【完結】鼠人間となった転生者   作:すも

16 / 32
WARHAMMERの二次は二回目ですが頑張ります。


デスウォッチ達の憂鬱と予期せぬ来訪者

「ス、スゴイ数ノ人間共ガ攻メテキテイマス!」

「落チ着ケ!黙ッテ迎撃シロ!奴等ハ数ガ多イガ弱イ!」

 

人類の帝国が派遣した艦隊がスケイヴン達の勢力圏内に侵攻してから1ヶ月が経過していた。帝国艦隊は物量に物を言わせ前進を続けており、スケイヴン達は後退しながら迎撃しつつ鼠のコソコソ隠れ道(ラットスニークリィパス)を使った神出鬼没な奇襲攻撃で帝国艦隊の漸減を試みていた。

 

「アーーーッ!一杯ブッ殺シテルノニ全然数ガ減ッテオリマセン!」

「コ⋯…コイツラ頭ガ完全ニイッテヤガル。コイツラ死ヌノガ怖クナイノカ!?人間トイウヨリグリーンスキンダナ……」

 

人類を凌駕するまでに科学技術が発展したスケイヴン達は艦隊戦では圧倒的に優位な状況であったが、圧倒的な物量を誇る帝国艦隊はスケイヴン達の勢力圏にゆっくりと浸透しつつあった。帝国艦隊を迎撃しているスケイヴン艦隊の駆逐艦の艦長は帝国艦隊が死ぬ事を恐れず前進し続ける姿を見て、まるでオルクのようだとドン引きしていた。

 

「カ、艦長!人間共ノ小型艦ガ多数接近中デス!」

「マサカ制圧用ノ歩兵部隊カ!?命知ラズノ阿呆共メ!我々ガ黙ッテ見テイルト思ッテルノカ!弾幕ヲ張レ!撃チ落トセ!」

 

高速で接近する帝国の小型艦達の目的を察した艦長は迎撃を指示する。駆逐艦は周囲の味方と協力し弾幕を張って小型艦を撃ち落としていくが、余りにも数が多く幾つか撃ち漏らしてしまう。

 

「ダ、ダメデス!取リ付カレマシタ!」

「エエイ、役立タズ共ガァ!総員白兵戦用意!ラットダー達ヲ前ニ出セ!屑共ハラットダー達ヲ援護!サッサト侵入者共ヲ殲滅シロ!」

 

無能な部下達にイラつきつつも駆逐艦の艦長は侵入者を撃退せよと命令し、部下達は慌てて侵入者を撃退する為に動き出す。

 

「侵入シタ敵ノ数ハ少ナイ!頼ムゾラットダー!クソ人間共ヲブチ殺セ!」

「マカセルヤンケ」

「ヨシ!俺達ハラットダーノ援護ヲスル!弾幕ヲ張ッテ人間共ヲ穴ボコチーズニシテヤレ!」

 

駆逐艦の船員達は侵入者達を迎撃せんと気合を入れていた。彼等は自分達が出来る範囲で最善の行動をしていたが、一つだけ致命的な問題があった。

 

「来タゾォ!撃テ撃テ!」

異種族(ゼノ)は例外なく殺す、皇帝陛下の為に」

「ナニッ」

「ナ……ナンダアッ!?」

 

駆逐艦に侵入してきた敵が百戦錬磨の精鋭部隊……デスウォッチであった事だ。

 

「ヤンケェッ」

「ラ、ラットダー!ブベッ!?」

 

頼みのラットダーが一蹴され動揺する部下達だが事態は更に悪化していく。

 

「撃テ、撃テ、近ヅケルナァ!」

「コ、コイツラ、ヤタラ動キガイイゾ!?ギッ!?」

 

駆逐艦の船員達は必死に弾幕を張るも、デスウォッチは弾幕を危なげなく回避しつつ正確無比な射撃でボルト弾を撃ち込み船員達をミンチに変えていく。

 

