【完結】鼠人間となった転生者   作:すも

22 / 32
WARHAMMERの二次は二回目ですが頑張ります。


準備を進める者達

「諸君、いよいよ時が来たのだ。あの愚かな鼠共を駆逐する時が」

 

ケイオス・スペースマリーンの統べる者(ケイオスロード)の一人はそう言って周囲を見回した。ここに集められたケイオス・スペースマリーン達は常日頃は互いに敵視し争う関係であったが、今回4大神の命によって一時的に共闘する事になったのである。

 

「我々は鼠共を殲滅し、奴等が崇める神がこれ以上力を付ける事を阻止する為に集められた。この戦いは暗黒の神々の名の下にスケイヴンを駆逐し、偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)を討伐する聖戦なのだ」

「それは言われなくてもわかっている。我々は神々の為に戦うだけだ。我々を最前線に出せ!血の神に鼠共の血と髑髏を捧げよう!」

「ああ、もちろん先鋒は君達に任せよう。期待しているぞ」

「ほう、少しは話がわかるようだな。では我々は先に出ているぞ。人形や腐った死体や快楽主義者共と何時までも同じ場所にいたくはないからな」

 

血の神ことコーン神を崇拝するコーン・バーザーカー達は周囲にいる他のケイオス・スペースマリーン達を一瞥すると部屋を退出する。血の神の名の下に全てを殺戮するコーン・バーザーカー達は同じ部屋に居続ければ殺戮衝動に屈して周囲に襲い掛かる自覚があったのだ。

 

「……」

「やれやれ、相変わらず血の神の下僕達は気が荒いな」

「いつもの事だ、主人に似て暴れる事しか考えていない馬鹿者揃いよ」

 

コーン・バーザーカー達を見送ったケイオス・スペースマリーン達は相変わらずだなと呆れる。特に快楽の神であるスラーネッシュ神を信仰するノイズマリーン達はコーン・バーザーカー達の短絡的な思考を嘲笑っていた。

 

「鼠共は偽りの皇帝の犬共を撃退し、全てを貪る害獣すら鼠共を忌避するようになった……油断していると痛い目にあうのがわからないのか?わからないのだろうな」

「いや、彼等はどの道突撃すると思うのだが」

「クッ、クハハ、確かにそうだ!わかっていても突っ込むのがあの馬鹿達だったな!」

「……」

 

疫病の神である尊父ナーグルを信仰するプレーグマリーンの言葉を聞いてノイズマリーンは思わず納得して笑ってしまう。ちなみにティーンチの下僕であるルブリックマリーンはずっと沈黙していたが何時もの事である。

 

統べる者(ケイオスロード)よ、馬鹿達は放っておくとして我々はどうするつもりだ?」

「……数においては我々が圧倒しているのは鼠共も理解しているはずだ。帝国の犬共の時と同じように正面から戦いに応じる事はない。だが今回派遣される事になった勢力は帝国艦隊よりも遥かに多い。たとえ奴等の科学技術が優れていたとしても我々には神々の加護がある。最終的に鼠共は駆逐されるだろう」

 

統べる者(ケイオスロード)の言う事は事実であった。天の川銀河に存在する無数のケイオス・スペースマリーン達やケイオスカルティスト達、そして各暗黒神のディーモン達を集結させた大艦隊は帝国艦隊をも凌駕する大勢力であり、真面に戦えばスケイヴン達では数に圧倒され押し潰されるのは確実であった。

 

「まあそうだろうな、我々の勝利を疑うつもりはない。神々の勅命によって集められたこの大艦隊ならば偽りの皇帝がいる地球とて制圧し破壊できるだろうからな……だが鼠共は自分達の滅びを甘んじて受け入れるだろうか?」

「貴様は鼠共が何か企んでいると考えているのか?」

「ああ、害獣共を無力化したような奇策を考えているかもしれない。統べる者(ケイオスロード)もそれを警戒して馬鹿達を前に出したのだろう?奴等は生贄というわけだ」

「さてな、私が彼等を前に出したのは彼等から要求されたからだ。どの道血に飢えし彼等が前に出る事は確定していた。出さなければ我々に襲い掛かるのは確実なのだから」

 

ノイズマリーンの言葉に統べる者(ケイオスロード)はそう言って嘯く。

 

「そうか、ではそう言う事にしておこう。しかしブラックレギオンの連中の動きが鈍いが」

「仕方あるまい、彼等はアバドンを崇拝し帝国を滅ぼす事を第一に考えている。帝国とは無関係な新参者の鼠共の殲滅などやる気が出ないのも当然だろう」

 

今回の混沌大艦隊ではあらゆるケイオス・スペースマリーン達が参加していた。その中にはケイオス・スペースマリーンでも有数の大勢力であるブラックレギオンも参加していたのだが、奇妙な事に彼等はやる気を見せず渾沌大艦隊の後方で待機していたのだ。

 

「ふむ、まあ今回の大遠征は神々の勅命だから一応参加しただけか……では我々が功績をいただくとしよう」

「ああ、神々の名の下にスケイヴンを殲滅するぞ」

 

消極的なブラックレギオン達を嘲笑いつつもケイオス・スペースマリーン達は今回の大遠征で功績を上げて神々の注目を得ようと気合を入れるのであった。

 

 

 

「とまあ、連中はそう考えているのだろうな」

「ハハハ、呑気なものですなぁ」

 

ムスの予測を聞いてロクシアは吞気な考えだと笑っていた。ムス達は渾沌勢力が集結しつつある様子を監視システムによって既に察知していた。

 

