「ウーーーッ!ヤラセロ!チャントシタ雌トヤラセロ!オカシクナリソウダッ!」
―落ち着いてくださいマスターチューリ―
ムスが率いるスケイヴン達が
「グルル……オッパイガ大キイ雌ガイイ!」
―マスターチューリは雌の方々と交尾する権限を持っているではないですか。おっぱいもアソコも大きい方ですよ?―
「イヤッ、聞イテ欲シイノダ。アンナ孕ミ袋デハナク、私ハチャントシタ雌トヤリタイノダヨ!」
―それは難しいかと―
そんな巨大研究所ではスケイヴンの研究者の一人が奇声を上げつつ悶絶しており、彼の被造物であるAIが落ち着くよう宥めていた。
「オイ、マタアイツ発作ヲ起コシテルゾ」
「ホットケ、アイツノ奇行ハ何時モノ事ダ。才能ハアルシ成果モ出シテルカラ上司達モ奴ヲ生カシテイルノダロウナ」
チューリと呼ばれるスケイヴンの研究者とAIの問答は周囲にいる同僚達にも聞こえていたがいつもの事だと無視されていた。彼はスケイヴンとしてはかなりの変わり者だったが、研究者としては非常に有能であった。幾つもの成果を上げており処分するより生かしておく方がいいと上層部から判断されていたのだ。
「タカガ雌ノ為ニギャーギャー騒グトハ。相変ワラズ変ナ奴ダ」
「アア、雌ナンテドレモ一緒ナノニナ」
チューリの言動を聞いていた同僚達は首を傾げていた。スケイヴンの雌は一言で言えば「子供を産む機械」であり、知能が極端に低くひたすら子供を産み続けるだけの存在であった。殆どのスケイヴンにとってそれは当たり前の事であり特に気にする事ではないのだが、極一部のチューリのような変わり者からは不満があった。
「マア、俺達ニハ関係ナイカ。アイツニ難シクテ面倒ナ研究ヲ押シ付ケヨウ」
「ソウダナ、ソシテ成果ハ俺達ガイタダクゾ」
同僚達はチューリを心配する事はなく仕事を押し付け成果を横取りする事しか考えていなかったが、スケイヴンとしては非常にありふれた光景である。
その後仕事を押し付けられたチューリはあっさりと研究を完了させ同僚達に成果を渡すと、気難しい表情を浮かべて自分のラボに戻るのであった。
―お疲れ様でしたマスターチューリ。マスターの手腕は素晴らしいものですね―
「フン、アレクライ余裕ダトモ。同僚ノ馬鹿共ト違ッテ私ハ天才ダカラナ!……ウーム、理想ノ雌ハ何処ニイルノダロウナ?」
部屋に戻ったチューリは一息つきつつも自分が追い求める理想の雌について考えていた。
―そもそもマスターが仰る「ちゃんとした雌」とはどういう定義なのでしょうか?―
「フム、ソレハダナ、私ノ冴エ渡ル知性ニ相応シイ理性的ナ雌ガ欲シイノダヨ。別ニ難シイ話デハナイト思ウガ」
―残念ですがそれは非常に難しいと思われます―
「エエイ、ソンナ事ハワカッテイル!」
AIの言う通りただ子供を産む事しか求められていない雌のスケイヴンに理性を求めるなど無理難題であり、他のスケイヴン達が聞けば鼻で笑うのは確実であった。
「イヤ待テヨ?……ソウダ、自分ノ手デ理想ノ雌ヲ造リ出セバイイデハナイカ!」
―チューリ様ご自身でですか?―
何やら思いついたチューリの言葉にAIは驚きつつもチューリの話を聞く。
「アアソウダ!理想ノ雌ガ存在シナイノナラ自分デ造ルノダ!私トシタ事ガコンナ簡単ナ事ガワカラナイトハ情ケナイ!」
―お気持ちはわかりますがそろそろお休みになられたほうが。明日の仕事に差し支えるかと―
「ウルサイ!今イイトコロナノダ!」
設計図を書き始めたチューリは心配するAIを無視しつつ興奮した様子で作業に没頭するのであった。
「ヨシッ、デハオッパイトアソコノ大キイノハ当然トシテ」
―そこは絶対に譲らないのですね―
「当タリ前ダロウガ!タダノ孕ミ袋デハナク二足歩行デ私ノ護衛シテクレル強イ雌ニスルゾ!」
「ヨシヨシ、遺伝子改造ハ上手クイッタヨウダ」
―マスター達の平均的な体格より二回りは大きいですね―
「大キイ事ハイイ事ダ!乳モ尻モ大キクテ素晴ラシイ!バランスガ崩レナイ限界マデ盛ルゾ!」
―少し盛り過ぎなような気もしますが……マスターが楽しそうにされてますからよしとしましょう。私はマスターチューリのフォローに回ります―
「ウム、任セタゾ!」
「頭脳面ハ……別ニコノママデモイイカ」
―よろしいのですか?―
「アア、下手ニ知恵ヲ付ケタラ制御ガ難シクナルシ信用デキン」
