【完結】鼠人間となった転生者   作:すも

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番外編です。


ラットマリーン達の戦い①(研修の始まり)

「撃テ撃テ!人間共ヲブッ殺セ!」

「アイツラクソ緑並ニ数多イ!殺シテモ殺シテモ減リヤシネェ!」

 

「恐れるな兵士達よ!この星を守り抜くのだ!」

「皇帝陛下の為に!」

 

天の川銀河のとある惑星の最前線ではスケイヴンのソルジャーラット達と、人類の帝国の軍人達である帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の兵士達が一進一退の攻防を繰り広げていた。スケイヴン達は長年の戦争で改良され強化されたプラズマ兵器を使い支配地域を広げようとするが、帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)は防衛線に籠りつつ人海戦術によって対抗し戦況は膠着状態となっていた。

 

「アーッ、モウ!ウンザリスル!アイツラ数ダケハ滅茶苦茶イヤガル!」

「本部ニ連絡シテ爆撃シテモラウベキデハ?」

「イヤ、ソノ必要ハナイゾ屑共!」

 

最前線のソルジャーラット達は膠着状態となった戦況を打開すべく爆撃の要請を依頼するべきだと提案するが、ソルジャーラット達の隊長は否定する。

 

「デ、デスガ我々ダケデハ人間共ノ防衛線ヲ突破デキマセン!」

「話ハ最後マデ聞ケ屑ガ!爆撃ヲ要請スル必要ハナクナッタ!頼モシイ援軍ガ来ルカラナ!精鋭中ノ精鋭デアルラットマリーン達ガ来ルソウダ!」

「オオッ!?」

 

隊長から予想外の援軍が来ると知らされたソルジャーラット達は全員が明るい表情を浮かべる。スケイヴン軍の中でも精鋭と謳われるラットマリーンはスケイヴン達にとって非常に頼もしい味方であった。

 

「アノラットマリーン様達ガイラッシャルノデアリマスカ!?」

「ソウダ!彼等ガ来タカラニハ防衛線ノ人間共ハオ終イダ!」

「ヒャッホウ!ラットマリーン様万歳!……ア、デモソウナルト我々ハドウナルノデスカ?」

「我々ハ一度後退スル。ラットマリーン達ノ活躍ヲ安全ナ場所デ観戦シヨウデハナイカ!ワカッタラサッサト準備シロ屑共!」

「「「「イエッサー!」」」」

 

隊長から指示を受けたソルジャーラット達は久々の朗報に喜びつつ後退するのであった。

 

 

 

 

新入り(ルーキー)共!イヨイヨオ前達ノ初任務!研修ノ始マリダ!マズハコノ惑星デ未ダニ抵抗シテイル人間共ヲブチ殺スゾ!」

 

その頃スケイヴンの戦艦の一つにラットマリーン達が集められていた。周囲にはつい最近強化手術が完了したルーキーこと新修士(ネオファイト)が大勢集められており緊張した表情を浮かべ古参同胞(ベテラン)のチュウメイの話を聞いていた。

 

(チッ、新入り(ルーキー)共ノ面倒ヲ見ル羽目ニナルトハナ。任務ノ一環ダカラ断レナイノハワカッテイルガ)

 

チュウメイと共に新修士(ネオファイト)達の指導を命じられた古参同胞(ベテラン)のネズローは内心面倒くさいと思いつつも表情に出す事はなく厳めしい顔をしていた。

 

「今回ノ標的ハ人間共ノ軍隊ダ!デモ安心シロ新入り(ルーキー)共!人間共ナド極一部ヲ除イテ俺達ノ敵ジャナイ!オ前達ノ脳味噌ニ刻マレタ記憶ト最新鋭ノ装備ガアレバ奴等ナンゾタダノオヤツダカラナ!」

(ソレハソウダ。ハッキリ言ッテ人間共ノ兵隊ハ殆ドガ雑魚ダ)

 

相棒である古参同胞(ベテラン)チュウメイの発言にネズローは同意する。帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の兵士達は数を頼りに攻めてくる集団で精鋭であるラットマリーン達の敵ではなかった。最新鋭の技術が使われたパワーアーマーやプラズマ兵器があるラットマリーンからすれば一般兵士など脅威ではなかったのだ。

 

「デハ行クゾ新入り(ルーキー)共!殲滅・ラッシュダアッ!」

「「「「「イエッサー!!」」」」」

 

古参同胞(ベテラン)チュウメイの説明が終わり新修士(ネオファイト)達は気合を入れて初の戦場に乗り込むのであった。

 

 

 

「鼠共が退いていくぞ!奴等も遂に諦めたのでしょうか?」

「いや、これは……本部に援軍を要請しろ。俺の勘だが恐らくもっとヤバい奴等が来る」

「軍曹殿?一体何が来るというのですか?」

「さあな、俺にもわからん。だが鼠共はまだ余力があるのに後退していった。今までの経験だとこういう時は最悪の展開がよく起きる。貴様等も覚悟しておけ……!?」

「敵襲!敵襲!鼠共だ!奴等どこからともなく現れやがった!?」

「クソッ、迎撃しろ!ったく、こういう時に限って俺の勘はよく当たるな!」

 