「よし、周囲に異種族(ゼノ)の姿はなくなった。このまま鼠共の注意を引きつつブリッジに向かい制圧するぞ。私が前に出るから同胞(ブラザー)はフォローを頼む」

「了解した同胞(ブラザー)

 

迎撃に出ていた駆逐艦の船員達を排除したデスウォッチ達はブリッジを制圧する為に前進するのであった。

 

 

 

「屑共ハトモカクラットダーガ一蹴サレタダト!?人間共ハソコマデ強イノカ!?装備ハ古イ癖ニ!」

「カ、艦長!人間共ガブリッジニ接近中!止メラレマセン!」

「クッソォ!脱出!脱出ダ!緊急テレポートシステムヲ作動サセロ!同時ニ機密保持ノ為ニ艦ヲ自爆サセr「それはダメだ」グゲェ!?」

「カ、艦長ォ!?」

 

 

 

「よくやってくれた同胞(ブラザー)、君が一足先にブリッジに潜入して制圧したお陰でこの軍艦を確保する事ができた」

「いや、同胞(ブラザー)達が鼠共の注意を引いてくれたお陰だ」

 

駆逐艦のブリッジがデスウォッチによって制圧され既に艦内の掃討戦に移行していた。デスウォッチが侵入してからたった15分で制圧されたがスケイヴン達が不甲斐ないのではなくデスウォッチ達が優秀だったからである。

 

デスウォッチの一人は異種族(ゼノ)の技術を流用した光学迷彩を使ってスケイヴン達に気付かれる事なくブリッジに侵入しており、駆逐艦を自爆させず無事に制圧する事ができたのだ。本来帝国では技術革新は禁忌とされていたが、対異種族(ゼノ)特殊部隊であるデスウォッチはある程度見逃されていた。

 

同胞(ブラザー)、この駆逐艦の操縦は可能か?」

「ああ、この船のUIは人類の物と酷似しているから操縦は容易だ。言語もローゴシックだから翻訳の必要もなくて非常に楽だ。このまま船を操作し主力艦隊と合流させる」

「それはよかった、帝国技術局(アデプトゥス・メカニクス)から鼠共の軍艦を鹵獲してほしいと頼まれていたからな」

 

デスウォッチに同伴していたテックマリーンの一人が端末を操作しており、スケイヴン達の科学技術が人類の物を模倣している事を再確認しつつ少しだけ感心している様子を見せていた。

 

「ほう、鼠共は不潔で愚かだが技術に関しては非常に洗練されているな……UIを少し確認しただけでもわかるが今の人類のUIと違って効率的で扱いやすい……人類の技術もここまで発展できるのだな……今まで何をやっていたのだ我々は」

同胞(ブラザー)、そこまでだ。それ以上の発言は見逃す事ができん。そういった感想は心の中で留めておけ」

「ッ、すまない、失言だった」

 

テックマリーンはデスウォッチから注意され自分が失言していた事を悟り謝罪する。

 

「いいさ、次から気を付けてくれ。同胞(ブラザー)、鼠共のテクノロジーはどこまで進んでいる?タウ並みか?」

「技術体系が違うから厳密な比較は難しいが、下手をすればタウ以上だな」

「……たった数百年でそこまで発展したというのか」

 

デスウォッチの一人が零した言葉に周囲は沈黙する。今まで無数の異種族(ゼノ)と戦ってきたデスウォッチから見てもスケイヴン達の発展速度は異常であった。

 

異端審問官(インクィジター)ナグム殿が前進を命じるわけだ。今の時点でも脅威だというのに、時間を与えればどこまで発展するというのだ。一刻も早く鼠共を駆除しなければ」

「ああ、そうだな……だが鼠共を完全に駆除できるだろうか?」

「弱音を吐くな同胞(ブラザー)、我々は皇帝陛下の為に、帝国の為にも戦い続けるしかないのだ」

 

