もしも空桜メンバーがポケモンの世界にやって来たら 作:時長凜祢@二次創作主力垢
小さな小さなイカズチ少年は、女王の姿に涙をこぼした。
「サクナくん!」
「!カブさん。お久しぶりです。」
他のファミリーを捜索するために、次の行動を考えていると、下の方から声が聞こえて来た。
なんかカブさんの声、γさんに似てる・・・・・・なんてちょっとズレたことを考えながらも、ラティオスに地面へと降りるように指示を出せば、彼は小さく頷いたのち、地面の方へと降下する。
「!・・・・・・ラティオスくんだね。とても懐かしいな。」
「?」
「ああ、すまない。ぼくはこう見えて元々はホウエン地方にいたからね。ラティオスくんの話は聞いているんだよ。」
穏やかに笑いながら、ラティオスに視線を向けるカブさん。
しかし、すぐに視線を真剣な眼差しをわたしに向けて来た。
「キバナくんの連絡で話を聞いたけど、詳しく話を聞かせてもらえるかい?」
カブさんの問いかけに、すぐに頷いたわたしは、先程キバナさんにも話したことと同じものをカブさんに伝える。
彼は真剣にわたしの話に耳を傾けながら、静かに頷いた。
「じゃあ、小さな男の子がランボくんで、銀色のベリーショートがリョーヘイくん、そして、黒髪で羽織を肩にかけているのがヒバリくん。
それで、サクナくんがなるべく早く見つけたいのがランボくん・・・・・・ってことでいいのかな?」
「はい。ランボは6歳の男の子で、わたしの膝くらいまでしか身長がありません。
了平さんや、雲雀さんに比べて肉体面も弱く、なおかつ寂しがり屋でして・・・・・・。」
「ランボって奴の泣き声に反応して、野生のポケモンが出て来たりしたらやべーな・・・・・・」
「そうだね。6歳の男の子となるとなおさらだ。基本的に、自身のポケモンは10歳から持つことになってるしね。
たまに、タマゴから生まれてしまったポケモンが、10にも満たない子どもを初めに見て、おやとして認識してしまい、生まれたポケモンを10に満たない子どもが育てる事例もあるけど、今回のランボくんは、ポケモンを持ち合わせていない状態だ。
リョーヘイくんや、ヒバリくんのことももちろん早急に探さなくてはならないけど、6歳の男の子は、優先順位が高くなる。」
「ああ。一応、ナックルシティからもスタッフを派遣してるんで、、人手はかなりありますし、半々でリョーヘイとヒバリの捜索組と、ランボの捜索組に分ける必要があるかもしれませんね・・・・・・」
わたしの話を聞き、これからやるべきことを話し合ったキバナさんとカブさんは、手際よくスマホロトムを使ってスタッフに指示を出し始める。
途中、他のジムリーダーの名前がキバナさんの端末とカブさんの端末の液晶画面に映ったため、彼らにも情報が行ったのだろう。
「ダンデ・・・・・・にも一応連絡しておくか、チャンピオンだし・・・・・・。ただ、あいつ、ちょっと方向音痴だからなぁ・・・・・・いや、リザードンがいる分、まだマシか・・・・・・?」
「・・・・・・やっぱり、ダンデさんって方向感覚がアレなんですね・・・。」
「そうなんだよな・・・・・・。もし、サクナの友人が見つかって落ち着いた時、なんらかの拍子に迷子になってるあいつを見つけたらシュートシティのスタッフか、ナックルシティのオレさまのところに連れて来てくれ。困ったくらいに変な方角へと走り出すからよ・・・・・・。」
「わかりました。その時はお連れしますね。」
なんだか少しだけお疲れ気味のキバナさんのお願いを承諾すれば、カブさんは苦笑いをこぼす。
彼もダンデさんの方向音痴には悩まされていたりするのだろう。
「よし、連絡は全体的に終わった。カブさんは?」
「ぼくの方も問題ないよ。それじゃあ、ランボくんたちを探しに向かおうか。」
カブさんの言葉にすぐに頷いたわたしとキバナさんは、すかさず互いに側にいたフライゴンと、メガラティオスの背中へと飛び乗る。
カブさんはと言うと、腰につけていたモンスターボールに手を伸ばし、そこからキュウコンとウィンディを出現させ、すぐにウィンディの背中へと飛び乗った。
「ぼくは空を飛べる子がいないから、陸から探してみるよ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、オレさまとサクナは空からだな。別々の方角から探そうぜ。」
「はい。じゃあ、わたしはこっちから。」