―ですがマスターが求めておられるのは理性的な雌のはずでは?―
「ククク、心配スルナ。ソレヲ解決スル手段ハアル……オ前モ自分ノ身体ガ欲シクナイカ?」
「……あ、ああ、あー」
「フム、人格ヲ移植シタ人工脳ハ問題ナク動作シテイルナ。オイコンピューター、調子ハドウダ?」
「うあ、ああ」
「アアソウカ、身体ノ動カシ方ガワカラナイノカ。マアジックリ慣ラセバイイダロウ」
「ヨーシヨシ!オ前モ今ノ身体ガ馴染ンダヨウダナ!」
「お手数をおかけして申し訳ございません」
「別ニ構ワン、私ノ理想ノ雌ヲ造ル為ナラ何デモスルゾ!」
「本当に何でもするとは驚きましたよ……マスター、上層部から呼び出しです。これは、ムス様がおいでになられたようです」
「エッ?」
「……なるほど、話はわかった。噂を聞いて尋ねてみれば随分と物好きがいたようだな」
「モ、申シ訳ゴザイマセン!コノ屑ガ勝手ニヤッテイタ事デシテ!私ハ被害者ナノデス!」
「落ち着け、貴様が謝らなくていい。私は怒っていないのだから」
目の前でいけ好かない上司が必死に頭を下げるのを見つつチューリはどうしてこうなったと困惑していた。スケイヴン達の指導者であるムスが研究所を視察しチューリを呼び出した理由がわからず動揺する。
「チューリと言ったか、貴様も落ち着くといい。貴様が研究している物に興味があるのだが見せてくれないか?」
「ハッ、ハイ!ヨロコンデ!オイッ、私ノコンピューター!」
ムスに言われてチューリは慌てて自分の研究成果を呼び出す。
「ほう、お前がそうか。名前は?」
「名前はございません偉大なる預言者ムス様、私はマスターチューリの下僕であるAIです」
「AIが?AIが制御してるのか。しかし受け答えがしっかりしているな、ラットダーより流暢に話せるようだ」
「エエ!ソノ通リデストモ!私ノ最高傑作デ理想ノ雌トモナレバ、ラットダーナンゾヨリモ遥カニ高性能ナノデス!」
「う、うむ。そうか」
目を輝かせて熱弁するチューリにムスは少々困惑しつつも、チューリの研究成果である人造雌スケイヴンを見て感心していた。
「そうだな、性能について見せてくれるか?」
「ハイヨロコンデー!」
「かしこまりました」
興味が湧いたムスは人造雌スケイヴンの性能を確認したくなりテストを命じる。
「……本当ニ雌ヲ造ッタノカ。アイツイカレテルヨ」
「アア、ソウダナ。俺達ニ迷惑ヲ掛ケヤガッテ。デモイイ尻ダッタナァ」
同僚達はチューリの性癖に引きつつも人造雌スケイヴンについて中々悪くないと会話するのであった。
「人工脳は有機素材で構成されているのか。しかしAIの人格の移植とは驚いたな」
「ハイ、信用デキナイ同族ヨリコンピューターノ方ガ安心デキマスノデ!」
「ああ、うむ、そうか。とりあえず問題はないのか?」
「問題ございません。マスターチューリの腕前は超一流ですので」
「しゃあっ!」
「グガッ!?」
「すごいな、ラットオゴウルより力が上か。それに細かい動きを行う事でラットオゴウルの攻撃を軽々と避けている」
「遺伝子ヲ強化シ強靭ナ肉体ヲ造ッタ上デサイボーグ化サセマシタ!私ノ雌ニ比ベタララットオゴウル等カスデアリマス!」
「言うだけの事はあるようだな。最新型のラットダー並かもしれん」
「しかし乳を盛る必要はあったのか?尻については筋力を増やす為だと理解できるが乳は別に要らんだろう」
「デ、デスガ私ノ考エル理想ノ雌ハ理性的デ身体ガデカクテ乳モ尻モ大キイ雌デアリマス!」
「……欲望に正直な奴だなぁ」
「申し訳ございません偉大なる預言者ムス様」
「貴様が謝る必要はないぞAI。名前がないのも不便だから、これから貴様はチューリスと名乗れ」
「一介のAIに過ぎない私が名前を……!?光栄です」
「よくやったチューリ。貴様の研究成果はラットオゴウルの改良に役立つであろう」
その後人造雌スケイヴンの性能を一通り確認したムスはこの研究成果はラットオゴウルの改良に役立つと確信し上機嫌な様子を見せていた。
「研究データは保存済みか。成果を独り占めしようとしないのは素晴らしい事だ……では主任、この研究データを使ってラットオゴウルの改良を行え」
「カシコマリマシタ!」
「とりあえず乳は削って、生殖機能はオミットしろ。兵器に生殖機能等必要ないのだからな」
「ワカッテオリマス!」
