ソードアート・オンライン ―黒白する思い―   作:縦横夢人

8 / 11

 はい、遅くなりすみませんでした。

 ここでお知らせです。
 知らなかった人もいると思いますが、今現在書いているこの小説とは別に、処女作の「黒子のバスケ ―太陽のColor Creation―」という小説も書かしてもらっています。
 が、こっちにかかりきりになってたんで、全く進んでません。なのでこっちが一区切り、第一章が終わりましたら交互に更新していこうと思います。
 まぁ希望があったり、大事な場面とかだとそっちに集中してしまいますがそこはかんべんを。おそらく次で第一章は終わるとおもうので。
 遅くなる場合もありますが、こつこつ頑張っていきたいと思います。

 ではどうぞ



7.決意の色

 

 

 

 ――――ここ・・・・・・は・・・・・・

 

 深い、深い闇の中。私はあやふやな意識の中、薄目を開け辺りを見回そうとする。しかし身体が動かず、前しか見えないがその場に自分以外の気配は感じなかった。それに水中いるみたいに身体が重く、闇が張り付いてくる。浮力は感じるが、背中にかかる圧力が沈んでいくことを理解させられる。

 

 ――――そうだ私・・・・・・クロウに刺されて・・・・・・

 

 私は死んでしまったのだろうか。 ならここは天国・・・・・・ではなく、地獄だろうか? それともやっぱりあれは迷信で、本当は何もない≪無≫の世界なのだろうか? だがそれだと海にいるような感覚がするのはおかしくないだろうか。

 

 ――――でも、もう・・・・・・

 

 どうでもいい。身体は動かず、頭はかすみ眠くなってきた。口から何もかも吐き出すように白い気泡が漏れ出て浮き上がっていく。

 

 ――――最後に・・・・・・会いたかったな・・・・・・

 

 身体は沈む。

 

 ――――お父さん、お母さん、おばぁちゃん・・・・・・

 

 底があるのかもわからない、深い深い闇へ。

 

 ――――ミレイちゃん・・・・・・

 

 沈む、沈む、沈む。

 

 ――――そして・・・・・・

 

 

 シロンに

 

 

 

 

 

 

『――ったく、仕方ねぇな――』

 

「え?」

 

 頭に直接響く声。それと同時に周りの闇が大きくうねり、私の背を押し出すような流れへと変わる。それは体の沈むスピードを遅くし、止め、押し上げる。そして背中を押し出す勢いは徐々にスピードを上げる。

 何が起きているのかわからず顔にかかる圧力に苦悶を上げながら必死に目を開けると、遠くからキラキラと光り揺れるものを見つけた。そこに近づく、いやこのままだとぶつかりそうな勢いに今度は力強く目をつぶる。

 

「っぷはぁ!!!! えほっ、けほっ」

 

 ザパァッと闇から飛び出る。その勢いは止まらずゴボポォと聞こえていた音は風を切るピュゥウという音に変わり、空へと飛ばされたのが肌で感じられた。それと同時に口から漏れ出たものを全て取り戻すかのように咳き込みながらも呼吸を必死に繰り返す。背にあった力はもう感じず、身体を縛っていた圧力も消え去っていた。しかし痺れたような感覚はまだ残っており、あまり動かすことができない。また意識が途切れそうになりながら、それでも力を込めて目を開き見る。

 そこには地平線まで白一色に染まった空と、底があるのかさえわからない漆黒の海、

 そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シリカッ!!」

 

「っ!!?」

 

 そこでハッと意識が覚醒して飛び起きる。何が起きたのかわからずしばらく呆然としていたが、目や耳は勝手に情報を認識していく。体にかかっていたシーツ、シミ一つ無い白い天井、朝の光が差し込む窓、下の階から聞こえる子供たちの声、そして目の前にはシロンが驚きながらも安心したようにホッと一息ついていた。・・・・・・あと少しでキッスができそうなほどの近さで。

 

「ッひゃわぁあ!!?」

 

「?」

 

 思わずまた飛び上がってしまった。今度は後ろに。

 

(ちちち、ちかっ、近すぎるよぉ!!!?)