「んじゃ、オレさまはこっちからだな。1時間くらいしたら落ち合うか。」
キバナさんの提案に承諾を返したわたしは、すぐにラティオスへと指示を飛ばす。
それを聞いたラティオスは、力強く頷いたのち、勢いよく空へと飛び上がった。
そして、ある程度の高度まで到達した瞬間、先程わたしが口にした方角へと飛び始める。
すかさず荷物の中に入り込んでいたゴーグルを取り出し、自身の目を覆う。
・・・・・・ゴーゴーゴーグルじゃないから、デザインは通常のゴーグルなんだよな・・・・・・。
まぁ、アレはアレでなかなか独特なデザインだったし、普通のゴーグルがまだマシだな。
そんなことを思いながら、スピードを上げて移動するラティオスの背中から振り落とされないようにしっかりと掴まる。
「・・・・・・やっぱメガシンカしたラティオスかっけぇ・・・・・・!!」
「本当だね。しかも、しっかりと育てられている。トーナメントでは出されていなかったけど、もし、ガラルの図鑑のポケモンだけじゃないポケモンバトルができたとしたら、彼女はどんなに熱いバトルを繰り広げるのだろうか・・・・・・」
「それ、ナイスアイデア。サクナの本気とかめちゃくちゃ気になるし、今度、ダンデとローズさんに相談してみっかな・・・・・・」
「その時はぼくも一緒に話をしたいな。メガシンカをするポケモンを持ち合わせているトレーナーは滅多にいないからね。
特に、ガラル地方は、ホウエン地方やカロス地方、アローラ地方のようにメガシンカは盛んじゃないから、他のトレーナーくんたちにもいい刺激になると思うんだ。」
「是非是非!ダンデとローズさんも、話を聞いてくれるだろうし、ダンデは特に、すぐにバトルしたい!って言い出すと思いますけど。」
「想像に容易いね。」
背後の方で、キバナさんとカブさんがそんな会話をしているとは思わずに。
❀
『!サクナ。下に明らかにポケモンの世界には似つかわしくない姿をしている子どもがいるよ。』
「!?本当!?」
しばらくラティオスの背中に乗って移動していると、彼から下に子どもがいることを告げられる。
事実かどうかを確かめるために声をかければ、すぐに肯定が返って来た。
そのことに静かに息を吐き、ラティオスが視線を向けている方へと目を向けてみれば、独特なもじゃもじゃ頭が映り込んだ。
「ランボ!」
「!!あー!!ナツだもんねぇ!!」
その姿に、脳裏を過った名前を呼べば、男の子・・・・・・ランボは、両目に涙を溜めながらわたしに答える。
野生のポケモンはおらず、この場にいるのは彼1人・・・・・・そのことに安堵して、高度を下げたラティオスの背中から飛び降りれば、ランボがわたしに駆け寄ってきた。
「うえええ!!ランボさん、変なところで迷子になったよぉ・・・・・・!!ナツが見つけてくれてよかったよぉ!!」
その瞬間、大声で泣き始めてしまったランボに、苦笑いをこぼしながら、足元に抱きついてきたランボを優しく抱き上げる。
─────・・・・・・これだけ大きな声で泣いていると、野生のポケモンが近寄ってくる可能性があるな。急いで退散するか。
今いる場所は、ハシノマ原っぱ。ワイルドエリアの中では序盤の方にある地域だ。
しかし、ポケモンのレベルはLV.20半ばからLV.30と地味に高く、何より、キテルグマに進化する前のヌイコグマもうろついている。
大人だったらある程度対処が可能だが、子どものランボには不可能のため、離れることが最適だと判断する。
「よいしょっと。ラティオス。空に向かって。スピードは程々にね。」
『任せてよ、サクナ。じゃあ、行こうか。』
早めに退散することを伝えるために、ラティオスに声をかければ、彼は穏やかに笑いながら、高度を徐々に上げ始めた。
「わぁ・・・・・・!!すごいすごい!!ランボさん、空飛んでるもんね!!」
「ラティオスのおかげだよ。」
「ラティオスー?」
「そう。今私たちを背中に乗せてくれるこの子だよ。」
「カッコいいもんね!」
「そうでしょ?」
先程まで怖くて泣いていたランボが無邪気に笑う姿を見ながら、わたしは口元に笑みを浮かべる。
あ、キバナさんとカブさんに連絡しないと・・・・・・
「ヘイ、ロトム!キバナさんとカブさんの両方に連絡を入れて!」
『了解ロト〜!』
「うわぁ!?何!?何だもんね!?ナツのスマホ、ヒューンッて飛んでるもんね!!ランボさんも欲しい!!」
