「コノ星ハ我等ノ物トナッタ!鐘ヲ鳴ナセ!我等ノ勝利ヲ祝ウノダ!」
「
天の川銀河の端にある星系、その中のとある惑星では先住民である人間達を駆逐し鼠人間……スケイヴン達が惑星の支配者となった。鼠人間達は勝利を祝わんと盛大に鐘を鳴らしていた。
「
「宴ダ宴ダ!素晴ラシイゴ馳走ガ一杯ダ!喜ベ雑兵共!オ前達クズ共デモ今日ハ特別二肉ガ好キナダケ食べラレルゾ!」
「オォ!嬉シイ!嬉シイ!」
惑星を我が物とした鼠人間達は盛大な宴を開いていた……宴のご馳走として出てくる料理には人間が使われていたが鼠人間達はそんな事一切気にせず宴を楽しんでいた。鼠人間に倫理観など期待するだけ無駄である。
「シカシ幹部ノ方達ハ何処二行ッタンダ?折角ノ宴ナノニ」
「預言者様カラ呼ビ出シガアッタラシイゾ」
「偉大ナル御方ヨ、我等ヲ導ク預言者様ヨ。貴方様ノ忠実ナ下僕ガ馳セ参ジマシタ」
「うむ、皆集まったな」
その頃鼠人間の幹部達は自分達の指導者であるムスから呼び出されていた。
「お前達よく集まってくれた。お前達が一丸となり戦った事でこの惑星を我等スケイヴンの支配下に置く事が出来た」
「イエイエ、我等ノ快進撃ハ預言者様ノ御力二ヨルモノ!貴方様ガイナケレバ我等ハコノ星ヲ支配スル等夢物語デゴザイマシタ!」
「世辞はいい、我等はこれからも団結して強大な敵に立ち向かう必要がある。権力闘争をしている暇はないと教える為にお前達を集めたのだ」
「敵、デスカ?」
ムスの言葉を聞いて幹部達は困惑する。惑星を完全に支配下に置いた自分達に敵など存在しないと呑気に考えていたのだ。
「ふむ、不思議に思うか」
「イ、イイエ!預言者様ノ御言葉ヲ疑ウナドコレッポッチモゴザイマセン!」
「いや、お前達が疑うのは当然だ。この星に限定すれば我等に対抗できる存在はもういない、人間共はほぼ駆逐したからな……脅威はこの星の外にいるのだ」
「ソ、外二?」
「ああ、お前達に教えよう。いずれ戦う事になるであろう強大な敵の存在を」
そしてムスは自分達を待ち受ける脅威について説明を始めるのであった。
「お前達に宇宙ロケットの開発を指示していた事は覚えているか?」
「ハ、ハイ。技術者達ヲ掻キ集メテ人間共ノ遺物ヲ調査シテオリマシタナ」
「そうだ、この星にいた人間共は元々はあの遺物、いや宇宙船を使って宇宙を渡ってこの星に来たのだ。その人間共を派遣した組織は非常に強大な国家で帝国と呼ばれていたようだ」
「帝国……」
人類の帝国という存在を知らされた幹部達はいまいちピンとこない表情を浮かべていた。
「人間ノ帝国ハドレ程ノ力ガアルノデスカ?」
「……遺物や遺跡を調査した結果、確認しただけでも100万以上の惑星が帝国の支配下にあるのが確認できた。まあ大昔の資料でそれだから、現在はそれ以上に拡大しているだろうな」
「「「「「エッ?」」」」」
ムスの言葉に幹部達は呆然とする。自分達はようやく惑星1個を支配したが、対抗勢力は膨大な数の惑星を支配下に置いていると聞き余りの戦力差に言葉を失っていた。
「モ、モシ帝国ト戦エバ我々ハ」
「馬鹿者、戦にならん。仮に今の段階で人類の帝国に見つかれば一方的に駆除されるだろう。宇宙に出る技術を持たない我等では対抗できん、技術力が違い過ぎるのだ」
帝国に見つかれば詰みだと断言され幹部達は動揺する。
「コ、降伏スルノハ……」
「人間共の帝国は随分と排他的なようでな、降伏した所で我々の居場所はないだろう。抵抗すら許されず無慈悲に駆除されるだけだ」
「ソ、ソンナ」
ムスから知らされた情報は余りにも絶望的であった。嘘だと思いたくてもムスは下らない嘘などつかない事を知っている幹部達は顔を見合わせていた。
「ナルホド、人間共二対抗スル為ニ我等ハ団結シ開発ヲ進メルベキナノデスナ」
「そうだ、帝国に見つかる前に我等は力を付ける必要がある。宇宙進出、武器の開発、兵士の改良など課題は山積みだ。だが我等が一丸となれば不可能はないと私は信じている」
「オ任セクダサイ!預言者様ノ御期待二沿エラレルヨウ我等一丸トナッテ団結スル事ヲ誓イマショウゾ!」
「ではそうしろ……ああそうだ、お前達に一つ忠告しておこう」
一致団結して取り組む事を誓った幹部達を見回したムスは最後に己の異能……歪みの力を使ってとあるビジョンを見せる。一体なんだろうと困惑した幹部達はビジョンに映っているのが自分達の神だと理解し恐怖を覚える。