「いよいよ決戦の時が来ましたか。まあ、あの秘密兵器があれば一蹴できますしまったく問題ありませんな」

「奴等も馬鹿ではないから一度しか通用しないだろうがな」

「一度成功すれば十分かと。あの大勢力が壊滅する事になれば戦力の回復には膨大な時間が掛かるでしょう。その間に我々は勢力を拡大させればいい。スケイヴンの繁栄速度と科学技術があれば簡単な話です」

 

ロクシアは渾沌大艦隊を見てもまったく動揺せずリラックスしていた。ムス達が用意した秘密兵器は渾沌大艦隊を壊滅させる事ができる凶悪な代物であったからだ。

 

「そしてこの戦いに勝利する事で渾沌の4大神も偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)を認めざるを得なくなるでしょう。新たな渾沌の神が参列し渾沌の5大神となる……新しい時代の始まりが見れるとは私も幸運だ」

「ククク、ロクシアよ。我等の神がそんなもので満足すると思うのか?」

「ほう?」

 

ロクシアの言葉をムスは笑いながら否定する。周囲に人がいない事を確認したムスは声を潜めてロクシアに話し掛ける。

 

「我等の神は貪欲な御方よ。渾沌の5大神の末席で満足されるような御方ではないのだ」

「それはどういう事ですか?」

「これは私の推測になるが、偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)は恐ろしくも偉大な計画を立てておられる。神の御計画が成功すれば渾沌の神々も他人事ではいられなくなるだろうな」

「……………まさか、本当に?」

「大体察したようだな。まあ私の予想では、とある暗黒神が悲惨な事になるかもしれんなぁ?」

 

ムスの予想を聞いたロクシアは偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)がやろうとしている事を察し思わず驚愕するが、やがて興奮した様子で高笑いを始めた。

 

「……素晴らしい、素晴らしい!偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)に忠誠を誓ってよかった!」

「ロクシア、貴様はラットマリーンを率いてケイオス・スペースマリーン達を迎撃しろ。必ず生き延びろよ。貴様にはやってもらう事が山程あるのだからな。そして一大イベントを特等席で眺めようではないか」

「ええ!絶対に生き延びますよ!」

 

ムス達は一大イベントを特等席で眺める為にもケイオス・スペースマリーン達を迎撃しようと決意するのであった。

 

 

 

 

―いよいよ時が来た―

 

偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)は歪み空間の中で物質世界を観察しながらほくそ笑んでいた。

 

―下僕よ、奴が隠している秘宝の在処は把握済みだな?―

―ハイ偉大ナル神ヨ!誘導ノ手配モ完了シテオリマス!―

 

偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)の問いかけに下僕の鼠……ディーモンが返事をする。スケイヴン達が天の川銀河で繁栄した結果、スケイヴンの感情や思念が集まり鼠の神の手下となるディーモンが誕生していた。鼠のディーモン達は非常に非力な存在であったが、矮小な存在を活かして暗黒神達の領地に潜伏する事ができたのだ。

 

―よし、奴等のお手並み拝見といこうではないか。私の手足となるディーモンは?―

―ハイ!モウスグ生マレソウデアリマス!―

―よろしい、誕生を急がせろ―

 

歪み空間の中で脈動する繭らしきものを眺めた偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)は計画が順調に進んでいる事がわかり上機嫌な様子を浮かべていた。

 

―御誕生ダアッ!―

―ディーモン・ファクトリーノ門ヲ開ケロ!新タナル悪魔ノ誕生ダッ!―

―悪魔ヲ超エタ悪魔ガ生マレヨウトシテイル!―

―……………―

 

ムスの言葉遣いを真似たスケイヴンから生まれた鼠のディーモン達が妙な言葉遣いをしていたが、偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)は自分に害はないとして寛大な精神で聞かなかった事にするのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●ケイオス・スペースマリーン達

→渾沌の4大神から命を受けて集結した。天の川銀河のケイオス・スペースマリーンやディーモン達が集まり帝国艦隊を上回る大勢力である。この戦いは聖戦だとして内心はともかく共闘している。まあでも所詮渾沌勢力なので好き勝手している者が多い。

 

 

 

統べる者(ケイオスロード)

→この戦いで功績を上げて神々から恩寵を貰い永遠の命を得てディーモンプリンスになるのだと気合を入れている。

 

 

 

●ブラックレギオン

→『強奪者』アバドンが率いるケイオス・スペースマリーンでも一大勢力を誇る集団。アバドンの名の下に帝国を滅ぼす事を最優先としており、帝国とは無関係なスケイヴン達を滅ぼす事に消極的である。

 

 ちなみにアバドンの傍には時折小さな鼠がいるようだ。

 

 

 

●ムス達

→神が計画している一大イベントを察して絶対に見ようと決意する。ロクシアはハイテンションな様子でラットマリーンを率いて部下達を困惑させていた。

 

 

 

偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)

→とある計画を準備している。手下となるディーモンもできた。40K世界のディーモン達は変な言葉遣いをするが害はないとして渋々受け入れている。でもやっぱりムカつくのでムスに小言をいうかもしれない。

 

 

 

●計画

→アエルダリ達を利用しとある暗黒神を倒してもらう計画。アエルダリ達がんばれー!

 

 渾沌の4大神の中で変化の神だけは偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)がやろうとしている事を察しているが、自分に害はないし面白そうだから笑顔で見守る事にした模様。




スケイヴンタイドを購入しスケイヴンにハマった結果勢いで書きました。WARHAMMERの二次は二回目でが、今度は最後までプロットが出来てますので何とか完結させたいと思います。参考資料はコアブック(AOS&40K)とコデックスとバトルトームです。ネタバレですが「俺達の戦いはこれからだ!」エンドになります。



更新はゆっくりとしたものになります。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。