「あはは・・・・・・。キッズスマホロトムってあるのかな・・・・・・?」
『ロト?キッズスマホのロトムは携帯ショップに売られてるロト!最新のピックアップをしとくロト?』
「あ、お願いできる?場合によっては、ちびっこに持たせないといけないかもだし。」
『オーダー承りましたロト〜!』
「ふわぁ・・・・・・スマホがお話してるもんね!」
目の前で繰り広げられる不思議な出来事により、先程まで怖がっていたランボの機嫌が完全に治っている。
あのまま、泣き続けたら何とかしてあやさなくてはと思っていたが、どうやら杞憂に終わったようだ。
『ロト!キバナとカブのスマホに繋がったロト!』
そんなことを思っていると、ロトムからキバナさんとカブさんに連絡が繋がったことを告げられる。
一言、ロトムにお礼を伝えたわたしは、すぐにテレビ通話モードを起動して、画面を見つめた。
【どうかしたのかな、サクナくん?】
【お?もしかして、友人が見つかったのか?】
キバナさんとカブさんが、テレビ通話モードを許可してくれたおかげで、顔を合わせることができた2人。
わたしは、彼らの問いかけに答えるように頷き、ランボを優しく抱き上げた。
「ランボが見つかりました!ハシノマ原っぱにいましたよ!」
笑顔でランボが見つかったことを告げれば、キバナさんとカブさんは、一瞬だけ目を丸くした後、笑顔で頷き返してくれた。
その表情からは、これでもかと言う程に良かったねと言う感情が含まれており、自然と笑い声が漏れた。
「引き続き、友人の捜索をお願いします。わたしは、ランボをつどいの空き地にいる友人たちに預けて来ますね。」
【了解。任せておいてくれ。】
【オッケー。じゃあ、オレさまとカブさんは引き続きワイルドエリアを彷徨いてみるな。
サクナの友人と思わしき連中を見つけたら、すぐに連絡を入れるぜ!】
「ありがとうございます。お願いしますね。」
わたしの言葉に、頼もしく笑ったキバナさんとカブさんが通話を切ると同時に、ロトムはキッズスマホロトムのまとめが記されている液晶画面を見せてくる。
そんなロトムを一旦手で制したわたしは、落ち着いた頃に確認することを伝えた。
「桜奈・・・・・・?それって、確か、ナツがナツになる前の名前だもんね。」
「うん、そうだよ。この世界はね、わたしが奈月として生まれる前に知ったゲームの世界なんだ。
まさか、その世界にわたしが転移することになるなんて思いもよらなかったよ。」
「ゲーム!オレっちも遊びたいもんね!」
「そうだね。時間ができたら一緒に遊ぼうか。」
「遊ぶもんね!」
桜奈としてのわたしの名前に疑問を浮かべたランボに、この世界がどんな世界であるかを話せば、予想通り、彼も遊んでみたいと言い始めた。
それならと、落ち着いたら一緒に遊ぼうかと誘ってみれば、ランボは楽しげに笑いながら、一緒に遊ぶと言ってくる。
6歳の男の子に、どうやってこの世界を楽しんでもらおうか?
そんなことを考えながら、ハシノマ原っぱから離れた位置にあるつどいの空き地へと向かう。
とりあえず、武にランボは任せよう・・・・・・。
沢田 奈月(サクナ)
この度、キバナだけでなく、カブとも顔を合わせたボンゴレ10代目。
早い段階でランボを見つけることができたので、安堵の息を吐いた。
ランボ
原作から一年後、6歳へと成長していた女王の雷の守護者。
最初は不安で泣きそうだったが、どこにいるかわからない上、変な生き物がいるっぽいので泣くのを我慢していた。
女王と再会し、気持ちが緩んでギャン泣きしてしまったが、すぐに落ち着きを取り戻す。
この世界が女王として生まれる前の大好きな人が遊んだゲームの世界と知り、ワクワクする。
キバナ
サクナとしての彼女をよく知るトップジムリーダー。
オレさま、サクナの本気が見たい・・・・・・と、ローズたちにガラル地方以外の地方にいるポケモンも使えるポケモンバトルを打診しようとしている。
彼女から小さな友人が見つかったことを聞かされ安心したが、彼女の友人はまだまだワイルドエリアに散らばってるので、捜索を続行する。
カブ
サクナとしての女王をよく知るエンジンシティのジムリーダー。
最初は彼女から緊急事態を聞き、かなり焦っていたが、合流したことにより、詳細を聞いて捜索のために落ち着きを取り戻す。
サクナの本気は見てみたいので、キバナと一緒に特別なバトルトーナメントを開催できないか、ローズとダンデに打診する気満々である。