「ヒッ……!?」
「
「モ、モチロンデス!ソンナ、ソンナ馬鹿者ハオリマセヌ!」
「エエソウデストモ!我々ハ崇高ナ使命ヲ何ヨリモ優先イタシマス!偉大ナル神二誓ッテ!」
「うむ、よろしい。話は以上だ。わざわざ呼び出して悪かったな、今日は宴を楽しむといい」
恐怖で震え上がる幹部達は自分達の神に誓って団結すると宣言し、それを聞いたムスは満足気な様子を見せたのであった。
ムスが部屋から立ち去るのを確認した幹部達は弾かれたように駆け出した。今の彼等は危機感を覚えてもはや宴どころではなかったのだ。
「集マレ!集マレ!技術者達ヨ集マレ!エエイ何ヲ呑気二飯ヲ食ッテイルノダ!我々ガ生キル為ニモ一刻モ早ク宇宙へ進出スルノダ!開発ヲ急ゲ!」
「モット!モット強イ武器ヲ!ドンナ敵デモ一撃デブチ殺セル強イ兵器ヲ造ルゾッ!」
「ラットオゴウルヲ更二改良スルゾ!タダ腕ヲ振リ回ス事シカ出来ナイデカブツナド役二立タン!武器ヲ持タセラレルヨウニ改良スル!」
帝国という強大な敵の存在、自分達と帝国を比較すると笑うしかないレベルの技術格差、そして何よりも敗北すれば自分達の神である
その後幹部達はムスから氏族を立ち上げるよう指示され各々氏族を創設する。各氏族はある程度対抗意識はあれど神の代弁者である預言者ムスの元で団結し力を蓄えるのであった。
「よし、脅しはちゃんと効いたようだ。これなら当分の間は馬鹿な権力闘争はしないだろう。長年同胞達を支配してきてわかったが、彼等を真面目に働かせるには利益と恐怖を与えるのが一番だな」
幹部達の様子を確認したムスは計画通りだと安心する。
「利己的で親愛の情がない連中だが馬鹿ではないからな。いずれ気が抜けて余計な事をし始めるだろうが、その都度躾ければいい。今のうちに幹部達を監視するスパイを養成しておくか。俺を裏切らない忠実な奴を……いや、俺達スケイヴンにそんな殊勝な奴はいないよな。利益と脅迫で説得するか」
ムスは今後について考えつつも、帝国以外にも様々な脅威がある事を理解しており対策に頭を悩ませていた。
「渾沌の連中、
ムスは敵の存在を把握する必要があるとして
<人物紹介>
●転生者(ムス)
→鼠人間達に技術開発を進めるよう命じる。鼠人間に生まれて色々と頑張った結果、彼等の扱い方を理解している。
次話で渾沌の神々について
●鼠人間達(スケイヴン)
→惑星の支配者になった事を喜び宴を楽しんでいたが、ムスから自分達が置かれた現状を知らされ危機感を覚える。内心はどうあれ鼠人間達は一致団結して勢力拡大を目指すのであった。
●幹部達
→惑星を支配して呑気に権力闘争を始めようとしていたが、ムスから色々と知らされた結果「内ゲバしてる場合じゃねえ!」と恐怖し危機感を覚える。一番恐ろしいのは神の怒りを買う事な模様。
敗北して死んでも死ぬより悲惨な事になると知らされた彼等は今後怠ける事なく自分の仕事を行い、スケイヴンの繁栄に貢献していく事だろう。
●氏族
→ムスの命令によって創設された。肉体改造を専門とするモウルダー氏族、暗殺を得意とするエシン氏族などAOSの各氏族をモデルとしている。詳細はいずれ書く予定です。
●帝国
→人類の帝国。かつての全盛期に比べれば大きく衰退しているが、それでも今の鼠人間達では邪魔だクソゴミされるしかない程の力の差がある。腐っても大帝国なのだ。
●渾沌の神々
→
●
→今回は出番なし。AOSでは鼠人間達の内ゲバを見て楽しむ事が多いが、40K世界ではクソザコ種族の鼠人間達に内ゲバしてる余裕はない事は理解しているのでムスの好きにさせている。
次回、神自ら渾沌の情勢について話される事になった。40K世界だと暇なので退屈しのぎに話してくれるようだ。
スケイヴンタイドを購入しスケイヴンにハマった結果勢いで書きました。WARHAMMERの二次は二回目でが、今度は最後までプロットが出来てますので何とか完結させたいと思います。参考資料はコアブック(AOS&40K)とコデックスとバトルトームです。ネタバレですが「俺達の戦いはこれからだ!」エンドになります。
更新はゆっくりとしたものになります。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。