もしも空桜メンバーがポケモンの世界にやって来たら 作:時長凜祢@二次創作主力垢
残りの守護者を探すために、ワイルドエリアを散策する中、不意に、ヒットマンたる青年が声をあげて・・・・・・?
骸にもポケモンのタマゴを預け、再開したワイルドエリアに散らばったファミリーの散策。
メガラティオスにも協力してもらい、広範囲を探す中、不意に、わたしの前に座っていたリボーンが反応を示した。
「リボーン?どうしたの?」
「いや・・・・・・今、タマゴが軽く動いたような気がしてな・・・・・・。」
告げられた言葉に目を丸くして、彼の手元へと視線を向けてみる。
そこにあるタマゴは、動いているようには見えなかったが、孵化装置を一旦受け取り、少しだけ耳を澄ませてみると、カリカリとタマゴの内側から音が聞こえてきた。
「・・・・・・リボーンのそれは気のせいじゃないよ。もうすぐこのタマゴが孵る。
一旦足を止めよう。それで、タマゴのポケモンをお迎えしてあげよ?」
「そうだな。骸。ウィンディ。一旦ストップだ。オレに渡されたタマゴが孵りそうになってる。」
「おや?それは本当ですか?」
『え?新しいトモダチ!?』
『そうなるな。主の友人のポケモンが生まれそうになっているそうだぞ。』
『やったー!新しいトモダチだー!』
『あまりじゃれついてやるなよ。すぐに瀕死になるぞ。』
ギャロップがウィンディに注意する中、移動の足を止めたわたしたちは、一旦乗っていたポケモンから地面へと降りる。
タマゴに振動がいかないようにと、しっかりと注意しながら地面に降りたリボーンは、付加装置の電源を落とし、タマゴ自体を両手で抱え込む。
「少しだけゆっくり歩こうか。心地良く振動を与えてあげれば、すぐに出てくると思うよ。」
「ああ。」
リボーンの横に並び、少しだけ歩こうと伝えれば、彼は小さく頷いた後、タマゴを抱え直す。
そして、わたしの歩くペースに合わせるようにして、長い足を動かし始めた。
同時に、わたしをリボーンと挟むように、骸が隣に並んでくる。どちらもわたしの歩幅に合わせており、スピードも程よく出していた。
『どんな子が生まれるかな?』
『さぁな。そればかりは生まれてみなくてはわからない。』
わたしたちを背中に乗せて移動していたギャロップとウィンディは、わたしたち3人を挟むようにして左右に並び、足並みをそろえて歩いている。
2匹の会話は、新しいポケモンがどのような子であるかを話し合うものだった。
「そろそろだね。」
その話を聞きながら、リボーンの腕に抱えられたタマゴに視線を向ければ、その殻に少しずつヒビが入り始めた。
パキパキ、パキパキと軽快な音を立てながら、殻のヒビは大きくなっていく。
程なくして、一際大きくバキッと音を立てると、大きく入ったヒビを突き破り、綺麗な鰭がそこから飛び出す。
「・・・・・・めそ?」
大きくなった隙間から出て来たポケモンは、水色の体と、黄色と青の鰭をもつ両生類のような姿をしているポケモン。
そう、剣盾で最初に選ぶ3体のポケモンのうちの1体、みずタイプのガラル御三家であるメッソンだ。
「ほう・・・・・・ポケモンが生まれるのってこんな感じなんだな。」
生まれたメッソンを見て、リボーンは何度か瞬きをしながら見つめる。
すると、リボーンの声に反応したのか、メッソンがまんまるな瞳をリボーンに向け、何度か瞬きを繰り返した。
そして、しばらく固まったのち、その瞳をうるうると潤ませ始める。
あ、やば・・・・・・と思い、わたしは思わず腰に下げていたモンスターボールの一つを手に取り、空へと放り投げる。
