「……
「無駄口はそこまでにしろ。周囲に我々の存在はまだ露見してはいないがいつ発見されてもおかしくはない。気を引き締めろ」
―急イデ急イデ!オ宝ハモウスグデス!―
インニアード神というアエルダリの神がいる。死せる者の神であるインニアード神はアエルダリ古来の神ではなく近年になって台頭してきた新たな神である。アエルダリの最後の一人が死ぬ事でインニアード神が目覚めて種族の怨敵である快楽の神スラーネッシュを打倒する……そんな言い伝えを信じる信徒達ことインナーリは自分達を救う神の到来の為に様々な準備を進めていた。
―ジャーン、貴方達ガ決死隊ヲ出シテデモ欲シガッタオ宝ハコチラデス!―
「おおっ……!」
「これが、我々を、いや全ての同胞達を救う為に必要な最後の
インナーリ達は全てのアエルダリが死なずともインニアード神が目覚める方法を知っており、その手段の確保に力を注いでいた。アエルダリ達の伝承にある5つの
―ア、デモ秘宝ヲ取ッタラ流石ニ周囲ニバレルシ、帰リノテレポートノ発動ニホンノ少シ時間ガ掛カルカラ……囮ガ必要デヤンス―
「なんだそんなことか。私が囮になるから問題ない。同胞達よ、必ずこの秘宝を持ち帰ってくれ」
「すまない」
「そんな悲壮な顔をしなくていい。種族の悲願を達成できるのなら喜んで犠牲になるさ。そして間抜けな邪神を散々笑ってやるつもりだ」
―自ラ囮ニ志願スルトハ見事ヤナ……(ニコッ―
―シャアッ!テレ・ポート!―
「ありがとう戦士よ、我々は君の事を決して忘れない!」
「よし、彼等は無事に脱出できたようだな。さて、では貴様等には最後まで付き合ってもらうとしよう……ほう、怒りの他に怯えを見せているな?ハッハッハ、そうかそうか!主人の怒りが怖くて仕方ないか!そうだろうなぁ、何せ本拠地にあった秘宝を盗まれてしまったのだから!貴様等にはどんな運命が待ち受けているだろうな?貴様等は主人を喜ばせる為に創造されたのだろう?必死に主人の機嫌を取るがいいさ。まあもっとも、怒り狂う主人相手に貴様等程度が機嫌を取ろうとしたところで無意味だろうがな!」
―ゴ帰還ダアッ!デハコレデ失礼スルデヤンス―
「イヴライネ!遂に手に入れたぞ!神を目覚めさせる為に必要な最後の
「皆よくやってくれたわ……!これで、これで種族の皆が救われる!既に他の4本は集まっているわ。もう神の目覚めを邪魔する者は誰もいない!」
「ああ、これであの怨敵も終わりだ!」
「まあそういうわけです。これから始まるのは神々の戦い、数千年、いや数万年に一度あるかどうかという非常に重大なイベントです。無駄な戦いはやめて神々の戦いを共に眺めませんか?」
「確かに奴の無様な叫びは聞いた。だがソワソワしながら話すな鬱陶しい。そんなに見たいのか貴様は?」
「当たり前でしょう!我々定命の者が神々の戦いを見る事ができる機会など滅多にありませんよ!」
「ナア
「確カニソウダナ
熱心な様子で渾沌艦隊の先遣隊であるコーン・バーザーカー達を説得するロクシアの様子を見て、ラットマリーンのネズロー達は思わず困惑していた。自分達の指揮官であるロクシアはいつも冷静沈着な男であったが、今回は彼らしくもなく興奮した様子を浮かべていたからだ。
「デモ敵ノ連中モナンカオカシイゾ。ヤル気ガナイトイウカ、ションボリシテイルトイウカ」
「オ前モソウ思ウカ。何ガアッタンダロウナ?」
そして侵攻してきたコーン・バーザーカー達もどこか不満気な様子を浮かべており、ラットマリーン達が困惑している間にも話が進んでいく。
「貴方達も既に理解しているでしょう?血の神の興味はこれから始まる神々の戦いに向けられています。ここで戦ったところで血の神は貴方達の活躍を見ませんよ」
「……黙れ」
「それに私も無駄な戦いをするよりは特等席で神々の戦いを見たいのですよ!なんなら貴方達も一緒に見ますか!」
「要らん」
自分達よりも神々の戦いを優先するロクシアにイラつくコーン・バーザーカー達は自分の得物でコイツの口を黙らせようかと考えたが、突如虚空に視線を向けると盛大に溜息をついた。