 

 

「鐘ヲ鳴ラセッ!戦闘開始ダッ!」

「行クゾ新入り(ルーキー)共!思ウ存分暴レロ!」

「ウオオオォォォッ!」

 

ワープ装置を使い帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の防衛線の内部に出現したラットマリーン達は出現と同時にプラズマ兵器やファイアスロワーを発射して周囲の殲滅作業を開始する。帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の兵士達は突然の奇襲に動揺しつつも即座に迎撃して弾幕を張る。

 

「撃てえっ!鼠共を殲滅しろ……………えっ?」

「カスガ、貴様ラノ貧弱ナ攻撃ナンザ効カナインダヨ!」

 

帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の兵士達はラスガンやボルトガン、火炎放射器や重機関銃に戦車の大砲まで使ってラットマリーン達に火砲を集中させていた。だが煙が晴れてラットマリーン達が無傷な事を確認した兵士達は呆然とし、ラットマリーン達は無駄な抵抗を嘲笑いつつ兵士達を殲滅していく。

 

ラットマリーン達のパワーアーマーが展開するバリアフィールドは長年の戦争によるデータが反映され改良された事により性能が大幅に向上し並大抵の火力では貫通する事も出来なくなっていた。その防御力はスペースマリーンが使うストームシールドよりも上であり、帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の兵士達が所持する火器ではまともに対抗できなかったのだ。

 

「そ、そんな!?攻撃が効かない!?」

「落ち着け!火力を集中させろ!いくら強固なバリアがあるとしても火力を集中させれば必ず突破できッ!?」

「コ、政治将校(コミッサー)殿ォ!?」

「アノナァ、俺達ガ棒立チデ突ッ立ッテルママダト思ッテルノカヨ?ソレトソンナデカイ声デ指示ヲ出シテタラ指揮官ダッテバレバレダゾ?」

 

動揺する兵士達を叱咤しつつ指揮を執っていた政治将校(コミッサー)をプラズマ兵器で狙撃した古参同胞(ベテラン)チュウメイは思わず呆れていた。ラットマリーン達は機敏な動きで防衛線の内部を移動しており火力の集中は非常に困難であった。

 

「だ、ダメだ逃げろぉ!?」

「ドコニ逃ゲルトイウンダ?諦メテサッサト死ネ」

 

一方的な展開に戦意を喪失し逃亡を始める帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)の兵士達を後ろから撃ちつつ古参同胞(ベテラン)ネズローはつまらなそうな表情を浮かべていた。

 

「ヒャハハハ!コイツラ滅茶苦茶弱イデェ!」

「ヌルイ相手ッスネ。忌憚ノ無イ意見ッテヤツッス」

「俺ガ人間共ヲグッチャグチャニ潰シテヤルヨ!」

 

周囲ではラットマリーンの新修士(ネオファイト)達が機嫌よく暴れており、帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)は成す術もなく蹂躙されていた。そんな光景を見た古参同胞(ベテラン)ネズローは溜息をついて呆れていた。

 

「チッ、呑気ナ新入り(ルーキー)共ダ。調子ニ乗ッテイルガ使イ物ニナルノカ?」

「ソンナ事言ウナヨ同胞(ブラザー)。俺達ダッテ最初ハアンナ感ジダッタダロ?」

「ハァ?少ナクトモアソコマデ調子ニハ乗ッテナカッタゾ。ギリギリノ戦イバカリダッタダロウガ」

「ソウイエバソウダナ」

 

当時を思い返した古参同胞(ベテラン)チュウメイは同意する。ラットマリーンが設立された当初はロクシアの指導が有れど色々と試行錯誤していた時期であり、武器やパワーアーマーも改良されておらず戦闘は常に命の危機に晒されていた。

 

「科学技術ノ進歩ハスゴイネェ。コノパワーアーマーハAIノサポートダケデナク、戦車砲ヤ大型兵器ノ直撃ニモ耐エラレルバリアフィールド、狙ッタ位置ヘ寸分ノ狂イモナク正確ニ空間移動デキルワープ装置、ソシテ非常時ニハ緊急テレポートデキル脱出装置……イヤハヤ至レリ尽クセリダナ」

「アア、新入り(ルーキー)ニハ勿体ナイクライダ」

 

スケイヴンの最新技術が詰め込まれたパワーアーマーは天の川銀河全体を見ても強力な装備であった。ラットマリーン達は練度については人類の帝国のスペースマリーン達に後れを取っていたが、装備の差によって優位に立っていた。

 

「ソロソロ殲滅作業モ一段落シソウダシ一度帰還ノ準備ヲスルカ。戦場ノ後始末ハ前線ノ連中ニ任セレバイイダロ。明日マタココニ来テ研修再開ダ」

「ヤレヤレ、ノンビリシテイルナ。コンナ呑気ナ研修デ新入り(ルーキー)共ハ使イ物ニナルノカ?」

「オイオイ、気ガ早イナ。研修ハマダ始マッタバカリダロウニ」

 

新修士(ネオファイト)達が思う存分暴れているのを確認しつつ古参同胞(ベテラン)コンビのネズローとチュウメイは吞気な様子で雑談をするのであった。

 