その瞬間ボールの中から姿を見せたのは、オヤブン個体並みに大きな原種のウォーグルで、ボールの中から飛び出したウォーグルはすぐにわたしの元へと勢いよくUターンをかまし、かなりの距離に近寄ってきた。
それを確認したわたしは、骸の腕を勢いよく掴み、そのままウォーグルに飛び乗る。
「うわ!?」
「・・・・・・は?」
まさかの事態にタマゴをしっかりと抱えていた骸は驚いたように声を上げ、リボーンが呆気に取られる。
「めそ─────ッ!!!!」
「おわ!?おま、桜奈!!これに気づいて回避しやがったな!?」
「ごめーん!!ちょっと大変だろうけど我慢して〜!!」
「大変ってなん・・・・・・っ!?」
大変と言う言葉に対して反応を示したリボーン。
しかし、彼の言葉は突然、不自然に止まることになる。
彼の切長で涼やかな両目から、ボロボロと涙が溢れ始めたのはほぼ同時の出来事だった。
「は?待て待て待て待て、どうなって・・・・・・!!涙が止まらねーぞ!?」
「めそぉ─────!!めそぉ─────っ!!」
「だぁ─────!!おま、泣きやめ頼むから!!」
「クハハハハハハ!!どうかされましたかアルコバレーノ!!涙腺が決壊してるではありませんか!!」
「うるせぇ骸!!てめ、降りてこい!!」
「絶っっっっ対にお断りします!!ざまぁないですねぇ!!」
おーおー・・・・・・涙腺大崩壊してらっしゃる・・・・・・。流石、怯えたら玉ねぎ100個分の催涙成分の涙を流すと言われているだけあるな・・・・・・。
ポケモンの影響とは言え、まさか号泣するリボーンを見ることができるとは思いもよらなかったよ。
「その子メッソンって言うポケモンで、涙に玉ねぎ100個の催涙成分が含まれてるの〜!とりあえず頑張って泣き止ませてね〜!」
「はぁ!?玉ねぎ100個分ってどんだけだ!!おい、メッソン!泣き止んでくれ頼むから!!」
「めそぉ・・・・・・っ!!」
「めそぉじゃねー!!」
涙を流しながらメッソンにツッコミを入れるリボーンをウォーグルの上から見下ろしながら、わたしはスマホロトムに軽く合図をする。
『はい、チーズ、ロト!!』
その瞬間、スマホロトムはリボーンの元へとヒュンッと飛んでいき、パシャリと号泣するリボーンの写真を撮影した。
「パシャ・・・・・・っておいこら桜奈!!何オレの写真撮ってんだ!?消せ!!」
『イヤだロト〜!ナイスショットは逃さないのがボクのポリシーロト!』
ケテテテテ!と笑いながら、わたしのところに素早く戻ってくるロトム。
手元にやって来たわたしのロトムは、撮れた写真をしっかりと見せてくれた。
ついでとばかりに、『初めてのポケモン誕生記念 ロト⭐︎』としっかりと加工されていた。
「クハハハハハハ!!」
「ナイスフォト。」
見せられた写真に再び骸が爆笑する中、わたしはグッジョブとサムズアップする。
この世界から帰ることになったら、この写真がどうなるかわからないけど、こっちの世界にいる間くらいは、沢山残してもいいかもしれないな。
⭐︎
「くっそ・・・・・・まさかこんな目に遭うとは思いもよらなかったぞ・・・・・・っ」
「いやぁ、なかなかCHAOSだったね。」
「桜奈・・・・・・こうなることがわかってたんならちゃんと教えとけよ・・・・・・!!」
あれからしばらくして、ようやく落ち着いたギャン泣きするメッソンを抱えたまま、リボーンは、真っ赤に目元を腫らしながら恨み言を口にする。
珍しい姿に笑いそうになりながらも、リボーンに荷物の中に入っていたティッシュを手渡せば、彼はその場で鼻をかんだ。
他にも、未だに溜まっている涙をティッシュで拭き取りながらも、心配そうに見上げているメッソンに視線を落とした。