 

 今まで近すぎて逆に認識できなかったが、ふと考えてみると飛び起きた際に自分から近づいていたことを思い出し、顔を赤くしながらヘナヘナと崩れた。そこにまたシロンが大丈夫?と尋ねてきていまさらながら気付いた。

 

「ここ・・・・・・は?」

 

「ここは宿だよ、倒れてたシリカをここまで運んできたんだよ」

 

 そこではたと気付く。シロン・・・・・・・いや、シロンとは全く違った残酷な黒いモノ、クロウの存在を。ゴクリと唾を飲み込みながら目の前のシロンだと思われる存在に聞いてみることにした。

 

「ごめんっ!! そしてありがとう」

 

「あっ、・・・・・・え?」

 

 少し震えながらも声を出そうとした矢先に、シロンが一歩下がり頭を下げて謝ってきた。あの、と言う前に声をさされて思わず二の句が継げなかった。変わりに別の言葉を選んで聞いた。

 

「あの・・・・・・何で?」

 

「あの時、っ母さんが死んだ・・・・・・あの後。シリカが敵を退けてくれたんだよね?」

 

「え? あの・・・・・・」

 

「僕、あの後意識無くしちゃって・・・・・・気付いたら回りに敵がいなくなってて、シリカが倒れてたんだ」

 

 まさか・・・・・・覚えてない? いや、それより――――

 

「私・・・・・・死んでなかったの?」

 

「? うん、まだHPは四分の一ほど残ってたよ。すぐにポーション使ったけどね」

 

(そうだったんだ。でもじゃあクロウに刺された傷はなんだったんだろうか。あれは夢? でも・・・・・・)

 

 思い出す。暗い暗い闇以外見えなかった黒い海。底があるとも知れない中、孤独に沈んでいく自分。ここが現実だというのに寒気を感じてしまった。

 

「・・・・・・それでね? シリカ」

 

 そう言いシロンはさすっていた私の手を取り両手で包む。その手から伝わる暖かさが冷たかった私の手を、心をとかしてくれる。

 

「僕、君について行こうと思うんだ」

 

 それを聞いて思い出す。アンリさんが最後に残した言葉を。思わず心配になり顔を見つめる。それに対しシロンは首をふる。

 

「それは違う。確かに母さんに言われたこともある。けどこれは僕自身で考えて決めたことなんだ。

 ・・・・・・もう、母さんはいない。けどっ!!」

 

 シロンの顔が俯き手に力がこもるのがわかった。その言い難い思いは震ええとなって私にも伝わる。だがそれも決心がついたのか震えが止まり、顔を上げて見つめてくる。

 

「僕の中に・・・・・・いるから。心配かけちゃダメなんだ。だから自分で感じて、思って、考えて決めたんだ。自分の記憶を取り戻すって。これは最初の一歩であり、一緒に看取ってくれたお礼なんだ、シリカ。だから連れて行って欲しい」

 

 そういうシロンに、私も同じようにシロンの手を包み、言う。

 

「じゃあ私からもお願い。一緒について来てください。アンリさんい言われたからじゃない、これは私が決めてお願いしたことだから」

 

 そういう私にシロンは少し驚き、どう思ったのかわからないが頷いてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゅーひゅー、言うねぇシリカも!」

 

「ッ!!?」

 

「あ、ミレイの姉(あね)さん」

 

「姉さん!?」

 

 しばらく見つめ合っていた私たちだが、ミレイちゃんのちゃかすような言葉と登場により全て崩された。

 

「ていうかミレイちゃん!! 何呼ばせてるのっ!!」

 

「うん? 姉御の方がよかったかい?」

 

「そういうことじゃなくてっ!!」

 

 せ、せっかくのシリアスな雰囲気が・・・・・・。

 

『何言ってんの! あたしはあんたの姉貴分、つまりそういうことだろ?』

 

『え? つまりどういうこと? 意味わかんないよ!!』

 

『・・・・・・・本当にわかってないんだねこの子。 ハァ』

 

 な、何なのいったい?

 

「アネゴー、兄ちゃんと姉ちゃんまだかー? もうすぐゴハンだぞー」

 

「あねさん、はやくいこー」

 

「おう、いこいこ! 野郎共、シロンとシリカも引ったてい!」

 

「って、もう言わせてる!!?」

 

「シロン兄ちゃんもいこーよ」

 

「そうだな」

 

「シリカ姉さんもー」

 

「あ、ちょっと待って。こける、こける!!」

 

 ミレイちゃんのあとからついて来た子供たちによってそのまま引っ張られていく。もしかしてミレイちゃん、私たちのために?

 やっぱりミレイちゃんにはかなわないなぁと苦笑しながら、なすがままに引っ張られていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。