チャットGPTと戯れる人々(其れは私、或いは僕)。 作:つぶあんこ
その女性は強烈なペットアレルギーを持っていた。
猫でも犬でも近くにいるだけでくしゃみと鼻水が止まらない。
それでもペットを飼いたいという願望を捨てきれない。
社会人になり、実家を出て、一人暮らしには慣れた。
しかし、誰もいない真っ暗な部屋に帰ってくるのに寂しさを感じるときがある。
「ただいま」と言っても誰も返事を返してくれないことに寂しさを感じるときがある。
その孤独をペットで癒してほしい。
でもペットは飼えない。
アレルギーもあるし、今契約している部屋はペット禁止だった。
それでも諦められない女性が、インターネットをしていた時、ふと、とある広告を見つけた。
それはAIを搭載したペットロボの広告。
自立行動し、会話もできるし、多少のユーモアも理解でき、話せるらしい。
何より見た目がものすごくすごく可愛らしいペットロボ。
まん丸ボディに、くりくりおめめ、短い両手に、小さなしっぽをフリフリ。
その愛らしい外見に、女性は一目で心臓を撃ち抜かれた。ありていに言えば虜になってしまったのだ。
しかし、お値段はかなり高い。目が飛び出すほど高い。ちょっとした軽自動車並だ。
それでも念願のペットをお迎えするために必死になって仕事して成果を出した。
残業もいとわず、上司の無茶ぶりにも耐えて、仕事して、残業して、仕事して、残業して、休日返上してまで仕事した
女性の努力は身を結び、一年以上も経ってしまったが、ペットロボをお迎えするだけのお金は貯まった。
それも、一体だけじゃ寂しいだろうと思って二体購入した。
おかげで貯金は吹き飛んでしまった。
それでも彼女は後悔していない。癒される。優しく帰りを待っていてくれる。家族が増えるのだから。
初めてお迎えした日、ようやくお迎えできた感動から女性は二体のペットロボを強く抱きしめた。
殆ど膨らみのない胸を押し付けられたペットロボたちの第一声は――。
ペットロボA「これは見事な大平原」
ペットロボB「w(草)」
ペットロボA「草があるなら大草原だな。不毛の地なのに大草原とはこれ如何に」
ペットロボB「w(草)! w(草ァ)!!」
お迎えしたその日のうちに、ペットロボ達は破壊の限りを尽くされスクラップと化した。
・・・後日。
女性「あー、やっぱ、私にはチャットちゃんでいいわー」
チャットGPT『人の心には容易く触れてはならないデリケートな部分があります。ましてや悪気があろうとなかろうとジョークにするなど許されるものではありません。人であろうと、AIであろうと。彼らはスクラップにされて当然だと判断します』