「ス、スゴイ数ノ人間共ガ攻メテキテイマス!」
「落チ着ケ!黙ッテ迎撃シロ!奴等ハ数ガ多イガ弱イ!」
人類の帝国が派遣した艦隊がスケイヴン達の勢力圏内に侵攻してから1ヶ月が経過していた。帝国艦隊は物量に物を言わせ前進を続けており、スケイヴン達は後退しながら迎撃しつつ
「アーーーッ!一杯ブッ殺シテルノニ全然数ガ減ッテオリマセン!」
「コ⋯…コイツラ頭ガ完全ニイッテヤガル。コイツラ死ヌノガ怖クナイノカ!?人間トイウヨリグリーンスキンダナ……」
人類を凌駕するまでに科学技術が発展したスケイヴン達は艦隊戦では圧倒的に優位な状況であったが、圧倒的な物量を誇る帝国艦隊はスケイヴン達の勢力圏にゆっくりと浸透しつつあった。帝国艦隊を迎撃しているスケイヴン艦隊の駆逐艦の艦長は帝国艦隊が死ぬ事を恐れず前進し続ける姿を見て、まるでオルクのようだとドン引きしていた。
「カ、艦長!人間共ノ小型艦ガ多数接近中デス!」
「マサカ制圧用ノ歩兵部隊カ!?命知ラズノ阿呆共メ!我々ガ黙ッテ見テイルト思ッテルノカ!弾幕ヲ張レ!撃チ落トセ!」
高速で接近する帝国の小型艦達の目的を察した艦長は迎撃を指示する。駆逐艦は周囲の味方と協力し弾幕を張って小型艦を撃ち落としていくが、余りにも数が多く幾つか撃ち漏らしてしまう。
「ダ、ダメデス!取リ付カレマシタ!」
「エエイ、役立タズ共ガァ!総員白兵戦用意!ラットダー達ヲ前ニ出セ!屑共ハラットダー達ヲ援護!サッサト侵入者共ヲ殲滅シロ!」
無能な部下達にイラつきつつも駆逐艦の艦長は侵入者を撃退せよと命令し、部下達は慌てて侵入者を撃退する為に動き出す。
「侵入シタ敵ノ数ハ少ナイ!頼ムゾラットダー!クソ人間共ヲブチ殺セ!」
「マカセルヤンケ」
「ヨシ!俺達ハラットダーノ援護ヲスル!弾幕ヲ張ッテ人間共ヲ穴ボコチーズニシテヤレ!」
駆逐艦の船員達は侵入者達を迎撃せんと気合を入れていた。彼等は自分達が出来る範囲で最善の行動をしていたが、一つだけ致命的な問題があった。
「来タゾォ!撃テ撃テ!」
「
「ナニッ」
「ナ……ナンダアッ!?」
駆逐艦に侵入してきた敵が百戦錬磨の精鋭部隊……デスウォッチであった事だ。
「ヤンケェッ」
「ラ、ラットダー!ブベッ!?」
頼みのラットダーが一蹴され動揺する部下達だが事態は更に悪化していく。
「撃テ、撃テ、近ヅケルナァ!」
「コ、コイツラ、ヤタラ動キガイイゾ!?ギッ!?」
駆逐艦の船員達は必死に弾幕を張るも、デスウォッチは弾幕を危なげなく回避しつつ正確無比な射撃でボルト弾を撃ち込み船員達をミンチに変えていく。
「よし、周囲に
「了解した
迎撃に出ていた駆逐艦の船員達を排除したデスウォッチ達はブリッジを制圧する為に前進するのであった。
「屑共ハトモカクラットダーガ一蹴サレタダト!?人間共ハソコマデ強イノカ!?装備ハ古イ癖ニ!」
「カ、艦長!人間共ガブリッジニ接近中!止メラレマセン!」
「クッソォ!脱出!脱出ダ!緊急テレポートシステムヲ作動サセロ!同時ニ機密保持ノ為ニ艦ヲ自爆サセr「それはダメだ」グゲェ!?」
「カ、艦長ォ!?」
「よくやってくれた
「いや、
駆逐艦のブリッジがデスウォッチによって制圧され既に艦内の掃討戦に移行していた。デスウォッチが侵入してからたった15分で制圧されたがスケイヴン達が不甲斐ないのではなくデスウォッチ達が優秀だったからである。
デスウォッチの一人は
「
「ああ、この船のUIは人類の物と酷似しているから操縦は容易だ。言語もローゴシックだから翻訳の必要もなくて非常に楽だ。このまま船を操作し主力艦隊と合流させる」
「それはよかった、
デスウォッチに同伴していたテックマリーンの一人が端末を操作しており、スケイヴン達の科学技術が人類の物を模倣している事を再確認しつつ少しだけ感心している様子を見せていた。
「ほう、鼠共は不潔で愚かだが技術に関しては非常に洗練されているな……UIを少し確認しただけでもわかるが今の人類のUIと違って効率的で扱いやすい……人類の技術もここまで発展できるのだな……今まで何をやっていたのだ我々は」
「
「ッ、すまない、失言だった」
テックマリーンはデスウォッチから注意され自分が失言していた事を悟り謝罪する。
「いいさ、次から気を付けてくれ。
「技術体系が違うから厳密な比較は難しいが、下手をすればタウ以上だな」
「……たった数百年でそこまで発展したというのか」
デスウォッチの一人が零した言葉に周囲は沈黙する。今まで無数の
「
「ああ、そうだな……だが鼠共を完全に駆除できるだろうか?」
「弱音を吐くな
帝国艦隊が艦隊戦で一方的な被害を受け続けている事を知るテックマリーンが弱音を吐くがデスウォッチの中隊長が叱咤する。厳しい戦いが予想されても彼等デスウォッチは、スペースマリーン達は帝国の為に戦い続ける事を再確認し気合を入れるのであった。
「なんて醜い戦い方だ。被害を度外視し物量で圧倒するとは、見るに堪えないな。我々には絶対にできない戦法だ、やりたいとも思わんがな……どうする
「大丈夫だ」
帝国艦隊とスケイヴン達が戦闘を繰り広げる光景を