「……神から帰還するようにと仰せがあった。運がよかったな鼠共」
「そうですか!ではそのままお帰りください」
「ド、ドウイウ事ナノン?ナンカ戦ウ事ナク帰ッテクミタイダケドヨ」
「俺ニワカルワケナイダロ
コーン・バーザーカー達が渋々と帰還の準備を始め、それをロクシアが笑顔で見送るという展開にラットマリーン達は盛大に困惑するのであった。
「……よし、彼等は大人しく帰還しましたね。では
「アッハイ、エエト、神々ノ戦イヲ見ルノデスカ?」
「ええそうです!ムス殿に特等席で見ようと誘われていますので!」
コーン・バーザーカー達が帰還したのを確信したロクシアは意気揚々とした様子でムスの居場所へ移動する準備を進めていた。
「貴方達は念の為ここで待機してください。私も観賞が終わればすぐ帰還しますので」
「カシコマリマシタ!防衛ハ我々ニオ任セクダサイ!」
「ええ、任せましたよ……っ!?」
「エッ」
「ナニッ」
「ナンダアッ!?」
テレポートの準備を進めていたロクシアであったが、突如として歪み空間から謎の大きな波動を感じ取っていた。周囲のラットマリーン達も感じ取って困惑していたが、波動の正体を察したロクシアは少し焦燥に駆られていた。
「ええい、展開が早いですね!これは、間に合うかどうか……!」
―ロクシアよ、聞こえているか?―
「ッ!ムス殿!」
―そちらは上手くいったようだな―
「ええ、客人達は大人しく帰ってくれましたよ」
ムスからテレパシーで通信が来たロクシアは驚きつつもムスに先遣隊の対処が上手くいったと報告する。
―うむ、それはよかった。では約束通り一大イベントを特等席で見ようではないか。こちらから貴様をテレポートで召喚するからそこで待機してくれ―
「おおっ!感謝しますムス殿!」
―別に礼は要らんよ。ではいくぞ―
神々の戦いを見る事ができると喜色満面の表情を浮かべたロクシアはムスの手によって無事テレポートする事が出来たのであった。
「ロクシア殿メッチャウキウキシテタナァ」
「アア、神々ノ戦イハソレダケ珍シイノダロウヨ」
……………インナーリ達によって5つの
対象となったスラーネッシュは鼠の神へ怒りを抱きつつも死せる者の神など蹴散らしてくれると待ち構え……
残りの渾沌の3大神はこの天の川銀河でも滅多に起きない一大イベントに興奮した様子を浮かべ……
そして
<人物紹介>
●インナーリ達
→
囮となったインナーリの戦士は最後の瞬間までスラーネッシュの下僕達を煽り、そしてスラーネッシュに魂を喰われる直前になっても「間抜けな邪神め!」と爆笑して煽りブチギレさせていた。ちなみにスラーネッシュの部下達はかなりの数が粛清された模様。
●インニアード神
→インナーリ達が崇拝する死せる者の神。
●先遣隊のコーン・バーザーカー達
→血の神がこれから起こる神々の戦いに注視しており自分達を見てくれない事を悟ってやる気をなくす。そして血の神から帰還するよう言われて渋々帰るのであった。
●ケイオス・スペースマリーンのロクシア
→神々の戦いを特等席で見る事ができてハッピーハッピーな模様。いつも冷静沈着なロクシアらしくないが、数万年に一度起きるかどうかの一大イベントなので彼がここまで浮つくのも無理はない話である。
●ラットマリーン達
→上司のロクシアの浮かれっぷりに困惑していた。
●インニアード神VSスラーネッシュ神
→アエルダリ達の神VS混沌の神というガチンコ勝負。この戦いは渾沌の3大神や
ちなみに地球の黄金の玉座に据えられている皇帝陛下も興味深い様子で観戦しているようだ。
スケイヴンタイドを購入しスケイヴンにハマった結果勢いで書きました。WARHAMMERの二次は二回目でが、今度は最後までプロットが出来てますので何とか完結させたいと思います。参考資料はコアブック(AOS&40K)とコデックスとバトルトームです。ネタバレですが「俺達の戦いはこれからだ!」エンドになります。
更新はゆっくりとしたものになります。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。