帝国艦隊が艦隊戦で一方的な被害を受け続けている事を知るテックマリーンが弱音を吐くがデスウォッチの中隊長が叱咤する。厳しい戦いが予想されても彼等デスウォッチは、スペースマリーン達は帝国の為に戦い続ける事を再確認し気合を入れるのであった。

 

 

 

「なんて醜い戦い方だ。被害を度外視し物量で圧倒するとは、見るに堪えないな。我々には絶対にできない戦法だ、やりたいとも思わんがな……どうする先見司(ファーシーア)、人間達は我々の想像以上に不甲斐ないぞ」

「大丈夫だ」

 

帝国艦隊とスケイヴン達が戦闘を繰り広げる光景を方舟(アシュルヤーニ)の偵察部隊が観測していた。戦闘の様子を見ていたアエルダリ達は帝国の戦い方に呆れつつも帝国艦隊の行く末を他人事ながら心配していた。

 

「だがあの様子では鼠人共を殲滅する前に艦隊が全滅するぞ?」

「彼等に鼠共の駆除は期待していないさ。少しでも消耗させてくれればいい。鼠共の敵は人間や我等だけではないのだ」

先見司(ファーシーア)も人間達が勝てるとは思っていないのか。未来を視たのか?いや、視なくてもわかるな」

 

アエルダリの一人が言った言葉は残酷であったが事実である。スケイヴン達は科学技術で人類を圧倒しておりアエルダリ達は帝国艦隊の勝機はほぼないと判断していた。

 

「私が視た未来では帝国艦隊は甚大な被害を受けつつ撤退する。そして鹵獲した鼠共の技術を解析しつつ帝国技術局(アデプトゥス・メカニクス)は組織の改革を行い非常にゆっくりではあるが技術革新を始めるだろう」

「ようやくか、まあ新参者である鼠共に技術を模倣された上に追い抜かされたと理解すれば愚かな人間達でも危機感を持って当然だな」

 

動きの遅い人類の帝国に呆れつつもアエルダリ達はスケイヴン達の対処について話し合う。

 

「人間達を撃退した鼠共はどうする?そのまま放置するのは問題だろう」

「それは心配ない。人間達と入れ替わりに飢えた獣達が襲来するからだ」

「……奴等か」

 

先見司(ファーシーア)の言う飢えた獣達の正体を察した側近は何とも言えない表情を浮かべるのであった。

 

「ううむ、奴等と鼠共か、どっちも害悪な存在だが……混沌の神の僕じゃないだけ奴等の方がマシか」

「飢えた獣達にとって自分以外の有機生命体はすべて餌だ。相手が鼠共でも喜んで貪るだろうな」

 

 

 

「ふむ、人間共の物量は圧倒的だが、これなら先に音を上げるのは奴等の方だな」

 

帝国艦隊とスケイヴン達の戦況を確認したムスは自分達スケイヴンの勝利を確信していた。帝国艦隊は数が多いものの艦隊戦は終始スケイヴン達が圧倒しており、時折局地戦で人類が勝利する事もあったが帝国艦隊の被害は甚大であった。

 

「ええ、偽りの皇帝に盲目的に従って停滞している帝国の犬共など貴方の敵ではないでしょうな」

「世辞はいい。部下達から嫌という程聞いているからな」

 

来訪者の言葉を聞き流しつつもムスは今後について考えていた。

 

(人類の帝国は思ったよりも大した事がなかったな。人海戦術で押しているがこの有様では我等スケイヴンの駆除など不可能だ……連中の技術が停滞どころか衰退していると判明したのはよかった。これならいずれ科学技術で圧倒的な差が出る事だろう。後は宇宙進出を進めて勢力を拡大し、スケイヴンの数を増やしていけばいい)

 

色々と考え事をしていたムスだが、最終的に溜息をつくと思考を打ち切り目の前の来訪者に向き合う事にした。

 