ムスと上司が会話しているのを聞いたチューリはとりあえず命が助かった事を悟りホッとするも、どうしても確認しておきたい事があった。
「ア、アノォ。私ノコンピューター、イヤ、チューリスハドウナルノデショウカ?」
「貴様が造ったプロトタイプは貴様の物だ。好きにすればいい。貴様はこれからも我々スケイヴンの為に貢献するのだぞ、いいな?」
「ハ、ハイッ!」
ムスが去って行くのを確認したチューリは一息つく。
「おめでとうございますマスターチューリ」
「オオ、チューリス!オ前ガ有能ダッタオカゲデ命ハ助カッタヨウダ!ヨクヤッタ、サスガ私ノ理想ノ雌ダナ!……………ヨシ、ヤラセロ!早クヤラセロ!」
「落ち着いてくださいマスターチューリ。部屋に戻ってから始めましょう。大丈夫です、私はマスターの物ですから」
「……という事があったのですよ」
「エエ話ヤンケ、感動的ヤンケ」
その後200年が経過した。護衛のラットダーに昔話をするチューリスはどこか懐かしむ様子で話をしており、ラットダーを感動させていた。ちなみにチューリは昇進し研究所の主任の一人になっており、チューリスは彼をずっと支え続けていた。
「随分遠くまで来たものです。マスターを暗殺の危機から何度も救いましたし、私の身体もマスターによってかなり改造されました」
「大事ニサレテテ羨マシイヤンケ。ソレトソノプラズマブレードメッチャカッコイイヤンケ。ワシモ欲シイヤンケ」
「ダメですよ、これはマスターからのプレゼントですから」
羨ましがるラットダーに苦笑しつつチューリスは今後もマスターであるチューリを支え続けようと決意するのであった。
「オイッ!チューリス、何ヲ呑気ニオ喋リシテイルノダ!貴様ハ私ノ護衛ダロウガ!早ク来イ!」
「はいマスター」
<人物紹介>
●チューリ
→研究者として天才だがスケイヴンから見れば変わり者で異常性愛鼠であり、理想の雌を追い求め自分で造り出した変態である。一般的なスケイヴン達からは「お前精神状態おかしいよ……」と引かれているが極一部からは英雄を超えた英雄として称えられており、200年後はサイボーグ化し主任に昇進している。
チューリスの事は非常に気に入っており愛着のような感情を抱いているがスケイヴンとしてはかなり珍しいことである。ちなみに理想の雌を造ったが子供についてはどうでもいいし、自分で世話するつもりは一切ない模様。
●AI(チューリス)
→チューリが造った人工知能で、チューリの事を公私共に支える被造物の鑑である。今の人造雌スケイヴンの身体は何だかんだ気に入っている。待遇はかなりよく他のAIやラットダー達から羨ましがられる事が多いようだ。
ちなみにスケイヴン達が造ったAI達がやたら真面目なのは、同族を信用できないムスやスケイヴンの指導者達が自分に絶対服従する存在を欲していたからである。
●転生者(ムス)
→チューリの情熱に引きつつも研究成果に満足する。雌については子供を産む事しか求めておらず、別に今のままでいいだろと考えている。
●人造雌スケイヴン
→理想の雌を求めてチューリが造った。色々と盛られた結果並のスケイヴンより遥かに体格が大きくスペースマリーン並。天才の情熱が注ぎ込まれ優秀な性能を持ちラットオゴウルの素体に使えると判断された。見た目は目隠れムチムチ複乳の鼠版バー〇スト。
改造すればラットダー以上の性能が出せるが、ラットダーの数倍以上の生産・運用コストが掛るため軍の高級将校や指導者達の護衛兼愛人として運用される事になった。生殖機能はオリジナルの雌に比べると生産能力が大きく劣る為兵器には不要だとオミットされたが、後から取り付ける者が後を絶たない模様。スケイヴンの支配階層では人造雌スケイヴンの改造具合を自慢するのが一種のステータスになっているとか。
スケイヴンタイドを購入しスケイヴンにハマった結果勢いで書きました。WARHAMMERの二次は二回目でが、今度は最後までプロットが出来てますので何とか完結させたいと思います。参考資料はコアブック(AOS&40K)とコデックスとバトルトームです。ネタバレですが「俺達の戦いはこれからだ!」エンドになります。
更新はゆっくりとしたものになります。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。