「たく・・・・・・こんな成分がこいつの涙に含まれてるとはな・・・・・・。」
「それがポケモンって言う生き物だよ。種族によっては、マグマがそのまま体になってる子や、氷の子、水の子だっているんだよ。
もちろん、ギャロップのように体の一部が炎そのものだったり、毒ガスの体を持つ子もいるよ。」
「とんだ危険地帯じゃねーか・・・・・・。」
「ですが、それをトレーナーと呼ばれる存在は上手く制御し、共に戦っているとのことらしいですが。」
「そうだよ。だから、信頼関係を築くことが出来たポケモンとトレーナーは、絆が深く、互いに想い合うこともできるんだ。」
リボーンと骸に、ポケモンとは何かを説明しながら、足元にいるメッソンを優しく抱き上げる。
わたしに抱っこされたメッソンは、ビックリしたような表情を見せてわたしのことを見上げて来たが、すぐに笑顔を見せてすりすりと擦り寄って来た。
「よしよし。いきなり外の世界に出ることになってビックリしたよね。ごめんね。」
そんなメッソンを優しくあやしながら、話しかければ、「めそめそ!」と明るい鳴き声が聞こえてくる。
すぐにメッソンに小さく笑いかけ、リボーンの方に差し出せば、リボーンは静かにメッソンを抱き上げた。
「めそ?」
「全く・・・・・・生まれたばかりのポケモンも、人間の子どもとあんまり変わらねーな。」
やれやれと言わんばかりに小さく笑ってメッソンに視線を向けるリボーン。
彼に見下ろされたメッソンは、キョトンとした表情をしばらく見せたが、すぐににこにことゆるまった笑顔を見せた。
「どうやら、リボーンをしっかりと親として見てるみたいだね。どうする?メッソンにニックネームをつける?」
「ニックネーム?」
「うん。自分の手持ちになるポケモンは、トレーナー特有のニックネームを式別名としてつけることができるんだよ。
わたしはどちらかと言うと名前をつけないタイプだけど、リボーンはどうする?」
「・・・・・・そうだな・・・・・・・・・。」
再び視線をメッソンに向け、リボーンは考え込む様子を見せる。
リボーンに見つめられたメッソンは、コテンと首を傾げながら、彼のことを見上げ続けた。
「・・・・・・ソルジェンテ。イタリア語で、源流や水源を意味する言葉だ。みずタイプのポケモンにはピッタリだろ?」
「めそ?」
「ソルジェンテ。お前の名前だ、メッソン。」
「!めそ!めそめそ!うぉるお!!」
「ふふ・・・・・・どうやら気に入ったみたいだね。」
「ああ。そのようだな。」
リボーンの言葉に対し、メッソンは一瞬首を傾げたが、すぐに何を言われたか把握することが出来たらしいメッソンは、嬉しげな声音で喜びを見せた。
その姿に小さく笑ったリボーンは、メッソンのツルツルとした頭を優しく撫でつけた。
「めそ〜・・・・・・。」
「ここが好きなのか。」
「めそ!」
「そうか。一時はどうなるかと思ったが、少しでも仲良くしてくれるならそれでいい。」
穏やかな声音で言葉を紡ぎながら、メッソンを撫でるリボーン。
そんな彼の様子に小さく笑いながら、わたしは荷物の中からいくつかモンスターボールを取り出す。
「ソルジェンテ。少しいい?」
「めそ?」
「君が入るモンスターボールだよ。好きなボールを選んで、お父さんに渡してあげて。」
「めそ!うぉるおん!」
「おい、誰がお父さんだ。」
「ポケモンは捕まえたトレーナーを『おや』とするんだよ。だから、タマゴから生まれたメッソンの親はリボーンだから、お父さんってこと。」
「やめろ。」
呆れたような様子で、わたしとメッソンのやり取りにツッコミを入れながら、リボーンは地面にメッソンを下ろす。