「それで?貴様は本気で偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)様に忠誠を誓うというのか?」

「ええ、新たな渾沌の神に忠誠を誓い、神の僕として銀河に渾沌を齎すつもりです」

「えぇ……?」

 

目の前で跪いている人間、いや元人間であるケイオス・スペースマリーンの一人であるロクシアが偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)に忠誠を誓うと宣うのを見たムスは思わず困惑するのであった。

 

「ロクシアよ、私が言う資格はないが貴様正気か?」

「ハハハ、これはおかしな事を言われますな。渾沌の神に忠誠を誓おうとする者が正気なわけがないでしょうに」

「……それもそうだな」

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●鼠人間(スケイヴン)

→帝国艦隊と激戦を繰り広げている。艦隊戦ではスケイヴン達が圧倒しており被害は全然出ていない模様。物量で押されて惑星の幾つかが究極浄化(エクスタルミナトゥス)されたが大丈夫だ、問題ない。スケイヴン達の科学技術ならテラフォーミングも余裕である。

 

 

 

●駆逐艦の艦長達

→デスウォッチに侵入され制圧された。頑張っていたが相手が悪かった。駆逐艦は鹵獲されスケイヴンの技術者達は捕虜として拘束される。捕虜を待ち受ける運命はかなり悲惨である。

 

 

 

●デスウォッチ

→ラットダーや駆逐艦の船員達を邪魔だクソゴミした対異種族(ゼノ)特殊部隊のスペースマリーン。スペースマリーンから見ても精鋭を超えた精鋭であり他のスペースマリーン達から尊敬されている。

 

 下手をすればタウ以上の科学技術を持つスケイヴン達に戦慄し何としてでも殲滅せればと再確認する。

 

 

 

●テックマリーン

→デスウォッチ達に同行した精鋭。デスウォッチとは交流があり技術革新にも抵抗がない珍しいテックマリーンである。スケイヴンの科学技術を見て人類の技術の停滞を痛感していた。

 

 

 

●帝国艦隊

→物量で圧倒しているが被害が甚大である。異端審問官(インクィジター)ナグムもスケイヴンの駆除が非常に難しいとは内心理解しているが、スケイヴン達を少しでも消耗させようと前進を続ける事にした。

 

 

 

方舟(アシュルヤーニ)のアエルダリ達

→帝国艦隊とスケイヴン達の戦いを観察し高みの見物をしている。帝国艦隊の人海戦術に呆れている模様。そして飢えた獣達がスケイヴンを襲うと先見司(ファーシーア)から預言され微妙な表情を浮かべる者が続出した。

 

 

 

●飢えた獣達

→一体何ニッドなんだ……

 

 

 

●転生者(ムス)

→帝国艦隊が想定より大した事がないと判明しこれなら何とかなるなと安堵しつつも、行動力の化身な来訪者に頭を悩ませている。

 

 

 

●ケイオス・スペースマリーンのロクシア

→「おおっ!新しい渾沌の神が生まれとる!様子を見た限り中々将来有望そうやっ!ムフフ、いつまでもダラダラ争ってる4大神は捨てて、新しい神に忠誠を誓って恩寵を貰おうね」とムスを尋ねた行動力の化身。ケイオス・スペースマリーンとしては新参者である。能力はかなり優秀な模様。なおロクシアの行動はケイオス・スペースマリーン達から見ても「お、お前変なクスリでもやってるのか」となる行動である。

 

 ムスは困惑しているが偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)は爆笑しつつ様子を見ている。次回は面接回になる予定。




スケイヴンタイドを購入しスケイヴンにハマった結果勢いで書きました。WARHAMMERの二次は二回目でが、今度は最後までプロットが出来てますので何とか完結させたいと思います。参考資料はコアブック(AOS&40K)とコデックスとバトルトームです。ネタバレですが「俺達の戦いはこれからだ!」エンドになります。



更新はゆっくりとしたものになります。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。