「確カニ今ノアイツラハ調子ニ乗ッテイルガ、研修ガ終ワレバ頼モシイ同胞(ブラザー)ニナルハズサ」

「ソウダトイイガナ」

 

 

 

「……酷い有様だ」

 

ラットマリーン達が帰還した後、遅まきながら救援に駆け付けたウルトラマリーンのとある副官(レフテナント)は周囲の惨状を見て溜息をついていた。

 

「攻撃がまったく通らなかった、か」

「はい、我々のラスガンや戦車砲は奴等に通用せず一方的に駆逐されて……でも軍曹殿が我々を逃がしてくれたんです。必ず生きて情報を持ち帰れと」

「そうか、よくやってくれた。君達の証言と映像記録は非常に有用だ。情報を持ち帰ってくれて感謝する」

「は、はい!」

 

同僚の戦闘同胞(バトルブラザー)が生存者から証言を聞き出している間に、副官(レフテナント)は映像記録を確認し苦い表情を浮かべる。

 

「……以前連中と戦った時よりもバリアの性能が向上しているように見える。改良が進められているのか」

副官(レフテナント)、生存者から色々と情報を聞き出す事ができた。推測だが連中は恐らく『研修』の為に出てきたのだろう」

「ああ、同胞(ブラザー)の予想通りだ。映像記録を見たが動きが未熟な鼠共が多い……何時もの『研修』だろうな」

 

生存者の証言と映像記録からラットマリーン達が新修士(ネオファイト)の訓練の為に来たと把握したウルトラマリーン達は戦団本部に報告を入れる事にした。

 

「我々が殺し続けても鼠共は着実に数を増やしている。奴等はまた来ると思うか?」

「そうだな、『研修』の為に引き続きここに来るだろう……同胞(ブラザー)、これは好機だ。我々は油断している奴等を奇襲し殲滅する」

「なるほど、副官(レフテナント)の言う通りだ。奴等を少しでも減らす必要がある」

 

戦団本部へ応援を要請したウルトラマリーンの副官(レフテナント)達はラットマリーン達を殲滅するべく準備を始めるのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●前線のソルジャーラット達

→スケイヴン軍の末端として最前線で戦っている。改良された兵器のお陰で帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)相手なら優位に立てるようになった。スペースマリーン?邪魔だクソゴミされるだろう。援軍のラットマリーン達の活躍を見てテンションを上げていた。

 

 娯楽については暇な時は個人に支給されるタブレット端末で動画(検閲済み)を見たり、電子書籍(検閲済み)を読んだり、ソシャゲ(検閲済み)の周回をしたりしている。そして一番の楽しみは殺した敵の死体を使ったBBQである。様々な種類があるソースを使えば亜人種(アブヒューマン)のオグリンだって美味しく食べられるのだ。

 

 

 

帝国防衛隊(アストラ・ミリタリム)

→数を頼りに頑張っているが技術格差によってソルジャーラット達に押され始めている。ソルジャーラット達からは肉が少し臭いが毒もないし味も悪くないと中々好評な模様。

 

 

 

●ラットマリーン達

新修士(ネオファイト)達の研修の為に惑星にやって来た。ネズロー達の頃より科学技術が発展した結果、装備の性能が大幅に向上し並大抵の敵なら邪魔だクソゴミできるようになった。

 

 

 新型パワーアーマーはバリアフィールド以外にもAIによる補助や胸部装甲に埋め込まれた歪み石(ワープストーン)によるサイキック能力への抵抗などがあり他種族から見ても脅威である。スケイヴンの科学技術と偉大なる角ありし鼠(グレイトホーンドラット)による、物質世界と歪み空間の力が合わさり最強に見える。でもこの世界はウォーハンマー40Kなので死ぬ時はあっさり死ぬのだ。

 

 ゲーム的に言えば新修士(ネオファイト)でもHPの(ウーンズ)が4程あり、サイキック能力への微弱な抵抗判定付き、そしてスペースマリーンの半分程のコストで用意できる感じである。チートな気もするが技量は微妙なので大丈夫だ、問題ない。

 

 

 

●ネズローとチュウメイ

古参同胞(ベテラン)として頑張っており、今回は新修士(ネオファイト)達の研修に付きあう事になった。自分達の頃と比較して最近の新入り(ルーキー)共は恵まれているなぁと思ったとか。

 

 ちなみにネズローはとあるウルトラマリーンの一人と何度か交戦しており、いい加減アイツ死なねーかなとウンザリしているようだ。

 

 

 

●ウルトラマリーン達

→スケイヴン達の拡大速度に危機感を覚えている。ラットマリーンについては技量は未熟な奴が多いが、装備が厄介過ぎると危険視している。

 

 

 

●ウルトラマリーンの副官(レフテナント)

→超強いウルトラマリーンの一人。一体誰トリアン・タイタスなんだ……

 

 この世界ではスケイヴンのせいで異端審問官(インクィジター)に捕まる暇もなく前線で戦い続けているらしい。とあるラットマリーンの一人と何度か交戦し顔を覚えているようだ。




今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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