのタマゴを渡された。