地面に下ろされたメッソンは、よちよちとゆっくりと歩き、わたしが並べたボール・・・・・・『モンスターボール』『スーパーボール』『ハイパーボール』『クイックボール』『ゴージャスボール』『ダイブボール』『ネットボール』『ラブラブボール』『ムーンボール』『ドリームボール』『ヒールボール』の11種類のボールの前に移動する。
「どれに入りたい?」
メッソンの視線に合わせるようにしゃがみ込んだわたしは、メッソンにどのボールが好きかを問いかける。
すると、メッソンはしばらくボールを見つめた後、ダイブボールに手を伸ばした。
「うぉるお!めっそー!」
「それがいいんだね。じゃあ、お父さんにそれ、渡してあげて。」
「その呼び方やめろ。」
からかい混じりにリボーンに話しかければ、彼からやめろと苦言を呈される。
しかし、すぐにリボーンはメッソンに歩み寄り、その場にしゃがみ込んだ。
「・・・・・・そのボールでいいんだな?」
「めそめそ!うぉるおん!」
リボーンの問いかけに肯定の言葉を返したメッソン。リボーンはそんなメッソンに小さく笑いかけながら、ダイブボールを受け取った。
「・・・・・・で?これはどうしたらいいんだ?」
「メッソンにスイッチの方を向けてあげて。普段は弱ったポケモンにボールを投げて当てるんだけど、この子はすでにリボーンのポケモンだから、投げなくても入ってくれるはずだよ。」
「なるほどな。・・・・・・ソルジェンテ。入ってくれるか?」
「めそ!」
手のひらにダイブボールを乗せ、スイッチの方をメッソンに向けたリボーン。
ダイブボールのスイッチを向けられたメッソンは、てちてちとゆっくりと歩み寄り、向けられていたスイッチに触れた。
その瞬間、メッソンは赤い光に包まれ、そのままボールの中へと吸い込まれていく。
そして、ゆらりと一回ボールを揺らしては、そのままカチンッと言う音と共に、メッソンはボールの中へと収まった。
「うん。メッソンの捕獲完了だね。これでリボーンも晴れとポケモントレーナーだ。」
それを確認したわたしは、笑顔でリボーンにトレーナーになれたことを伝える。
リボーンはと言うと、穏やかな笑みを浮かべては、静かにその場で頷いた。
サクナ(沢田 奈月)
ポケモンの世界初心者なリボーンにポケモンに関してレクチャーしながら、彼のポケモンを用意した貝の女王。
メッソンの最終進化を知っているため、リボーンに似合ってると思って託したが、最初のギャン泣き騒動から真っ先に骸と退避してリボーンに怒られた。
現在の手持ち
色違いギャロップ♂(オヤブン個体原種ギャロップ)
ラティオス
オオニューラ♂(オヤブン個体)
ウィンディ♂(最大個体)
ウォーグル♂(最大個体)
リボーン
サクナから託されたポケモンのタマゴから、晴れてメッソンを孵化させることに成功したヒットマン。
しかし、メッソンの涙に含まれている成分が玉ねぎ100個分の催涙成分であると知り、真っ先に骸を連れて闘争を図った彼女にはかなり怒っていた。
現在の手持ち
メッソン♂
ニックネーム:ソルジェンテ
ウルガモス♂(桜奈よりレンタル中)
六道 骸
ギャン泣きするポケモンに影響され、大号泣をかましたリボーンを見て大爆笑していた女王の霧の守護者。
いつもリボーンには度々桜奈関係で邪魔をされていたのでいい気味だと思っていた。
だが、メッソンの涙に含まれている成分の話を聞いた時は、割と内心冷や汗だらけで、即時回避させてくれた桜奈には感謝しかない。
現在の手持ち
ポケモンのタマゴ(まだ音は聞こえない)
ファイアロー♀(桜奈からレンタル中)