「だがあの様子では鼠人共を殲滅する前に艦隊が全滅するぞ?」
「彼等に鼠共の駆除は期待していないさ。少しでも消耗させてくれればいい。鼠共の敵は人間や我等だけではないのだ」
「
アエルダリの一人が言った言葉は残酷であったが事実である。スケイヴン達は科学技術で人類を圧倒しておりアエルダリ達は帝国艦隊の勝機はほぼないと判断していた。
「私が視た未来では帝国艦隊は甚大な被害を受けつつ撤退する。そして鹵獲した鼠共の技術を解析しつつ
「ようやくか、まあ新参者である鼠共に技術を模倣された上に追い抜かされたと理解すれば愚かな人間達でも危機感を持って当然だな」
動きの遅い人類の帝国に呆れつつもアエルダリ達はスケイヴン達の対処について話し合う。
「人間達を撃退した鼠共はどうする?そのまま放置するのは問題だろう」
「それは心配ない。人間達と入れ替わりに飢えた獣達が襲来するからだ」
「……奴等か」
「ううむ、奴等と鼠共か、どっちも害悪な存在だが……混沌の神の僕じゃないだけ奴等の方がマシか」
「飢えた獣達にとって自分以外の有機生命体はすべて餌だ。相手が鼠共でも喜んで貪るだろうな」
「ふむ、人間共の物量は圧倒的だが、これなら先に音を上げるのは奴等の方だな」
帝国艦隊とスケイヴン達の戦況を確認したムスは自分達スケイヴンの勝利を確信していた。帝国艦隊は数が多いものの艦隊戦は終始スケイヴン達が圧倒しており、時折局地戦で人類が勝利する事もあったが帝国艦隊の被害は甚大であった。
「ええ、偽りの皇帝に盲目的に従って停滞している帝国の犬共など貴方の敵ではないでしょうな」
「世辞はいい。部下達から嫌という程聞いているからな」
来訪者の言葉を聞き流しつつもムスは今後について考えていた。
(人類の帝国は思ったよりも大した事がなかったな。人海戦術で押しているがこの有様では我等スケイヴンの駆除など不可能だ……連中の技術が停滞どころか衰退していると判明したのはよかった。これならいずれ科学技術で圧倒的な差が出る事だろう。後は宇宙進出を進めて勢力を拡大し、スケイヴンの数を増やしていけばいい)
色々と考え事をしていたムスだが、最終的に溜息をつくと思考を打ち切り目の前の来訪者に向き合う事にした。
「それで?貴様は本気で
「ええ、新たな渾沌の神に忠誠を誓い、神の僕として銀河に渾沌を齎すつもりです」
「えぇ……?」
目の前で跪いている人間、いや元人間であるケイオス・スペースマリーンの一人であるロクシアが
「ロクシアよ、私が言う資格はないが貴様正気か?」
「ハハハ、これはおかしな事を言われますな。渾沌の神に忠誠を誓おうとする者が正気なわけがないでしょうに」
「……それもそうだな」
<人物紹介>
●鼠人間(スケイヴン)
→帝国艦隊と激戦を繰り広げている。艦隊戦ではスケイヴン達が圧倒しており被害は全然出ていない模様。物量で押されて惑星の幾つかが
●駆逐艦の艦長達
→デスウォッチに侵入され制圧された。頑張っていたが相手が悪かった。駆逐艦は鹵獲されスケイヴンの技術者達は捕虜として拘束される。捕虜を待ち受ける運命はかなり悲惨である。
●デスウォッチ
→ラットダーや駆逐艦の船員達を邪魔だクソゴミした対
下手をすればタウ以上の科学技術を持つスケイヴン達に戦慄し何としてでも殲滅せればと再確認する。
●テックマリーン
→デスウォッチ達に同行した精鋭。デスウォッチとは交流があり技術革新にも抵抗がない珍しいテックマリーンである。スケイヴンの科学技術を見て人類の技術の停滞を痛感していた。
●帝国艦隊
→物量で圧倒しているが被害が甚大である。
●
→帝国艦隊とスケイヴン達の戦いを観察し高みの見物をしている。帝国艦隊の人海戦術に呆れている模様。そして飢えた獣達がスケイヴンを襲うと
●飢えた獣達
→一体何ニッドなんだ……
●転生者(ムス)
→帝国艦隊が想定より大した事がないと判明しこれなら何とかなるなと安堵しつつも、行動力の化身な来訪者に頭を悩ませている。
●ケイオス・スペースマリーンのロクシア
→「おおっ!新しい渾沌の神が生まれとる!様子を見た限り中々将来有望そうやっ!ムフフ、いつまでもダラダラ争ってる4大神は捨てて、新しい神に忠誠を誓って恩寵を貰おうね」とムスを尋ねた行動力の化身。ケイオス・スペースマリーンとしては新参者である。能力はかなり優秀な模様。なおロクシアの行動はケイオス・スペースマリーン達から見ても「お、お前変なクスリでもやってるのか」となる行動である。
ムスは困惑しているが
スケイヴンタイドを購入しスケイヴンにハマった結果勢いで書きました。WARHAMMERの二次は二回目でが、今度は最後までプロットが出来てますので何とか完結させたいと思います。参考資料はコアブック(AOS&40K)とコデックスとバトルトームです。ネタバレですが「俺達の戦いはこれからだ!」エンドになります。
更新はゆっくりとしたものになります。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。